クリントン包囲網!?(From SAPIO 2009.3.25)

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「誰も金融パニック渦中の「心理経済学」をわかってない」
大前研一

 不況時と好況時では感覚が違うだろう。それは、全体でもそうであるが、個人を見てもあてはまる。
 「1人1万円ずつ配った場合、消費マインドが浮ついている時(バブル時)は7500円使うが、凍てついている時(現在)は3500円しか使わないことが過去の経験からわかっている。あとの6500円は貯蓄や借金の返済などに回ってしまう」そうである。
 状況に対応して、使い方も違い、安心ラインに入らなければ保守的になってしまうものである。

 そんな変化をさらに大きな視点で見た場合、こんなこともいえる。
 「ケインズ経済学以降のマクロ経済理論はすべて「平時の経済理論」である。パニックに対応できる「有事(緊急時、非常時)の経済理論」は存在しない」。
 これまでの経済理論は、基本に平時ということがあてはまったいたのかもしれない。それが、緊急時や非常時といった場合には当てはまらないのはそれに適していないためで、緊急時や非常時の理論も考える必要があるのかもしれないということである。

「知ったかぶりケインジアン オバマミクスが引き起こす「第4の危機」」
小幡績

 経済状況はまだまだよくならないかもしれない。
 「今回も底を打つまでにはまだまだ時間がかかり、今は坂道の半分も転げ落ちていない段階」だという。「今回は世界同時不況なので外需に期待はできないし、仮に外需が起っても、アメリカには輸出するものがあまりない」というのである。
 要するに、まだまだ、下降は続くということか。来年(2010年)までが我慢との分析もあるが、果たして2010年までに上昇に転じるのだろうか。

「早くも始まったホワイトハウス「お家騒動」 「ヒラリー潰し」の陰湿なる内幕」

 「クリントンに対抗する「大物ライバル」たちが、次々と外交政策の要職に任命された」という。「外交政策において、あれだけ大きな政治的名声を誇り、その国務長官就任が注目されたクリントンの力が弱まりつつある」というのである。
 クリントンの暴走を抑えるためなのか。バランスの問題なのか。

 まずは、「国家安全保障会議のリーダーであるジェームズ・ジョーンズ国家安全保障補佐官」があげられる。

「ジョーンズは、NATO軍最高司令官を経験した大物であり、前政権から留任したロバート・ゲーツ国防長官とも近い」という。
 「ジョーンズがリードする国家安全保障会議は、国家安全保障と外交政策に関する重要なフォーラムで、大統領が議長を務め、大統領に助言することを目的としている。オバマ大統領がジョーンズ補佐官の下で、国家安全保障会議の力を歴代大統領よりも拡大する意向のため、クリントン長官の外交政策面での力が弱まる」のではということである。
 しかも、あるインタビューで「国家安全保障問題に関して、オバマ大統領に最終的なアクセスをする立場にあるのは自分であり、大統領もそれを認めている、ということだ。つまり、自分を通さずにオバマ大統領に話すことは許されないとクギを刺している」のである。
 「そうなると、クリントン国務長官は、大統領に進言したり、意見を述べたり、意思決定を仰ぐ際にはジョーンズを通さなければならなくなる」。
 こういったことからも、今後「クリントンとジョーンズの激しい権力闘争が巻き起こることは間違いない。しかも、2012年の大統領出馬を視野に入れているクリントンにとっては、負けられない闘争」であるだろう。
 政権内での権力闘争の致命的なところになりかねない。ややこしいことになりそうである。

