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中東(戦争・紛争) Archive

アメリカはどうなってしまうのか(上)

 超大国アメリカ。アメリカの時代が過ぎようとしているのか。
 アメリカが揺らいでいる。

 金融危機の大きな被害は全世界を苦しめたが、アメリカ自身、大きな打撃を受けた。
 アメリカがこれまで果たしてきた役割は、この先、同じようにはいかないであろう。

 そんなアメリカを追う。

「草食化するアメリカ人」
ラーナ・フォルーハー(ビジネス担当/Newsweek 2010.1.20)

 金融危機により世界中は混乱に陥っている。各国はそれぞれ対策を講じた。
 震源国アメリカでは「自動車販売や鉱工業生産が増加し株価も堅調に推移するなど、最近の経済統計には明るい兆しが多い」という。

 しかし、アメリカの未来は明るいとは言えないかもしれない。「金融危機という大きな衝撃があったせいばりではなく、世界経済の勢力図が塗り替えられてしまったために、アメリカ経済が回復を続けたとしても、アメリカの消費者はもはや世界の支配的勢力ではなくなってしまったからだ」。
 「今後勢力を伸ばして強くなるのはむしろ、中国やインド、ブラジルといった主要新興市場」だろう。「ドルは引き続き弱くなり、アメリカの労働者は国外の低賃金労働者とますます激しい競争にさらされる」。
 「『大きな政府』や規制強化がトレンドで、ひょっとすると保護主義の再来も懸念される中、投資マネーは引っ込んだまま」である。
 それに「大企業と平均的な労働者の経済格差が拡大している」という。「株価が上がる一方で、失業率は数十年ぶりの高水準のまま」である。「最も強気の経済学者たちでさえ、今後何年も高止まりすると考えている」。
 「そもそも、大企業の利益の源泉の1つは国内での人員削減や雇用の国外移転だ」。「一方、アメリカの新規雇用の最大の創出源である中小企業は、金融危機で真っ先にお金が借りられなくなり最も大きな打撃を受けた」。
 「現在は非常に珍しい時代だ」。「19世紀に近代経済が誕生して以来、金融資本主義と実体経済がこれほど断絶したことはない」という。

 ただし、「風力発電などいくつかの有意義なプロジェクトに、銀行がまったく投資しないわけではない」。「だが銀行は実業に投資するよりも、複雑な金融商品を開発して金融機関同士で投資し合うバーチャルな世界にのめり込んでいる」。
 「こうして資本活動と労働が切り離され、失業率が高止まりした結果、賃金だけでなく人間までが萎縮してしまっている」。「多くの調査によれば、失業者は地域や社会から引き籠もりがちだ」。「そしてその隣人は失業を恐れて働きまくり、やはり地域社会から引き籠もる」。
 「親の失業は、子供にも大きなダメージを与える」。「学校の勉強で後れを取るようになり、留年し、不安生涯を患う子供もいる」。「大恐慌のときは、教会や地域センターなど市民団体が今より活発だったから、不況が社会に与える打撃はある程度緩和されたのだが」。

 「多くの専門家が懸念するのは、アメリカと中国の貿易摩擦や通貨摩擦だ」。「保護主義的な政策を取れば、大恐慌のときのように不況を悪化させかねない」。

 「国際的な基準でみると、アメリカの階層間流動性は70年代以降低下しており、現在ではイギリスやスウェーデン、デンマークよりも低い」。「つまり金持ちの家に生まれた子供は金持ちに、貧しい家に生まれた子供は貧しい一生を送る可能性が高まっている」という。
 「アメリカ人は一般に格差に対する許容度が高い」。「だが大不況後の時代には、それも変わるかもしれない」。「もはや新卒の若者が親よりいい生活をすることは期待できず、中小企業も苦しんでいる」。

 そうした中、「明るい希望」がみられる。「アメリカの製造業は、昨年来のドル安と生産性の大幅な改善に救われるかもしれない」。「経営コンサルタント会社マッキンゼーの推計によれば、ドル安が10%進んだだけで、100万人の雇用創出につながる」という。
 「昨年来のドル安のおかげでアメリカの輸出は10~13年に年11%のペースで増える見込みだ」という。

