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北米(政治) Archive

アメリカはどうなってしまうのか(下)

 超大国アメリカ。これからの時代はアメリカの時代だとはいえなくなってくるだろう。
 新興国の台頭が目立つアメリカ、これからの課題はどういったものがあるのだろうか。

アメリカよ、どこに行く 32
「バーナンキの未完の使命」
ポール・クルーグマン(COURRiER Japon 2010.2)

 世界的な金融危機に陥った現在、その解決の出口を模索中である。
 アメリカの「昨年11月の非農業部門の雇用者数が前月比でわずか1万1000人減にとどまったとする、12月発表の雇用統計の見かたを改めるべきだ」という。

 「景気後退が始まって以来、米国が失った800万人分の雇用を計算に入れるだけでは充分ではない」。「米国の人口が増えている以上、月10万人を上回るペースで、さらなる雇用を創出しなくてはならない」。
 「これは米国が毎月大量の雇用を創出しない限り、完全雇用に近い状態に戻ることはないという事実を示している」。
 「米国は今後5年間で約1800万人分、つまり月30万人分の雇用を創出する必要がある」というのだ。

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アメリカはどうなってしまうのか(中)

 超大国アメリカ。世界でも一番の大きな影響力を持つアメリカが、今、大きく揺らいでいる。
 しかし、揺らいでいても、今も大きな影響力を持つアメリカですが、そのアメリカの抱える問題と現状はどうだろうか。

「オバマびいき報道の危うさ」
ロバート・サミュエルソン(本誌コラムニスト/Newsweek 2009.6.17)

 「大統領の権力がきちんと監視されてこそ政治は正しく機能する」。「だがオバマに対するチェックは緩い」かもしれない。
 「ワシントン・ポスト紙、ニューヨーク・タイムズ紙、テレビの3大ネットワーク、公共テレビ局(PBS)、および本誌の1261本の報道を検証」したところ、「オバマに好意的なものが42%だったのに対し、批判的なものの割合は20%だった」という。「ブッシュ(好意的は22%)やクリントン(同27%)とは対照的」な結果になった。
 さらに、「報道の内容にも違いがある」。「オバマの場合は人柄や指導力を扱うものが44%を占め、ブッシュ(22%)やクリントン(26%)のほぼ2倍で、政策に関するものはそれより少なかった」。
 「インターネットのニュースサイトなどに調査値省を広げても、結果に大差はなかった」という。さらに、「ジョージ・メイスン大学が行った別の調査でも同様の結果が出た」という。
 「ピュー・リサーチセンターが行った研究によれば、メディアのオバマびいきの傾向は大統領選挙中に始まった」という。

 「オバマに『批判的な』報道といえば民主党議員との戦術的な対立や一部の支持基盤からの批判止まり」で、「重要課題の検証は軽視されている」。
 「オバマの主張には矛盾が多い」という」。「財政支出の拡大を要求する一方で医療費抑制を唱え、財政赤字が拡大基調にある中で財政規律を回復するという」。「そんな矛盾だらけの主張を、メディアは額面どおりに受け取っているように見える」。
 「メディアは世論に弱いから、支持率の高い大統領は好意的に扱われる」。「ピュー・リサーチセンターによればオバマの支持率は63%」。

 「ジョンソンがケネディから引き継いだ経済政策は70年代にスタグフレーション(不況下のインフレ)を招いた」。「メディアは政権に対し敵対的になるべきではないが、懐疑的な姿勢は保つべきだ」。
 しかし、このバランスが難しい。

 ちなみに、「議会予算局の試算では、連邦予算のGDP(国内総生産)比は08年の21%から19年には25%近くに上昇する見込み」で、「これは第二次大戦後の平均を大きく上回る」。

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アメリカはどうなってしまうのか(上)

 超大国アメリカ。アメリカの時代が過ぎようとしているのか。
 アメリカが揺らいでいる。

 金融危機の大きな被害は全世界を苦しめたが、アメリカ自身、大きな打撃を受けた。
 アメリカがこれまで果たしてきた役割は、この先、同じようにはいかないであろう。

 そんなアメリカを追う。

「草食化するアメリカ人」
ラーナ・フォルーハー(ビジネス担当/Newsweek 2010.1.20)

