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	<description>谷口永治がジャーナリストに挑戦。世の中のことを考える。あなたのスイッチを入れるきっかけを作ります。</description>
	<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 01:00:52 +0000</pubDate>
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		<title>環境問題はたえず進んでいる（1）</title>
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		<pubDate>Mon, 15 Mar 2010 01:00:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>谷口 永治</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[地球温暖化の影響により、環境は変化している。環境対策を追う（1）
「CO2排出戦争が始まった」「温暖化ガス　グリーン貿易戦争勃発前夜の攻防」「意外な反エコ国　カナダに批判集中」「オバマの「環境保護」政策にカナダのエネルギー界が猛反発!」]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				<p>　環境問題は日々、話題の上がる一方だ。<br />
				　これまで私たちは、地球という土台を引っ掻き回してきた。資源を使い、科学技術を発達させ、多くの恩恵を受けてきたわけだ。<br />
				　しかし、資源が変化をすれば、自然も大きく影響され、環境は変化する。<br />
				　その変化の影響のせいか、地球温暖化が叫ばれるようになった。</p>
				<p>　地球温暖化を食い止めるために、二酸化炭素（CO2）の削減を掲げる国々が増えている。<br />
				　果たして、地球温暖化は食い止められるのか。</p>
				<blockquote><p>「CO2排出戦争が始まった」<br />
				シュテファン・タイル（ベルリン支局/Newsweek 2009.7.15）</p></blockquote>
				<p>　アメリカが環境問題に本格的に動き出したか。<br />
				　「バラク・オバマ米大統領は温室効果ガスの排出削減に関してリーダーシップを取ると宣言」した。「6月26日には、包括的な地球温暖化対策をうたった『米クリーンエネルギー・安全保障案』が米議会下院で可決」した。</p>
				<p>　「6月にドイツのボンで開かれた温暖化対策の枠組みに関する国連作業部会」では、「20年までに温室効果ガスを90年のレベルから25～40％削減するという目標に関して意見がまとまらないまま、閉幕」。<br />
				　「この数値目標は、気候変動に関する政府間パネル（IPCC）の科学者が地球の平均気温の上昇を2度までに抑えるために必要な数値として算出したもの」だという。<br />
				　しかし、「全ての問題について意見がばらばらだという」。<br />
				　「交渉のテーブルに載せられた各国の提案は、どれもこの数値から程遠い」。「京都議定書から離脱したアメリカは、20年までに05年比で14％削減という目標を打ち出している」。「だがそれは、排出削減量の基準に用いられることが多い90年レベルに戻すだけのこと」だ。<br />
				　「麻生太郎首相は6月10日、日本の温室効果ガス削減の中期目標として20年までに90年比で8％の削減を目指すと発表した」。「だがこの数字は、京都議定書での削減義務に比べて2ポイントしか増えていない」という。<br />
				　つまり、各国の提案は、基準にマッチしていないということだ。<br />
				　「EU（欧州連合）が提案する90年比20％削減さえ、国連が掲げる目標には届かない」という。「最もEUは他の国が相応の削減に同意すれば30％削減に変更する構え」だ。<br />
				　「中国は07年にアメリカを抜いて世界最大の排出国になったが、削減を完全に拒否し、先進国に排出量40％の削減を求めている」。さらに、「先進国が途上国の排出量削減のためにGDP（国内総生産）の1％を拠出することも要求」。<br />
				　「先進国の政府は、自国の企業が厳しい排出規制に従うことで製造コストの上昇に直面する一方、排出削減義務のない中国のライバル企業が勢いづくことを懸念している」。<br />
				　これは、途上国が消極的な態度のもう一つのデメリットだ。</p>
				<p>　「アメリカでは、エネルギー集約型産業や労働組合、斜陽の鉄鋼業地帯の利益を代表する議員が特別な保護を要求」。「オバマと米議会が構想している排出権取引制度が導入されれば、二酸化炭素（CO2）の排出量が多い企業は排出権の購入が義務付けられる」。<br />
				　「アメリカが考えている温暖化防止の枠組み」は、「鉄鋼、アルミニウム、セメントのような国内のエネルギー集約型産業には大きな排出枠を与え、事実上、適用除外という格好になるだろう」。<br />
				　「アメリカでの温暖化問題の議論では、雇用と競争力に関する不安の比重が高まっており、今後も産業保護を求める声は減らない」。「ヨーロッパの政治家は、中国とアメリカが温暖化ガスの排出削減に同意しなければ、貿易制裁を科すべきだと考えている」という。</p>
				<p>　「先進国が今まで温室効果ガスを排出し続けてきたのは確かだ」。「しかし途上国の産業化が急速に進んだ今、途上国が温暖化防止に消極的なままでは世界全体での排出量は減らせない」。<br />
				　「最も埋め難い溝は先進国と途上国の間」は、「97年に採択された京都議定書では、貧しい国は規制から除外されていた」。「だがその後10年の急速な工業化によって、中国や他の新興国の排出量増加を大幅に抑制しない限り、地球規模の排出削減はおぼつかないことが明らかになった」。<br />
				　「途上国にすれば、先進国に追い付き、貧困から抜け出すには経済を成長させ続けるしかない」。<br />
				　要するに環境対策に途上国をうまく取り組む案が必要である。</p>
				<p>　しかし、「中国の交渉担当者は、中国の国民1人当たりの排出量は先進国に比べてごく僅かだと主張」。<br />
				　さらに「新興国の大半は削減目標の設定を拒否」し、「排出量の増加ペースを落とすことにも消極的だ」。</p>
				<p>　「中国は表向きは排出削減を突っぱねているが、最近は環境問題を真剣に考えるようになっている」。<br />
				　「06年に新築建造物に対するエネルギー効率規制を導入」し、「省エネ効果の高い断熱資材、冷暖房や照明設備の使用などを義務付けている」。「07年には遼寧省や吉林省など大気汚染が深刻な都市での火力発電所の新設を禁止した」。「財政省は現在、環境税の導入を検討している」という。<br />
				　「中国はG20（金融危機を機に集まった20ヵ国・地域の首脳会議）のメンバーとして、ようやく国際舞台で建設的かつ責任ある役割を果たす第1歩を踏み出したところだ」。「4月にはIMF（国際通貨基金）の融資機能を強化するため400億ドルの拠出を約束」。「ASEAN（東南アジア諸国連合）諸国にも成長維持のための融資を申し出た」。<br />
				　中国が環境問題に取り組み始めたわけで、良い兆候だろう。</p>
				<p>　「欧米の専門家らは、中国で最悪の汚染源は国内向け製品の工場であることが多く、輸出品はむしろ近代的で効率化された工場で製造されているケースが多いと指摘する」。<br />
				　「自動車と家電のエネルギー効率では、中国は既にアメリカを追い抜いている」。「中国の車の燃費基準は1リットル当たり15キロだが、アメリカでは12キロだ」。<br />
				　問題は中国国内ということだ。</p>
				<p>　「アメリカが輸入する『炭素集約型』製品で最大の割合を占めるのは中国製ではなくヨーロッパ製だ」。「環境規制が競争力に与える影響がそれほど大きくないことも、多くの研究で明らかにされている」。<br />
				　「EUは05年に、政府がCO2などの排出枠を企業に設定する『キャップ・アンド・トレード方式』による排出権取引システムを導入した」。「だが国際エネルギー機関（IEA）によれば、域内の重工業の競争力に影響は出ていない」。<br />
				　「09年5月のピュー気候変動センター（ワシントン）の試算によれば、12年までに1トンのCO2ごとに15ドルの負担を強いられることになっても、脅威にさらされる製造業の雇用は最大0.2%だ」。「企業が進出先を決定する際、環境規制はほとんど、あるいはまったく考慮されないとの調査結果もある」。「最も重視されるのは市場へのアクセスで、その次は人件費だ」。<br />
				　「ドイツの化学産業のように、環境規制をクリアするための効率化が、競争力の強化につながったケースもある」。</p>
				<p>　「温暖化防止をめぐる対立を解消する方法」として、「富裕国が途上国の排出削減を支援すること」があげられる。「中国は先進国がGDPの1%を貧困国に提供することや、環境関連の技術移転を求めている」。<br />
				　「だがGDPの1%というのは、OECD（経済協力開発機構）加盟国で考えると約4000億ドルに上る」。<br />
				　「より実現性が高いのは、国際的な排出権取引システムを通じてコストを民間に移転する方法」。「例えば先進国の企業が排出枠を守れなかった場合、排出枠を下回った中国などから超過分を購入しなければならない」。<br />
				　「既にEUは域外との排出権取引を認めている」。「年間の市場規模が約1億トンとされる世界のCO2排出権取引市場で、約3分の2の排出権は中国企業から供給されている」という。</p>
				<p>　「EUは90年に比べてCO2の排出量が9%減ったことが自慢だが、欧州環境庁が5月に発表した報告書によると、削減分の半分は汚染物質をまき散らしていた旧共産圏の工場が89年以降、相次いで閉鎖されたことが直接の原因だ」。<br />
				　「ヨーロッパが05年に導入したCO2排出権取引システムが、排出削減にどれほど貢献したかも不透明だ」。<br />
				　「例えば排出量を22%削減したドイツ」。「大きく貢献したのは建設業界だが、これは厳しい規制やエネルギー価格の高騰などのせいで老朽化した建物の省エネ化を図る改築ブームが起きたためだ」。<br />
				　ヨーロッパの削減対策の実績はこれからが見極めどころか。</p>
				<p>　今「欠けているのはリーダーシップだ」。「重要なカギの1つは、排出削減を途上国にとって魅力的なものにするために、先進国がどの程度コストを負担する気があるのかをはっきり示すこと」だろう。<br />
				　「12月には、12年に失効する京都議定書に代わる温室効果ガス排出削減枠組みの合意を目指し、約200ヵ国の代表がデンマークのコペンハーゲンで気候変動枠組み条約第15回締約国会議（COP15）を行」われたが、結果はご存じだろう。<br />
				　しかし、まだ間に合うかもしれない。すぐに行動を起こせば。<br />
				<span id="more-430"></span></p>
				<blockquote><p>「温暖化ガス　グリーン貿易戦争勃発前夜の攻防」<br />
				（Newsweek 2009.12.30/2010.1.6）</p></blockquote>
				<p>　「欧米諸国では今、二酸化炭素の排出量を削減しない貿易相手国に関税を課す法案が検討されている」。それにより、「『グリーン貿易戦争』が勃発するかもしれないのだ」。<br />
				　「関税の目的は、排出規制の緩い国が輸出で不公平に儲けるのを防ぐこと」である。「国ごとに規制基準が異なれれば先進国から途上国に企業が移転しかねない」。</p>
				<p>　「いずれにせよ実際に課税するとなると、物流、法律、外交の各面で大問題になるだろう」。<br />
				　「最大の問題は、炭素税が将来どのような形で課せられるのかということ」だ。「均一関税か、税金か、それとも排出枠購入の義務付けか」。「米議会の民主党重鎮が支持する法案では、早ければ20年にも、排出規制が甘いと見なされた国々に課税される」という。</p>
				<blockquote><p>「意外な反エコ国　カナダに批判集中」<br />
				（Newsweek 2009.12.16）</p></blockquote>
				<p>　2009年「11月には環境保護団体グリーンピースをはじめとするNGOのグループが、カナダの英連邦加盟資格停止を要求した」。2009年の「気候変動実績指標では59位と、最下位のサウジアラビアに次いで悪かった」。</p>
				<p>　その背景には、「二酸化炭素（CO2）を大量に排出するアルバータ州のオイルサンド（油砂）業界を筆頭に、汚染をまき散らしながら多大な利益を上げるエネルギー産業を政府が平然と支援している」という。</p>
				<p>　「3年前には京都議定書から正式に脱退」。「今や同国のCO2排出量は99年比で25％増えている」という。</p>
				<blockquote><p>「オバマの「環境保護」政策にカナダのエネルギー界が猛反発!」<br />
				マクリーンズ（カナダ/COURRiER Japon 2009.9）</p></blockquote>
				<p>　「カリフォルニア州は、州内で販売されるガソリンの炭素含有量を規制し、20年までに燃料に含まれる炭素の割合を10％削減する方針を示している」。「米国では既に12以上の州が同州法に倣うことを表明している」。<br />
				　「オバマ大統領はこのカリフォルニア州の政策に早くから支持を表明していた」。</p>
				<p>　「現在カナダに埋蔵されているオイルサンド（油砂）からは、日量120万tバレルの石油が生産されて」おり、「その約半分は米国向けだ」。「オイルサンドから石油を抽出すると従来の石油生産に比べて温室効果ガスの排出量が最大15％増加するとされ、オバマはクリーンエネルギー政策の一環として大幅な規制に乗り出す構えだ」。「カナダのエネルギー研究協会によれば、オイルサンドの生産量は、今後25年間で日量400万バレルに増加すると予測されている」。「カナダにとっては38万人の雇用創出と14億ドル（約1330億円）のGDP増につながる重要な資源だ」。</p>
				<p>　「現在、米議会で審議中の気候変動法案」。「同法案は、炭素削減規制が米国と“同等のレベルに満たない”国からの輸入品に対して関税措置を定めた条項を含む」。<br />
				　「この関税条項は、多国間での自由貿易主義を唱えているようではあるが、実際には貿易相手国の環境対策関連の法規制に強い圧力をかけることが可能になり、単独主義の横暴に繋がりかねない」。</p>
				<blockquote><p>参考記事</p></blockquote>
				<p>・「<a href="http://nagatsuki07.iza.ne.jp/blog/entry/1445244/">地球温暖化危機、温室ガス削減に関する環境省素案のいかがわしさ</a>」/<a href="http://nagatsuki07.iza.ne.jp/blog/">Septemberのブログiza版</a><br />
				・「<a href="http://nagatsuki07.iza.ne.jp/blog/entry/1220174/">CO2削減25%は温暖化詐欺</a>」/<a href="http://nagatsuki07.iza.ne.jp/blog/">Septemberのブログiza版</a><br />
				・「<a href="http://junichi2048.iza.ne.jp/blog/entry/1212773/">「90年比25%減」は勉強不足でした、、、</a>」/<a href="http://junichi2048.iza.ne.jp/blog/">温暖化対策</a><br />
				・「<a href="http://dankaisedai.iza.ne.jp/blog/entry/1359154/">COP15 ・・・醜い人類エゴ戦争・・・</a>」/<a href="http://dankaisedai.iza.ne.jp/blog/">さまよえる団塊世代</a></p>
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		<title>アメリカはどうなってしまうのか（下）</title>
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		<pubDate>Thu, 11 Mar 2010 01:00:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>谷口 永治</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[超大国アメリカの今後の課題。
「バーナンキの未完の使命」「アルカイダより怖いのは国民の過剰反応だ」「戦士米兵の棺　撮影解禁」「オバマは銃規制派は裏切った」]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				<p>　超大国アメリカ。これからの時代はアメリカの時代だとはいえなくなってくるだろう。<br />
				　新興国の台頭が目立つアメリカ、これからの課題はどういったものがあるのだろうか。</p>
				<blockquote><p>アメリカよ、どこに行く　32<br />
				「バーナンキの未完の使命」<br />
				ポール・クルーグマン（COURRiER Japon 2010.2）</p></blockquote>
				<p>　世界的な金融危機に陥った現在、その解決の出口を模索中である。<br />
				　アメリカの「昨年11月の非農業部門の雇用者数が前月比でわずか1万1000人減にとどまったとする、12月発表の雇用統計の見かたを改めるべきだ」という。</p>
				<p>　「景気後退が始まって以来、米国が失った800万人分の雇用を計算に入れるだけでは充分ではない」。「米国の人口が増えている以上、月10万人を上回るペースで、さらなる雇用を創出しなくてはならない」。<br />
				　「これは米国が毎月大量の雇用を創出しない限り、完全雇用に近い状態に戻ることはないという事実を示している」。<br />
				　「米国は今後5年間で約1800万人分、つまり月30万人分の雇用を創出する必要がある」というのだ。<br />
				<span id="more-422"></span></p>
				<blockquote><p>「アルカイダより怖いのは国民の過剰反応だ」<br />
				スティーブン・フリン（国家政策センター所長/Newsweek 2009.12.30/2010.1.6）</p></blockquote>
				<p>　「9・11テロから8年以上たち、アルカイダの再攻撃はない」。「空港の検査は日常業務と化し、緊張感も薄れ気味」で、「雇用や住宅ローン、医療保険に関する懸念が炭疽菌や自爆テロへの不安に取って代わっている」。<br />
				　「普通のアメリカ人は自爆テロよりハリケーンや地震、山火事の犠牲になる可能性のほうが高い」。「母なる自然と肩を並べるほどのテロ行為はほとんど考えられない」。「とはいえ、テロの脅威が消えたわけでもな」く、「08年の調査では、アメリカの外交政策専門家100人のうち3分の2近くが、今後5年以内に破滅的なテロの可能性があると答えた」。</p>
				<p>　「アルカイダやその模倣者は、今もアメリカを攻撃しようと必死だ」。「だが逮捕や殺害でアルカイダ幹部の数は減り、残った指導者もパキスタンに身を隠している」。<br />
				　「テロの脅威は根強く、進化している」。「9月に、ニューヨークでテロを計画していたナジブラ・ザジが逮捕されたことからもそれは明らかだ」。</p>
				<p>　「しかし何より怖いのはテロではなく、アメリカ人の過剰反応だ」という。「国家的トラウマになるような事態が起きると、政府は間違いを犯すことがある」。「9・11テロ発生時には、米政府は航空機の運行を全面的に禁じ、国境を閉鎖し、結果的にアメリカ経済の流れを止めた」。<br />
				　「全てを的確にこなせる政府など存在しない」。「しかも今の米情報当局には、テロと戦うために必要な情報を収集する能力が欠けている」。「官僚同士の争いが続く、CIA（中央情報局）の情報部員は不足し、国境管理も万全ではない」。<br />
				　「ブッシュは『テロ対策はプロに任せろ』という態度で、一般国民を脇に追いやった」が、「それは大きな過ち」だった。「国内でテロ活動の阻止に成功したケースのほぼ全てが、一般人の手柄だった」。</p>