 「アメリカは、過去70年間で最悪の景気後退を経験したばかり」。
 「50年代に育ったアメリカ人にも、はっきりした特徴がある」。「ベビーブーム世代の彼らは楽観的」で、「常に上昇志向で、限りない成功の可能性を体現してきた」。「収入を上回る消費をすることもしばしばだが、それは将来はもっと収入が増えると信じられたからこそだ」。
 「全米の平均失業率10%に対し、20~24歳の若者の失業率は15%を超える」。「統計によれば、失業率が1ポイント上がるごとに、大学新卒の初任給は6%下がる」。「給与のスタート台が低くなるので、その影響は今後数十年にわたって続く」だろう。

 さらに、「平均失業期間が長期化することで未熟練労働者が増えるのも極めて大きな問題だ」。「70年代以降のアメリカ人の賃金水準は比較的安定してきたが、大不況世代はこの30年間で初めて賃金が減る世代になるかもしれない」。
 このようなことから、「私たちの生き方は、若いときの衝撃的な体験(素晴らしい体験でもいい)に大きく左右され、生涯影響を受け続けるという」のだ。
 「全米経済研究所が1972年から2006年のデータを検証した昨年9月の報告書によれば、たとえそれがたった1年間でも若い時期に厳しい経験をすると、中核の価値観や態度が根本から変わってしまうことがあるという」。

 「他の多くの研究でも、景気後退期に育った人はリスクの少ない保守的な資産運用を好むだけでなく、実際に儲ける額も少ないことが分かっている」。「仕事も安定志向で、所得再配分と市場に対する政府の介入を支持する傾向がある」。
 「逆説的だが、それでいて彼らは公的機関に不信感を持ち、ひょっとすると人生そのものにも懐疑的で、成功は努力より運のたまものだというヨーロッパ的な信念を持つ傾向がある」。「失業経験が悲惨であればあるほど、彼らはより悲観的になり社会とも疎遠になる」。
 「政治的には、時代の雰囲気や時の指導者によって右か左化の一方に走りやすい」。「大恐慌はアメリカのニューディール政策も生んだが、ナチスの第三帝国も生み出した」。
 「統計的には、アメリカは09年夏に景気後退期を脱却している」。「だが多くの人々は、07年12月に始まった戦後最長の景気後退と08年9月以降の金融危機で、アメリカ人の心理と行動が永遠に変わってしまったようだと考えている」。

 「個人の貯蓄率は最低だった08年と比べて4倍の4.5%に上昇した」。「経営コンサルティング会社アリックスパートナーズの調査によると、アメリカ人は今やそれでも安心できず今後は収入の15%を貯蓄したいと考えているという」。
 「アリックスパートナーズの調査の回答者の半分は、株式投資を一切やめてしまった」。「あと3年は株を買わないと答えた人も過半数に達した」。「経済は金融危機前の水準を回復できないと思う人の比率は43%だった」。
 「全米経済研究所が72年以降の不況時に成人を迎えた18~25歳を調査したところ、多くが『人生の成功は努力よりも運で決まる』と考える傾向があり、政府への信頼も乏しいことが分かった」。
 「努力よりも運だという若者の考え方は、実体経済にも悪影響を与える」という。
 「努力よりも運だと考える人は仕事に精を出さない傾向がある」。「それは生産性を下げ、経済成長の足を引っ張る」からだ。
 「裏を返せばそれは、『なせば成る』と信じて全力疾走してきたアメリカ人が、1歩引いたところのあるヨーロッパ人よりも長い間高い成長を実現してきた理由なのかもしれない」。

 「全米産業審議会は最近、アメリカの雇用満足度が過去20年間で最低であることを示す統計を発表した」。
 「現在のトレンドが続けば、大不況世代はますます大恐慌世代に似てくるだろう」。「例えば才能ある大卒の若者は、民間企業の就職するより公務員になることを選ぶだろう」。「理由は昔も今もこれからも、そこには雇用があるからだ」。
 「多くのコンサルティング会社は、消費者は家族や友達と費やす時間にもっと価値を見いだすようになるとの調査結果を示している」。「厳しい時代を経験すると、人間は互いに優しくなるという指摘もある」。