 金融危機により世界中は混乱に陥っている。各国はそれぞれ対策を講じた。
 震源国アメリカでは「自動車販売や鉱工業生産が増加し株価も堅調に推移するなど、最近の経済統計には明るい兆しが多い」という。

 しかし、アメリカの未来は明るいとは言えないかもしれない。「金融危機という大きな衝撃があったせいばりではなく、世界経済の勢力図が塗り替えられてしまったために、アメリカ経済が回復を続けたとしても、アメリカの消費者はもはや世界の支配的勢力ではなくなってしまったからだ」。
 「今後勢力を伸ばして強くなるのはむしろ、中国やインド、ブラジルといった主要新興市場」だろう。「ドルは引き続き弱くなり、アメリカの労働者は国外の低賃金労働者とますます激しい競争にさらされる」。
 「『大きな政府』や規制強化がトレンドで、ひょっとすると保護主義の再来も懸念される中、投資マネーは引っ込んだまま」である。
 それに「大企業と平均的な労働者の経済格差が拡大している」という。「株価が上がる一方で、失業率は数十年ぶりの高水準のまま」である。「最も強気の経済学者たちでさえ、今後何年も高止まりすると考えている」。
 「そもそも、大企業の利益の源泉の1つは国内での人員削減や雇用の国外移転だ」。「一方、アメリカの新規雇用の最大の創出源である中小企業は、金融危機で真っ先にお金が借りられなくなり最も大きな打撃を受けた」。
 「現在は非常に珍しい時代だ」。「19世紀に近代経済が誕生して以来、金融資本主義と実体経済がこれほど断絶したことはない」という。

 ただし、「風力発電などいくつかの有意義なプロジェクトに、銀行がまったく投資しないわけではない」。「だが銀行は実業に投資するよりも、複雑な金融商品を開発して金融機関同士で投資し合うバーチャルな世界にのめり込んでいる」。
 「こうして資本活動と労働が切り離され、失業率が高止まりした結果、賃金だけでなく人間までが萎縮してしまっている」。「多くの調査によれば、失業者は地域や社会から引き籠もりがちだ」。「そしてその隣人は失業を恐れて働きまくり、やはり地域社会から引き籠もる」。
 「親の失業は、子供にも大きなダメージを与える」。「学校の勉強で後れを取るようになり、留年し、不安生涯を患う子供もいる」。「大恐慌のときは、教会や地域センターなど市民団体が今より活発だったから、不況が社会に与える打撃はある程度緩和されたのだが」。

 「多くの専門家が懸念するのは、アメリカと中国の貿易摩擦や通貨摩擦だ」。「保護主義的な政策を取れば、大恐慌のときのように不況を悪化させかねない」。

 「国際的な基準でみると、アメリカの階層間流動性は70年代以降低下しており、現在ではイギリスやスウェーデン、デンマークよりも低い」。「つまり金持ちの家に生まれた子供は金持ちに、貧しい家に生まれた子供は貧しい一生を送る可能性が高まっている」という。
 「アメリカ人は一般に格差に対する許容度が高い」。「だが大不況後の時代には、それも変わるかもしれない」。「もはや新卒の若者が親よりいい生活をすることは期待できず、中小企業も苦しんでいる」。

 そうした中、「明るい希望」がみられる。「アメリカの製造業は、昨年来のドル安と生産性の大幅な改善に救われるかもしれない」。「経営コンサルタント会社マッキンゼーの推計によれば、ドル安が10%進んだだけで、100万人の雇用創出につながる」という。
 「昨年来のドル安のおかげでアメリカの輸出は10~13年に年11%のペースで増える見込みだ」という。

 「アメリカは、過去70年間で最悪の景気後退を経験したばかり」。
 「50年代に育ったアメリカ人にも、はっきりした特徴がある」。「ベビーブーム世代の彼らは楽観的」で、「常に上昇志向で、限りない成功の可能性を体現してきた」。「収入を上回る消費をすることもしばしばだが、それは将来はもっと収入が増えると信じられたからこそだ」。
 「全米の平均失業率10%に対し、20~24歳の若者の失業率は15%を超える」。「統計によれば、失業率が1ポイント上がるごとに、大学新卒の初任給は6%下がる」。「給与のスタート台が低くなるので、その影響は今後数十年にわたって続く」だろう。

