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環境問題はたえず進んでいる(1)

 環境問題は日々、話題の上がる一方だ。
 これまで私たちは、地球という土台を引っ掻き回してきた。資源を使い、科学技術を発達させ、多くの恩恵を受けてきたわけだ。
 しかし、資源が変化をすれば、自然も大きく影響され、環境は変化する。
 その変化の影響のせいか、地球温暖化が叫ばれるようになった。

 地球温暖化を食い止めるために、二酸化炭素(CO2)の削減を掲げる国々が増えている。
 果たして、地球温暖化は食い止められるのか。

「CO2排出戦争が始まった」
シュテファン・タイル(ベルリン支局/Newsweek 2009.7.15)

 アメリカが環境問題に本格的に動き出したか。
 「バラク・オバマ米大統領は温室効果ガスの排出削減に関してリーダーシップを取ると宣言」した。「6月26日には、包括的な地球温暖化対策をうたった『米クリーンエネルギー・安全保障案』が米議会下院で可決」した。

 「6月にドイツのボンで開かれた温暖化対策の枠組みに関する国連作業部会」では、「20年までに温室効果ガスを90年のレベルから25~40%削減するという目標に関して意見がまとまらないまま、閉幕」。
 「この数値目標は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の科学者が地球の平均気温の上昇を2度までに抑えるために必要な数値として算出したもの」だという。
 しかし、「全ての問題について意見がばらばらだという」。
 「交渉のテーブルに載せられた各国の提案は、どれもこの数値から程遠い」。「京都議定書から離脱したアメリカは、20年までに05年比で14%削減という目標を打ち出している」。「だがそれは、排出削減量の基準に用いられることが多い90年レベルに戻すだけのこと」だ。
 「麻生太郎首相は6月10日、日本の温室効果ガス削減の中期目標として20年までに90年比で8%の削減を目指すと発表した」。「だがこの数字は、京都議定書での削減義務に比べて2ポイントしか増えていない」という。
 つまり、各国の提案は、基準にマッチしていないということだ。
 「EU(欧州連合)が提案する90年比20%削減さえ、国連が掲げる目標には届かない」という。「最もEUは他の国が相応の削減に同意すれば30%削減に変更する構え」だ。
 「中国は07年にアメリカを抜いて世界最大の排出国になったが、削減を完全に拒否し、先進国に排出量40%の削減を求めている」。さらに、「先進国が途上国の排出量削減のためにGDP(国内総生産)の1%を拠出することも要求」。
 「先進国の政府は、自国の企業が厳しい排出規制に従うことで製造コストの上昇に直面する一方、排出削減義務のない中国のライバル企業が勢いづくことを懸念している」。
 これは、途上国が消極的な態度のもう一つのデメリットだ。

 「アメリカでは、エネルギー集約型産業や労働組合、斜陽の鉄鋼業地帯の利益を代表する議員が特別な保護を要求」。「オバマと米議会が構想している排出権取引制度が導入されれば、二酸化炭素(CO2)の排出量が多い企業は排出権の購入が義務付けられる」。
 「アメリカが考えている温暖化防止の枠組み」は、「鉄鋼、アルミニウム、セメントのような国内のエネルギー集約型産業には大きな排出枠を与え、事実上、適用除外という格好になるだろう」。
 「アメリカでの温暖化問題の議論では、雇用と競争力に関する不安の比重が高まっており、今後も産業保護を求める声は減らない」。「ヨーロッパの政治家は、中国とアメリカが温暖化ガスの排出削減に同意しなければ、貿易制裁を科すべきだと考えている」という。

 「先進国が今まで温室効果ガスを排出し続けてきたのは確かだ」。「しかし途上国の産業化が急速に進んだ今、途上国が温暖化防止に消極的なままでは世界全体での排出量は減らせない」。
 「最も埋め難い溝は先進国と途上国の間」は、「97年に採択された京都議定書では、貧しい国は規制から除外されていた」。「だがその後10年の急速な工業化によって、中国や他の新興国の排出量増加を大幅に抑制しない限り、地球規模の排出削減はおぼつかないことが明らかになった」。
 「途上国にすれば、先進国に追い付き、貧困から抜け出すには経済を成長させ続けるしかない」。
 要するに環境対策に途上国をうまく取り組む案が必要である。

 しかし、「中国の交渉担当者は、中国の国民1人当たりの排出量は先進国に比べてごく僅かだと主張」。
 さらに「新興国の大半は削減目標の設定を拒否」し、「排出量の増加ペースを落とすことにも消極的だ」。