 「カネのことを考えるだけで、人間は痛みに鈍感になり、助け合ったり見知らぬ人と結び付きを持とうと思わなくなる」。
 「80年代の世代がお互いを踏み台にして出世しようとしたのと違って、今の世代は立ち止まって他人に手を伸ばすようになるかもしれない」。

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イラン問題の行方(下)

 イランの問題が、アフガニスタンやイラクと同様に、深刻な状況になっている。
 一歩間違えれば、戦争に発展しかねない。

 イランは重要な地域である。
 隣国にイラクがある。イランと周辺国との関係も厳しい。

 イランとの関係をどう進めればよいのだろうか?

「イラン人の心の内を訪ねて」
フーマン・マシド(作家/Newsweek 2009.6.17)

 「オバマ政権が本気でイランとの間に新たな関係を築きたいのなら、イラン人のメッセージを読み取る方法を学ぶべき」かもしれない。
 「イランの新年に当たる3月20日、オバマはイランに直接対話を呼び掛けるペルシャ語字幕付きのビデオを公表した」。「それに対するハメネイの挑戦的な発言を、欧米の多くの識者が侮辱と受け取った」。
 しかし「発言を聞いたイラン人が最も注目したのは、ハメネイの最後の言葉」だった。それは「アメリカが変わるなら、われわれの行動も変わる」というもの。これは「イランの最高指導者が『変わる』という言葉をこの文脈で使うのは初めてといっていい」ということだ。「今までイランの立場は『自分たちに非はない』というものだった」からである。

 イランの警察の検問所には2つの種類がある。「1つは不法移民(大半はアフガニスタン人)を捕らえるためのもの」。もう1つは「密輸を取り締まるためのもの」。「密輸されるのは主にアヘンとヘロインで、アフガニスタンから入ってくる」という。「イランの麻薬問題は深刻で、薬物依存者は100万人を超えるといわれる」。
 薬物問題は世界で問題になっており、隣国のアフガニスタンはその麻薬の生産地の規模の割合で多くを占め、その影響はイランにも大きい。

 「欧米人の抱くバザールのイメージは、小さな店が迷路のように入り組み、粗悪品を売り付けたり、観光客をカモにする場所」だろう。しかし、「それは正確とはいえない」。「イスファハンのバザールには多くの店のほかに、オフィスがある」。「あまり目立たないが、ビジネスを仕切っているのはオフィスだ」。「店で鍋を作る職人が、銅線や銅配管の卸商に雇われているということもある」。
 「バザールでは、時にストが起こる」という。「イラン革命でもバザールのストが王制を倒す力になった」。「ストが起れば店主たちが困るだけでなく、イラン経済全体が影響を受けかねない」。
 その「バザールの商人には、しつこいというイメージがある」。「モロッコなど観光客の多いアラブの国々では、客が店を出ても商人が後を付いてくる」。しかし「イランの商人は、そんな振る舞いは卑しさの表れだと考える」という。
 「靴屋の男は2つのことを理解していた」。1つは、客が「本当にサンダルを欲しいなら、また来るだろうということ」。「もう1つは、そのとき真剣に交渉すれば売れるということ」だ。「買うかどうか分からない客には時間を使わない」し、「双方が取引に満足できるという見通しがなければ、交渉には入らない」。
 「バザールでも他の場所でも、イラン人にとって交渉とはそういうもの」だという。