				<p>　「わずかな資金で大きな効果を生むという確信がある限り、テロはアメリカの敵にとって魅力的な手法であり続ける」。「そして人々が自らを無力だと思う場合にのみ、テロは効果がある」。「だからテロを阻止するために重要なのは、国民がテロ活動を発見し、阻止する能力を上げることだ」。「そして国全体は過剰反応する可能性を減らすこと」である。</p>
				<blockquote><p>現場から<br />
				「戦士米兵の棺　撮影解禁」<br />
				田村栄治（DAYS JAPAN　2009.5）</p></blockquote>
				<p>　「米兵の戦死者は、同時多発テロ以降、アフガニスタン・パキスタン・ウズベキスタンの3国で計600人を超え、イラク戦では4200人にも上る」。</p>
				<p>　ブッシュ（父）政権時、「湾岸戦争を始めた直後の91年2月に、それまで比較的自由だった棺写真の撮影を禁止した」。「死者と遺族のプライバシーを保護し、関係者に余計な負担を与えないため」というのが理由にあげられる。<br />
				　「パナマ侵攻で戦死した米兵の遺体がドーバー基地に運ばれた際、米3大テレビ局は画面の半分でその模様を中継。もう半分で、同時刻に記者たちと談笑する大統領の姿を映し出した」。このことがきっかけで「ブッシュ大統領は大恥をかき、元軍人や遺族たちから非難を浴びた。<br />
				　これが決定の撮影禁止の2年前。「さらなる失態と国民の批判を防ぐため、ブッシュ氏は湾岸戦争から、メディアを排除したとされる」。</p>
				<p>　クリントン政権では、「ケース・バイ・ケースで棺の撮影が許され、国防総省が写真を提供することもあった」という。<br />
				　ブッシュ（息子）政権ではというと、「例えば同時多発テロで死んだ軍関係者については米軍が棺の写った写真を公表」。<br />
				　これらのように、「ときの政権は、世論誘導に都合がいいと判断した場合、棺の写真を多いに利用してきた」といえるだろう。<br />
				　「『テロとの戦争』を掲げ、徴兵制がない中で大量派兵を続けるブッシュ政権にとって、よりどころは愛国心と、米軍は最強というイメージ」。「戦争の真の犠牲を露にして戦意を喪失させ、戦地では死ぬかもしれないという恐怖を植え付ける棺の写真は、極めて都合が悪い」ものだ。<br />
				　このことがあり、「2001年10月のアフガニスタン侵攻から間もなく、国防総省はドーバー基地での撮影禁止を徹底。03年3月にイラクに攻め込むと、禁止措置を他の基地にも広げた」。</p>
				<p>　オバマ大統領は今年2月、「国防総省が1991年から禁止してきた、米兵の棺の写真や映像の撮影と公表を、遺族の同意を条件に解禁」した。<br />
				　「米メディアの世論調査（03年と04年）で約6割が支持する棺写真の解禁だが、軍関係者には反対の声が大きい。米兵とその家族がつくる団体が今年2月に会員にメールで調査したところ、解禁に反対は64%に上り、賛成は12%」という結果だったという。</p>
				<blockquote><p>「オバマは銃規制派は裏切った」<br />
				マイケル・イジコフ、スザンヌ・スモーリー（ワシントン支局/Newsweek 2009.4.22）</p></blockquote>
				<p>　アメリカでは銃問題が、事件が起きるたびに、持ち上がっている。<br />
				　そうした中、「城署不安定な人物が高性能の武器を簡単に手に入れられることについて、政界の有力者が問題を提起したこと過去にはあった」。</p>
				<p>　さらに、「アルコール・たばこ・銃器取締局（AFT）は近年、外国製の攻撃用銃器の輸入をほぼ解禁」したという。これにより、「ルーマニアやブルガリアなど東欧製の安価なAK47が大量流入している」という。<br />
				　銃社会化が進む要因にもなっている。</p>
				<p>　「昨年の大統領選の予備選中にバラク・オバマは、一部の自動小銃の規制を復活させるという公約を掲げた」。この「攻撃用銃器規制は民主党が過半数を占めていた議会で94年に失効」しているという。<br />
				　今回の公約が実現するのも暗雲な雰囲気が漂っている。<br />
				　しかし、今のところ「オバマ大統領も政権幹部も銃規制の問題を完全に棚上げしている」。<br />
				　「エマニュエルはクリントン政権時代に攻撃用銃器規制法の成立に協力した」過去がある。<br />
				　「厳しい銃規制を主張してきた多くの政治家は、オバマ政権幹部も含めて沈黙を守っている」という。<br />
				　銃の団体の影響力が大きいことがうかがえるだろう。<br />
				　銃問題を早急に取り組みべき課題であるか、どうか。<br />
				　「民主党のキャロリン・マッカーシーは政権移行チームに銃規制の強化を求めたが、『後でやる』という反応であった」という。<br />
				　「エリック・ホルダー（司法長官）やヒラリー・クリントン（国務長官）、ラーム・エマニュエル（大統領首席補佐官）のような人々」が口を閉ざしたわけだ。</p>
				<p>　これらの背景には、ナンジー・ペロシ下院議長、ステニー・ホイヤー院内総務らの下院民主党指導部は、「下院の過半数維持に欠かせない存在」である、「地方の選挙区を地盤とする穏健保守グループ『ブルードッグ』を評議を絶対に死守したい」という思惑がある。<br />
				　こういった政治的事情があるため、「民主党が銃規制問題で煮え切らない態度を取る」。</p>
				<p>　「ホルダー司法長官は今年2月、アメリカ製の銃がメキシコの麻薬組織に流れるのを防ぐために攻撃用銃器規制法の復活を訴えた。これに対し、NRAはすぐに激しいロビー活動を開始」した結果、「下院では65人の民主党議員が銃規制への反発を誓う書簡に署名した」という。<br />
				　これはNRAの影響力がわかる具体的な例であるだろう。<br />
				　その署名の結果、「数日とたたないうちに、ホワイトハウスから司法省の職員に対し、攻撃用銃器の問題を『話すな』という指示が出た」という。<br />
				　少なくともNRAは「過去20年に比べ、自分たちの議会への影響力は強まった」という。</p>
				<p>　「連邦最高裁は昨年、憲法修正第2条で保障された武器を持つ権利を再確認する判決を出した」。それに対し、「NRAは、銃規制を弱める議会工作を展開」。<br />
				　その工作の影響か、「上院は、アムトラック（鉄道旅客輸送公社）の列車内に条件付きで銃の持ち込みを認める修正法案をこっそりと可決」。さらに「首都ワシントンで施行されている銃規制の撤廃も可決」した。<br />
				　銃規制を厳格にするだけでは問題は解決しないかもしれない。<br />
				　新たな問題として、「銃の所持を違法にすれば、法律を無視する人間だけが銃を持てるということになる」という意見を持つ人もでるかもしれない。</p>
				<blockquote><p>参考記事</p></blockquote>
				<p>・「<a href="http://blogs.yahoo.co.jp/tadhayase/57803770.html">GMは再建できるか</a>」/<a href="http://blogs.yahoo.co.jp/tadhayase">まいにちまいにち</a><br />
				・「<a href="http://daichan622.iza.ne.jp/blog/entry/1228023/">アメリカ医療保険改革改訂法案</a>」/<a href="http://daichan622.iza.ne.jp/blog/">アメリカ開業医の独り言</a></p>
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		<title>アメリカはどうなってしまうのか（中）</title>
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		<pubDate>Mon, 08 Mar 2010 01:00:49 +0000</pubDate>
		<dc:creator>谷口 永治</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[大きな影響力を持つアメリカの現状とは。
「オバマびいき報道の危うさ」「米失業率　8％の高止まりが今後5年間は続く?」「ドル高　通貨の過大評価が米経済回復を妨げる」「米兵脳損傷14万人　アフガン、イラク派遣の7％」]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				<p>　超大国アメリカ。世界でも一番の大きな影響力を持つアメリカが、今、大きく揺らいでいる。<br />
				　しかし、揺らいでいても、今も大きな影響力を持つアメリカですが、そのアメリカの抱える問題と現状はどうだろうか。</p>
				<blockquote><p>「オバマびいき報道の危うさ」<br />
				ロバート・サミュエルソン（本誌コラムニスト/Newsweek 2009.6.17）</p></blockquote>
				<p>　「大統領の権力がきちんと監視されてこそ政治は正しく機能する」。「だがオバマに対するチェックは緩い」かもしれない。<br />
				　「ワシントン･ポスト紙、ニューヨーク･タイムズ紙、テレビの3大ネットワーク、公共テレビ局（PBS）、および本誌の1261本の報道を検証」したところ、「オバマに好意的なものが42%だったのに対し、批判的なものの割合は20%だった」という。「ブッシュ（好意的は22%）やクリントン（同27%）とは対照的」な結果になった。<br />
				　さらに、「報道の内容にも違いがある」。「オバマの場合は人柄や指導力を扱うものが44%を占め、ブッシュ（22%）やクリントン（26%）のほぼ2倍で、政策に関するものはそれより少なかった」。<br />
				　「インターネットのニュースサイトなどに調査値省を広げても、結果に大差はなかった」という。さらに、「ジョージ・メイスン大学が行った別の調査でも同様の結果が出た」という。<br />
				　「ピュー・リサーチセンターが行った研究によれば、メディアのオバマびいきの傾向は大統領選挙中に始まった」という。</p>
				<p>　「オバマに『批判的な』報道といえば民主党議員との戦術的な対立や一部の支持基盤からの批判止まり」で、「重要課題の検証は軽視されている」。<br />
				　「オバマの主張には矛盾が多い」という」。「財政支出の拡大を要求する一方で医療費抑制を唱え、財政赤字が拡大基調にある中で財政規律を回復するという」。「そんな矛盾だらけの主張を、メディアは額面どおりに受け取っているように見える」。<br />
				　「メディアは世論に弱いから、支持率の高い大統領は好意的に扱われる」。「ピュー・リサーチセンターによればオバマの支持率は63%」。</p>
				<p>　「ジョンソンがケネディから引き継いだ経済政策は70年代にスタグフレーション（不況下のインフレ）を招いた」。「メディアは政権に対し敵対的になるべきではないが、懐疑的な姿勢は保つべきだ」。<br />
				　しかし、このバランスが難しい。</p>
				<p>　ちなみに、「議会予算局の試算では、連邦予算のGDP（国内総生産）比は08年の21%から19年には25%近くに上昇する見込み」で、「これは第二次大戦後の平均を大きく上回る」。<br />
				<span id="more-417"></span></p>
				<blockquote><p>「米失業率　8％の高止まりが今後5年間は続く?」<br />
				（Newsweek 2009.12.30/2010.1.6）</p></blockquote>
				<p>　「09年11月、アメリカでは1万1000人の雇用が失われた」という。「失業率は10月より0.2％改善して10.0％に下がったものの、ここ数十年で最悪の水準だ」。<br />
				　「たとえ景気刺激策で雇用情勢が予想より早く改善しても、失業率は今後何年かは高止まりを続ける」という。「14年まで最高で7～8％程度が続くとみられている」。</p>
				<p>　「平均的アメリカ人の生活は今後5年は改善しない」。「失業率は下がらず給料は上がらない」という状況だ。<br />
				　「今回の金融危機が過去と違うのは、信用収縮が長期にわたって続いていることだ」。「特にアメリカの新規雇用の3分の2を生み出している中小企業にとって痛手となる」。「頼みの綱の銀行融資は、08年以降17％落ち込んでいる」。</p>
				<p>　「投資信託会社フィデリティ・インベストメンツの最新調査によると、22～33歳の労働者の4人に1人が生涯同じ職場で働きたいと考えている」。これは「昨年の調査の数字14％より増加した」。</p>
				<blockquote><p>「ドル高　通貨の過大評価が米経済回復を妨げる」<br />
				（Newsweek 2009.12.30/2010.1.6）</p></blockquote>
				<p>　「マッキンゼー・グローバル・インスティテュート（MGI）」は、「ドルが基軸通貨であることで07～08年にアメリカが得た利益は年間400億～700億ドル」で、「GDPの0.3～0.5％にすぎない」。「09年にはマイナスに転じ、最悪の場合は年間50億ドルの損失を被ると予測する」。<br />
				　「ドルの価値が実際よりずっと高く評価され、輸出産業と輸入品との競争を強いられる国内企業の両方に影響を与えている」という。</p>
				<p>　「かつては、強いドルのおかげで借り入れコストが下がるために、こうした問題は簡単に相殺できると考えられていた」。「世界で最も流動性の高い通貨でビジネスをすることを利便性も同様に論じられた」。<br />
				　「しかしMGIは、ドルが過大評価されているせいでアメリカ国内で最大100万人の雇用が失われたと指摘」。「金融危機後は安全な避難先としてドルへの投資が増え、状況はさらに悪化しているという」。</p>
				<p>　「企業幹部へのある調査では、25年までドルが基軸通貨であり続けると答えた人は18％」だったという。</p>
				<blockquote><p>「米兵脳損傷14万人　アフガン、イラク派遣の7％」<br />
				大治明子（毎日新聞 2010年2月3日（水））</p></blockquote>
				<p>　戦争は大きな副作用をもたらすものだ。<br />
				　「アフガニスタンやイラクでの『テロとの戦い』に従軍した米兵に外傷性脳損傷（TBI）が多発している問題で、TBIと診断された米兵が01年から昨年10月までに約14万人にのぼり、両戦争に派遣された米兵の約7％を占めていることが分かった」。</p>
				<p>　「国防総省の集計によると、目に見える外傷はないが、頭痛や記憶障害などに悩まされるタイプのTBIを発症した兵士は約14万人だった」。「戦場で繰り返し武装勢力による爆弾（IED＝即席爆破装置）攻撃を受け、超音速（秒速約340メートル以上）の爆風がもたらす衝撃波（圧力変化の波）が、脳組織を破壊するためとみられている」。</p>
				<p>　「国防総省は、両戦争に従軍した米兵200万人のうち、最高30万人がTBIを発症すると推計している」。「これまでにTBIの診断を受けた従軍兵士の人数は明らかでないが、診断が進めば確認件数はさらに増えるものとみられる」。</p>
				<blockquote><p>参考記事</p></blockquote>
				<p>・「<a href="http://tomtom.iza.ne.jp/blog/entry/1052391/">結局はガソリン代で決まること。</a>」/<a href="http://tomtom.iza.ne.jp/blog/">The Iza! Blog</a><br />
				・「<a href="http://iza-ryusoo.iza.ne.jp/blog/entry/1062725/">ロシアの対北強硬態度とキッシンジャーの懸念は、中国への追い込み／米国は高見の人</a>」/<a href="http://iza-ryusoo.iza.ne.jp/blog/">時勢を観る肉眼</a><br />
				・「<a href="http://sonoraone.iza.ne.jp/blog/entry/1414042/">アメリカ！</a>」/<a href="http://sonoraone.iza.ne.jp/blog/">m@sonson_2</a></p>
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		<title>アメリカはどうなってしまうのか（上）</title>
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		<pubDate>Thu, 04 Mar 2010 01:00:36 +0000</pubDate>
		<dc:creator>谷口 永治</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[超大国アメリカの行方を追う。
「草食化するアメリカ人」「ヒラリー・クリントン　ヘンリー・キッシンジャー」「キッシンジャーの「表と裏の顔」を学ぶ　国際政治の「現実主義」と「理想主義」」「不況でも人々はアメリカを目指す」]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				<p>　超大国アメリカ。アメリカの時代が過ぎようとしているのか。<br />
				　アメリカが揺らいでいる。</p>
				<p>　金融危機の大きな被害は全世界を苦しめたが、アメリカ自身、大きな打撃を受けた。<br />
				　アメリカがこれまで果たしてきた役割は、この先、同じようにはいかないであろう。</p>
				<p>　そんなアメリカを追う。</p>
				<blockquote><p>「草食化するアメリカ人」<br />
				ラーナ・フォルーハー（ビジネス担当/Newsweek 2010.1.20）</p></blockquote>
				<p>　金融危機により世界中は混乱に陥っている。各国はそれぞれ対策を講じた。<br />
				　震源国アメリカでは「自動車販売や鉱工業生産が増加し株価も堅調に推移するなど、最近の経済統計には明るい兆しが多い」という。</p>
				<p>　しかし、アメリカの未来は明るいとは言えないかもしれない。「金融危機という大きな衝撃があったせいばりではなく、世界経済の勢力図が塗り替えられてしまったために、アメリカ経済が回復を続けたとしても、アメリカの消費者はもはや世界の支配的勢力ではなくなってしまったからだ」。<br />
				　「今後勢力を伸ばして強くなるのはむしろ、中国やインド、ブラジルといった主要新興市場」だろう。「ドルは引き続き弱くなり、アメリカの労働者は国外の低賃金労働者とますます激しい競争にさらされる」。<br />
				　「『大きな政府』や規制強化がトレンドで、ひょっとすると保護主義の再来も懸念される中、投資マネーは引っ込んだまま」である。<br />
				　それに「大企業と平均的な労働者の経済格差が拡大している」という。「株価が上がる一方で、失業率は数十年ぶりの高水準のまま」である。「最も強気の経済学者たちでさえ、今後何年も高止まりすると考えている」。<br />
				　「そもそも、大企業の利益の源泉の1つは国内での人員削減や雇用の国外移転だ」。「一方、アメリカの新規雇用の最大の創出源である中小企業は、金融危機で真っ先にお金が借りられなくなり最も大きな打撃を受けた」。<br />
				　「現在は非常に珍しい時代だ」。「19世紀に近代経済が誕生して以来、金融資本主義と実体経済がこれほど断絶したことはない」という。</p>
				<p>　ただし、「風力発電などいくつかの有意義なプロジェクトに、銀行がまったく投資しないわけではない」。「だが銀行は実業に投資するよりも、複雑な金融商品を開発して金融機関同士で投資し合うバーチャルな世界にのめり込んでいる」。<br />
				　「こうして資本活動と労働が切り離され、失業率が高止まりした結果、賃金だけでなく人間までが萎縮してしまっている」。「多くの調査によれば、失業者は地域や社会から引き籠もりがちだ」。「そしてその隣人は失業を恐れて働きまくり、やはり地域社会から引き籠もる」。<br />
				　「親の失業は、子供にも大きなダメージを与える」。「学校の勉強で後れを取るようになり、留年し、不安生涯を患う子供もいる」。「大恐慌のときは、教会や地域センターなど市民団体が今より活発だったから、不況が社会に与える打撃はある程度緩和されたのだが」。</p>
				<p>　「多くの専門家が懸念するのは、アメリカと中国の貿易摩擦や通貨摩擦だ」。「保護主義的な政策を取れば、大恐慌のときのように不況を悪化させかねない」。</p>
