毎日新聞 Archive
アメリカはどうなってしまうのか(中)
超大国アメリカ。世界でも一番の大きな影響力を持つアメリカが、今、大きく揺らいでいる。
しかし、揺らいでいても、今も大きな影響力を持つアメリカですが、そのアメリカの抱える問題と現状はどうだろうか。
「オバマびいき報道の危うさ」
ロバート・サミュエルソン(本誌コラムニスト/Newsweek 2009.6.17)
「大統領の権力がきちんと監視されてこそ政治は正しく機能する」。「だがオバマに対するチェックは緩い」かもしれない。
「ワシントン・ポスト紙、ニューヨーク・タイムズ紙、テレビの3大ネットワーク、公共テレビ局(PBS)、および本誌の1261本の報道を検証」したところ、「オバマに好意的なものが42%だったのに対し、批判的なものの割合は20%だった」という。「ブッシュ(好意的は22%)やクリントン(同27%)とは対照的」な結果になった。
さらに、「報道の内容にも違いがある」。「オバマの場合は人柄や指導力を扱うものが44%を占め、ブッシュ(22%)やクリントン(26%)のほぼ2倍で、政策に関するものはそれより少なかった」。
「インターネットのニュースサイトなどに調査値省を広げても、結果に大差はなかった」という。さらに、「ジョージ・メイスン大学が行った別の調査でも同様の結果が出た」という。
「ピュー・リサーチセンターが行った研究によれば、メディアのオバマびいきの傾向は大統領選挙中に始まった」という。
「オバマに『批判的な』報道といえば民主党議員との戦術的な対立や一部の支持基盤からの批判止まり」で、「重要課題の検証は軽視されている」。
「オバマの主張には矛盾が多い」という」。「財政支出の拡大を要求する一方で医療費抑制を唱え、財政赤字が拡大基調にある中で財政規律を回復するという」。「そんな矛盾だらけの主張を、メディアは額面どおりに受け取っているように見える」。
「メディアは世論に弱いから、支持率の高い大統領は好意的に扱われる」。「ピュー・リサーチセンターによればオバマの支持率は63%」。
「ジョンソンがケネディから引き継いだ経済政策は70年代にスタグフレーション(不況下のインフレ)を招いた」。「メディアは政権に対し敵対的になるべきではないが、懐疑的な姿勢は保つべきだ」。
しかし、このバランスが難しい。
ちなみに、「議会予算局の試算では、連邦予算のGDP(国内総生産)比は08年の21%から19年には25%近くに上昇する見込み」で、「これは第二次大戦後の平均を大きく上回る」。
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ウクライナ大統領選を経て、ヨーロッパとロシアの関係を追う
1月7日にウクライナ大統領選の決選投票が行われた。
結果は、親ロ派ビクトル・ヤヌコビッチ氏が当選した。オレンジ革命を起こした選挙のときから、ウクライナはヨーロッパとロシアの影響を受けてきた。
ウクライナがどうなっていくのか。ヨーロッパとロシアとの関係はどうなのか。アメリカとロシアはどうなのか。
「親ロ派ヤヌコビッチ氏が大統領になるウクライナはどうなるのか」
谷口永治
ウクライナの大統領選の決選投票が、1月7日に行われた。中央選管管理委員会によると、開票率99%で親ロシア派野党党首のビクトル・ヤヌコビッチ前首相の得票率が48.73%、ティモシェンコ首相の得票率は45.68%という結果になり、ヤヌコビッチ氏が当選した。
全欧安保協力機構(OSCE)の選挙監視団は今回の選挙に関して、「民主的な選挙だった」と評価、北大西洋条約機構(NATO)やロシア中心の独立国家共同体(CIS)の監視団も評価した。
両候補の票差は約88万4000票になったという。
この選挙結果を受けて、ティモシェンコ陣営は再投票を求め、提訴する構えだ。
ティモシェンコ陣営は「訴訟に敗れた場合にのみヤヌコビッチ氏の勝利を認める」とし、最高行政裁で再投票や一部地域での票の再集計を求める構え。「100万人以上が正規の手続きを経ずに在宅投票した他、大量の投票用紙が毀損された。千以上の選挙区で不正の疑いがある」からだという。
さて、ヤヌコビッチ氏が大統領となったウクライナはどうなるのだろうか。
ヤヌコビッチ氏は公務でもプライベートでも「じっくり考え、ゆっくりとした口調で話す」人物だそうだ。そして、旧ソ連の政治家を彷彿とさせる調整・根回し型の実務派であり、地元の工業大学を卒業し、小さな輸送会社を任せられたことがきっかけとなり、世に出るきっかけとなった。
