人口問題が世界を覆う

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 先進国の人口問題は深刻な状態に突入している。
 日本では、少子高齢化問題が深刻な社会問題となっており、今後の日本の行方に暗雲をもたらしている。この人口問題だが、日本だけの問題ではない。アメリカやヨーロッパ、ロシアなどの先進国でも問題となっている。
 日本は1991~93年に、アメリカは2005~08年に生産人口比率のピークを迎えた。スペインやアイルランドは2005年頃に迎えた。さらに、人口問題はアジアへも広がり、中国の生産人口比率は2014年、韓国やタイなどは2015年頃にピークに達するという。

 先進国だけではなく、アジアにも拡大する人口問題が、どういう影響をもたらすのだろうか。

 勤労世代が多い国・地域は住宅購入の需要も強く、地価などに上昇圧力がかかりやすい。つまり、不動産価格のアップにつながる。そこに過信が芽生え、過大な投融資を誘発し、バブル膨張につながった、一因ともいえる。
 逆に少子高齢化となる勤労世代が少ない場合、地価などの下落圧力をもたらす。ここにバブルが崩壊すると、経済全体の活力がそがれる中での厳しい情勢を迫られることになる。
 この勤労世代の増加・低下が経済のアップ・ダウンに大きく左右する。東アジアの奇跡と呼ばれた経済発展の多くは、人口要因が大きく関係するとまでいわれている。
 それに、自動車や家電の需要も、勤労世代が多いほど増えやすく、経済のお金のやり取りが製造業で活発になりやすい。しかし、少子高齢化はこうしたモノの消費を抑え、医療や介護、旅行といったサービスの消費を促す方向に働く。

勤労世代の厳しい環境とグローバル化でつながっている国・地域の関係

 人口問題は国や地域に大きな影響を持つ。勤労世代が非勤労世代を抱えていくということが、今後は今より少人数の勤労世代で非勤労世代を支えていかなければならないという厳しい状況になっていく。
 これに何も対策を取らなければ、勤労世代の負担が増加し、深刻になればパンクし倒れてしまうだろう。そうなれば、社会崩壊につながり、国の崩壊へと進んでしまう。

 さらに、現在はグローバル化が進み、国と国、地域と地域が結びついている。そのため、一方の国で問題が発生すれば、もう一方もその影響を受ける。
 昨今、欧米で金融危機が発生し、世界に大きな影響を与え、欧米は経済的に厳しい状況になった。現在も金融危機の厳しい状況は続いているが、欧米が踏ん張れている背景の一つに、アジア、特に中国の経済の活況があったことが挙げられる。つまり、欧米のマイナスをアジアが支えたということだ。
 しかし、ここにきて、勢いのあるアジア、特に中国の経済が失速気味になっている。その中国も人口問題を抱えているため、この問題が経済などにも影響していくだろう。そうなれば再び、金融危機につながるかもしれない。欧米の厳しい状況をフォローしていたアジアがピンチになれば、どこがフォロー役になるのだろうか。
 今後の展開は政治や軍事など国際情勢だけではなく、こうした人口問題についても注視する必要がある。

【参考資料】

・「けいざい解読 アジアに迫る高齢化ドミノ 株・地価の下落圧力に」
小竹 洋之(編集委員)(日本経済新聞 2012年10月28日(日))

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