				<p>　「国際的な基準でみると、アメリカの階層間流動性は70年代以降低下しており、現在ではイギリスやスウェーデン、デンマークよりも低い」。「つまり金持ちの家に生まれた子供は金持ちに、貧しい家に生まれた子供は貧しい一生を送る可能性が高まっている」という。<br />
				　「アメリカ人は一般に格差に対する許容度が高い」。「だが大不況後の時代には、それも変わるかもしれない」。「もはや新卒の若者が親よりいい生活をすることは期待できず、中小企業も苦しんでいる」。</p>
				<p>　そうした中、「明るい希望」がみられる。「アメリカの製造業は、昨年来のドル安と生産性の大幅な改善に救われるかもしれない」。「経営コンサルタント会社マッキンゼーの推計によれば、ドル安が10％進んだだけで、100万人の雇用創出につながる」という。<br />
				　「昨年来のドル安のおかげでアメリカの輸出は10～13年に年11％のペースで増える見込みだ」という。</p>
				<p>　「アメリカは、過去70年間で最悪の景気後退を経験したばかり」。<br />
				　「50年代に育ったアメリカ人にも、はっきりした特徴がある」。「ベビーブーム世代の彼らは楽観的」で、「常に上昇志向で、限りない成功の可能性を体現してきた」。「収入を上回る消費をすることもしばしばだが、それは将来はもっと収入が増えると信じられたからこそだ」。<br />
				　「全米の平均失業率10％に対し、20～24歳の若者の失業率は15％を超える」。「統計によれば、失業率が1ポイント上がるごとに、大学新卒の初任給は6％下がる」。「給与のスタート台が低くなるので、その影響は今後数十年にわたって続く」だろう。</p>
				<p>　さらに、「平均失業期間が長期化することで未熟練労働者が増えるのも極めて大きな問題だ」。「70年代以降のアメリカ人の賃金水準は比較的安定してきたが、大不況世代はこの30年間で初めて賃金が減る世代になるかもしれない」。<br />
				　このようなことから、「私たちの生き方は、若いときの衝撃的な体験（素晴らしい体験でもいい）に大きく左右され、生涯影響を受け続けるという」のだ。<br />
				　「全米経済研究所が1972年から2006年のデータを検証した昨年9月の報告書によれば、たとえそれがたった1年間でも若い時期に厳しい経験をすると、中核の価値観や態度が根本から変わってしまうことがあるという」。</p>
				<p>　「他の多くの研究でも、景気後退期に育った人はリスクの少ない保守的な資産運用を好むだけでなく、実際に儲ける額も少ないことが分かっている」。「仕事も安定志向で、所得再配分と市場に対する政府の介入を支持する傾向がある」。<br />
				　「逆説的だが、それでいて彼らは公的機関に不信感を持ち、ひょっとすると人生そのものにも懐疑的で、成功は努力より運のたまものだというヨーロッパ的な信念を持つ傾向がある」。「失業経験が悲惨であればあるほど、彼らはより悲観的になり社会とも疎遠になる」。<br />
				　「政治的には、時代の雰囲気や時の指導者によって右か左化の一方に走りやすい」。「大恐慌はアメリカのニューディール政策も生んだが、ナチスの第三帝国も生み出した」。<br />
				　「統計的には、アメリカは09年夏に景気後退期を脱却している」。「だが多くの人々は、07年12月に始まった戦後最長の景気後退と08年9月以降の金融危機で、アメリカ人の心理と行動が永遠に変わってしまったようだと考えている」。</p>
				<p>　「個人の貯蓄率は最低だった08年と比べて4倍の4.5％に上昇した」。「経営コンサルティング会社アリックスパートナーズの調査によると、アメリカ人は今やそれでも安心できず今後は収入の15％を貯蓄したいと考えているという」。<br />
				　「アリックスパートナーズの調査の回答者の半分は、株式投資を一切やめてしまった」。「あと3年は株を買わないと答えた人も過半数に達した」。「経済は金融危機前の水準を回復できないと思う人の比率は43％だった」。<br />
				　「全米経済研究所が72年以降の不況時に成人を迎えた18～25歳を調査したところ、多くが『人生の成功は努力よりも運で決まる』と考える傾向があり、政府への信頼も乏しいことが分かった」。<br />
				　「努力よりも運だという若者の考え方は、実体経済にも悪影響を与える」という。<br />
				　「努力よりも運だと考える人は仕事に精を出さない傾向がある」。「それは生産性を下げ、経済成長の足を引っ張る」からだ。<br />
				　「裏を返せばそれは、『なせば成る』と信じて全力疾走してきたアメリカ人が、1歩引いたところのあるヨーロッパ人よりも長い間高い成長を実現してきた理由なのかもしれない」。</p>
				<p>　「全米産業審議会は最近、アメリカの雇用満足度が過去20年間で最低であることを示す統計を発表した」。<br />
				　「現在のトレンドが続けば、大不況世代はますます大恐慌世代に似てくるだろう」。「例えば才能ある大卒の若者は、民間企業の就職するより公務員になることを選ぶだろう」。「理由は昔も今もこれからも、そこには雇用があるからだ」。<br />
				　「多くのコンサルティング会社は、消費者は家族や友達と費やす時間にもっと価値を見いだすようになるとの調査結果を示している」。「厳しい時代を経験すると、人間は互いに優しくなるという指摘もある」。</p>
				<p>　「カネのことを考えるだけで、人間は痛みに鈍感になり、助け合ったり見知らぬ人と結び付きを持とうと思わなくなる」。<br />
				　「80年代の世代がお互いを踏み台にして出世しようとしたのと違って、今の世代は立ち止まって他人に手を伸ばすようになるかもしれない」。<br />
				<span id="more-414"></span></p>
				<blockquote><p>THE INTERVIES<br />
				「ヒラリー・クリントン　ヘンリー・キッシンジャー」<br />
				ジョン・ミーチャム（米国版編集長/Newsweek 2009.12.30/2010.1.6）</p></blockquote>
				<p>　現在でもアメリカの存在は大きく、世界で大きな影響力を持っている。<br />
				　「世界は広大で、アメリカは実質的にそのすべての場所で責任を負って」おり、「現在、この国が直面している課題の本質は2国間ないし多国間的であるだけでなく、超国家的でもある」。</p>
				<p>　そんな中、最近大きな混乱が襲っている。「08年には（穀物価格高騰で）各地で暴動が発生し」、「気候変動が起こり、人口移動のパターンも変化している」。「食糧問題の重要度は今後さらに高くなる」。「新型インフルエンザの脅威で、世界の医療問題と併せてパンデミック（世界的流行病）にどう対処するかも課題になっている」。<br />
				　「政府が抱える問題の1つとは、緊急課題と重要課題を見極め、緊急課題のせいで重要課題をおろそかにしないことだ」。「国務省スタッフはワシントンで最も優秀だが、最も頑固でもあるという」。<br />
				　「緊急課題と重要課題を見極めるとともに、今は緊急でも重要でもない問題が来年や再来年にはそうなることもあり得る以上、長期的傾向にも目を向けなければならない」。</p>
				<p>　「ホワイトハウスと国務省が担当する問題の違い」とは、「ホワイトハウスが扱うのは大抵、戦略に関わる問題だ」。「その一方で国務長官は、アメリカの利害関係国という多くの『顧客』を相手にしなければならない」。</p>
				<p>　「アメリカ政府は最近、北極圏に注目し始めている」。「海氷や氷河の融解が進みシーレーン（海上交通路）が変化している北極海は、5つの国と接している」。「（その1つである）ロシアは10年に北極遠征を行って北極点に国旗を立てると言うが、カナダは『そんなことはするな』と反対している」。「北極圏問題は大いに関心を持つべき分野だが、今のところ記者会見やホワイトハウスの議題になっていない」。<br />
				　「つまり各種の問題が絡み合っているということだ」。そして、「緊急課題と重要課題と長期的課題がある」。</p>
				<p>　「国務長官と大統領の関係」は、「政策を立案し、重大な決断を下す際にアドバイスを提供し、政策決定に外交や発展という要素を反映させるには大統領との良好な関係は欠かせない」。<br />
				　「結局のところ、最終的な決定権を持つのは大統領」で、「難しい決断が行われる場所は大統領執務室にほかならない」。<br />
				　「国務省は外交を指揮するのは自分たちの権利だと主張しがちだが、特権を主張するのは省庁間の戦いに負けた証拠」であるという。<br />
				　「方向性を共有することが不可欠」であり、「大統領と近しい関係にない国務長官は長続きしない」。</p>
				<p>　「理論は外交の枠組みや方向性、歴史の教訓を教えてくれる」。<br />
				　その上で注意点は、「過去のパターンが参考になる面はあっても、まったく同じ局面は2つとない」ということだ。「型にはまった考え方をせず、状況に俊敏に反応し、直感を研ぎ澄ませてチャンスを見逃さずに振る舞い、その上で実際の行動を説明する理論をつくり上げる」。<br />
				　「（実務家と違って）学者は、目の前の情勢に適合した理論を構築するためにたっぷり時間をかけられる」。「それに学者という立場であれば、（実現性を考えずに）一刀両断の解決策を唱えても構わない」。<br />
				　「一方、国務長官にとって、問題を一発で解決できるような解決策はまずあり得ない」。「問題を解決するためには、一つ一つ段階を踏むしかない」。</p>
				<p>　「今日の世界では現地を訪問することが必要とされているという」。「直ちに連絡を取り合える今の時代、わざわざ飛行機に乗って現地で会談しなくてもいいじゃないかと思うかもしれない」。しかし、「現実には、むしろ直接対談することへの欲求が高まっているよう」という。<br />
				　「アメリカが本当のところ何をどう考えているか、説明してもらいたいからだ」。「ケーブル経由では、それは分からない」。<br />
				　「報道のせいで根拠のない不安や懸念が広まることが多い」。「おかげでアメリカ政府の真意は何なのかと、各国政府が気をもむ」。だから「現地は行って話をし、話を聞かなければならない」。<br />
				　それに、「各国はそれぞれの国益に基づいて決断を下すものだ」。「とはいえ相互関係が発展すれば、別の視点から国益を判断するよう促し、より大きな共通点を探ることが可能になる」。「会談相手がこちらを個人的に理解し、親しみを感じていれば、見解の一致点も見つけやすくなる」。<br />
				　「非常に重要なのは、ほかの国に何かを求める前にまず関係を築くことだ」。「そうすれば交渉に入ったときや危機が持ち上がったときに、ある程度の敬意を抱いて接することができる」。</p>
				<p>　「オバマ大統領は（前政権からイラクとアフガニスタンの）2つの戦争を引き継ぎ、自分で生み出したわけではない問題について早期に判断を下すことを強いられた」。「（しかしその後）大統領はしっかり時間をかけ、問題を根本に立ち返って検討するプロセスを踏んだ」。<br />
				　「イラクの戦争は終息に向かっているが、それに伴って米軍が引き揚げれば、国務省と国際開発庁（USAID）の担う役割がますます大きくなる」。<br />
				　「アフガニスタンに関しては、どうやって前に進むべきか時間をかけて検討してきた」という。「軍と文民部門の双方で意見が一致したのは、軍事力だけでは成功を収められないということ」だ。</p>
				<p>　「国防総省に比べると、国務省やUSAIDは予算の獲得が格段に難しい」。「目下の厳しい財政状況では、必要な予算を獲得することがとりわけ難しい」。「それでも、担わなければならない責任があることに変わりはない」。<br />
				　「アメリカの若い兵士たちが身を危険にさらしているとき、文民たちも同様に危険な場に出掛けなければならないケースが増えている」。<br />
				　「今最も重要なのは、戦争の戦術に関しては意見の相違があってもいいが、戦争の正当性そのものについて意見の対立がないようにすることだ」。<br />
				　「（戦争を戦うことによって）最も大きなリスクを負っているには、そのときの政権にほかならない」。<br />
				　「ベトナム戦争やイラク戦争などの戦時の議論をみると、戦争を終わらせることと軍隊を引き揚げることが同一視されてきた」。「軍を撤収させることが第1の、もしかすると唯一の出口戦略であるかのように言われてきた」。<br />
				　しかし、「本来、最良の出口戦略は戦争に勝つこと」である。「あるいは外交で相手を説得すること」。「あるいは戦いが自然に終息することのはず」。「それなのに、米軍部隊の撤収を出口戦略と同一視すれば、（なぜ戦争を始めたのかという）政治的な目的をないがしろにする結果を招く」。<br />
				　「そうなると、時の政権が戦争集結のために十分な努力を払っていないという中傷を受け、最良の判断とは異なる行動を取らざるを得なくなる」。「そういう事態に陥ることがしばしばあった」。</p>
				<p>　「（戦争を終わらせる上で）いずれかの時点で外交上の落としどころを見つけなくてはならないということだ」。「当事者が受け入れて実行できる合意点を見いだす必要がある」。<br />
				　「アフガニスタンがどういう結果に落ち着こうと、（合意を）実行しなければならない」。「そのためには国際的な法的枠組みが不可欠だが、そのような枠組みはまだない」のが現状だ。。<br />
				　「外交上の話し合いの場を設ける以上、アメとムチを組み合わせることが不可欠だということだ」。「相手が常に損得を計算して振る舞うことも頭に入れておかなくてはならない」。<br />
				　「重要なのは、アメとムチをうまく提示すること」で、「さあこれから私たちが譲歩しますよ、などと宣言するような稚拙な交渉しかできない人物を話し合いの場に送り込んではならない」。「こちらが際限なく譲歩するという印象を与えれば、ほぼ確実に相手は言うことを聞かない」からだ。「今北朝鮮との関係がそうなっている」。「10年前からずっとそうなのだが」。</p>
				<blockquote><p>新世界大戦の時代<br />
				「キッシンジャーの「表と裏の顔」を学ぶ　国際政治の「現実主義」と「理想主義」」<br />
				落合信彦（SAPIO 2010.2.10・17）</p></blockquote>
				<p>　中国とソ連の関係についていうと、「1949年に建国した中国はスターリンが亡くなる53年までソ連と友好関係を築いていた」。「その関係に軋みが生じたのが56年」で、「スターリンの後を継いだフルシチョフがスターリン批判を行ない、毛沢東はソ連を『修正主義化している』と批判した」ことから始まった。<br />
				　「その後もフルシチョフは毛沢東と何度か会談」。「フルシチョフは訪中すると、これでもかというほどの歓迎を受け」、「毛沢東はフルシチョフを私邸のプールサイドに招いた」という。<br />
				　「中ソの対立が決定的になったのが64年の中国による核実験だった」。「実験場は新疆ウイグル自治区のロプノール湖」で、「67年には水爆実験も成功させた」。「ソ連は中国の核開発が脅威となった」わけだ。<br />
				　「そして69年3月にウスリー川中洲のダマンスキー島でソ連の警備兵と人民解放軍兵士の間で衝突が起こった」。「さらに7月には中ソ両軍がアムール川（黒龍江）のゴルジンスキー島で武力衝突し」、「両国の軍事的緊張は一気に高まり、それぞれ核兵器使用の準備も進められた」。<br />
				　「中ソの核戦争勃発の可能性は十分にあった」という。</p>
				<p>　「ソ連はアメリカの出方、つまり中国の見方につくかそれとも黙殺するかを探りながら、アメリカは中国を助けないだろうという見立てに傾いていた」。<br />
				　「69年に誕生したニクソン政権で大統領補佐官を務めていたキッシンジャーは、KGBの情報工作を知って箝口令を敷いた」。「仮に、誘導されて『共産主義国家の中国を助けるべきではない』という意見が出てそれが世論の大勢になってしまえば、アメリカ政府は身動きが取りにくくなる」ため、「彼は何としてもそれを避けたかった」。<br />
				　「結局、ソ連のコスイギン首相と中国の周恩来首相が会談して政治解決が図られ、中ソの軍事的緊張は緩和された」。「しかしこれを機に、中国はアメリカを味方につけるべく水面下でコンタクトを取り始めた」。「一方のアメリカもベトナム戦争を終結に向かわせるために中国との接近を図った」。つまり、「キッシンジャーの策謀である」。</p>
				<p>　「彼は71年、秘密裏に2度訪中し、周恩来と会談し」、「彼らは双方に利益が生まれる最善の合意が得られるよう交渉を進めた」。<br />
				　「72年2月にニクソンは訪中し、米中は共同声明（上海コミュニケ）を発表」。「アメリカは中国に対し、『一つの中国』『台湾は中国の一部』と認めた」。「その見返りに中国は新疆ウイグル自治区にソ連の領土をカバーできるレーダー設置をアメリカに認めた」。<br />
				　「72年のニクソン訪中でアメリカは中国と和解したものの、国交正常化は果たしていなかった（カーター政権の79年に正常化）」。「キッシンジャーは中国と完全に手を結んでしまうのはまだ早いと踏んでいた」という。</p>
				<p>　ヘンリー・キッシンジャーは、「ニクソン政権で活躍した切れ者の大統領補佐官（フォード政権では国務長官）は、その現実主義的な外交舵取りで世界情勢を大きく転換させた」。「そしてアメリカに多大な国益をもたらした」人物である。</p>
				<p>　「72年5月の沖縄返還は69年11月の日米合意ですでに決まっていた」。「表向きは、米軍基地に配備されていた核兵器を撤去した上での『核抜き』の返還である」。「しかし、返還交渉の際に、『有事の際は非核三原則に反し、沖縄に核兵器の持ち込みを認める』という密約を、佐藤首相とニクソン大統領の首脳間で結んでいた」。「これが沖縄核密約である」。<br />
				　「日本側にとって、『核抜き』返還は非核三原則を沖縄にも適用するという大義名分と、沖縄に対する本土の贖罪意識を満たすものだった」。「アメリカが核兵器の撤去作業を公開してアピールしたのも、日本国内の世論に配慮したものと受け止められた」。「しかし、アメリカにとってはそんなことどうでもよかったのである」。<br />
				　「この時、キッシンジャーは中国との和解達成に心を砕いて」おり、「沖縄の『核抜き』返還も中国向けのアピールでしかなかった」のだ。「あくまで世界情勢の行方を見据えながら国益の最大化を図るアメリカと、核の傘に守られて国内にしか視野が及ばない日本の外交感覚の差は大きかった」。</p>
				<p>　「キッシンジャーは徹底した現実主義で国益を追求する点ではお手本のような外交家だった」。「しかし、その手法が功罪併せ持つ」。<br />
				　「キッシンジャーの現実主義は道徳・人権問題への無関心と背中合わせだった」。「ソ連と友好関係にあったチリのサルバドール・アジェンデ政権は、CIAがクーデターを支援し崩壊させ」、「次に誕生した親米軍事政権のアウグスト・ピノチェト政権は激しい国内弾圧を行なったが、キッシンジャーはこれを黙認した」。「また、ベトナム戦争終結後の75年11月には、当時のタイのチャチャイ外相に対して、東南アジアの脅威であるベトナムから守る盾としてカンボジアを味方につけるよう説いたという公文書が公開されている」。さらに、「75年5月に誕生したカンボジアのポル・ポト政権はすでに国民の大量虐殺で国際的に非難を浴びていた」。「そうした国益に適うなら見逃されることになる」。「中国国内の人権問題も然りである」。<br />
				　その「キッシンジャーは07年に元国務長官のシュルツらとともに核廃絶を提唱し、オバマ大統領の思想的支柱になっている」。「現実主義の彼が、引退して思想主義者となった」。「現役時代は核抑止論の急先鋒だった彼が核廃絶を唱えるとは笑止千万な話だ」。<br />
				　「キッシンジャーはベトナム戦争終結のパリ協定調印に貢献したとして73年にノーベル平和賞を受けた」。「平和主義者ではなく現実主義者の受賞である」。「その翌年、佐藤栄作が平和賞を受賞した」。「核兵器保有反対が評価されたという」。「そして昨年、キッシンジャーに触発された核廃絶論者のオバマが平和賞を受賞した」。</p>
				<blockquote><p>「不況でも人々はアメリカを目指す」<br />
				（Newsweek 2009.4.22）</p></blockquote>
				<p>　「00年以降、アメリカは毎年100万人を超える合法的移民を受け入れてきた」。さらに、「毎年50万人の不法移民が流入している」という。<br />
				　「ワシントンにあるシンクタンクの移民政策研究所の調査によると、9・11後の審査の厳格化や取り締まり強化にもかかわらず、アメリカにやって来る移民の数は一定の水準で推移している」という。<br />
				　やはり、アメリカへ向かう人々は後を絶たない。アメリカへの希望があるのだろう。</p>
