サイバー分野の平和な時代はいつ?

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 パソコンが開発され、インターネットの世界がつくられた。そして、現在ではパソコンは一般家庭に普及し、ネットの世界も身近な存在となり、なくてはならない存在にまでなっている。このネットの世界がどうなっていくのか、多くの人々が関心を示している。
 ネット空間の発達で新たなビジネスも生まれ、そこから新しいアクションにもつながっている。手紙はメールになり、紙からデジタルにも拡大し、情報は瞬時に伝えることが可能になった。
 しかし、良いことばかりではない。ネットによる犯罪や被害、そして、監視活動というデメリットも発生している。こうしたサイバー問題は現代社会の深刻な問題になりつつある。

 サイバー問題の一つに、ウイルスによる情報漏洩の問題がある。これまでは、不特定多数にウイルスが添付されたメールなどが送られ、パソコンがウイルス感染し、情報漏洩や(新たな)犯罪につながってしまうという問題が多かった。しかし、近年では、その手法が変わってきているという。
 その手法とは、特定の人を標的にする傾向(標的型)へと変化しているという。ネットではSNSやブログからの情報、現実世界では特定の生活情報などから、対象者の心理を分析して、つい開いてしまうような文章などで、ウイルス添付のメールを開かせるという。先の手法は長期間、そして、大量の情報を盗んでから去ることが特徴だったが、この標的型の攻撃は短期間で、目的の情報を盗めばすぐに去るという。
 手法は年々、巧妙になっていく。先の手法は対策が強化されたこともあり、そして、長期間の潜伏ということから見つけやすくなった。そうしたことから、標的型へと手法が変化していったともいえる。
 そして、今後はモバイルへのサイバー攻撃も増加していくと警戒されている。

 こうしたサイバー攻撃に対して、対策はいったいどうなっているのか。
 国も動き始めている。2014年に「サイバー防衛隊(仮称)」を発足させる予定だが、現在、求められるセキュリティー技術者は8万人も不足しているとされ、既存の人材でもスキル不足の問題があるという。サイバー問題に取り組む人員は世界的に不足しているという。つまり、急ピッチのサイバー人員の育成が課題となっている。

ルールづくりからを進める

 このようなことから、サイバー問題は国の問題にもなっており、世界中で本格的な取り組みが進められている。
 その取り組みの根幹をなすのが、サイバー分野のルールづくりだ。しかし、この根幹で大きな壁にぶち当たっている。つまり、サイバー分野は自由な領域でもあるため、最低限のルールと自由の範囲を大切にしようという側と、国の発展に即する範囲の中で(極端だが)コントロールしていく側との戦いだ。両者の立場により、ルールづくりは大きく変わってくる。
 サイバー問題は国と国との問題に発展するまでになったが、民間の人々も多くのことができるまで、サイバー分野が普及、向上するまでになっている。国が民間を利用したり、その逆もあったりして、問題が絡み合って国際的なサイバー戦争へと発展してしまっている。
 それだけ、高度なサイバー攻撃は国の治安やシステムを混乱させるぐらいの深刻な状態も可能になってしまっていることから、サイバー戦争は熾烈さを極めようとしている。
 そうした中、その状況を何とかするために、国際的なルールづくりが求められている。

 現実の戦争や紛争問題の解決は実際、簡単ではない。サイバー問題は今、そうした簡単ではない問題になりつつあり、互いにサイバー攻撃合戦が繰り広げられている状態だ。
 しかも、和解や前進しようとする場合も現実の世界と同じで、慎重な対応が必要になってくる。例えば、平時のちょっとしたサイバー攻撃が、攻撃される側がどのような・どの程度対策を取っているか、といった情報収集かもしれない。そういった疑心暗鬼の中で、ルールづくりやサイバー分野の利用を安定させ、平和を保たないといけない。

【参考資料】

・「不可視だが、確実にある脅威――サイバー攻撃をめぐる近年の動向」
(外交 Vol.19)
・「中国発サイバー攻撃とサイバーセフトにどう対処するか」
(FOREIGN AFFAIRS REPORT 2013 NO.4)
・「緩やかな規制と政府の役割」
(外交 Vol.11)
・「サイバー防衛 体制強化急ぐ 首相「自衛権発動の対象」 米との連携協議も」
(日本経済新聞 2013年10月24日(木))
「標的型サイバー攻撃 「雇い兵」 日中韓で暗躍 企業など被害 「狙い撃ち」傾向強まる」
(日経産業新聞 2013年10月4日(金))
・「サイバー防衛 人材育成 会津大、ボーイングの機材活用 模擬演習で実践教育 専門家不足が深刻 広範囲な技術・知識必須」
(日経産業新聞 2013年7月24日(水))

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