 さらに、「平均失業期間が長期化することで未熟練労働者が増えるのも極めて大きな問題だ」。「70年代以降のアメリカ人の賃金水準は比較的安定してきたが、大不況世代はこの30年間で初めて賃金が減る世代になるかもしれない」。
 このようなことから、「私たちの生き方は、若いときの衝撃的な体験(素晴らしい体験でもいい)に大きく左右され、生涯影響を受け続けるという」のだ。
 「全米経済研究所が1972年から2006年のデータを検証した昨年9月の報告書によれば、たとえそれがたった1年間でも若い時期に厳しい経験をすると、中核の価値観や態度が根本から変わってしまうことがあるという」。

 「他の多くの研究でも、景気後退期に育った人はリスクの少ない保守的な資産運用を好むだけでなく、実際に儲ける額も少ないことが分かっている」。「仕事も安定志向で、所得再配分と市場に対する政府の介入を支持する傾向がある」。
 「逆説的だが、それでいて彼らは公的機関に不信感を持ち、ひょっとすると人生そのものにも懐疑的で、成功は努力より運のたまものだというヨーロッパ的な信念を持つ傾向がある」。「失業経験が悲惨であればあるほど、彼らはより悲観的になり社会とも疎遠になる」。
 「政治的には、時代の雰囲気や時の指導者によって右か左化の一方に走りやすい」。「大恐慌はアメリカのニューディール政策も生んだが、ナチスの第三帝国も生み出した」。
 「統計的には、アメリカは09年夏に景気後退期を脱却している」。「だが多くの人々は、07年12月に始まった戦後最長の景気後退と08年9月以降の金融危機で、アメリカ人の心理と行動が永遠に変わってしまったようだと考えている」。

 「個人の貯蓄率は最低だった08年と比べて4倍の4.5%に上昇した」。「経営コンサルティング会社アリックスパートナーズの調査によると、アメリカ人は今やそれでも安心できず今後は収入の15%を貯蓄したいと考えているという」。
 「アリックスパートナーズの調査の回答者の半分は、株式投資を一切やめてしまった」。「あと3年は株を買わないと答えた人も過半数に達した」。「経済は金融危機前の水準を回復できないと思う人の比率は43%だった」。
 「全米経済研究所が72年以降の不況時に成人を迎えた18~25歳を調査したところ、多くが『人生の成功は努力よりも運で決まる』と考える傾向があり、政府への信頼も乏しいことが分かった」。
 「努力よりも運だという若者の考え方は、実体経済にも悪影響を与える」という。
 「努力よりも運だと考える人は仕事に精を出さない傾向がある」。「それは生産性を下げ、経済成長の足を引っ張る」からだ。
 「裏を返せばそれは、『なせば成る』と信じて全力疾走してきたアメリカ人が、1歩引いたところのあるヨーロッパ人よりも長い間高い成長を実現してきた理由なのかもしれない」。

 「全米産業審議会は最近、アメリカの雇用満足度が過去20年間で最低であることを示す統計を発表した」。
 「現在のトレンドが続けば、大不況世代はますます大恐慌世代に似てくるだろう」。「例えば才能ある大卒の若者は、民間企業の就職するより公務員になることを選ぶだろう」。「理由は昔も今もこれからも、そこには雇用があるからだ」。
 「多くのコンサルティング会社は、消費者は家族や友達と費やす時間にもっと価値を見いだすようになるとの調査結果を示している」。「厳しい時代を経験すると、人間は互いに優しくなるという指摘もある」。

 「カネのことを考えるだけで、人間は痛みに鈍感になり、助け合ったり見知らぬ人と結び付きを持とうと思わなくなる」。
 「80年代の世代がお互いを踏み台にして出世しようとしたのと違って、今の世代は立ち止まって他人に手を伸ばすようになるかもしれない」。

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アメリカの今度の戦略は

 アメリカのイラク政策は困難を極めている状況である。
 イラクに対するアメリカの行方にしろ、アメリカの世界的な戦略にしろ、注目すべきとことは数多くあるだろう。

 グアンタナモの問題も。

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ロビー活動は果たして(From SAPIO 2009.4.22)