				<p>　移民の「増加のペースが落ちたのは、9・11後の01年と07年だけ」だという。<br />
				　「不法移民の割合は中南米出身者のほうが高いが、景気悪化後も移民の大量帰国は起きていない」という。ちなみに、「ピュー・ヒスパニック・センターによると、中南米出身の不法移民は00年の840万人から08年には1190万人まで増えた」。</p>
				<p>　アメリカへ移民する人々の出身地は、「ヨーロッパ出身者は00年以降微減しており、中南米出身者も07年以降はさほど増えていない」という。だが「アジア出身者は、毎年25%くらいのペースで増えている」という。<br />
				　ただし、「永住目的の合法的移民については何も変わっていない」という。</p>
				<blockquote><p>参考記事</p></blockquote>
				<p>・「<a href="http://midori53.iza.ne.jp/blog/entry/599921/">アメリカは男社会</a>」/<a href="http://midori53.iza.ne.jp/blog/">アメリカ便り</a><br />
				・「<a href="http://daichan622.iza.ne.jp/blog/entry/1107076/">アメリカ医療の行く末</a>」/<a href="http://daichan622.iza.ne.jp/blog/">アメリカ開業医の独り言</a></p>
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		<title>日本の行方（下）</title>
		<link>http://eiji-taniguchi.com/20100301/390</link>
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		<pubDate>Mon, 01 Mar 2010 01:00:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>谷口 永治</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[日本の行方を追う（下）
「「ゼロベース改革」を断行することなしに“民主党不況”に歯止めはかけられない」「鳩山はサッチャーになれるか」「国民一人ひとりが「知のクーデター」を起こせ。」「番号制で何がどうなる?」]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				<p>　金融危機により世界中が混乱している状況で、日本も危機に陥っている。しかし、その日本、失われた10年を味わった日本に、復活はおとずれるのだろうか。<br />
				　日本の大きな問題の解決策はあるのだろうか。</p>
				<p>　その解決策、ヒントをさぐる。</p>
				<blockquote><p>世界に雄飛する　「人間力」の時代　第10回<br />
				「「ゼロベース改革」を断行することなしに“民主党不況”に歯止めはかけられない」<br />
				大前研一（SAPIO 2010.2.10・17）</p></blockquote>
				<p>　日本の状況は非常に深刻である。その解決策はあるのだろうか。<br />
				　「企業の事業計画の手法でもあるが、予算の削減方法は大きく3つある」。<br />
				　「第1は『見えている無駄を削る』」。<br />
				　「第2は『戦略を先に作って削る』」。「つまり、初めに戦略があり、それを実現するために中止する事業、縮小する事業、継続する事業、強化する事業を決めていく」。「『組織は戦略に従う』から、その後、組織も廃止や統合を進める」。「戦略を考えられる力があれば、予算も削れるし、企業や国のかたちが変わる」というわけだ。これは「企業改革では最もオーソドックスな方法」である。<br />
				　「第3は『ゼロベースで創る』」。「目的に合わせ、予算をゼロから構築する方法」である。<br />
				　「企業の場合、第1の方法はコストを1～3％削る時に使う」。「既存の組織のままでそれ以上削ると業務に支障が出るからだ」。「第2の方法は15％がターゲット」である。</p>
				<p>　今の日本の状況には第3の方法が適切になってくる。「なぜなら、約860兆円もの借金を抱えている日本を立て直すには、第1、第2の方法ではとても対応できず、ゼロベースでやるしかないからだ」。「全ての行政サービスで今の制度と同じ満足度を維持しつつ、他の先進国を参考に世界最先端の技術とシステムを使ってゼロから創れば、おそらく行政コストは現在の半分以下になるだろう」。<br />
				　「過去の例では、日本の明治維新と第2次世界大戦後、海外ではシンガポールがマレーシアから分離独立した時、旧ユーゴスラビアの分裂によってスロベニアが独立した時、旧ソ連が崩壊してロシアだけになった時などがある」。「これらのケースを見ると、世界のベストプラクティスを参考にしたため、意外に軽々と新たなスタートに成功している」。<br />
				　「今の日本は、戦後65年間のしがらみで国家の運営コストが極度に肥大化している」。「有名な『パーキンソンの法則』によれば、組織は自己目的のために増殖し続け」、「国家でも予算と課税は際限なく膨らんでいく」。「日本の中央集権システムは、その典型例と言えるだろう」。「また民主党は修正資本主義的傾向が強く、高度福祉国家に舵を切っている」。</p>
				<p>　「行政の効率化という点で、ゼロベースで創る最大のメリットは『クラウド・コンピューティング』（インターネット上にあるハードウェアやソフトウェア、データベースのリソースを利用する環境やサービス）である」。「日本の行政は各市町村がみんな同じことをやっている」。「そのサポートにクラウド・コンピューティングを全面的に使えば、効率が飛躍的に高まってコストも一気に削減できる」。<br />
				　「民主党は納税と年金が目的の『国民ID』を提案しているが、さらにこれを一歩進めて運転免許、パスポート、戸籍、印鑑証明、各種許認可、選挙など、すべての行政サービス共通のID」にすることで、「国民データベースを作り、すべての行政サービスを一元化するシステムを構築する」。「日本が世界に誇る非接触ICカード技術を活用し、IDとバイオメトリクス（生態認証、体が不自由な人のためには特別なパスワードを組み合わせたもの）を使えば、役所の窓口業務はほとんどなくなる」。「そういうシステムの構築にいくらかかるか試算した」結果、「日本全体でわずか700億円だった」という。</p>
				<p>　民主党は、「予算を1.6兆円削減したというが、平成22年度政府予算案は一般会計の総額が過去最大の92.3兆円に達し」、「歳出をカットするどころか、21年度より3.8兆円も増やしてしまった」。<br />
				　「予算の削減は世界中の政府がやっているが、その方法は民主党とは根本的に違う」。「他の国々では、まず予算の目的と全体の枠を決め」、「その上で省庁別にターゲットを決め、あとは官僚に削減案を考えさせるのが常道であり、それが政治だ」。「事業仕分けのように目的も全体の枠もなく、最初から個別案件について削るかどうかを政治家が決めるというアプローチは寡聞にして知らない」。「しかも、思うような予算削減ができなかったにもかかわらず、自分たちの『ウィッシュリスト』を足し算したから、過去最大の予算案になってしまった」。</p>
				<p>　「国の借金の対GDP比が200％に達し、社会が急激に高齢化している日本は、手をこまねいていたら国家破綻することは火を見るより明らかだ」。「それを回避するための対策を早急に打つべきであり、その方法はゼロベース改革しかない」のかもしれない。<br />
				<span id="more-390"></span></p>
				<blockquote><p>「鳩山はサッチャーになれるか」<br />
				トバイアス・ハリス（日本政治研究者/Newsweek 2009.12.9）</p></blockquote>
				<p>　鳩山由紀夫率いる新政権が「お手本にしたのが、はるか9700キロ離れたイギリスの政権運営だ」。</p>
				<p>　イギリス政治は、「官僚でなく首相と内閣が政策を決定する」。「予算を決め、法案を書くのは政治家だ」。「鳩山によれば、官僚の仕事は『政策を立案、調整、決定する政治家を補佐すること』」。「日本の政治かも他の民主主義国家の政治家がやってきたことを行うようになるわけだ」。<br />
				　「首相官邸が絶大な権限を持つことになり、民主党はマニフェスト（政権公約）で誓った約束を実行しやすくなる」。「政府は優先課題を国民に明らかにし、国民はその進捗状況に目を光らす」。<br />
				　「首相の指導力が強まれば、世界的な問題でも明確なメッセージを発信しやすくなる」。</p>
				<p>　「日本でこれまで予算を編成し、法案を書き、産業規制を決定するのは選挙で選ばれた政治家ではなく官僚だった」。「長年与党の座にあった自民党は官僚と協力関係を結び、この閉じられたシステムを積極的に利用して首相と内閣主導の政策決定を阻害してきた」。<br />
				　「その結果、国民の利益は政治家個人の利益に踏みにじられ、財政赤字はGDP（国内総生産）比で先進国最悪の190％まで膨れ上がった」。</p>
				<p>　「民主党幹部は何年も前からイギリス式に注目していた」。「93年に自民党を離党した小沢一郎は、当時出版した著書『日本改造計画』で首相と内閣の権限を強化したイギリスの制度をたたえた」。「以後、小沢は何度かイギリスを訪問」。「最近では9月に民主党幹事長としてロンドンを訪れ、労働、保守両党議員と議会運営について話し合った」。<br />
				　「副首相兼国家戦略担当相の菅直人も6月に訪英し、労働党と保守党の政治家に官僚掌握術について助言を求めた」。「岡田克也外相も著書でイギリス式をたたえ、改革を進めるにはまず政策決定システムを変える必要があると訴えている」。</p>
				<p>　「政権に就いた今、鳩山は驚くほど迅速に政治構造の改革を進めている」。「まず19世紀末に設置された事務次官等会議を廃止し、イギリスの制度をまねて、政策調整のため関係閣僚が集まる閣僚委員会を設置した」。<br />
				　「公約どおり予算編成の権限を官僚から取り上げた」。「今後は菅副首相が率いる国家戦略室が予算編成の基本方針を決め、行政刷新会議が予算の無駄遣いを見直す事業仕分けを行う」。<br />
				　「官僚の厳しい抵抗にもかかわらず」、「各省庁は鳩山内閣の命令に素直に従っている」。「特筆すべきは、10年度の予算編成作業を振り出しに戻し、無駄な事業を見直した上で概算要求を抜本的に見直すという鳩山の指示を、受け入れたことだ」。<br />
				　「今のところ鳩山内閣は与党の大物や官僚の圧力に屈せず、政策決定にかつてなく強大な権限を振るっている」。</p>
				<p>　ただし、「イギリス式がうまくいくかどうかは分からない」。「そのためには首相が絶大な求心力を持つ必要があるが、今のところ鳩山はマーガレット・サッチャーには程遠い」。「世界における日本の役割は明確に語っているが、具体的な政策課題についての発言は曖昧だ」。<br />
				　「政策決定プロセスの透明性が高まり活発な議論が交わされれば、日本が抱える手ごわい問題を解決できるわけではない」。</p>
				<blockquote><p>世界に雄飛する　人間力の時代　特別版<br />
				「国民一人ひとりが「知のクーデター」を起こせ。」<br />
				大前研一（SAPIO 2010.1.27）</p></blockquote>
				<p>　「今の日本は何もかもが東京中心のネットワークになっている」。「大半の日本人は、東京を通じて世界を見」ており、「地方に住んでいても、東京との関係で自分の地方を見るという変な癖がついている」。「だが、道州制を導入すれば、日本全国で10くらいの都（みやこ）＝ハブができる」。「すると人々は、それぞれの都から世界を見るようになるだろう」。「海外からの資本や企業も優れた政策を提示した道州に来ることになる」。「繁栄のための原資は将来からの借金（国債）ではなく外から呼び込む、というのが原則だ」。<br />
				　それには、「明治時代から続いている中央集権の統治機構を道州制の導入によって地方自治に変えねばならない」。</p>
				<p>　「アメリカ、ドイツ、中国にはハブがいくつもある。アメリカでは首都ワシントンは人々の心の中心にもネットワークの中心にもなっていない」。「ニューヨークやシカゴに住んでいる人は自分たちのいる場所が中心だと思っているし、芸能人はロサンゼルスが中心だと思っている」という。「ビル・ゲイツにとってはシアトルだ」。「それがアメリカのクリエイティビティや多様性につながっている」。「ドイツもフランクフルト、ミュンヘン、ベルリンなど、地方ごとにハブがある」。「中国は制度上は中央集権だが、北京一極集中ではなくなっている」。「地方自治や経済運営の権限は完全に各市長に下りているし、上海、広州、大連、成都などが交通ネットワークのハブになっている」という。<br />
				　「日本では、もっと効用が大きいだろう」。「これまでの日本は、答えは1つしかないという中央集権、一極集中の制度の中で生きてきたから、別の答えを見つけようとすると、甲論乙駁して結局は何も決まらなかった」。「効果は薄い最大公約数的な妥協しか得られなかった」。「これを打開するには、国家の中に答えがいくつかあってもかまわない、という国の仕組みが一番効果的なのである」。</p>
				<p>　「道州制になれば、おのずと統治機構は変わらざるを得ない」。「その結果、それぞれの地方が自由に『繁栄の方程式』を考えられるようになり（考えざるをえなくなり）、アイデア・コンテストが始まるだろう」。「また徴税権と立法権の一部を持つようになれば、工夫の足りないところは衰退する」。<br />
				　しかし、「道州制は、制度ができても、それから20年くらいの移行期間が必要になる」。「権限にはすぐに道州に渡せるものと、一部の立法権や徴税権のように簡単には地方で代替できないものがあるので、移譲のタイミングをずらしていかねばならないからだ」。また、「当初はある程度、今の地方交付金に相当するもので地域間格差をならさないと、いきなりリッチな道州とプアな道州に分かれて不協和音が出るだろう」。</p>
				<p>　「もはや日本は税収が増える見込みがなく、産業は衰退しており、元気な企業ほどみんな海外に出て行ってしまった」。「このままではGDPや法人税は伸びないし、所得も伸びないから所得税も伸びない」。「つまり、今後は何もかもが伸びないことを前提に国家運営を考えていかねばならない」というわけだ。<br />
				　「結論を先に言うと、日本がジリ貧から逃れるには、国家運営の仕掛けを抜本的に変えるしかない」。</p>
				<blockquote><p>けいざい解読<br />
				「番号制で何がどうなる?」<br />
				大林尚（編集委員/日本経済新聞 2010年2月7日（日））</p></blockquote>
				<p>　「国民一人ひとりに番号をつける制度」。これには、「納税者番号、社会保障番号などと呼び名は様々だが、所得が少ない世帯への消費税増税の影響をやわらげたり、年金や福祉の給付にめりはりをつけたりするのに欠かせない『装置』である」。</p>
				<p>　この制度は、「社会保障、住民登録、税務の3つの行政サービスに使うのが基本だ」。<br />
				　「設計は①ひとりに一つ統一した番号を決めて税務にも社会保障にも使う固有型」<br />
				　「②行政サービスごとに違う番号をつけて独立した管理機関が各番号を関連づける、ひも付け型」<br />
				　「③行政サービスごとに違う番号をつけ、関連を持たせない分離型―に大別できる」。</p>
				<p>　「固有型はドイツなどを除く大半の欧州諸国や米国、韓国など。行政サービス間で連携しやすいが、不正使用をくい止める堅牢なしくみが必須だ」。<br />
				　「ひも付き型はオーストリア」。「万が一、個人情報が漏れたときにダメージを小さくできる」。「管理機関を設けて別番号にしているのは、他民族で成り立つ国ならではだ」。「固有番号だと特定の民族型民族を支配するのに悪用する恐れがあるからだちという」。</p>
				<p>　それでは、日本はどうかというと「日本の現状は③だ」。「番号制について鳩山由紀夫首相は『1年以内に結論を出す』と約束した」。</p>
				<p>　この制度、「先進国で番号制度が入っていない国はない」という。<br />
				　この制度を「兵役、電子申請、教育、自動車登録に援用する国もある」。「さらに新しい用途も広がってきた」。「欧州連合（EU）では公的サービスの域内共通化へ向け、番号制の実証実験が始まった」。「米英はテロリストを封じ込める道具としての活用を考えている」。「韓国も北朝鮮対策に応用しているという」。</p>
				<p>　「制度の成り立ちや番号の使われ方は国によって違う」。「各国の実情をじっくりと勉強し、よい点をまねできる利が後発国にはある」。</p>
				<blockquote><p>参考記事</p></blockquote>
				<p>・「<a href="http://hikari-sunaichi.iza.ne.jp/blog/entry/461256/">日本は経済的には世界を席捲したが！</a>」/<a href="http://hikari-sunaichi.iza.ne.jp/blog/">中華大陸興亡　China Revival</a><br />
				・「<a href="http://hikari-sunaichi.iza.ne.jp/blog/entry/1022380/">目先のことに追いかけられあっという間に去る日本首相</a>」/<a href="http://hikari-sunaichi.iza.ne.jp/blog/">中華大陸興亡　China Revival</a><br />
				・「<a href="http://ramusesu.iza.ne.jp/blog/entry/1166201/">民意による、経済ルネッサンス７</a>」/<a href="http://ramusesu.iza.ne.jp/blog/">経済ルネッサンス運動</a><br />
				・「<a href="http://kanawha-street.iza.ne.jp/blog/entry/1208444/">新政権と景気対策</a>」/<a href="http://kanawha-street.iza.ne.jp/blog/">経済学とつれづれに</a></p>
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		<title>日本の行方（中）</title>
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		<pubDate>Thu, 25 Feb 2010 01:00:51 +0000</pubDate>
		<dc:creator>谷口 永治</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[日本の行方を追う（中）
「「生活保護の年収300万円」は果たして「弱者に厳しい国」だろうか」「基礎的財政収支　赤字 2.5倍の40兆円　今年度 国と地方　財政再建険しく」「水を飲んで寝るか、乞食か、盗むしかない―そんな「本当の貧困」を想像できない日本人の「幸福」」「天下り法人だけじゃない　ETC利権と政権の行方」]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				<p>　失われた10年と語られる混乱する日本は、まだ抜け出せていない状態だろう。<br />
				　その日本の現状はどうなっているのだろうか。</p>
				<p>　金融危機の影響により、日本の現状は混乱を続けている。</p>
				<p>　迷い続けている日本を見つめる。</p>
				<blockquote><p>「「生活保護の年収300万円」は果たして「弱者に厳しい国」だろうか」<br />
				本誌編集部（SAPIO　2009.7.8）</p></blockquote>
				<p>　「日本の貧困を示す指標としてよく使われる『経済協力開発機構（OECD）に加盟する国のなかで比較すると、日本の相対貧困率は世界2位』」という。<br />
				　この結果だけみると、非常に深刻である。</p>
				<p>　この報告書で貧困層が増えたというのはおかしいのではという。。「年収の中央値（データを小さい順に並べたとき、中央に位置する値）を基準に貧困層を判断するこの方法では、所得格差が小さい日本のような国では、どうしても貧困率が高くなってしまうから」だ。<br />