そんなヤヌコビッチ氏であるが、貧乏で暴力的な父親に育てられ、青年期には傷害罪で服役した経験を持つ。
ヤヌコビッチ氏はユーシェンコ現大統領が推進した北大西洋条約機構(NATO)加盟の撤回や、ロシア語の地位向上を訴えており、ウクライナに駐留するロシア黒海艦隊についても、現政権が主張してきた17年の貸与期限切れに伴う撤退要求を見直す可能性を示唆するといった外交の軌道修正を図っているとされる。
欧州向けガスパイプラインの運営会社にロシアなどの出資を仰ぐ意向もある。その代わりに「ガス代金の値引きと欧州向けガス輸送料の値上げを求める方針」。
親欧米路線を維持しつつ対ロ関係の改善を唱えたティモシェンコ氏に比べ、ヤヌコビッチ氏はさらにロシア寄りの姿勢をとっている。
しかし、新政権の外交方針として、
①欧州への統合
②ロシアとの関係改善
③軍事同盟への不参加
の3本柱で、「目標は政治・経済面での欧州基準の達成。NATOにも加盟しないが(ロシア主導の軍事同盟)安全保障条約機構にも加盟しない」という。ロシアに全面的に傾いているわけではない。
その背景には、政権基盤であるウクライナ東部の重工業地帯の「オリガルヒ(少数の新興資本家)」がいる。そのオリガルヒは欧州市場でロシア企業と競合する立場にある。そのため、経済危機の中で、ロシアから輸入する天然ガス価格の値下げを求めており、新大統領は少しでも高くガスを売りたいロシア側との難しい交渉を迫られるだろう。
ロシアとの関係改善なくして経済の再生は難しいが、ヤヌコビッチ氏の支持基盤であるこうした勢力はロシアにのみ込まれる事態を警戒しているわけだ。
ウクライナの状況は政界の汚職構造は改善されていなく、世界的な経済危機の影響で財政は破綻の瀬戸際に追い込まれている。昨年、国内総生産(GDP)は前年比約14%減に落ち込み、財政赤字も拡大している。
そんな状況のウクライナ情勢であるが、気になることがある。
ウクライナの情勢をめぐって、ヨーロッパとロシアの関係が気になるところだ。ウクライナは人口約4600万人で、親露的な東部・南部と親欧州の西部で世論が二分されている。
04年の選挙では「オレンジ革命」を支持する中西部と、反対する東部が鮮明に分かれ、「国家分断の危機」も取りざたされたほどだ。その後、リビウ州にもロシア資本の進出が進むなど、融合への流れも生まれたが、今回の選挙結果は改めて東西対立の根深さを感じさせる結果になった。
中央選管の州別暫定集計によると、ヤヌコビッチ氏は地元ドネツク州など東部の重工業地帯、ロシア語系住民が多数派を占める南部のクリミア半島などで70~90%の得票率を収めた。
こうしたことから、ウクライナをまとめるのは非常に難しく、地理的要因も影響して、ヨーロッパとロシアの関係がウクライナで渦巻いている。
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クラスター爆弾問題が前進
- 2010-02-08 (月)
- アジア(戦争・紛争) | 戦争・紛争 | 毎日新聞
クラスター爆弾による不発弾問題が前に進もうとしている。
その不発弾が住民たちに大きな害を与えており、その影響はバカにできない。
地雷を禁止する訴えが、クラスター爆弾にもつながった。そして、今、世界を動かそうとしています。
日本は当初、クラスター爆弾は保持の構えだったのに対し、クラスター爆弾禁止への態度えと転換させた。
このように、クラスター爆弾問題が前に進もうとしているのだ。
クラスター爆弾だけが問題ではなく、劣化ウラン弾もといった問題もあり、数々の問題を抱える現在、少しずつであるが、前に進んでいるようだ。
「STOPクラスター 日本外交 新たな活路 禁止条約批准決定 NGO主導に協力」
(毎日新聞 2009年6月11日(木))
「不発弾が市民を殺傷しているクラスター爆弾の使用や保有を禁止する『クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)批准案』」が2009年6月10日、参院で可決され、批准が決まった。
「廃棄への模索は始まったばかりで、在日米軍の保有弾との整合性など残された課題も多い」。
「地雷は核や生物化学兵器と違い、自衛隊が使用を想定する兵器だったため、禁止条約の批准には反響があまりに大きかった」。