 「中国は表向きは排出削減を突っぱねているが、最近は環境問題を真剣に考えるようになっている」。
 「06年に新築建造物に対するエネルギー効率規制を導入」し、「省エネ効果の高い断熱資材、冷暖房や照明設備の使用などを義務付けている」。「07年には遼寧省や吉林省など大気汚染が深刻な都市での火力発電所の新設を禁止した」。「財政省は現在、環境税の導入を検討している」という。
 「中国はG20(金融危機を機に集まった20ヵ国・地域の首脳会議)のメンバーとして、ようやく国際舞台で建設的かつ責任ある役割を果たす第1歩を踏み出したところだ」。「4月にはIMF(国際通貨基金)の融資機能を強化するため400億ドルの拠出を約束」。「ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国にも成長維持のための融資を申し出た」。
 中国が環境問題に取り組み始めたわけで、良い兆候だろう。

 「欧米の専門家らは、中国で最悪の汚染源は国内向け製品の工場であることが多く、輸出品はむしろ近代的で効率化された工場で製造されているケースが多いと指摘する」。
 「自動車と家電のエネルギー効率では、中国は既にアメリカを追い抜いている」。「中国の車の燃費基準は1リットル当たり15キロだが、アメリカでは12キロだ」。
 問題は中国国内ということだ。

 「アメリカが輸入する『炭素集約型』製品で最大の割合を占めるのは中国製ではなくヨーロッパ製だ」。「環境規制が競争力に与える影響がそれほど大きくないことも、多くの研究で明らかにされている」。
 「EUは05年に、政府がCO2などの排出枠を企業に設定する『キャップ・アンド・トレード方式』による排出権取引システムを導入した」。「だが国際エネルギー機関(IEA)によれば、域内の重工業の競争力に影響は出ていない」。
 「09年5月のピュー気候変動センター(ワシントン)の試算によれば、12年までに1トンのCO2ごとに15ドルの負担を強いられることになっても、脅威にさらされる製造業の雇用は最大0.2%だ」。「企業が進出先を決定する際、環境規制はほとんど、あるいはまったく考慮されないとの調査結果もある」。「最も重視されるのは市場へのアクセスで、その次は人件費だ」。
 「ドイツの化学産業のように、環境規制をクリアするための効率化が、競争力の強化につながったケースもある」。

 「温暖化防止をめぐる対立を解消する方法」として、「富裕国が途上国の排出削減を支援すること」があげられる。「中国は先進国がGDPの1%を貧困国に提供することや、環境関連の技術移転を求めている」。
 「だがGDPの1%というのは、OECD(経済協力開発機構)加盟国で考えると約4000億ドルに上る」。
 「より実現性が高いのは、国際的な排出権取引システムを通じてコストを民間に移転する方法」。「例えば先進国の企業が排出枠を守れなかった場合、排出枠を下回った中国などから超過分を購入しなければならない」。
 「既にEUは域外との排出権取引を認めている」。「年間の市場規模が約1億トンとされる世界のCO2排出権取引市場で、約3分の2の排出権は中国企業から供給されている」という。

 「EUは90年に比べてCO2の排出量が9%減ったことが自慢だが、欧州環境庁が5月に発表した報告書によると、削減分の半分は汚染物質をまき散らしていた旧共産圏の工場が89年以降、相次いで閉鎖されたことが直接の原因だ」。
 「ヨーロッパが05年に導入したCO2排出権取引システムが、排出削減にどれほど貢献したかも不透明だ」。
 「例えば排出量を22%削減したドイツ」。「大きく貢献したのは建設業界だが、これは厳しい規制やエネルギー価格の高騰などのせいで老朽化した建物の省エネ化を図る改築ブームが起きたためだ」。
 ヨーロッパの削減対策の実績はこれからが見極めどころか。

 今「欠けているのはリーダーシップだ」。「重要なカギの1つは、排出削減を途上国にとって魅力的なものにするために、先進国がどの程度コストを負担する気があるのかをはっきり示すこと」だろう。
 「12月には、12年に失効する京都議定書に代わる温室効果ガス排出削減枠組みの合意を目指し、約200ヵ国の代表がデンマークのコペンハーゲンで気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)を行」われたが、結果はご存じだろう。
 しかし、まだ間に合うかもしれない。すぐに行動を起こせば。

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日本の行方(中)

 失われた10年と語られる混乱する日本は、まだ抜け出せていない状態だろう。
 その日本の現状はどうなっているのだろうか。

 金融危機の影響により、日本の現状は混乱を続けている。

 迷い続けている日本を見つめる。

「「生活保護の年収300万円」は果たして「弱者に厳しい国」だろうか」
本誌編集部(SAPIO 2009.7.8)

 「日本の貧困を示す指標としてよく使われる『経済協力開発機構(OECD)に加盟する国のなかで比較すると、日本の相対貧困率は世界2位』」という。
 この結果だけみると、非常に深刻である。