				　「最も貧しい下位10%に分類される人々の年間所得を平均した統計（人口5000万人以上の国家に限ったデータ）によると、日本の貧困層の年収は1万2894ドル」。「ルクセンブルク、ノルウェーに告ぐ世界3位の豊かさ」だという。<br />
				　データが違えば、こんな逆の結果になってしまう。</p>
				<p>　「日本は格差拡大どころか、極貧層を人口の4～5%まで絞り込むことに成功している唯一の先進国」だという。<br />
				　しかし、現実に貧困者もいるのだが。<br />
				　「医療など福祉レベルでも、日本は高いレベルを維持している」。<br />
				　「OECDが発表した『Health Data 2007』によれば、日本の国内総生産（GDP）に占める保健医療支出は8.0%と、先進国30ヵ国中では22位の低さだ」。「WHOの統計によれば、日本人の健康達成度は世界一にランキングされている」。「『少ない医療費で健康を維持できる社会』を支えているのが、日本の医療保険制度」である。<br />
				　これは、世界の中ではすごいということか。日本では大問題のことなのだが、これは井戸の中の蛙か。<br />
				　「健康・初等教育などを総合的に判断する『子どもの発達指標』（NGOセーブ・ザ・チルドレン調査07年）で日本が137ヵ国中1位になった」という」。さらに「『環境的に住みやすい国』（米リーダーズダイジェスト調査）でも12位、英国BBCの『好感度をもてる国』でも、常時ベスト3入りの日本」。2008年の「『国民の幸福度調査』（米ワールドバリューズサーベイ）では48位」だという。<br />
				　すごい結果だ。</p>
				<p>　「日本の国民負担率（国民所得に対する租税負担と社会保障負担を合わせた国民負担の比率）は、38.9%。主要国ではアメリカに次ぐ低さ」で、「手厚い福祉政策で知られる北欧の国々の国民負担率は70%前後に達してい」る。「つまり、現在の日本は、それなりの福祉を享受しながら、負担は低くてすむという、相当に恵まれた状態」である。「ただ、その文、次世代にツケが先送りされていること」が問題である。<br />
				　つまり、日本の今の状況は結局、次世代にツケを払わせる状況であるということだ。<br />
				<span id="more-388"></span></p>
				<blockquote><p>「基礎的財政収支　赤字 2.5倍の40兆円　今年度 国と地方　財政再建険しく」<br />
				（日本経済新聞 2010年2月6日（土））</p></blockquote>
				<p>　日本の財政状況は世界的に見ても、深刻なものだ。<br />
				　「基礎的財政収支は毎年の政策に必要な経費を借金に頼らずに、その年の税収などで賄えているかをみる指標」で、「借金に依存すると赤字となる」。</p>
				<p>　「内閣府は5日、国と地方の財政がどれだけ健全かを示す基礎的財政収支（プライマリーバランス）について、2009年度の赤字幅が過去最悪の40兆円6千億円になるとの推計値を発表した」。「赤字幅は08年度の16兆円1千億円から2.5倍に膨らんだ」という。<br />
				　「09年度の赤字幅が膨らんだのは金融危機に対応するための景気対策で歳出が膨らんだのに加え、税収が急減したのが主因だ」。「名目国内総生産（GDP）に対する赤字の比率も8.6％となり、1999年度の6.0％を上回って過去最悪を記録した」。</p>
				<p>　さらに「内閣府は10年度予算案や最新の政府経済見通しをもとに、10年度の国・地方の基礎的財政収支も算出」。「赤字幅は33兆5千億円と09年度からはやや縮小するものの、なお高止まりする」という。<br />
				　「日本経済研究センターの試算では、11年度も36兆5千億円の赤字となる見通しだ」という。</p>
				<blockquote><p>「水を飲んで寝るか、乞食か、盗むしかない―そんな「本当の貧困」を想像できない日本人の「幸福」」<br />
				曽野綾子（作家/SAPIO　2009.7.8）</p></blockquote>
				<p>　「国家には3種類ある」。「一つ目は政治的国家」。「アメリカや中国、ロシアなど他の国に政治力を及ぼしたいと考える国だ」。「二つ目は経済国家で、経済的繁栄を第一の目的としている国」で、「シンガポールなどは典型だし、スイスあたりもそうかもしれない」。「そして三つ目が技術国家」で、「日本やドイツが当てはまるだろう」。<br />
				　「これら三つの国家にあだ名を付けるとすれば、『親分国家』『商人国家』『職人国家』といったところだ」。</p>
				<p>　「この日本の職人国家という在り方は大変安定していると思っている」。「なかなか大富豪にはなれないかもしれないけど、きちんとした生活が成り立っている家のような国家だ」。<br />
				　メリットは安定、デメリットは大富豪は生まれにくい。<br />
				　「だからといってどんな国でも簡単にそうなれるわけではない」。「職人の集団であるためには、まず初歩的な教育の基盤が必要だ」。「国民の多くが読み書きそろばんができなければ親方の指示だって理解できない」。「国民に広く初等教育が行き渡っていることが条件になるわけだが、これは相当難しい」。「そして職人には忍耐と努力を積み重ね、自分の誇りにかけて正しい製品を作るという真面目さがなければならない」。<br />
				　これは技術国家の条件ということか。</p>
				<p>　「電気が使える人は65億人のうち40億人くらいだと言われているが、その40億人にしても、いつもどこでも使える人は一握りだろう」。<br />
				　電気を自由に使えることは、世界では良い暮らしに当たる。</p>
				<p>　筆者は昔から『電気のないところに民主主義はない』と言ってきた。「そういう地域では族長支配しか秩序を保つ方法がないからなのだが、つまりそれは民主主義そのものが非常に基調だということでもある」。<br />
				　これは一つの見方であるのだろう。民主主義は貴重で、当たり前に感じるかもしれないが。</p>
				<p>　「これも南アフリカの話だが、授乳による母子感染でエイズに罹る子供が非常に多いので、私はあるとき医師でもある地元の女性代議士に会った際に『粉ミルクを援助したら感染を防ぐことはできますか』と訊いてみた」。「日本の粉ミルクは『奇跡のミルク』と呼ばれるほどすばらしい配合でできている」という。「生後10ヵ月で5kgとか7kgしかない栄養失調の赤ん坊でも、日本のミルクを飲ませると45日くらいで元に戻ると言われているほどだ」というのだ。<br />
				　「その代議士は『援助をもらっても子供は助かりません』と言う」。「なぜならミルクを溶く水が汚れているからで、『エイズを防いでも細菌性の下痢で死にます』と言うのだ」。<br />
				　日本のミルクがそこまですごいこと。しかし、その前に水の汚染という深刻な問題があり、エイズを防いでも他の病気の危険性が高いということから、環境の問題が実に深刻である。</p>
				<p>　「極端に言えば世界中が泥棒だと疑ってかからなければ本当に必要なところに届く援助などできない」。「事前に調査することはもちろん、事後に本当に援助が計画通りに使われたかどうか監査する覚悟がなければ援助は誰かに盗まれてしまう」というわけだ。<br />
				　援助はするだけではなく、届いて、目的にかなう、使い方をされないといけない。しかし、そこまでがうまくいくことが難しい。</p>
				<blockquote><p>OUT LOOK<br />
				「天下り法人だけじゃない　ETC利権と政権の行方」<br />
				斎藤美奈子（DAYS JAPAN　2009.5）</p></blockquote>
				<p>　「3月末からスタートした高速料金の割引制度」。「休日限定、自家用車限定である」条件であるが、環境対策には逆行する制度ともいえる。<br />
				　この割引制度により潤うのは「SAやPAなど旧日本道路公団の関連企業だけで、地方経済の活性化に結びつくとはいえない」という。「最大の問題はETC対応車に限定した値引きである点」だという。</p>
				<p>　民主党は「高速料金無料化計画」を打ち出している。<br />
				　メリットとして「物流コストが下がれば国民の負担が減り内需の拡大が見込める。拘束が生活道路として利用できるため地域経済が活性化する。一般道と高速が同じ条件で使えれば渋滞が緩和されCO2が抑制できる」。といったことなどがあげられる。<br />
				　「現在の割引による経済効果は1兆7000億円」で、「無料化による経済効果は7兆8000億円という試算」もある。ちなみに、「現在の割引は2年間限定」。</p>
				<p>　ETCに関わってくるのが「道路システム高度化推進機構（ORSE＝オルセ）という財団法人」。<br />
				　「ETCを利用するには専用のカードと車載器が必要だが、車載器の製造、セットアップ、カード発行、それぞれに『上納金』が発生し、1台につき約700円がオルセに入る」という。「路側のETC専用レーンについても1基約30万円がオルセに流れる仕組み」だという。<br />
				　つまり、「高速料金の値下げはETC利権拡大のキャンペーン」ともいえる。<br />
				　そのオルセであるが、「国交省や経産省の元官僚が役員に名前を連ねる」という。<br />
				　「オルセの役員名簿には常勤・非常勤を含めて16名の名があるが、うち最終官職が明記された元国家公務員は5名だけ」で、「他11名の出身母体や肩書きは公表されていない」という。</p>
				<p>　「高速料金が無料になった」としたら、「車載器製造メーカーやカード会社だけ」が困るわけではない。「料金所そのものが不要になるのだから、路側設備の設置運営に関連する企業も団体もすべて予定が狂う」ほどの影響が出るという。<br />
				　この「変化は劇的に大きい」ものだという。</p>
				<blockquote><p>参考記事</p></blockquote>
				<p>・「<a href="http://blog.livedoor.jp/karnak/archives/52043633.html">ドバイ・ショックの波紋</a>」/<a href="http://blog.livedoor.jp/karnak/">カルナック遺跡</a><br />
				・「<a href="http://ryusan7z.iza.ne.jp/blog/entry/1401899/">経済成長しない日本</a>」/<a href="http://ryusan7z.iza.ne.jp/blog/">目指そう、経済成長</a><br />
				・「<a href="http://tom5023.iza.ne.jp/blog/entry/1379756/">民主党政権で危ない日本経済</a>」/<a href="http://tom5023.iza.ne.jp/blog/">今の日本でホントにいいのか・。・</a><br />
				・「<a href="http://syuun.iza.ne.jp/blog/entry/1328862/">単なるニュースショーに終わった政府の「事業仕分け」と識者の嘘</a>」/<a href="http://syuun.iza.ne.jp/blog/">書道家ABC版</a></p>
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		<title>日本の行方（上）</title>
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		<pubDate>Mon, 22 Feb 2010 01:00:34 +0000</pubDate>
		<dc:creator>谷口 永治</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[日本の行方を追う（上）
「沈みゆく成長戦略なきニッポン」「今こそ「最強国家ニッポン」建設に立ち上がれ」「日本の財政[破綻する/しない]大論争」「東国原も橋本も落第点　真の地方自治を担う「知事の資質」」]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				<p>　日本はどうなってしまうのだろうか。<br />
				　世界的に見ても、経済大国・日本の存在は薄くなってきている。<br />
				　日本の存在は、世界では大きな存在であった。しかし、その日本はバブルが崩壊し、混迷し、いまだに、混迷から脱け出せていない。さらに、金融危機により、さらに大打撃を受けて、深いトンネルの中を迷い続けている。<br />
				　<br />
				　日本のこれからの戦略はどうすべきなのか。<br />
				　まずは、日本のこれまでを追う。</p>
				<blockquote><p>「沈みゆく成長戦略なきニッポン」<br />
				ラーナ・フォルーハー（ビジネス担当/Newsweek 2009.9.2）</p></blockquote>
				<p>　「中国政府は先頃、現状では日本が圧倒的に優位に立っているメーカー産業の振興計画を発表」した。</p>
				<p>　「中国は、米ドルが唯一の国際基軸通貨となっていることに異議を唱え、元建ての取引の拡大を図っている」。<br />
				　「米金融大手ゴールドマン・サックスの予想によると、中国やインドに代表される新興国は先進7ヵ国のGDPの合計を27年に追い越すという」。「以前の予測より10年早まった」。<br />
				　「中国は10年には世界の消費の伸びの30％を占めることにな」り、「これはアメリカの倍に匹敵する」。</p>
				<p>　「日本経済は90年代前半に低迷期に突入」。「09年1～3月期のGDP（国内総生産）は年率換算で11.7％減少した」。「先進国としてはここ数十年で最悪レベルの落ち込みだ（4～6月期は3.7％増で、5四半期ぶりのプラス成長）」。<br />
				　「製造業の奇跡的な発展となったトヨタや日産、ホンダなどの自動車メーカーは、09年4月に7割近い輸出減に直面し、在庫調整のために工場を閉鎖しなければならなかった」。<br />
				　「日本の衰退ペースは速かった」。「00年代初頭、経済規模はまだ中国の約4倍もあった」。「しかし近年、中国経済が早ければ10年にも日本を追い越す勢いを見せてきた」。「さらに中国が年率8％の成長を維持するなかで日本経済が収縮」。<br />
				　「1860年代に日本の構造改革が花開いた明治維新から現代まで、日本は『西洋に追い付き、大国として認められるという基本的に1つの目標を追求してきた。その願いを1980年代に果たすと、日本は目標を見失った』」。「今の日本は疲弊している」。</p>
				<p>　「国民が懸命に働いて貯蓄し、その資金を運用して欧米に製品を輸出するという従来のモデルは明らかに破綻した」。<br />
				　「日本は新しい技術を見いだすべきだという」。<br />
				　「グローバル経済の中心が（アジアに）移行し、アジアが経済成長の原動力となっている今、日本がどうやってその中心になれるかを考えなければならない」。</p>
				<p>　「アメリカや日本の学識者は、日本はカナダやスイスを参考にすべきだとみている」。「豊かで充足したこれらの国々は、近隣の大国との関係を維持しながら繁栄することを学んできた」。<br />
				　しかし、「日本がカナダと同等の立場に身を置くのは難しい」。「カナダの経済規模は日本の3分の1未満で、アメリカとの関係も日中関係に比べて良好だ」。<br />
				　「20世紀前半の日本の中国侵略以来、日中両国の関係は穏やかではない」。「貿易や安全保障に関しても双方の国益はしばしば対立する」。「日本はいまだにアメリカの核の傘に守られているが、中国は仮想される脅威の1つ」。</p>
				<p>　それより、「EU（欧州連合）をドイツと共に牽引するフランスのほうが、より日本に適したモデルになるという見方もある」。「日本と中国がアジアの両輪になるというのだ」。<br />
				　だが、「アジアとヨーロッパでは事情が違う」。「EUはフランスと西ドイツ（当時）などが石炭と鉄鋼の生産を共通の管理下に置くために設立した欧州石炭鉄鋼共同体から始まった」。<br />
				　「フランス型モデルの利点」として、「フランスでは、93年のEU発足以来、1人当たり国民所得が42％増えた」。</p>
				<p>　「日本と中国は、海上油田の採掘権や過去の侵略問題をめぐって対立している」。「国民1人当たりの平均年収の差（中国は日本の17分の1）も、地域のリーダーとして協調関係を築く上での障害になるだろう」。</p>
				<p>　「輸出の落ち込みを埋めるために、ここ10年ほど横ばいを続ける国内消費を押し上げる必要がある」。<br />
				　しかし、「国内市場は縮小の一途をたどっている」。「人口は04年の1億2800万人をピークに減り始め、55年には9000万人に落ち込む見通しだ」。「現役世代と高齢者の比率は75年には8対1だったが、05年には約3対1になった」。「55年には1.3対1になると予想」。<br />
				　「そのため「内需を（必要な水準まで）拡大する現実的なモデルが存在しない」。</p>
				<p>　日本の大手企業は、「内需よりアジア域内の需要を指す『準内需』について語る経営幹部が多い」。「成長が続くこの新しい『地元』市場の中心に日本を組み込もうという考え方だ」。「中国や東南アジアの中産階級に製品を売るばかりでなく、アジア企業への投資を増やし、農業のように極めて閉鎖的な分野などで貿易の自由化を推進し、環境やテクノロジー、エネルギーの分野などで中国や他の途上国との連携を強めていこうというのだ」。<br />
				　「近年、日本の対中国輸出は急速に伸びている」。「00年には対中国輸出は対米輸出の約5分の1だったが、今では両者はほぼ互角になっている（ただし、中国への輸出品の多くが組立工場向けのハイテク部品であるのに対し、アメリカ向けは主に完成品）」。<br />
				　「メーカー各社は、高級車や高額な消費財のアジア向け輸出を増やそうと、欧米よりアジアの消費者に関するリサーチやマーケティングに力を入れ始めている」。</p>
				<p>　「中国への投資額で日本は上位4ヵ国の一角に食い込んでいるが、対中投資額の3倍近くをアメリカの工場や企業に投じている」。<br />
				　「日本企業が特に懸念しているのは中国で知的財産権が侵害されること」だ。「高コスト体質の日本メーカーは、製品の中核アイデアを盗まれたら壊滅的なダメージを負うからだ」。<br />
				　「日中両国は5月、アジア域内で外貨準備のドルを融通し合う枠組み『チェンマイ・イニシアチブ』の拡大に関して、日中の資金拠出割合を同じにすることで合意」。「アジアでの多国間協定で足並みをそろえることになった」。<br />
				　「日中は運命共同体で、中国が日本より経済で勝る日が来ても、日本には貢献できることがたくさんある」。</p>
				<p>　「現在、日本政府はGDPの5％を景気対策に投じているが、ようやくプラス成長に転じたばかりで、先行きはなお不透明」だ。「日本はアジア地域との統合に軸足を置いた新たなモデルを見つける必要がある」。<br />
				　「経済力だけが頼りの大国だった日本が世界で勢いを盛り返すには、経済を新たな成長軌道に乗せる必要がある」。<br />
				<span id="more-386"></span></p>
				<blockquote><p>「最強国家ニッポン」の設計図　「ザ・ブレイン・ジャパン」建白書　最終回<br />
				「今こそ「最強国家ニッポン」建設に立ち上がれ」<br />
				大前研一（SAPIO　2009.6.24）</p></blockquote>
				<p>　日本は未だに「近代国家のかたちを成していない」という。</p>
				<p>　その一つの理由は、「日本の都市はどこに行っても街並みや駅や空港が、ほとんど同じパターン」である。<br />
				　「日本は中央集権が強すぎて地方や都市間の競争がない」ということから、「21世紀型ではなく、近代化＝工業化だと信じて疑わなかった20世紀型の街づくり」であるため。<br />
				　一方で、「世界の大都市は互いに激しく競い合っているから、街並みも経済基盤も文化も大きく違う」のである。<br />
				　この問題を「根本的に改めるためには、統治機構を中央集権から道州制に変え、国民の豊かな生活と経済発展を担う責任を持つ各道州が、世界中からヒト、モノ、カネ、企業を引っ張ってくる健全な競争を促さなければならない。</p>
				<p>　他にも考えないといけないことは、「これまでの護憲か改憲かの議論では、とにかく第9条しか問題にされてこなかった」。しかし、憲法の問題は、「軍事独裁で国民が犠牲となった、という当時のGHQの発想で書かれていたために、憲法が国民の『権利』に重きを置きすぎ、『責任』についてほとんど書いていない」ということだという。<br />