「今回のオスロ条約については『地雷禁止の時の学習プロセスがあり、防衛を担う側の人道的観点への理解が進んだ』と政府として落ち着いた対応だったとみる」。
当然、クラスター爆弾の問題だけでなく、他の問題もある。
「軍縮分野ではオバマ米大統領が核廃絶を究極の目標として唱えているほか、兵器用核分裂性物質生産禁止(カットオフ)条約の交渉にも積極的」である。
「市民主導の軍縮条約としては劣化ウラン弾が次の対象とも言われ、サイバー戦争やバイオテク兵器などの規制も注目される」。
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TBI問題(From 毎日新聞 2009年3月11日)
- 2009-04-23 (木)
- アジア(戦争・紛争) | 北米(戦争・紛争) | 毎日新聞
「米兵脳損傷 「活動に支障」2割 米軍医調査 軽度診断の期間者」
「外傷性脳損傷(TBI)を負っている問題で、作戦行動中などに「正常な活動」が行えなくなった兵士が多くいること」という。
「軽度のTBIと診断されたり帰還兵約1000人のうち2割以上が現地で激しい頭痛を覚え、「活動に支障があった」そうで、「帰還兵全体に占める割合は約4%近くにのぼる」。
この調査は「ワシントン州・フォートルイス陸軍基地の医師らが08年6~10月、過去3か月以内にイラクやアフガンから帰還し、軽度のTBIと診断された米兵978人からアンケートの回答」からわかり、「基地レベルでのTBIの調査は初めて」だという。
「その結果、98%が帰還前3か月以内に頭痛を経験したと答え、6割弱が手製爆弾(IED=即席爆発装置)攻撃を受けてから4週間以内に頭痛が始まった」という。
そのうち、「約200人(全体の約2割)は「正常な活動(軍の任務や日常生活)に支障があった」と答え、「米国防総省は帰還兵のうち最高2割がTBIを発症するとの推計」した。
「軽度でも任務に影響 米兵外傷性脳損傷 陸軍病院が警告」
この軽度のTBIについてであるが、「一般に反応時間が低下し、疲労感がある」という。さらに、「迅速な思考と行動が求められる任務」への影響を問題視されている。
TBIを負い、「頭痛に悩まされるなど大きな犠牲を強いられている実態が陸軍基地のアンケートで明らかに」なった。
「この問題を巡り、米陸軍病院作成の資料が、軽度TBIの兵士について「任務の遂行能力に影響を及ぼしている」と警告している」。さらに、「診察を受けた軽度のTBIの兵士が少数にとどまる実態を明らかにした」という。
このTBIは、兵士だけではなく、住民やジャーナリストなどにも影響しているのではないだろうか。
軽度のTBIの兵士が少数というのは本当なのか疑問である。
「調査対象となった軽度のTBIの兵士全体のうち約4割弱は爆弾攻撃を受け1週間以内に頭痛が始まっている」という。このことからも、爆弾攻撃などが影響することがわかる。
さらに、「その4割弱のうち激しい偏頭痛を覚えた兵士が6割いるが、軍医の診察を受けたのはわずか12%にとどまる」という。「勤務を休んだことがあるのは5%とっごく少数」である。
「1週間程度の早い時期に症状が表れた例ほど、より頻繁に激しい頭痛に襲われている」という特徴がある。
爆弾からの原因が4割もあり、診察を受けたのは12%にとどまるということは、もっと多い可能性がある。
「クラスター 禁止法案閣議決定 政府、条約批准へ積極姿勢」
日本政府は、「不発弾による市民への被害が問題となっているクラスター爆弾について、製造や保有を禁じる「クラスター爆弾禁止法案」を3月10日に閣議決定した。
08年12月に署名した禁止条約を具体化するもので、今国会中に条約批准とともに法案成立を目指し」、これは「先進国では最も取り組みが早い」とのことである。
クラスター爆弾に関する条約を「批准した国は、ノルウェー、アイランド、バチカン、シエラレオネの4カ国。非政府組織などによると、署名した英独仏伊などでは金融危機の対応に追われ、批准に向けた作業が停滞している」という。
「禁止法案では、クラスター爆弾の製造を全面的に禁止」しており、「保有も、爆弾除去の技術開発に利用する場合など以外は一切禁じている。現有する爆弾の廃棄も義務づけ、自衛隊の計画では、条約発効後8年以内に廃棄」する内容となっている。
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