 この報告書で貧困層が増えたというのはおかしいのではという。。「年収の中央値(データを小さい順に並べたとき、中央に位置する値)を基準に貧困層を判断するこの方法では、所得格差が小さい日本のような国では、どうしても貧困率が高くなってしまうから」だ。
 「最も貧しい下位10%に分類される人々の年間所得を平均した統計(人口5000万人以上の国家に限ったデータ)によると、日本の貧困層の年収は1万2894ドル」。「ルクセンブルク、ノルウェーに告ぐ世界3位の豊かさ」だという。
 データが違えば、こんな逆の結果になってしまう。

 「日本は格差拡大どころか、極貧層を人口の4~5%まで絞り込むことに成功している唯一の先進国」だという。
 しかし、現実に貧困者もいるのだが。
 「医療など福祉レベルでも、日本は高いレベルを維持している」。
 「OECDが発表した『Health Data 2007』によれば、日本の国内総生産(GDP)に占める保健医療支出は8.0%と、先進国30ヵ国中では22位の低さだ」。「WHOの統計によれば、日本人の健康達成度は世界一にランキングされている」。「『少ない医療費で健康を維持できる社会』を支えているのが、日本の医療保険制度」である。
 これは、世界の中ではすごいということか。日本では大問題のことなのだが、これは井戸の中の蛙か。
 「健康・初等教育などを総合的に判断する『子どもの発達指標』(NGOセーブ・ザ・チルドレン調査07年)で日本が137ヵ国中1位になった」という」。さらに「『環境的に住みやすい国』(米リーダーズダイジェスト調査)でも12位、英国BBCの『好感度をもてる国』でも、常時ベスト3入りの日本」。2008年の「『国民の幸福度調査』(米ワールドバリューズサーベイ)では48位」だという。
 すごい結果だ。

 「日本の国民負担率(国民所得に対する租税負担と社会保障負担を合わせた国民負担の比率)は、38.9%。主要国ではアメリカに次ぐ低さ」で、「手厚い福祉政策で知られる北欧の国々の国民負担率は70%前後に達してい」る。「つまり、現在の日本は、それなりの福祉を享受しながら、負担は低くてすむという、相当に恵まれた状態」である。「ただ、その文、次世代にツケが先送りされていること」が問題である。
 つまり、日本の今の状況は結局、次世代にツケを払わせる状況であるということだ。

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ロビー活動は果たして(From SAPIO 2009.4.22)

「企業と献金とロビー・EUの場合」

 「最近までEU諸国の多くでは政治献金は自由だった」という。「フランスは1994年に企業献金を全面禁止にしたが、英国ではブレア政権が2000年に法律を制定、政党本部に対し1個人・団体あたり約70万円以上(上限なし)の献金に情報開示が義務付けられるようになるまで、質的にも量的にも一切規制はなかった」という。

 「規制が緩いわりにスキャンダルが少なかった理由」として、「制度上の違いがある」。
 「英国では政治資金制度は、選挙での支出制限が目的」で、「人物ではなく政党本位で選ぶ伝統があり、『金をかけない選挙』を実現した結果、醜聞も少なかった」という。 
 「ドイツの場合、政治献金そのものを規制しないかわりに、国庫補助(政党助成金)の配分を工夫したり、個人献金や党費に税制上の優遇措置を設けることで、結果的に巨額団体献金を抑制している。ロビー活動にしてもNGOの力が強く、全体として政治と経済のバランスがとれてきた」という。

 そんなEUも「全体で1万500人のロビイストが活躍する時代、企業の政治活動の透明化を求める声は高まっている」という。「英国も07年に労働党の巨額献金疑惑が発覚、献金の上限を定めるなど法改正に向けた試行錯誤が続いている」という。

財界「「ロビー活動は企業の権利」だからこそ献金の透明化と”表の議論”が大切だ」

 日本では政治献金が最近話題になっている。米国でも政治献金問題は度々問題になっているが、米国の仕組みはどうなっているのだろうか。
 「米国でも、企業が直接政治家に献金することは禁止されており、さらに個人献金についても200ドル以上は所属企業や団体を明らかにすることが義務付けられている」。さらに、「選挙資金であれば、候補者の事務所は、献金と経費を細かく記載したレポートを四半期ごとに連邦選挙管理委員会に提出しなければならない」。
 こういった仕組みに加えて、「これらは公開情報に指定されているので、複数のシンクタンクがサイトで誰もがアクセスできるデータベースを作っている」という。
 このように、クリーンさを確認できるような、(完璧ではないが)問題を防止するような仕組みをとっている。

 この仕組みが簡単にここまで構築されたわけではない。

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