				　そうした上で、「国民に対する国の責任は何なのか、国に対する国民の責任は何なのか、ということが全く定義されていない」と筆者は指摘している。<br />
				　現行憲法の問題点として、「『家族』や『コミュニティ』の概念がほとんど欠如しており、個人と国の関係を中心に書かれている」という。「政府と個人しかいないなどという国家が発展するはずがない」と筆者は指摘。<br />
				　そうしたことから、「個人と国の間にある家族やコミュニティの役割や理想の姿が何なのかをきちんと定義しなければ、『国家のかたち』は見えてこないし、非常に多くの重複と欠落が起きる」という。</p>
				<p>　「日本の防衛について新しい現実に基づいて国民的な議論」が必要になっている。<br />
				　「国家には国民の生命と財産を守る責任がある」。そのため、「国会議員はこの新しい現実に基づいて、アメリカの後方支援を続けるのか続けないのか、日本の仮想敵国はアメリカと同じなのか違うのか、アメリカ一辺倒でなければ、どのような国と協力し、誰のために、どのような手段を用いて国を守るのか、それを可能にするための憲法をどのように定義していくのか、といったことを相対的に議論しなければならない」。</p>
				<p>　「大きなアジェンダが政治の俎上に載ってから国が変わるまでには、最低でも10年、下手をすると20年も30年もかかる」という。</p>
				<p>　「日本政府と地方の借金は、今回のバラまき補正予算15兆円を加えると、対GDP比で168％に達してしまう」という。<br />
				　オバマ大統領が経済対策で大盤振る舞いをしたアメリカ」では82％。「OECDで100％を突破している国は、日本とイタリアだけである」。ちなみに、イタリアは「ほんの数％超えているに過ぎない」という。</p>
				<p>　「米ソ冷戦の枠組みの中では、日本の防衛＝アメリカの後方支援」であった。しかし、「当のアメリカは軍事的なプライオリティを、冷戦終結後の20年ほどの間だけでも3回も変えている」。<br />
				　「第1フェーズでは、旧ソ連と繰り広げた軍拡競争に未来がないとわかって核軍縮協議を始めた。ところが、その途中で旧ソ連が崩壊したため、世界はアメリカのシングル・ヘゲモニーになり、アメリカは“平和の配当”で極端な軍縮を推進した。カネを貢いでくれる日本の米軍基地は残したが、その間、アメリカには日本を守る必要性も、守ろうという発想もなかった。これが第2フェーズである」。<br />
				　「本来、この時点（クリントン政権）で日本は安保政策を見直すべきだったが、アメリカのシングル・ヘゲモニーが50年は続くと言われていたから、他国の台頭は想定せず、安全保障の基本方針を議論せずにすませていた」という。<br />
				　「第3フェーズが、9・11同時多発テロ以降である。『テロとの戦い』を始めたアメリカの敵は、国家ではなくテロリストになった。しかし、日本はテロリストの直接のターゲットではない。アメリカの後方支援をするから間接的なターゲットになるのであって、日本独自の外交をしてアメリカと一線を画していれば、間接的なターゲットにもならない可能性が高い」という。「ところが冷戦時代のパラダイムのままでアメリカに従属していることで、日本もテロリストのターゲットになるかもいしれない状況が続いている」。<br />
				　つまり、「もはやアメリカの後方支援は、日本にとって本当に安全保障上、意味のある行為なのか極めて疑問なのである」という。</p>
				<p>　ヨーロッパでは、「冷戦時代の『西側』『東側』の垣根」はなくなり、「EUはロシアと等距離で付き合い、中国とも親しくする一方で、徐々にアメリカとの距離を取り始めるという新しい地政学に早々と転換している」。<br />
				　今や世界は、「国境もイデオロギーも消えて多極化が進み、アメリカのシングル・ヘゲモニー（一極支配）は完全に崩れ」、「多くのテーマで、欧米の主要国以外にも極めて重要な地域や国が出現してきている」。<br />
				　しかし、その世界の変化に対し、日本は「1993年の細川連立政権成立以降、ますます世界の動きから遅れ、ズレている。米ソ冷戦の終結後も、日本の外交はアメリカ一辺倒という旧来のパラダイムから抜け出すことができないでいる」。</p>
				<p>　日本のこれからをどうすればいいのだろうか。<br />
				　「これから日本は国家戦略として世界の国々や地域とどのように付き合っていくのか、どこから食料や天然資源を調達するのか、安全保障のパートナーはアメリカだけで本当に大丈夫なのか、といった問題について国家を二分するくらいの真剣で冷静な議論をしなければならない」だろう。</p>
				<blockquote><p>「日本の財政[破綻する/しない]大論争」<br />
				（SPA!　2009.10.13）</p></blockquote>
				<p>　金融危機が世界中で深刻な状況を引き起こしている現在、日本も苦しんでいる。しかし、それだけが日本を苦しめる要因ではなく、問題は存在していたが、解決策をなかなか打ち出せず、問題自体を雪だるまみたいに大きくしていったのが本当なところだろう。<br />
				　それでは、果たして、破綻のXデーが現実と化した場合、どうなってしまうのだろうか。「かつて日本は敗戦とともに経済が破綻し、それに伴って強烈な物価上昇が発生。預金封鎖と新紙幣（新円）切り替えが行われ、実質的に国民の財産が没収された」。しかし、現在では、「憲法第29条により財産権は保障されている」ため、先に述べたことは起こらないだろう。<br />
				　つまり、「そもそも破産とは、ボクシングの試合でセコンドがタオルを投げ込むのと同じ」で、「再起を図るため、選挙生命を絶たれる前に降参する」ということ。「破産を機に、特別会計などの“裏金”とは決別し、議員数大幅削減などスリム化すれば破産処理は完了し、日本は再生」できるという。</p>
				<p>　もし、「日本が財政破綻した場合、IMFに救済を求めることになる」。「債権国と協議し、支払いのリスケなど条件を緩和してもらうことが一般的」で、「IMFは救済の条件として歳出をカットと、税収増による財政の健全化と、利上げによる通貨の安定を要求」してくることになる。<br />
				　これはつまり、「景気が悪い中、これらの政策は国民生活に非常に大きな負担を強いること」になる。<br />
				　その財政破綻は大きな影響をもたらす。「日本の財政が破綻するということは、財政支出が半減する」ため、「年金の遅れなどが発生する」。「それ以上に深刻なのが、医療」である。国が病院にきちんと支払いができなくなるため、「資金繰りに窮する病院が増え、満足な診療を受けることができなくなる」恐れがあるのだ。<br />
				　さらに、「過去に破綻したアルゼンチンやロシアと比べ、日本ははるかに影響が大きい」という。もし、日本が破綻すれば、世界経済のダメージが大きいからだという。<br />
				　「日本の破綻だけでは留まらず、米国がその巻き添えになることさえありうる」。つまり、連鎖破綻ということだ。なぜなら、「日本が大量に米国債を保有しているから」で、そうなれば、同じく米国債を大量に保有する中国もダメージを受ける。「リーマン・ショックどころの比ではない危機に発展する危険性もはらんでいる」というわけだ。<br />
				　また、「為替市場で強烈な円売り」も進むかもしれない。ただ、「円安は輸出企業にとっては追い風」にはなるが。「実際、韓国は90年代末の経済危機をウォン安に伴う輸出の伸びで克服」している。<br />
				　しかし、「問題は資金や人材の海外流出が激化し、それ以前に日本が疲弊してしまう」恐れがあることである。</p>
				<p>　「現在、国債の発行残高は681兆円」で、「政府の債務は地方分を合わせると970兆円を超える」。それに加えて、「年金債務を含めると1000兆円」ともいわれる。</p>
				<p>　日本の借金問題が深刻になっているとみられているが、果たしてどうなのだろか。<br />
				　「国家とは政府の他に、金融機関、民間企業、家計」があり、そして少しのNPOがある。「日本国家全体で捉えると、それらの総資産額が総負債を上回っている。つまり、日本国全体の純資産はプラス」ということである。<br />
				　この問題を理解する上で、『日本の借金』については、日本国家の借金ではなく、「日本の国家は政府だでけ成り立っている」わけではないという前提を知っておくことだ。</p>
				<p>　「政府が国債を刷って支出を増やさないと、日本のGDPは減る」ことになる。そうすれば、私たちの所得も減る結果になる。<br />
				　「国債の6割を買い受けているのは、国内の銀行と生損保」である。「銀行は年々預金残高が増えている」ため、「その分、利子負担が重くなる」。しかし、「企業への貸し出しが年々減っている」。「その穴を埋めるために、金融機関は国債を買っている」のですが、「そもそも預金が増えるということは、消費支出が減る」ことになるので、「GDPはマイナスになる」。そうなると困るので、「国民の代わりに政府がカネを使っているわけ」だ。つまり、「銀行預金をしている私たちは、国債を間接的に買っているということ」である。<br />
				　国債の問題について、解決の糸口がいくつかあげられる。<br />
				　一つは、『インフレターゲット』。日銀に大量に買い取ってもらい、インフレにすればいいのではということだ。「たとえ政府の負債が増えても、インフレを起こせば、その分だけ名目GDPが増える」ため、政府の返済負担は減るということになる。つまり、「インフレ政策でデフレを止め、企業や個人に消費」させようということである。<br />
				　その他の方法というと、「銀行の企業貸し付けが増えないこと」が問題であることから、「日本の産業が閉塞状況にある」ので、「まず規制緩和して、国内にいろいろな産業を興す努力」をする必要があるということだ。</p>
				<p>　借金、国債の問題の他にも、社会保障の問題もある。<br />
				　社会保障に、「年金だけでも580兆円、その他もろもろ足すと1000兆円くらい隠れ債務があるという」。このままだと、財政破綻ではないが、「『発散』つまりハイパーインフレになる可能性がある」という。「『発散』する確率は22年に46％といわれ」、また、「財務省も個人金融資産で国債をファイナンスできなくなる時期が10年代には来るという予想」がある。</p>
				<p>　問題は山積みな状況で、日銀を引き受けをするなら、その前に少子化対策や次世代エネルギー対策などといったことを、全て行った上で成長率がこれだけ上がるというビジョンを世界に発信しないといけない。なぜなら、「円と国債がダブルで信用を失うリスク」があるためである。<br />
				　しかし、民主党政権の成長戦略がわからない。<br />
				　民主党政権で怖いのは、今のまま国債を発行しないで、GDPが落ちて、「慌てて国債を刷るパターン」。あるいは、「成長戦略なしにダラダラ国債を増やして慌てて日銀引き受けをしてインフレになるパターン」である。</p>
				<p>　金融危機も後押しして、『世代間格差』も深刻な問題になっている。先進国を調べた統計によると、「世代間格差が少ない国は成長率が高まる傾向にある」という。「でも現状では、1940年生まれと2005年生まれの人で、負担と受益の差が大体8000万円ある」といわれている。</p>
				<p>　これら以外にも問題は山積みになっているが、どう対策をうち、解決していくのだろうか。</p>
				<blockquote><p>世界に雄飛する　人間力の時代　第2回<br />
				「東国原も橋本も落第点　真の地方自治を担う「知事の資質」」<br />
				大前研一（SAPIO　2009.8.5）</p></blockquote>
				<p>　金融危機により世界的な不況が襲っている。その影響は日本にも当然、及んでいる。<br />
				　その日本の状況はというと…。「日本は完全に中央集権国家であり、東京都以外の道府県はほとんど全て国からの交付金がなければ生きていけない」状況である。「地方に自己財源も権限もない現在の仕組みでは、どんなに知事が活躍しても効果は知れている」のだ。</p>
				<p>　各都道府県には知事がいるが、その知事の本来の責務」とは何だろうか。<br />
				　それは「1に雇用創出、2に雇用創出、3、4がなくて5に雇用創出」という。「雇用とはすなわち産業政策」で、「国に依存しない自立的な経済発展を果たすことである」。<br />
				　「地方自治、地方分権とは、権限やカネを中央から地方に移すということではなく、地方が独立した国家のように経済的に機能することである」。「そのためには現在の都道府県の単位は小さすぎるので、道州制の導入」が望ましい。<br />
				　「道州単位になり、立法権や徴税権の一部を持つことになれば、九州や四国も十分に自立可能」だろう。</p>
				<p>　「任期が保証されていない首相や衆院議員と異なり、知事はよほどのことがない限り4年間務められる安定したポジション」といえる。「たとえ権限や財源が乏しくても、4年間あればもう少し何かできそうなものである」。<br />
				　「それができない理由の1つは、都道府県の役人が知事に政策を作らせないこと」があげられる。<br />
				　つまり、「知事として地元の舵取りを本気でやろうと思えば、マスコミを味方にすることより、自ら地道で厳しい道を選ぶ覚悟が必要なのである」。「知事にとって、4年間でこういう政策をやろうという固い信念と強い意志がいかに大切」なのだ。</p>
				<p>　「知事の権限が極めて限られているからこそ、彼らは有権者から厳しい“勤務評定”をされることなく、改革派を名乗って『国と戦う』姿勢さえ見せていれば人気を維持できた」。「全国47知事の中で目立つために、中央省庁に対して勇ましい発言をする」わけだ。<br />
				　しかし、「勇ましい発言をする知事たちは『地方分権』と叫ぶだけで、『権限を持ったらどういう政治をやるか』という具体案を何も示していないことがわかる」。<br />
				　「例えば、国土交通省などから北陸新幹線整備事業の地元負担額を求められた新潟県の泉田裕彦知事は、『負担増が決まる前に地元と十分協議すべきだ。負担金の増額は極めて難しい』と国に反旗を翻し、国交省に詳細な説明を求めた」。「例によってマスコミは喝采した」。しかし、「国交省が一枚上手だった。ならば国も事業費の8割負担をやめました、と応じたのである」。「その結果、泉田知事は地元から総スカンを食らい、ほどなく『緊急経済対策に県としても協力したい』と、あっさり前言を撤回してカネを出すことにしたのである」。「泉田知事は、ゴネて負担を避ける狙いはあったのだろうが、『国の事業は要らない。地域の交通インフラは自分たちで作る』というところまでは腹がすわっていなかったようだ」。<br />
				　「そもそも、仮に国が全額負担して地方のインフラ整備をやることになったら、さらに国のコントロールが強まり、地元無視の建設工事が進むだけである」。</p>
				<p>　「地域のリーダーとして『権限をよこせ』と言うなら、そこまで責任を引き受ける覚悟をまず示すべきだ」。<br />
				　「本当に成功する事業事業部長とは、この事業をこうしたい、というビジョンが先にあり、そのためには本社の権限のこれとこれを委譲してほしい、と具体的に説明できる人物」である。</p>
				<blockquote><p>参考記事</p></blockquote>
				<p>・「<a href="http://kanawha-street.iza.ne.jp/blog/entry/1225746/">金融と経済</a>」/<a href="http://kanawha-street.iza.ne.jp/blog/">経済学とつれづれに</a><br />
				・「<a href="http://hikari-sunaichi.iza.ne.jp/blog/entry/459598/">チャイナ経済と日本</a>」/<a href="http://hikari-sunaichi.iza.ne.jp/blog/">中華大陸興亡　China Revival</a><br />
				・「<a href="http://forza-tinpuu.iza.ne.jp/blog/entry/108437/">基本政策方針【経済】</a>」/<a href="http://forza-tinpuu.iza.ne.jp/blog/">forza！新風！私的まとめサイト</a></p>
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		<title>イラン問題の行方（下）</title>
		<link>http://eiji-taniguchi.com/20100218/373</link>
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		<pubDate>Thu, 18 Feb 2010 01:00:59 +0000</pubDate>
		<dc:creator>谷口 永治</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[イラクやアフガニスタンと同様に、イランの問題は注視する必要がある。
「イラン人の心の内を訪ねて」「神権国家の壁は崩れず」「イランの混乱に無関心装う真相」「核兵器は欲しくない?」]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				<p>　イランの問題が、アフガニスタンやイラクと同様に、深刻な状況になっている。<br />
				　一歩間違えれば、戦争に発展しかねない。</p>
				<p>　イランは重要な地域である。<br />
				　隣国にイラクがある。イランと周辺国との関係も厳しい。</p>
				<p>　イランとの関係をどう進めればよいのだろうか?</p>
				<blockquote><p>「イラン人の心の内を訪ねて」<br />
				フーマン・マシド（作家/Newsweek 2009.6.17）</p></blockquote>
				<p>　「オバマ政権が本気でイランとの間に新たな関係を築きたいのなら、イラン人のメッセージを読み取る方法を学ぶべき」かもしれない。<br />
				　「イランの新年に当たる3月20日、オバマはイランに直接対話を呼び掛けるペルシャ語字幕付きのビデオを公表した」。「それに対するハメネイの挑戦的な発言を、欧米の多くの識者が侮辱と受け取った」。<br />
				　しかし「発言を聞いたイラン人が最も注目したのは、ハメネイの最後の言葉」だった。それは「アメリカが変わるなら、われわれの行動も変わる」というもの。これは「イランの最高指導者が『変わる』という言葉をこの文脈で使うのは初めてといっていい」ということだ。「今までイランの立場は『自分たちに非はない』というものだった」からである。</p>
				<p>　イランの警察の検問所には2つの種類がある。「1つは不法移民（大半はアフガニスタン人）を捕らえるためのもの」。もう1つは「密輸を取り締まるためのもの」。「密輸されるのは主にアヘンとヘロインで、アフガニスタンから入ってくる」という。「イランの麻薬問題は深刻で、薬物依存者は100万人を超えるといわれる」。<br />
				　薬物問題は世界で問題になっており、隣国のアフガニスタンはその麻薬の生産地の規模の割合で多くを占め、その影響はイランにも大きい。</p>
				<p>　「欧米人の抱くバザールのイメージは、小さな店が迷路のように入り組み、粗悪品を売り付けたり、観光客をカモにする場所」だろう。しかし、「それは正確とはいえない」。「イスファハンのバザールには多くの店のほかに、オフィスがある」。「あまり目立たないが、ビジネスを仕切っているのはオフィスだ」。「店で鍋を作る職人が、銅線や銅配管の卸商に雇われているということもある」。<br />
				　「バザールでは、時にストが起こる」という。「イラン革命でもバザールのストが王制を倒す力になった」。「ストが起れば店主たちが困るだけでなく、イラン経済全体が影響を受けかねない」。<br />
				　その「バザールの商人には、しつこいというイメージがある」。「モロッコなど観光客の多いアラブの国々では、客が店を出ても商人が後を付いてくる」。しかし「イランの商人は、そんな振る舞いは卑しさの表れだと考える」という。<br />
				　「靴屋の男は2つのことを理解していた」。1つは、客が「本当にサンダルを欲しいなら、また来るだろうということ」。「もう1つは、そのとき真剣に交渉すれば売れるということ」だ。「買うかどうか分からない客には時間を使わない」し、「双方が取引に満足できるという見通しがなければ、交渉には入らない」。<br />
				　「バザールでも他の場所でも、イラン人にとって交渉とはそういうもの」だという。</p>
				<p>　イランはイスラム教シーア派の国である。「シーア派の総本山とされるコムは、信仰のあつい人々にとって特別な意味を持つ都市」である。<br />