「企業と献金とロビー・EUの場合」

 「最近までEU諸国の多くでは政治献金は自由だった」という。「フランスは1994年に企業献金を全面禁止にしたが、英国ではブレア政権が2000年に法律を制定、政党本部に対し1個人・団体あたり約70万円以上(上限なし)の献金に情報開示が義務付けられるようになるまで、質的にも量的にも一切規制はなかった」という。

 「規制が緩いわりにスキャンダルが少なかった理由」として、「制度上の違いがある」。
 「英国では政治資金制度は、選挙での支出制限が目的」で、「人物ではなく政党本位で選ぶ伝統があり、『金をかけない選挙』を実現した結果、醜聞も少なかった」という。 
 「ドイツの場合、政治献金そのものを規制しないかわりに、国庫補助(政党助成金)の配分を工夫したり、個人献金や党費に税制上の優遇措置を設けることで、結果的に巨額団体献金を抑制している。ロビー活動にしてもNGOの力が強く、全体として政治と経済のバランスがとれてきた」という。

 そんなEUも「全体で1万500人のロビイストが活躍する時代、企業の政治活動の透明化を求める声は高まっている」という。「英国も07年に労働党の巨額献金疑惑が発覚、献金の上限を定めるなど法改正に向けた試行錯誤が続いている」という。

財界「「ロビー活動は企業の権利」だからこそ献金の透明化と”表の議論”が大切だ」

 日本では政治献金が最近話題になっている。米国でも政治献金問題は度々問題になっているが、米国の仕組みはどうなっているのだろうか。
 「米国でも、企業が直接政治家に献金することは禁止されており、さらに個人献金についても200ドル以上は所属企業や団体を明らかにすることが義務付けられている」。さらに、「選挙資金であれば、候補者の事務所は、献金と経費を細かく記載したレポートを四半期ごとに連邦選挙管理委員会に提出しなければならない」。
 こういった仕組みに加えて、「これらは公開情報に指定されているので、複数のシンクタンクがサイトで誰もがアクセスできるデータベースを作っている」という。
 このように、クリーンさを確認できるような、(完璧ではないが)問題を防止するような仕組みをとっている。

 この仕組みが簡単にここまで構築されたわけではない。

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オバマ大統領への評価は(From Newsweek 2009.4.15)

◎「大虐殺の後 骨の山から説く ルワンダの希望」
エリス・コース(本誌コラムニスト)

 「15年前の4月6日、ルワンダのジュベナル・ハビャリマナ大統領を乗せた飛行機が撃墜された。これを機に狂気じみた虐殺と残虐行為が始」まった。

 しかし、「最近のルワンダには楽観的な空気が溢れている」という。それには「国の再建に熱意を燃やす人も多いが、彼らには皆、ある種の焦りが感じられる」という。

 だが、ルワンダの状況はまだまだ困難な状況には変わりない。
 「ルワンダの状況は安全な復興とは程遠い。和解というより、怒りをどこかに押し込めている印象も受ける」というのだ。

 そんな中、ある人物Aの活動に注目したい。
 Aは「身寄りを亡くした子供のために全寮制の学校を開くこと」に取り組んだ。「01年に開校し、今やルワンダでトップクラスの学校となっている」という。
 「ジェノサイド(集団虐殺)の加担者には、責任を求めて悔い改めることを促す」という活動を行っている。さらに、「『和解村』をいくつもつくり、被害者と加害者の共存も目指している」という。

 「かつて敵同士だった住民の間に信頼関係を築くためのカギは何か」。その答えの一つは「何があろうとも人生は続いていくと人々が悟ること」だろう。それは、「過去ではなく、未来に生きるのだと。さらに強い信仰があれば、わが子を殺した相手さえも受け入れられる」というのだ。
 しかし、そうはいっても困難なことには変わりはない。

 ただし、一つ明るいニュースは、「憎悪と復讐の連鎖は、少なくとも一時的にでも断ち切れること」である。「憎しみの暴走を止める強い意志は、同じように『壊れた』状況にある国に希望を与えるはず」であるからだ。

