中東の危機 イランの核問題(1)

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 中東問題が緊張している。イランの核開発問題が深刻になっており、欧米はイランに経済制裁を実施。一方のイランは原油輸出を止める措置に動き出し、ホルムズ海峡を封鎖すると脅しをかけ、中東情勢は緊張状態に陥っている。
 イランはこれまで核開発の道を歩んでおり、核の抑止力を手に入れようとする動きが強いと見られる。イランはあくまでも原子力を平和的に活用すると主張しているが。問題はイランが核を持つことになれば、中東地域の核の連鎖が起こる可能性が高くなるということだ。ただでさえ、不安定な中東がますます不安定になるため、問題は深刻だ。

 イランが核開発をやめる可能性は低いと見られる。イランの周辺国には敵対関係にあるサウジアラビア(スンニ派が多い)やイスラエルなどといった国がある。イランはこれまでも、周辺国との関係に緊張を強いられてきた。隣国イラクとの関係もこれまで悪かった。しかし、フセイン政権が崩壊後、イラクに影響を与える存在になり、アフガニスタンにもその影響力を広げている。中東の中でもイランの存在感が高まっており、イスラエルやサウジアラビアといった国との対立も強くなっている。
 さらに、そのイランが核を持つとなれば、サウジアラビアなどが核を持つ方向に踏み出しやすくなり、それは周辺国に核の連鎖が起こりやすくなる。核の抑止力の効果はそれだけ魅力的なものにうつっている。

攻撃することの条件とは

 そうしたことで今後、イランは核開発をやめる可能性が低いことから、このまま放置すればイランは核を持つことになり、これまでより不安定になっていく。そこで「今、イランの核施設を攻撃するべきだ」という声が強くなっている。
 イランが核を持つことになれば、様々な問題に影響を及ぼしてくる。まずは中東情勢のバランスが崩れることだ。イランの存在感が高くなり、イラン主導の展開になっていく。これまでも不安定であったが、さらに不安定になり、欧米の介入は難しくなる。つまり、不安定な情勢を改善させるのが、さらに難しくなるということだ。それは中東地域への介入にかかるコストとリスクも大きくなるわけだ。
 そこでイランの核施設を今、攻撃することで、核問題は完全ではないものの停滞、もしくは後退させ、再び問題が起こるまでに対策を練ることができる。もしかすると、イランと周辺国は核開発のリスクを考え、核開発をやめる可能性もあるかもしれない。
 ただし、そこには条件が出てくる。攻撃はあくまでも核施設だけに留まり、攻撃は確実に成功させ、イランからの反撃・報復はある程度までは冷静に受け止めることだという。つまり、あくまでも核開発が問題であるということで、体制転覆を狙っていないということを明確にすることだ。
 全面戦争にはならないようにするためには、上記の条件を満たすことが重要になってくる。攻撃を受けることで、反発や報復はある程度起こすことになるだろうが、自国の体制が崩壊するほどの戦争を起こす可能性は低いと見られる。欧米と全面戦争になれば、勝利する可能性は低いのが現実だろう。つまり、イランが自国の体制を崩壊させるまでに、戦争を起こそうとは思わないのではないかということだ。

 今、イランの核施設を攻撃すべきか。攻撃をすべきだとする声の内容は、このような背景から主張されている。

(続く)

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