				　「コムは重要な巡礼地であり、第8代イマーム（指導者）であるアリー・アッリダーの妹ファーティマの墓廟がある」。「ここにある多くの宗教学校は、エリート聖職者を輩出している」。<br />
				　「コムの中心部から車で5分ほど離れたジャムカランにもモスクがある」。「9世紀に『お隠れ』になった第12代イマームがそこに姿を現したことがあると伝えられている」。<br />
				　「長い間、ジャムカランのモスクはコムの陰に隠れて地味な存在だった」が、「アハマディネジャドが大統領になり、アハディ（救世主）の再臨を口にするようになると、このモスクは巨大化し始めた（第12代イマームがマハディとしてこのモスクに再臨すると信じられている）」。<br />
				　「金曜日（イランの休日）とマハディが姿を見せたと伝えられる火曜日には、何十万人もの巡礼者がジャムカランを訪問」する。「祈りをささげ、ピクニックを楽しむ」。「中には『手紙』を井戸に落とす信者もいる」という。「マハディが手紙を読んで、願いをかなえてくれると信じているのだ」。「井戸は2つあり、男女別に分かれている」。<br />
				　「ジャムカランは世界の終末に対するシーア派教徒の強い思いの象徴のように見える」。<br />
				　だが「ジャムカランには、信心深い人々が生活から離れ、巡礼によって神をあがめる場所という面もある」という。</p>
				<p>　「イランでは、欧米で重んじられる『自由』より、貧しい人々が豊かになるチャンスのほうがずっと大事だと思われている」そうだ。<br />
				　「中東で最も長い通りであるバリアスル大通りは、テヘラン駅を始点に市の最北端まで延びている」。「市の中心部には伝統的な服装を身にまとった年配の男女が多いが、大通りを北に向かうにつれてジーンズや色鮮やかなスカーフが目立つようになる」。<br />
				　ある青年に、「6月12日の大統領選では誰が勝つと思うか?」と聞いたところ、「『アハマディネジャドに勝ってもらわなきゃ困る』」。「『アハマディネジャドに勝たせれば、既存の政治体制が崩壊に向かうはずだ』」。<br />
				　「外国人がこうした意見を聞くと、イランの若者が政府を打倒するのは時間の問題だという問題だという印象を持つかもしれない」。<br />
				　「この国では若者が人口の4分の3を占めて」おり、「イランでも若い世代は娯楽に夢中だ」。だが、「好きな服を着たり、自由に行動したりする権利にはそれほどこだわっていない」という。<br />
				　「家の中など他人の目に触れない場所でなら『自由』を楽しめるから」である。<br />
				　「禁欲的な価値観に反発を感じている人々でさえ、ペルシャ民族としてのアイデンティティーや、その歴史と文化を誇りに思っている」という。「彼らの多くは生活に余裕があり、外国旅行の経験も豊富で、欧米流の考え方になじんでいるが、東洋でも西洋でもないイランの立場を大事にしたいと考えている」というのだ。<br />
				　「アメリカ人が作った地図で『ペルシャ湾』が単に『湾』と記されていたり、ペルシャ人を蔑視するような要素がハリウッド映画に含まれていれば、イラン人は憤慨する」。「テヘラン北部に住む『リベラル』な人たちだって同様」だという。<br />
				　つまり、うまく外国文化などを取り入れ、自国の文化を大切にしているのだろう。<br />
				　しかし、イランの現状は「インフレ率も高く、失業者も多いため、イラン経済は深刻な状態にあるとされている」。</p>
				<p>　テヘランの「ジャバディエ地区」は、「かつてここは非常に治安が悪い地域として有名だった」。「今でもテヘラン市民の大半は足を踏み入れようとしない」。<br />
				　だが「最近は、前より暮らしやすくなっている」という。「泥レンガ造りの古い建物に交じって、新しいアパートが立っている」。「真新しい車もあちこちに止まっている」。<br />
				　「この地区の住民の多くはアハマディネジャド支持者だ」。「大統領が育ったのも下層中流階級の町」。「貧しい人々のために尽くす気取らない政治家というイメージを打ち出したアハマディネジャドは、ジャバディエのような地域で非常に人気が高い」という。<br />
				　「テヘラン南部の住民は信心深く労働者階級が多い」。「彼らは権威に反感を抱いて」おり、「特に裕福なエリート層には厳しい目を向ける」。<br />
				　「選挙となると、この地域の住民はこぞって投票所に足を運ぶ」。「彼らは市の南部の開発に力を注ぐ市長候補に票を投じて」きており、「アハマディネジャドもそうして選ばれた市長の1人」である。<br />
				　「アハマディネジャドは医療保険や年金の改革に取り組むことによって、ジャバディエで多くの支持者を獲得した」。だが、「彼自身が貧しい家庭の出身だという事実も、政策と同じくらい重要な意味を持っている」。</p>
				<p>　「バリアスリ大通りは北の端に至ると上り坂になり、雪を頂いたアルボルズ山脈の山麓の丘に続く」。「イラン革命を主導したホメイニ師の一族が住むジャマランはこの丘陵地帯にある」。<br />
				　「ハタミ前大統領もここに事務所を構えて」おり、「その建物は、ほぼ全員が改革派に転向しているホメイニ一族から提供されたものだ」。<br />
				　その「ハタミは大統領選出馬を断念」した。<br />
				　「キングになるよりキングメーカーのほうがいい」。「絶対的な権力者はハメネイ師ただ1人だが、ハシュミ・ラフサンジャニ元大統領やラリジャニ国会議長もキングメーカーとして力を振るっている」。<br />
				　「大統領選に立候補したり、大統領に就任したりするには、多くの有力者やさまざまな支持基盤の歓心を買う必要があり、妥協を強いられる」。「黒幕はそれほどの苦労をしなくて済む」というわけだ。<br />
				　「最高指導者のハメネイ師が口にした『変化』を実行するとなると、ハタミには荷が重い」。「信心深い人々から改革派まであらゆる国民に、路線変更が最高の選択肢だと納得させられる人物が大統領にならなければ、変化は起こせない」からだ。</p>
				<p>　「まだ完成していない原子炉の燃料を、自国で生産する必要があるのかと米政府は疑問視する」。だが「イラン人にしてみれば、原子炉が完成しても燃料は外国頼みという事態は断じて受け入れられない」。「アメリカは石油の対外依存を脱却したがっている」。「なのに、なぜイランにエネルギーの対外依存を強いるのかと、人々は思うのだ」。</p>
				<p>　「今度の大統領選で誰が勝つにせよ、次期大統領は難題に直面することになる」。「30年間にわたって互いに敵意を抱いてきたアメリカと緊張緩和」である。<br />
				<span id="more-373"></span></p>
				<blockquote><p>「神権国家の壁は崩れず」<br />
				ファリード・ザカリア（本誌国際版編集長/Newsweek　2009.8.8）</p></blockquote>
				<p>　「近代社会を動かす大きな力は民主主義と宗教、そして民族主義だ」。「20年前の東欧では、この3つの力が1つになって、政権側に対峙した」。「市民は自由と政治参加の権利を奪う体制を嫌悪し、信心深い人々は宗教を禁止する無神論者の共産党指導者たちを軽蔑した」。</p>
				<p>　イランの状況はというと、「民主主義は、どう見ても抑圧的な政権と相いれない」。「しかし宗教界が政権を脅かす側に回るとは考えにくい」。「イラン人の多くは神権政治（統治者が神の代理人として支配する政治形態）に辟易しているが、宗教そのものに愛想を尽かしてはいない」。「現職大統領のマフムード･アハマディネジャドに票を投じた人の多くは、信心深い地方の貧困層だとみられている」。<br />
				　イランの現状では不満が高くなっている。宗教を大切にしているが、不満も大きい。<br />
				　「イランの建国理念である『ベラーヤテ・ファギーフ（法学者による支配）』に反対し、聖職者は政治に介入すべきではないとの立場を貫いている」。「シスタニがイランの現政権を非難すれば、イラン国内に激震が走るだろう」。「ただし、シスタニがイランを公然と非難するとは考えにくい」。<br />
				　「宗教を体制打倒に動員できるシナリオ」はというと、「隣国イラクのイスラム教シーア派最高位聖職者アリ・シスタニ師が、ファトワ（宗教令）を出してイラン政府を非難することだ」。「シスタニはもともとイラン人で、シーア派全体で最も尊敬されている聖職者と言っていい」。</p>
				<p>　民族主義はどうか。「イランの支配層は昔から、民族感情を巧みに利用してきた」。「革命の指導者ルホラ・ホメイニ師は、当時のシャー（国王）がアメリカの言いなりだと非難することで、民衆の支持を得た」。「革命の直後にイラクが攻めてきたときも、宗教指導者たちは国民の民族意識をあおった」。</p>
				<p>　「80～88年のイラン･イラク戦争では、アメリカがイラクを支援した」。「イラク軍がイラン人に対して化学兵器を使ったことにも目をつぶった」。「当然、イラン人はその恨みを忘れない」。「アメリカのブッシュ政権が過去8年間、イラン攻撃の可能性をちらつかせてきたことも、イラン人の民族意識を刺激した」。</p>
				<blockquote><p>「イランの混乱に無関心装う真相」<br />
				（Newsweek　2009.7.15）</p></blockquote>
				<p>　イランの問題が現在でも続いている。アメリカ、欧州と対立しているイランであるが、隣国イラクではイランは大きな存在である。<br />
				　「イラク指導部としては、アハマディネジャド大統領はともかく、最高指導者ハメネイ師を敵に回したくはない」。なぜなら「重要な決定を下すのはハメネイであり、戦争と反乱の6年間で疲弊したイラクは、ハメネイと彼の軍隊にはかなわない」。</p>
				<p>　しかし、「イランに不信感を抱くイラク人も多い」。「80年代の8年間に及ぶイラン・イラク戦争の恨みは根強く、国内にはイラク人実業家を悩ませる安いイラン製品があふれている」。「そして多くのイラク人が、イラン政府は故意に混乱を起こし、共和国のイラクを自国同様イスラム国家にするつもりだと考えている」という。<br />
				　さらに「イランの神権政治に反感を抱くイラク人は多く、「イラン国民は宗教的孤立政策にうんざりしている」。「ムラー（宗教指導者）による包囲を破りたがっている」。</p>
				<blockquote><p>「核兵器は欲しくない?」<br />
				ファリード・ザカリア（国際版編集長/Newsweek 2009.6.17）</p></blockquote>
				<p>　「この5年間、イランの高官たちは再三にわたり、核兵器製造の意図はないと主張してきた」。<br />
				　「現在の最高指導者アリ・ハメネイ師は04年に、核兵器の使用を非道徳的とするファトワ（宗教令）を発布」。「その後も『核兵器の開発・製造・貯蔵はイスラムで禁じられている』と発言している」。「08年には国際原子力機関（IAEA）のモハメド・エルバラダイ事務局長と会談した後に、同様の趣旨のことを述べた」。</p>
				<p>　「軍事目的の核兵器でなく民生用の原子力技術も開発を推し進めることには、大きな利点がいくつもある」。「民生用の原子力開発であれば核拡散防止条約（NPT）に違反しないし、ほかの国の理解も得やす」く、「包括的な制裁を受けることは避けられる」。<br />
				　「イラン政府が核保有を望んでいるのは事実だが、核兵器ではなく民生用の原子力技術を保有するだけで満足なのかもしれない」。</p>
				<p>　「民生用の原子力開発を行う権利があるという点でイラン指導部内は一致しているようだが、微妙な考え方の違いはあるかもしれない」。<br />
				　アハマディネジャドは、「有力聖職者との縁戚関係がなく、イランの宗教界では傍流の存在。聖職者たちはアハマディネジャドを露骨に嫌っている」という。<br />
				　「最高指導者であるハメネイの権力も絶対ではない」。「イランの最高指導者は『専門家会議』という組織によって選出される」。「ハメネイといえども、この組織の面々の顔色をうかがわないわけにはいかない」というわけだ。</p>
				<p>　ただし、肝に銘じておかないといけないのは「イランは民主国家ではない」ということだ。「反体制派を投獄し、気に食わない雑誌を廃刊させ、体制への批判をほとんど許さない」。</p>
				<blockquote><p>参考記事</p></blockquote>
				<p>・「<a href="http://ayarin.iza.ne.jp/blog/entry/1098537/">イラン情勢について②</a>」/<a href="http://ayarin.iza.ne.jp/blog/">真実は何？</a><br />
				・「<a href="http://office-higuchi.iza.ne.jp/blog/entry/1108101/">「やつらはいまも騒いでいる」イラン情報相、米・イスラエルを非難</a>」/<a href="http://office-higuchi.iza.ne.jp/blog/">iZa版：オフィス樋口</a><br />
				・「<a href="http://pourarts.iza.ne.jp/blog/entry/1159998/">イラン最高指導者が大統領再選承認令で、｢敵に注意｣と喚起</a>」/<a href="http://pourarts.iza.ne.jp/blog/">【エッフェル塔から発信】・・・短波編</a></p>
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		<title>イラン問題の行方（上）</title>
		<link>http://eiji-taniguchi.com/20100215/370</link>
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		<pubDate>Mon, 15 Feb 2010 01:00:04 +0000</pubDate>
		<dc:creator>谷口 永治</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[アフガニスタン、イラクと同様に、イラン問題が深刻な状況だ。
「「騒乱のイラン」もまたアメリカのエゴにより演出された」「ピープルパワーが突き崩す「聖域」」「イランを読む　人口の6割　革命後世代　今後も保守派の批判勢力に」「イランの選択　下　資源開発の期待しぼむ　再選のツケ、経済に重く」]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				<p>　イラン問題が依然として続いている。<br />
				　欧米とイランの関係は良くない。</p>
				<p>　イラク、アフガニスタンの問題と同じくらい、大きな問題として、現代の国際情勢の注目すべき問題である。</p>
				<p>　そのイランを取り上げる。</p>
				<blockquote><p>新世界大戦の時代<br />
				「「騒乱のイラン」もまたアメリカのエゴにより演出された」<br />
				落合信彦（SAPIO　2009.7.22)</p></blockquote>
				<p>　第2次大戦中、パーレビ朝国王を22歳のレザー・パーレビが継いだ。当時、イラン議会は極端なナショナリズムが巻き起こっていた。特に「石油をめぐって議会は国有化に傾いて」おり、「その先頭に立っていたのが、後に首相となるムハンマド・モサデク」であった。<br />
				　「かつてイランの石油はセブン・シスターズ（世界石油メジャー7社）の一角であったイギリスのアングロ・イラニアン社（後のBP）が独占していた」。「1951年4月、モサデクは議会石油委員会委員長の権限で石油の国有化を一方的に宣言して国民の圧倒的な支持を得る」。「その2年後、パーレビはモサデクを首相とするとともに石油国有化法に署名する」。<br />
				　しかし、アングロ・イラニアン社は、「他のメジャーと組んでイランの石油を国際市場からシャット・アウト」。その反撃に対して、「モサデクは必死に買い手を探すが、誰もメジャーを敵に回すような危険は冒したく」なく、「イランの国庫はからっぽになりつつあった」。<br />
				　そして、「当時のアメリカ大統領アイゼンハワーに、『もしアメリカが救いの手を差しのべてくれないならイランはソ連の援助を受けざるを得ない』」（しかもソ連との相互防衛条約も念頭に入れているということも）という書簡を送った。これに対し、「アイゼンハワーはモサデクを危険人物と判断し、CIAにイランの“掃除”を命」ずることになった。<br />
				　「CIAに後押しされたパーレビは国王権限でモサデクを罷面」し、「これを契機にモサデクを支持する反国王派のデモがエスカレートし」、「ソ連に焚き付けられた共産主義政党ツデー党が絡んでテヘランの民衆は暴徒化する」。「国王はCIAの指示でひとまずローマに亡命」。「CIAは軍部と警察を握ってカウンターデモを起こし、一夜にして情勢をひっくり返してしまう」。「モサデクは逮捕され国家反逆罪で3年の刑を受ける」。しかし、「パーレビは復権し、それまでとは人が変わったように現実的かつ強権的になる」。</p>
				<p>　パーレビは復権により、極端な独裁政治を始め、79年の1月に失脚するまでの約27年間、イランの独裁者として支配を続けた。そして「その独裁の裏には常にアメリカがいた」という。「アメリカにとってイランは中東における忠実なドーベルマン」であったからだ。「これがイラン人が抱く“アメリカの呪縛”である」。しかし、その反面、パーレビは「イランを中東で最も近代化させた」。</p>
				<p>　パーレビの独裁はホメイニを生み出した。<br />
				　「ホメイニは何度も国王批判の演説を打っては逮捕され、ついに64年に国外追放となった」。「彼はその後15年間、トルコ、イラクを経てフランスで亡命生活を送りながら、国外から国王への抵抗を呼びかけ続けた」。<br />
				　「79年1月、パーレビ国王はホメイニの演説に呼応する国民を抑えきれないと判断し、エジプト経由でアメリカに亡命」。そして、「入れ替わるように2月にホメイニが帰国し、国王派を一掃」。「同年4月1日、イラン・イスラム革命が成立、ホメイニは最高指導者に就任した」。<br />
				　そのホメイニを生み出した背景には、アメリカが絡んでいるという。<br />
				　「79年1月初旬NATO軍最高司令官アレキサンダー・ヘイグの元にカーターから指令が届いた」という。「『イランに特使を送り、どんな状況下でも動かぬよう軍部を説得させろ』」という命令だったという。「イラン軍部の動きを封じこめることは、パーレビを見殺しにするに等しい」。「ヘイグは戦略面と倫理面の両方から命令を拒否した」という。<br />
				　「結局、カーターは自分が選んだ特使をイランに派遣し、イラン軍部を説得」。「2月にホメイニがイランに帰国し、それを歓迎する100万人もの一大デモが行われた際も、ついに軍部は動かなかった」。<br />
				　「カーターはイラン軍部による国民虐殺を恐れていた」。「自慢の人権外交の名に傷がつく」ため、「これ以上独裁王朝にテコ入れしていると、西側諸国の支持を得られなくなるとも考えていた」という。また、「ホメイニに政権が移っても、イランとの関係は変わらないという判断もあったのだろう」。<br />
				　しかし、「イスラム革命後、反米の機運は高まり」、「鎮まることはなかった」。</p>
				<p>　79年11月、イランのアメリカ大使館人質事件が発生した。「パーレビの亡命を受け入れたアメリカに怒った学生らが大使館を占拠し、人質を取って立てこもった」。「背後では革命防衛隊（イスラム革命後に発足）が彼らを支援していた」。<br />
				　「この人質事件に関しては、イスラエル政府がコマンド部隊による作戦を申し出」たが、カーターはこのオファーを断り、「人気回復を狙ったのか」、自ら解決しようとした。<br />
				　しかし、「結局、アメリカの救出作戦は輸送機とヘリコプターの接触事故などもあり」、「失敗に終わった」。</p>
				<p>　こうしてアメリカのイラン喪失を招いたのだが、その背景には情報機関の弱体もあった。<br />
				　「イスラム革命前、CIAはイランに関する情報源をパーレビ側近に頼っていた」という。「パーレビ体制が危機に陥るとすればツデー党によってもたらされると読んでいた」という。<br />
				　「イスラエルの情報機関モサドは、パーレビ体制にとって最も危険なのはイスラム教右派の僧侶たちであると分析し、CIAにもレポートを送っていた」。しかし、CIAはそのレポートを無視した。</p>
				<p>　ワシントンポスト紙の別冊『パレード』誌の『世界最悪の独裁者』ランキングによると、「ハメネイは7位にランクイン」している。「イランには選挙制度はあるが歴とした独裁国家である」。「万が一、イランが民主化に向けて動き出すと、他の独裁者たちは自国にも民主化のうねりが波及するのではないかと気が気ではない」。<br />