 イランはイスラム教シーア派の国である。「シーア派の総本山とされるコムは、信仰のあつい人々にとって特別な意味を持つ都市」である。
 「コムは重要な巡礼地であり、第8代イマーム(指導者)であるアリー・アッリダーの妹ファーティマの墓廟がある」。「ここにある多くの宗教学校は、エリート聖職者を輩出している」。
 「コムの中心部から車で5分ほど離れたジャムカランにもモスクがある」。「9世紀に『お隠れ』になった第12代イマームがそこに姿を現したことがあると伝えられている」。
 「長い間、ジャムカランのモスクはコムの陰に隠れて地味な存在だった」が、「アハマディネジャドが大統領になり、アハディ(救世主)の再臨を口にするようになると、このモスクは巨大化し始めた(第12代イマームがマハディとしてこのモスクに再臨すると信じられている)」。
 「金曜日(イランの休日)とマハディが姿を見せたと伝えられる火曜日には、何十万人もの巡礼者がジャムカランを訪問」する。「祈りをささげ、ピクニックを楽しむ」。「中には『手紙』を井戸に落とす信者もいる」という。「マハディが手紙を読んで、願いをかなえてくれると信じているのだ」。「井戸は2つあり、男女別に分かれている」。
 「ジャムカランは世界の終末に対するシーア派教徒の強い思いの象徴のように見える」。
 だが「ジャムカランには、信心深い人々が生活から離れ、巡礼によって神をあがめる場所という面もある」という。

 「イランでは、欧米で重んじられる『自由』より、貧しい人々が豊かになるチャンスのほうがずっと大事だと思われている」そうだ。
 「中東で最も長い通りであるバリアスル大通りは、テヘラン駅を始点に市の最北端まで延びている」。「市の中心部には伝統的な服装を身にまとった年配の男女が多いが、大通りを北に向かうにつれてジーンズや色鮮やかなスカーフが目立つようになる」。
 ある青年に、「6月12日の大統領選では誰が勝つと思うか?」と聞いたところ、「『アハマディネジャドに勝ってもらわなきゃ困る』」。「『アハマディネジャドに勝たせれば、既存の政治体制が崩壊に向かうはずだ』」。
 「外国人がこうした意見を聞くと、イランの若者が政府を打倒するのは時間の問題だという問題だという印象を持つかもしれない」。
 「この国では若者が人口の4分の3を占めて」おり、「イランでも若い世代は娯楽に夢中だ」。だが、「好きな服を着たり、自由に行動したりする権利にはそれほどこだわっていない」という。
 「家の中など他人の目に触れない場所でなら『自由』を楽しめるから」である。
 「禁欲的な価値観に反発を感じている人々でさえ、ペルシャ民族としてのアイデンティティーや、その歴史と文化を誇りに思っている」という。「彼らの多くは生活に余裕があり、外国旅行の経験も豊富で、欧米流の考え方になじんでいるが、東洋でも西洋でもないイランの立場を大事にしたいと考えている」というのだ。
 「アメリカ人が作った地図で『ペルシャ湾』が単に『湾』と記されていたり、ペルシャ人を蔑視するような要素がハリウッド映画に含まれていれば、イラン人は憤慨する」。「テヘラン北部に住む『リベラル』な人たちだって同様」だという。
 つまり、うまく外国文化などを取り入れ、自国の文化を大切にしているのだろう。
 しかし、イランの現状は「インフレ率も高く、失業者も多いため、イラン経済は深刻な状態にあるとされている」。

 テヘランの「ジャバディエ地区」は、「かつてここは非常に治安が悪い地域として有名だった」。「今でもテヘラン市民の大半は足を踏み入れようとしない」。
 だが「最近は、前より暮らしやすくなっている」という。「泥レンガ造りの古い建物に交じって、新しいアパートが立っている」。「真新しい車もあちこちに止まっている」。
 「この地区の住民の多くはアハマディネジャド支持者だ」。「大統領が育ったのも下層中流階級の町」。「貧しい人々のために尽くす気取らない政治家というイメージを打ち出したアハマディネジャドは、ジャバディエのような地域で非常に人気が高い」という。
 「テヘラン南部の住民は信心深く労働者階級が多い」。「彼らは権威に反感を抱いて」おり、「特に裕福なエリート層には厳しい目を向ける」。
 「選挙となると、この地域の住民はこぞって投票所に足を運ぶ」。「彼らは市の南部の開発に力を注ぐ市長候補に票を投じて」きており、「アハマディネジャドもそうして選ばれた市長の1人」である。
 「アハマディネジャドは医療保険や年金の改革に取り組むことによって、ジャバディエで多くの支持者を獲得した」。だが、「彼自身が貧しい家庭の出身だという事実も、政策と同じくらい重要な意味を持っている」。