 次に「中東特使に任命されたジョージ・ミッチェル元民主党院内総務と、パキスタンとアフガニスタンを管轄する西南アジア特使に任命されたリチャード・ホルブルック元国連大使」があげられる。
 「ミッチェルは、北アイルランド紛争を仲介し、解決したこと。クリントン元大統領時代に中東和平交渉にも携わった。アメリカ大リーグのステロイド問題での調査委員長」でもあった。そのミッチェルは「イスラエル・パレスチナ問題の特使として任命された」。「仮に和平交渉が進展があれば、クリントンの手柄にならず、ミッチェルとオバマ大統領の得点になる」。
 「ホルブルックはクリントン政権下で、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争解決のため大活躍。昨年の大統領選中は、クリントンの外交アドバイザー」を務めている。ホルブルックは「パキスタン・アフガニスタン問題の特使」になった。
 クリントンには不都合な状態になりそうである。

 さらに、「ジョセフ・バイデン副大統領も外国分野のライバル」になりそうである。「バイデンは上院外交委員長を長年務めた外交の専門家」である。「クリントンの弱点としては、過去に女性で国務長官を務めたマドレーヌ・アルブライトやコンドリーザ・ライスのように、外交の専門家ではないこと」である。
 「ティモシー・ガイトナー財務長官」は「クリントンの足を引っ張ると見られている」。「経済と金融の危機が世界を混乱に陥れている今、外交政策において国際経済と国際金融を無視しては有効な手段を打てない」という。
 クリントン包囲網ができつつあるみたいだが、これでは世界的な危機を乗り切れるのだろうか。

 追い討ちをかけるみたいになってしまうが、「ポールソン前財務長官は中国政府に強い態度を取ってきたが、ガイトナー新財務長官は、さらに厳しい姿勢を示している」。
 「クリントン国務長官のアジア歴訪に先立ち、ガイトナーは1月22日、中国政府に対し、「為替操作」という踏み込んだ表現で人民元の為替レート操作に対して強力な警告を行なった」。
 これはクリントンにとって、やりにくい状況であるだろう。

世界を読むための情報羅針盤 第93回 佐藤優
「麻生・小泉「訪露」に隠された北方領土”放棄”の売国密約」

 日本とロシアの間で北方領土問題という、しこりが残っている。現在の状況がわかっている人はどのくらいいるのだろうか。
 「現状において、ロシアは歯舞群島、色丹島の2島を日本に返還するという合意をしていない。従って、向こう(ロシア)が主張しているのは0島である」という。

 「「日本は北方4島の返還という要求を取り下げる」という点で、麻生首相と小泉元首相が同時期に出したシナリオは一致している」という。
 最悪、0島という傾いていく可能性が大きくなってしまうのだろうか。

日本人のホコロビ 第9回 深川峻太郎
「余計なお世話、と言えなくもない」

 モンスター・ペアレンツが話題になった。その影響は実に大きいものである。
 「小学生の子供にピアノの英才教育を施している親の中には、「手を怪我したら困る」と体育の授業をサボらせる者もいるらしい」。他にも「「火傷が怖い」と、家庭科の調理実習でガスコンロを使うことに難色を示す親もいる」という。
 「怪我や火傷は、何度か痛い目に遭わないと、それを避ける術も身につかない」。
 失敗や危険ということに対して、わからなくなってしまうことから、何が危険かという感覚がなくなってしまう。深刻な危険には当然遭わないようにすべきではあるが。

 さらに、こんな事例もある。
 「鳥取県の公立小学校では20年ほど前から学級委員長を選んでいなかったという」。その理由として、「他の子供を差別することになる」からだという。
 これは、差別なのだろうか。差別とは違うのではないだろうか。適材適所、決められることや意志を学ぶ機会を取り上げているような気がするのだが。

 何が「大切か」、重要な点が抜け落ちているようである。
 「被害者は気の毒だが、そうやって日本人が「ウカツ化」したから、振り込め詐欺やウィニーによる極秘資料の流出なども後を絶たないのではないか」という指摘は一理あるだろう。
 確かに、危険に対して、予防(?)するのはそうだが、その予防が決められた・取られた背景には理由があるのだろうが、これをやりすぎれば、危機に対して麻痺してしまう。

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