				　そのため、「アフマディネジャド当選とハメネイが断定した時、中東のリーダーたちはこぞって祝福の電報を送った」。「今回の騒動で、改革派のデモへの参加者たちの70％以上は30歳前の若者だった」という。「ホメイニの廟で自爆テロが行われ、『ハメネイに死を！』のスローガンが繰り返されている」。「彼らは、明らかに神権政治の終焉を願っている」。「ハメネイをはじめとする僧侶たちも彼らの天下を維持しようと必死だ」。<br />
				　ちなみに、「エジプトのムバラク大統領もトップ20に入っている」。<br />
				<span id="more-370"></span></p>
				<blockquote><p>「ピープルパワーが突き崩す「聖域」」<br />
				ファリード・ザカリア（国際版編集長/Newsweek 2009.7.1）</p></blockquote>
				<p>　イラン問題が国際情勢の大きなものになっている。そのイランでは何が起こっているのか。<br />
				　「イランのイスラム教シーア派最高指導者、ルホラ・ホメイニ師は1970年、宗教指導者であるイスラム法学者が国を統治する聖なる権限を有するという理論を提唱」。「79年にホメイニがイラン革命を主導してイラン･イスラム共和国を打ち立てたとき、その中核になったのは、この『ベラーヤテ・ファギーフ（法学者による支配）』と呼ばれる考え方だった」。「しかし6月12日の大統領選以降、このイデオロギーは致命的な打撃を受けた」。<br />
				　「現最高指導者のアリ・ハメネイ師は大統領選の開票結果への不満が高まると、マフムード・アハマディネジャド大統領の勝利を『聖なる審判』と位置付け、選挙結果を正当化しようとした」。「ベラーヤテ・ファギーフの典型的な手法だが、多くの国民は納得しなかった」。<br />
				　現在の体制への不満がそれだけ大きなものになった。</p>
				<p>　「大統領選の結果を受けていま再び『街頭』と『国家』が対立しているが、過去と違うのは宗教指導者の間に亀裂があることだ」。<br />
				　「ハタミや改革派宗教指導者のフセイン・アリ・モンタゼリ師は、アハマディネジャドの対立候補だったミルホセイン・ムサビ元首相を公然と支持」。<br />
				　内部でも問題が出るほど、イランは揺れている。</p>
				<p>　「今やムサビは変革のシンボルになっている」。<br />
				　「選挙戦でムサビが繰り返し口にしたのは、アハマディネジャドがイランを国際的に孤立させたことへの批判だった」。<br />
				　「最高指導者であるハメネイが『聖なる審判』と言っているのに、有力宗教指導者が異を唱える事態は、イラン･イスラム共和国の建国の理念の『死』を意味しかねない」。</p>
				<p>　「この10年間で、イスラム共和国の土台は徐々に弱まってきた」。「始まりは、97年の大統領選で改革派のハタミが圧勝したことだった」。「ハタミが着手した改革は保守派がつぶしたが、宗教指導者たちはこれに懲りた」。「それまではそこそこ自由な選挙を許していたが、04年の総選挙では現職を含む3000人の立候補資格を停止した」。<br />
				　「今回の大統領選では、早々とアハマディネジャド圧勝という結果を発表して、異論を封じ込めようとした」。「『1100万票もの差がある。不正により操作できる票差とは思えない』と、ハメネイは19日の金曜礼拝の演説で述べた」。</p>
				<p>　「注目すべきは、バラク･オバマ大統領が再三にわたりイランとの歩み寄りの姿勢を打ち出してきたことだ」。「これによりイランの体制側は、アメリカを悪者に仕立てて国内の支持固めをすることが極めて難しくなった」。<br />
				　「前任者のジョージ・W・ブッシュがイランを『悪の枢軸』と名指しし、軍事攻撃を検討していると言い続けていたのとは対照的に、オバマはイランの人々に好意を示し、大統領選でどちらの候補が当選しても話し合いを行うと述べてきた」。<br />
				　これにより、現政権の体制のコントロールは難しくなった。<br />
				　「イランの現体制はアメリカの支援を受けてはいない」。「それに、アメリカやイギリスの介入を受け続けてきた歴史的経緯もあって、イラン国民は強いナショナリズムを抱いている」。「79年の革命に道を開いたのは、国王がアメリカの操り人形だという批判の高まりだった」。「イランの国民は、今回の件でもアメリカに口を挟まれたくないと思っている」。<br />
				　現政権が揺らいでいても、他国からの干渉は許さない。</p>
				<p>　「現実にはイランの現体制が生き延びる可能性が大きいが、それは国民に受け入れられているからではない」。「抗議活動の全面禁止やデモ参加者の逮捕、批判的な有力者の処罰など、社会の自由を踏みにじることによって、体制は存続を図るしかない」。<br />
				　監視体制強化でしばりつけるということか。</p>
				<p>　「イラン国民がデモを行うのは今回が初めてではない」。「しかしこれまで『街頭』と『国家』が対立したとき、宗教指導者は常に一枚岩で『国家』を支持した」。「99年と03年に学生の暴動が起きたとき、改革派のモハマド・ハタミ前大統領は『街頭』の側に立つことも考えたが、結局は体制の一員として行動した」。<br />
				　「79年にイラン革命が起きたとき、すべてのイスラム諸国が激しい衝撃を受けた」。「イスラム原理主義が無視できない力を持ち始めたことを思い知らされたからだ」。</p>
				<blockquote><p>「イランを読む　人口の6割　革命後世代　今後も保守派の批判勢力に」<br />
				松尾博文（日本経済新聞　2009年6月30日（火））</p></blockquote>
				<p>　2009年の「今回のイラン大統領選後の混乱で注目を浴びたのが、イスラム革命体制を維持しながらも、より自由な社会を目指す改革派の原動力となった1979年のイスラム革命後に生まれた若者層だ」。<br />
				　「国勢調査（2007年）によると、約7050万人の人口のうち、革命後世代にほぼ相当する29歳以下の人口は約60.49％」で、「選挙権を持つ20代の人口だけでも1600万人に達する」。<br />
				　若者層の声が大きくなっており、割合も増加した結果が出た。</p>
				<p>　「彼らは王制を打倒したイスラム革命の熱狂を知らず、インターネットや衛星放送を通じて海外の情報も自由に入手してきた」。<br />
				　「比較的豊かな都市部で生まれ育った若者層は、女性の服装の規制緩和や表現の自由など、社会的自由を求める傾向が強い」。「日常生活でのイスラム教の規範を重視し外国の脅威を訴える保守派のアハマディネジャド大統領の締め付けに反発し、欧米との緊張緩和を掲げるムサビ元首相を積極的に支持」。2009年6月「28日もあった抗議行動でも中心的存在だった」。</p>
				<blockquote><p>「イランの選択　下　資源開発の期待しぼむ　再選のツケ、経済に重く」<br />
				（日本経済新聞　2009年6月16日（火））</p></blockquote>
				<p>　「アハマディネジャド大統領は就任以来、公務員給与や年金支給額の引き上げなど大衆迎合的な政策を次々打ってきた」。<br />
				　その背景には、「潤沢な原油収入」があるからだ。「ところが、昨年からの価格下落によってほかに原資を求めざるを得なくなった」。「低金利や通貨供給の拡大を続ける経済政策は30％近いインフレを招き、市民生活を圧迫している」。<br />
				　つまり、調子の良かったころはよかったが、不調になったら成り立たなくなったわけだ。</p>
				<p>　「イランは日量400万バレルを生産する石油輸出国機構（OECD）第2の産油国」である。「ところが、ガソリンは国内消費量の4分の1超に相当する日量12万バレルを輸入している」。「経済制裁下で製油所建設が進まないためだが、スタンドでの販売価格は1リットル10円」だという。「輸入に必要な国際価格との差額は政府が補助金で埋めてきた」。<br />
				　産油国でありながら輸入しないといけない厳しい状況がイランの現状である。。<br />
				　政府は2009年春、「ガソリンや電気などの補助金を減らし、価格を2～4倍に引き上げる法案を提出した」。「政府財政の軽減が目的ではな」く、「そこでひねり出した資金を低所得層に現金で支給するためだった」。「その額は200億ドルといわれる」。<br />
				　これは、弱者に優しいのか。短期的なものか、長期的なものか。</p>
				<p>　「米農務省によると、イランが2009年6月までの1年間に輸入する小麦は850万トン」。「エジプトを抜いて世界最大の輸入国となる見通しだ」。「うち1割超の100万トン程度が米国産だ」。「小麦輸入にかかる費用は全体で20億～25億ドルとみられている」。</p>
				<blockquote><p>参考記事</p></blockquote>
				<p>・「<a href="http://ayarin.iza.ne.jp/blog/entry/1105208/">イラン情勢について③</a>」/<a href="http://ayarin.iza.ne.jp/blog/">真実は何？</a><br />
				・「<a href="http://ayarin.iza.ne.jp/blog/entry/1098531/">イラン情勢について①　イラン革命を起こしたアメリカ</a>」/<a href="http://ayarin.iza.ne.jp/blog/">真実は何？</a><br />
				・「<a href="http://shoko011.iza.ne.jp/blog/entry/1101484/">揺れるイラン</a>」/<a href="http://shoko011.iza.ne.jp/blog/">山麓</a></p>
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		<title>ウクライナ大統領選を経て、ヨーロッパとロシアの関係を追う</title>
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		<pubDate>Thu, 11 Feb 2010 01:00:36 +0000</pubDate>
		<dc:creator>谷口 永治</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[ウクライナ大統領選を経て、ヨーロッパとロシア、アメリカを追う。
「親ロ派ヤヌコビッチ氏が大統領になるウクライナはどうなるのか」「財政難で軍縮するヨーロッパの不安」「オバマがてこずるつれない相手」「冷戦終結20年 なお不信感　欧州「人権重視を」」]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				<p>　1月7日にウクライナ大統領選の決選投票が行われた。<br />
				　結果は、親ロ派ビクトル・ヤヌコビッチ氏が当選した。オレンジ革命を起こした選挙のときから、ウクライナはヨーロッパとロシアの影響を受けてきた。<br />
				　ウクライナがどうなっていくのか。ヨーロッパとロシアとの関係はどうなのか。アメリカとロシアはどうなのか。</p>
				<blockquote><p>「親ロ派ヤヌコビッチ氏が大統領になるウクライナはどうなるのか」<br />
				谷口永治</p></blockquote>
				<p>　ウクライナの大統領選の決選投票が、1月7日に行われた。中央選管管理委員会によると、開票率99％で親ロシア派野党党首のビクトル・ヤヌコビッチ前首相の得票率が48.73％、ティモシェンコ首相の得票率は45.68％という結果になり、ヤヌコビッチ氏が当選した。<br />
				　全欧安保協力機構（OSCE）の選挙監視団は今回の選挙に関して、「民主的な選挙だった」と評価、北大西洋条約機構（NATO）やロシア中心の独立国家共同体（CIS）の監視団も評価した。<br />
				　両候補の票差は約88万4000票になったという。</p>
				<p>　この選挙結果を受けて、ティモシェンコ陣営は再投票を求め、提訴する構えだ。<br />
				　ティモシェンコ陣営は「訴訟に敗れた場合にのみヤヌコビッチ氏の勝利を認める」とし、最高行政裁で再投票や一部地域での票の再集計を求める構え。「100万人以上が正規の手続きを経ずに在宅投票した他、大量の投票用紙が毀損された。千以上の選挙区で不正の疑いがある」からだという。</p>
				<p>　さて、ヤヌコビッチ氏が大統領となったウクライナはどうなるのだろうか。</p>
				<p>　ヤヌコビッチ氏は公務でもプライベートでも「じっくり考え、ゆっくりとした口調で話す」人物だそうだ。そして、旧ソ連の政治家を彷彿とさせる調整・根回し型の実務派であり、地元の工業大学を卒業し、小さな輸送会社を任せられたことがきっかけとなり、世に出るきっかけとなった。<br />
				　そんなヤヌコビッチ氏であるが、貧乏で暴力的な父親に育てられ、青年期には傷害罪で服役した経験を持つ。</p>
				<p>　ヤヌコビッチ氏はユーシェンコ現大統領が推進した北大西洋条約機構（NATO）加盟の撤回や、ロシア語の地位向上を訴えており、ウクライナに駐留するロシア黒海艦隊についても、現政権が主張してきた17年の貸与期限切れに伴う撤退要求を見直す可能性を示唆するといった外交の軌道修正を図っているとされる。<br />
				　欧州向けガスパイプラインの運営会社にロシアなどの出資を仰ぐ意向もある。その代わりに「ガス代金の値引きと欧州向けガス輸送料の値上げを求める方針」。<br />
				　親欧米路線を維持しつつ対ロ関係の改善を唱えたティモシェンコ氏に比べ、ヤヌコビッチ氏はさらにロシア寄りの姿勢をとっている。</p>
				<p>　しかし、新政権の外交方針として、<br />
				①欧州への統合<br />
				②ロシアとの関係改善<br />
				③軍事同盟への不参加<br />
				の3本柱で、「目標は政治・経済面での欧州基準の達成。NATOにも加盟しないが（ロシア主導の軍事同盟）安全保障条約機構にも加盟しない」という。ロシアに全面的に傾いているわけではない。</p>
				<p>　その背景には、政権基盤であるウクライナ東部の重工業地帯の「オリガルヒ（少数の新興資本家）」がいる。そのオリガルヒは欧州市場でロシア企業と競合する立場にある。そのため、経済危機の中で、ロシアから輸入する天然ガス価格の値下げを求めており、新大統領は少しでも高くガスを売りたいロシア側との難しい交渉を迫られるだろう。<br />
				　ロシアとの関係改善なくして経済の再生は難しいが、ヤヌコビッチ氏の支持基盤であるこうした勢力はロシアにのみ込まれる事態を警戒しているわけだ。<br />
				　ウクライナの状況は政界の汚職構造は改善されていなく、世界的な経済危機の影響で財政は破綻の瀬戸際に追い込まれている。昨年、国内総生産（GDP）は前年比約14％減に落ち込み、財政赤字も拡大している。</p>
				<p>　そんな状況のウクライナ情勢であるが、気になることがある。<br />
				　ウクライナの情勢をめぐって、ヨーロッパとロシアの関係が気になるところだ。ウクライナは人口約4600万人で、親露的な東部・南部と親欧州の西部で世論が二分されている。<br />
				　04年の選挙では「オレンジ革命」を支持する中西部と、反対する東部が鮮明に分かれ、「国家分断の危機」も取りざたされたほどだ。その後、リビウ州にもロシア資本の進出が進むなど、融合への流れも生まれたが、今回の選挙結果は改めて東西対立の根深さを感じさせる結果になった。<br />
				　中央選管の州別暫定集計によると、ヤヌコビッチ氏は地元ドネツク州など東部の重工業地帯、ロシア語系住民が多数派を占める南部のクリミア半島などで70～90％の得票率を収めた。</p>
				<p>　こうしたことから、ウクライナをまとめるのは非常に難しく、地理的要因も影響して、ヨーロッパとロシアの関係がウクライナで渦巻いている。<br />
				<span id="more-407"></span></p>
				<blockquote><p>「財政難で軍縮するヨーロッパの不安」<br />
				（中庸総局長/Newsweek　2009.8.5）</p></blockquote>
				<p>　「昨年の世界の兵器売上総額は、景気後退にも関わらず4％増加」という結果になった。</p>
				<p>　世界の軍事支出1位は「アメリカで6070億ドル」、2位は中国で850億ドル、「ロシアは旧ソ連並みの軍事力復活を目指して軍事予算を拡大中で586億ドル」。</p>
				<p>　「ヨーロッパ各国の政治は資金繰りが苦し」く、「大衆受けする社会福祉政策を強化するため、軍事費を大幅に削減している」という。「今年は既にイタリアが約7％、スペインは約4％削減している」。「イギリスでも今後、年間約600億ドルの軍事費が最大25％削減される可能性がある」という。<br />
				　「フランスは昨年、軍事支出が総額657億ドルとイギリスを上回り、12年の支出増を盛り込んだ予算も成立」。「ドイツも微増の計画だが、ヨーロッパではアメリカやアジアよりも景気後退が長引きそうで、仏独の計画はいずれも現実味が薄れている」という。</p>
				<blockquote><p>「オバマがてこずるつれない相手」<br />
				（Newsweek　2009.7.8)</p></blockquote>
				<p>　今、アメリカと中国の関係に注目度が高くなっているが、アメリカとロシアの関係の行方はこれからも注意する必要があるだろう。<br />
				　「ロシア国民は、親善を呼び掛けるオバマの言葉をアラブ世界ほどすんなりとは受け入れないだろう」。それは、「ロシア政府が長年にわたって積極的に反米プロパガンダを推進してきたという事情がある」。<br />
				　「最新の調査によれば、モスクワに住む富裕層の10代の半数近くが、アメリカを『敵』と答えたのは25％に満たなかった」という。<br />
				　要するに、オバマに対して、好印象を持っていないというわけだ。。</p>
				<p>　メドベージェフは2009年6月、「上海協力機構（ロシア、中国、中央アジア4ヵ国）の首脳会議、BRICs（ブラジル、ロシア、インド、中国）首脳会議、ロシアと周辺諸国の軍事同盟である集団安全保障条約機構の首脳会議を相次いで主催」。「こうした外交活動の成果として、旧ソ連圏諸国の間での共同緊急対応部隊や地域関税同盟の設立が進められている」。<br />
				　これは、欧米に対しての機構体制などを強化している。</p>
				<blockquote><p>「冷戦終結20年 なお不信感　欧州「人権重視を」」<br />
				大木治（モスクワ/毎日新聞 2009年12月10日（木））</p></blockquote>
				<p>　「冷戦時代の75年に採択された『ヘルシンキ宣言』は、戦後欧州の国境不可侵とともに、人権擁護という『共通の価値観』をうたい、『壁』を崩す出発点になった」。「この時にソ連の人権侵害を告発するため発足したのが『ヘルシンキ・グループ』だ」。「やがて東側の共産体制は崩壊し、民主化への期待が高まった時期もあったが、今のロシアでは『大国復活』の自信を背景に『欧米の価値観の押しつけ』への反発もあり、人権活動への支持は広がっていない」。</p>
				<p>　「ソ連崩壊後の混乱の時代は、同時に情報公開や民主化が進み、欧米の支援で人権活動が活発になった時代でもあった」。「しかし、00年のプーチン政権発足後、強権統治に批判的なこうした団体への締め付けが厳しくなり、活動家への襲撃事件も相次ぐようになった」。</p>
				<p>　「メドベージェフ大統領は放置の徹底と市民団体への支援を約束しているが目に見える成果はなく、人権を重視する欧州をいらだたせている」。</p>
				<blockquote><p>参考記事</p></blockquote>
				<p>・「<a href="http://extremist5123.iza.ne.jp/blog/entry/1451909/">「ウクライナ陥落！」 汎スラヴ主義はバルカン半島へ一直線</a>」/<a href="http://extremist5123.iza.ne.jp/blog/">青革の手帖</a><br />
				・「<a href="http://ichigen-san.iza.ne.jp/blog/entry/1452199/">政治も芸能ニュースも・・・・・・</a>」/<a href="http://ichigen-san.iza.ne.jp/blog/">面白き　ことも無き世を</a></p>
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