 「バリアスリ大通りは北の端に至ると上り坂になり、雪を頂いたアルボルズ山脈の山麓の丘に続く」。「イラン革命を主導したホメイニ師の一族が住むジャマランはこの丘陵地帯にある」。
 「ハタミ前大統領もここに事務所を構えて」おり、「その建物は、ほぼ全員が改革派に転向しているホメイニ一族から提供されたものだ」。
 その「ハタミは大統領選出馬を断念」した。
 「キングになるよりキングメーカーのほうがいい」。「絶対的な権力者はハメネイ師ただ1人だが、ハシュミ・ラフサンジャニ元大統領やラリジャニ国会議長もキングメーカーとして力を振るっている」。
 「大統領選に立候補したり、大統領に就任したりするには、多くの有力者やさまざまな支持基盤の歓心を買う必要があり、妥協を強いられる」。「黒幕はそれほどの苦労をしなくて済む」というわけだ。
 「最高指導者のハメネイ師が口にした『変化』を実行するとなると、ハタミには荷が重い」。「信心深い人々から改革派まであらゆる国民に、路線変更が最高の選択肢だと納得させられる人物が大統領にならなければ、変化は起こせない」からだ。

 「まだ完成していない原子炉の燃料を、自国で生産する必要があるのかと米政府は疑問視する」。だが「イラン人にしてみれば、原子炉が完成しても燃料は外国頼みという事態は断じて受け入れられない」。「アメリカは石油の対外依存を脱却したがっている」。「なのに、なぜイランにエネルギーの対外依存を強いるのかと、人々は思うのだ」。

 「今度の大統領選で誰が勝つにせよ、次期大統領は難題に直面することになる」。「30年間にわたって互いに敵意を抱いてきたアメリカと緊張緩和」である。

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アメリカの今度の戦略は

 アメリカのイラク政策は困難を極めている状況である。
 イラクに対するアメリカの行方にしろ、アメリカの世界的な戦略にしろ、注目すべきとことは数多くあるだろう。

 グアンタナモの問題も。

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北朝鮮問題は依然として

 現在も北朝鮮問題は依然として深刻な状況であります。

 そうした中、アメリカ、中国・・・といった6カ国協議がどうなるか、注視する必要があります。
 それと同時に、これまでの北朝鮮の状況も深く分析する必要もあります。

 地理的にも非常に近い位置にある北朝鮮。頭痛の種であります。

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私たちの食の安全の背景(From DAYS JAPAN 2009.4)

現場から メディアの社会的責任」
国際青年環境NGO A SEED JAPAN エコカルプロジェクト

 ある「シンポジウムで、『マスメディアをCSRから変えるのは難しいのでは』、『市民がマスメディアを変革することをあきらめてはならない』など、事例やデータを交え、複眼的な立場からメディアCSRの妥当性について話し合われた」。
 そして、「マスメディアには『報道のCSR』として5つの責任が発生することが整理された。
1.取材における責任(記者は現場に赴き、偏りなく取材し、背景分析も加えた記事を制作するという責任)。
2.編集における責任(編集責任者がどのような意図で番組を企画、編集したかを明らかにする責任)。
3.株主・広告主との関係における責任(株主・広告主の利益を損なう恐れがある場合に起こる圧力から独立を保つ責任)。
4.視聴率に関する責任(視聴率を上げるための演出や加工に関する透明性を担保する責任)。
5.視聴者との関係における責任(視聴者および取材対象が発する声に真摯に応え、情報を公開する責任)。」
 これらのことは、メディア・ジャーナリズムでも重要なことで、倫理的にも当てはまるだろう。それは、一つの基準といえる。

 しかし、これは日本ではまだ定着していなく、「NHKが環境報告書を発行している以外、現在どの大手テレビ局も環境報告書もCSR報告書も発行していない」のが現状である。