「米世論調査 オバマ人気はチェンジなしだが」

 今後の経済に希望の光が出てきたのかもしれない。
 「Newsweek誌が行った世論調査によると、経済は今後1年間で良くなると答えた人は47%に上り、3月の37%から上昇」したという。一方の「悪化すると答えた人は同29%から22%に低下」したという。

 この結果の背景には、オバマ人気もあるのかもしれない。

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イラクの注目すべき人物か(From Newsweek 2009.4.8)

「リセットボタンの成功率は50%」
アンドルー・ナゴースキー(元モスクワ支局長)

 中東情勢は米国では関心が高い。イラクやアフガニスタンの問題からもわかるが、イスラエルの問題もある。
 しかし、他にも中東情勢に高い関心を持っている国がある。ロシアだ。「ロシアはイランに大量の武器を輸出しているが、核開発に関してはかなり警戒している」。もし、「イランが核保有国になると、周辺地域のイスラム教徒に大きな自身を与える可能性がある」。そして、「そうしたムードがロシアの南方に位置する旧ソ連圏のイスラム教徒に波及する恐れがあるから」だ。
 格の脅威はそれぐらい大きく、反対勢力にとっても核の魅力は大きい。

 皮肉なことに「イスラムの脅威という問題のおかげでアフガニスタンの安定は米露双方にとって重要課題になった」。
 「アメリカはイスラム過激派が欧米諸国でテロを行うことを恐れて」おり、「ロシアはアフガニスタンが不安定化すれば、タジキスタンなどロシアの周辺国がイスラム過激派によって混乱させられる恐れがある」。

 「米露両国とも核兵器削減の新たな合意を求めている。現在のような経済危機下では軍拡競争をしている余裕はないから」だろう。

「バース党の逆襲が始まった」
ラリー・カプロウ(バグダッド支局)

 イラクの現状は依然として厳しい。「イラク政府は水道や電気のようなインフラの整備に四苦八苦している。91年の湾岸戦争後、インフラを再建した技術者や専門家のほとんどはバース党員だったが、03年の米軍侵攻後に多くの優秀な人材が安全と仕事を求めてイラクを脱出」した。「その大半が今も外国にとどまっている」という。
 優秀な人材は外国にとどまっており、国内はトラブル続出で、インフラ整備はまだまだ整備されていないのが現状だ。

 それではどうしたらよいのだろうか。

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アメリカ経済の行方(From SAPIO 2009.4.8)

世界を読むための情報羅針盤 第94回
「米露外相会談の「あり得ないロシア語ミス」が示す”冷えた両国関係”」
佐藤優

 「ロシアは大変なタフネゴシエーターだ」という。「約束をしても『約束を守るとは約束しなかった』と言って凄んだり」して、「無理難題を吹っかけてくることがある」という。
 「天然ガス・石油開発利権のシェアをロシアがより多く得ることが本音でも、それを直接口に出さないのがロシア式交渉術で、事態を変えるために環境という変化球を投げて」くる。
 ロシア人は自分が味方と思う国にはこういうネチネチした交渉はしない」という。「『オレたちの分け前をもっと寄こせ』と端的に交渉する」というのだ。
 このことは、ロシア(人)の性格が出ているのだろう。これを理解することはロシアを理解することの土台となる。

 米露関係はなかなかよくならない。冷戦時代から米露の競争が続いている。そんな米露関係であるが、ロシアではこういった内情があるようだ。
 「ロシアでは米国共和党に対する信頼感が強い」という。「民主党と比較して共和党が『力の外交』の信奉者で、ソ連時代を含め対露強硬論をとっている」という。

 その理由に、「ロシアが南オセチアとアブハジアの『独立』を一方的に承認し、グルジアの領土保全を破壊したことに対し、米国は口先では避難したが、現状を容認した」。これは、つまり「『力の論理』の信奉者であるが故に共和党は『棲み分け』を重視する」という。「『力の論理』の信奉者であるロシアも、このような共和党の現実主義外交を好む」のだ。
 一方の「米国民主党は、自国と見解が異なる国との関係においても対話を重視する」という考え方であるが、「自由や民主主義という基本的価値観をめぐる問題については、妥協しないところがある」という。「従って、米国に民主党政権が生まれると、最初は米露(ソ)関係が改善するという希望が生まれるが、しばらくたつと米国の人権干渉に対してロシアが忌避反応を示すようになる」というのだ。
 このようなことから、「オバマ民主党政権の対露外交もこのパターンを繰り返す」のではないかという。
 米国の共和党、民主党、ロシアの考え方を比較することは重要であるだろう。

