世界的に高齢化しつつある?

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 2010年時点で、日本の人口の平均年齢は44.7歳。40年後には55.1歳にまで上がるという。さらに、人口は1億2,700万人から1億200万人に減り、今世紀末には6,700万人まで減少するという。
 65歳以上が全人口に占める割合が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」というそうだ。高齢化問題が今、世界的な問題になっているようにみえる。

 ドイツはヨーロッパの中で最も平均年齢が高く、44.3歳(世界第2位)だが、2050年には51.7歳(世界第6位)になるとされ、出生率が1.36に落ち込んでいることが背景にあるとされる。ポーランドは平均年齢38.2歳だが、2050年には51歳(世界第7位)まで上昇するという。その背景には、失業率が高く、若者が仕事を求めて、海外に移住していることが一因とされる。
 イタリアやドイツ、日本では、65歳以上の高齢者が人口の20%を上回っており、アメリカよりもはるかに高齢化が進んでいる。主に先進国で見られる傾向で、出生率が高く、若い労働者が多い途上国は、世界で魅力的な存在になっている。
 しかし、高齢化に伴う危機は途上国にも迫っている。多くの途上国で、死亡率の低下と出生率の低下が、先進国よりもはるかに速いペースで広がり始めているという。
 フランスの合計特殊出生率(1人の女性が生涯に生む子供の数)は、1760~1910年の150年で5人から2.5人へと半減したが、中国では1972~1984年のわずか12年間で同じ変化が起きたという。中国が行ってきた一人っ子政策の影響が出ているとされ、中国の65歳以上が全人口に占める割合を見ると、2005年時点で7.6%で、2001年から既に高齢化社会に移行したとされる。
 イランでも、合計特殊出生率は1984年の7人から2006年には1.9人に減少した。

途上国の人口減少問題

 経済に関与できる15~65歳の「生産年齢人口」の割合が高い国は、経済成長の潜在力があるといえ、当面は経済の勢いは高いが、これらの途上国も高齢化問題が迫っている。つまり、人口構成の変化に対応した政策を進めていかなければならないということだ。
 ボスニア・ヘルツェゴビナの平均年齢は39.3歳(世界第28位)だが、2050年には52.2歳(世界第4位)となるそうで、紛争により多くの人々が亡くなったり、国外脱出したために若年層の人口が減少したとされる。さらに、国連の2009年の調査で、185カ国の中で、最も出生率が低い1.21だったという。
 韓国は、平均年齢は37.9歳(世界第36位)だが、2050年には53.7歳になるといい、日本に次ぐ高齢化社会となる。低い出生率などの問題が深刻になっている。
 日本は高度経済成長期に、ほぼ完全雇用を達成することで人口ボーナスを活かし、インフラなどの環境を整えた。人口ボーナスは、日本では1990年代に終わったが、中国は韓国や台湾と同様に2015年頃に終わる見込みだという。
 中国の人口ボーナスが始まったのは1965~1970年頃で、当時は社会主義国家建設の真っ只中で、非効率的な生産体制にあったため、1965~1978年の成長率はわずか3.9%だった。改造・改革政策以降、高成長を続けるが、生産年齢人口は2015年には早くも減少に転じるという。韓国や台湾の所得水準は既に先進国レベルにあるが、中国の1人当たりGDP(国内総生産)はまだ4,000ドルにも満たず、中国は開発途上国レベルで人口ボーナスが終了することになるという。

 高齢化社会から高齢社会に移行するまでに要した年数は、フランスが115年、アメリカは71年、イギリスは47年、ドイツは40年とかかった。それに対し、日本は24年と一気に短期間で、中国は24~26年、イランやチュニジアは20年、ベトナムやシリアは17年しかかからないとみられている。
 少なくとも今後数十年間は、途上国の人口に占める労働年数の成人の割合がかつてないほど高い。問題は、何世代も前から高齢化対策を考えてきた先進国と違い、途上国は準備が整っていない上、今後適切な対処を行う時間も限られているということだ。

*データ類は参考資料をもとにしています。

参考資料

・「2050年までに高齢化がもっとも進む国はどこ?」
(COURRiER Japon 2010.5/6)
・「途上国にも迫る少子高齢化の影」
(Newsweek 2009.9.16)
・「世界で初めて途上国のまま「高齢社会」に突入する超大国の「末路」」
(SAPIO 2009.6.24)

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