 さらに、不安な要素がある。「外交官の基礎は語学力」である。「米国国務省のロシア専門家のロシア語能力に不安」があり、パフォーマンスをする場合、「米国国務省の担当者が、ロシア外務省の友人をもっているならば、『これで大丈夫か』と意見を求めることをする」。
 今回、ロシア語の表記でミスがあった件から、「米露間の事務(官僚)レベルでの信頼関係が十分構築されていない」ことがあげられる。「こういう状況で難しい交渉をまとめあげることはなかなかできない」のが現実なところだ。
 米外交官の能力(基礎)が低下し、さらに米露の信頼も十分に構築されていない。これからの米露関係を注視する必要があり、暗い見通しである。

新世界大戦の時代
「アメリカ経済はふたたび「怒りの葡萄」の季節を迎える」
落合信彦

 「『100年に一度』の経済の悪化は、1929年10月24日の『ブラック・サーズデイ』(暗黒の木曜日)が引き金となった世界大恐慌と比較されることが多い」が、この時代環境と現在ではどうだろうか。
 今回の世界的な金融危機における不況は深刻な状況である。
 よく過去と比較されるのだが、「1929年10月24日から大恐慌が始まったわけではない」。「不況(recession)が恐慌(depression)に進化し、さらに世界に波及して大恐慌(the Great Depression)へと発展」。「その「到達点は、1933年の中頃と言われる」という。
 「つまり、最悪の状態になるまでに4年近くの歳月を要している」ということだ。
 「今回の金融危機は、昨年の9月15日が発端とすればまだ半年」しかたっていない。「株価がピークを迎え、サブプライム危機で下がり始めた07年10月を起点としても、まだ1年半しか経っていない。また大恐慌時代の失業者率は25%近くあったが、現在のアメリカは8.1%である」。
 要するに、

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時代を変える移民(From Newsweek 2009.4.1)

「倫理潔癖性が生む空っぽの政権」
エバン・トーマス、ジョン・バリー(ワシントン支局)

 米オバマ政権に世界が熱狂してから、もう4ヵ月が過ぎた。
 「3300のポストに約30万人の採用希望者が殺到している」という。
 しかし、楽観してはいられない。今の米の混乱を正すためにはやはり質が問われるのだろう。「厳格を極める審査プロセスのせいで、普通であれば十分に資格を満たすはずの候補者が排除されたり辞退したりしている」という。
 その結果、「上院の承認を必要とする373の役職のうちで既に埋まっているのは43だけ」なのだ(2009年3月25日現在)。
 需要と供給のバランスがおかしくなっているのだろうか。ただし、需要があるからといって、質を下げるわけにはいかないのだろう。

 この上院の承認がまたハードルを高くもしている。
 「上院のプロセスが滞っているために仕事を始められない役職者は数十人にのぼるという」。さらに、「上院財政委員会は税金問題を理由に複数の財務省高官候補に水面下でノーを突きつけたという」。

 しかも、ここぞとばかりにチェック体制が出来上がっている。
 「上院財政委員会では、内国歳入庁(IRS)の職員がオバマ政権の税務書類を徹底に調べて」おり、「ホワイトハウスでは、弁護士たちが高官候補者の税務書類を懸命にチェックしている」というのだ。
 度重なるチェック体制は、クリーンさ、質の保障になるのであろうが、行き過ぎると障害になってしまい、チェックの悪循環に陥ってしまう。

 質を求められることは良いが、この質を見極めるための審査が厳重すぎればいったいどうなるのか。
 「政府高官候補の身元調査用にホワイトハウスが用紙しているチェックリストは、今や100ページ近くに膨らんでいる」という。さらに、これに加え、「安全保障上の入念な身元調査がある」という。
 これだけではなく、「ホワイトハウスの弁護士による面接では、極めて私生活に立ち入ったことを根掘り葉堀り聞かれる場合もある」という。
 チェックリストに身元調査…クリーンになるだろうが、どこか日本の機械的な生産の面に陥らないだろうか。

 身元調査もばかにならない。「身元調査対策に弁護士や会計士を雇えば莫大な金がかかる。ブッシュ政権から留任したロバート・ゲーツ国防長官は06年の就任時に、身元調査対策に約4万ドルを費やした」という。ちなみに、「ドナルド・ラムズフェルド前国防長官の場合は、25万ドルを超す出費」だという。
 対策ということは、隠すことは含まれているのだろうか。

 だが、まだ焦らなくてもいいかもしれない。 
「上院の承認が必要なポストがすべて埋まるまでに費やした日数は、レーガン政権が194日、父ブッシュ政権が163日、クリントン政権が267日、息子ブッシュ政権が242日」であることから、まだ100日のオバマ政権は遅いとはいえない。

「移民の逆流が始まった」
マック・マーゴリス(リオデジャネイロ支局)

 出稼ぎ労働者の環境は深刻な状況だ。
 「湾岸諸国では油田やサービス業に約1300万人の出稼ぎ労働者がいるが、最悪の場合はその半数が数カ月以内に解雇されかねない」という。「日本でもトヨタのような大企業の不振で、ブラジル人の非正規労働者31万7000人のうち1万人が過去4ヵ月間に職を失った。失業と同時に住む場所も失う場合が多く、多くの人が日本を離れている」という。
 「ILO(国際労働機関)は、不況による失業者は世界中で5200万人にのぼると予測。エネルギー、軽工業、建設、介護及び宿泊・飲食業の雇用は激減して」おり、「いずれも出稼ぎ労働者が集まる業種ばかり」だという。
 つまり、今回の不況の一番の直撃は、出稼ぎ労働者であるといえる。しかし、こういった労働者が集う場所には、可能性があるかもしれない。なぜなら、

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クリントン包囲網!?(From SAPIO 2009.3.25)

「誰も金融パニック渦中の「心理経済学」をわかってない」
大前研一

 不況時と好況時では感覚が違うだろう。それは、全体でもそうであるが、個人を見てもあてはまる。
 「1人1万円ずつ配った場合、消費マインドが浮ついている時(バブル時)は7500円使うが、凍てついている時(現在)は3500円しか使わないことが過去の経験からわかっている。あとの6500円は貯蓄や借金の返済などに回ってしまう」そうである。
 状況に対応して、使い方も違い、安心ラインに入らなければ保守的になってしまうものである。

 そんな変化をさらに大きな視点で見た場合、こんなこともいえる。
 「ケインズ経済学以降のマクロ経済理論はすべて「平時の経済理論」である。パニックに対応できる「有事(緊急時、非常時)の経済理論」は存在しない」。
 これまでの経済理論は、基本に平時ということがあてはまったいたのかもしれない。それが、緊急時や非常時といった場合には当てはまらないのはそれに適していないためで、緊急時や非常時の理論も考える必要があるのかもしれないということである。

「知ったかぶりケインジアン オバマミクスが引き起こす「第4の危機」」
小幡績

 経済状況はまだまだよくならないかもしれない。
 「今回も底を打つまでにはまだまだ時間がかかり、今は坂道の半分も転げ落ちていない段階」だという。「今回は世界同時不況なので外需に期待はできないし、仮に外需が起っても、アメリカには輸出するものがあまりない」というのである。
 要するに、まだまだ、下降は続くということか。来年(2010年)までが我慢との分析もあるが、果たして2010年までに上昇に転じるのだろうか。

「早くも始まったホワイトハウス「お家騒動」 「ヒラリー潰し」の陰湿なる内幕」

 「クリントンに対抗する「大物ライバル」たちが、次々と外交政策の要職に任命された」という。「外交政策において、あれだけ大きな政治的名声を誇り、その国務長官就任が注目されたクリントンの力が弱まりつつある」というのである。
 クリントンの暴走を抑えるためなのか。バランスの問題なのか。

 まずは、「国家安全保障会議のリーダーであるジェームズ・ジョーンズ国家安全保障補佐官」があげられる。

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