 「メディアのステイクホルダー(利害関係者)には「知る権利」を持つ市民だけでなく、戦争や環境破壊など人為的な理由で人知れず殺される「被害者」たちも存在する」。
 「世界人権宣言が「いかなる人種も抑圧から逃れ自由を得る権利」を保障する中で、メディアは「その理念を遂行する責任を負う」存在としての期待と権利がある。つまり、戦場や占領地で抑圧される立場の権利を守る期待と権利がある」ということである。
 それだけ、メディアの影響は大きく、責任も大きい。理想論かもしれないが、上記のことは心に刻んでおく必要があるだろう。

アジアから私たちへ Vol.1 「マグロ」
石井正子

 「フィリピンに「マグロの首都」と呼ばれる都市」がある。それは「ミンダナオ島南端ジェネラルサントス市」のことだ。「同市にはモロ湾、スル海、セレベス海で収穫されるマグロが一挙に集められて水揚げされる。同市を中心としたフィリピンのマグロ漁獲量は1980年代に東南アジア第1位となった」。そして、「2004年現在、アジアでは台湾、日本に次ぎ、インドネシアに並ぶ」までになった。
 「日本は80年代後半から同市より生鮮マグロを輸入している。98年には、日本のODA(政府開発援助)で製氷施設、冷凍冷蔵庫、加工場を備えた漁港も完成」している。
 そのフィリピンは、日本にとって重要な地であり、日本の食を支えており、その背景を探る。

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ガザへの攻撃には(From DAYS JAPAN 2009.3)

「世界はガザをどのように伝えたか」

 「日本のメディアは「自爆テロ」と呼ぶが、「自爆テロ」という言葉は、日本の造語で、英語では「自爆攻撃」「自殺攻撃」と呼んでいる」。「攻撃対象が占領地の中のユダヤ人入植地や検問所のイスラエル兵であった場合などは、海外では「テロ」とは呼ばない場合が多い」という。
 言葉の少しの違いでも、意味が違ってくることがわかる。このことは重要なことである。

 その「自爆攻撃」であるが、「実際のところ自爆攻撃はハマスだけではなく、ファタハやその他の勢力によっても行われてきた」。
 しかし、あたかもハマスだけが自爆攻撃を行っているようなイメージがある。

「なぜガザは攻撃されたのか」

 イスラエルのガザへの侵攻は不可避だったのだろうか。テロの脅威以外にもありそうだ。
 「イスラエルのジェルサレム・ポスト紙は、ブリティッシュ・ガス(BG)が00年にガザ領海で天然ガスの巨大なガス田を発見したことを報告し、「今回のガザへのイスラエルによる軍事行使はこのガス田を支配することと直結している、という意見がある」」という。
 さらに、「グローバル・リサーチによると、「ミシェル・チョスドフスキー(オタワ大学の経済学教授)は『今回のガザ空爆は、ガザ沿岸部に埋蔵する天然ガスをイスラエル政府が支配しようとしたために起こされた』と述べた。」イスラエル・ガザ沿岸の天然ガスの埋蔵量の60%はパレスチナ自治区が所有する」という。
 このことから、テロの脅威だけではなく、資源が狙いだということもいえるのではないだろうか。

 なぜ、ガザは攻撃されたのか。この疑問の答えはどこにあるのだろうか。

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核の脅威の抑止力(From Newsweek 2009.3.25)

「タリバンを抱き込む6ヵ条」
ラジャン・メノン(米リーハイ大学教授)

 アフガニスタンの「駐留米軍の規模は今年末までに6万人になる」という。
 しかし、これを現実的に当てはめるとしても、「アフガニスタン国軍と国際治安支援部隊(ISAF)の力を借りるとしても、65万平方キロに及ぶ国土をカバーすることは到底できない」のでは。
 面積がアフガニスタンの3分の2のイラクでも、ピーク時の米軍の規模は14万人」であったことを考えると、アフガン安定は厳しい状況で、米軍一人一人の負担も大すぎで、負の逆に不安定にならないだろうか。

「核の脅威を止める21世紀の抑止力」
グレアム・アリソン(ハーバード大学教授)

 「アメリカとソ連が対峙した冷戦下では報復攻撃の恐怖が核ミサイルの発射」を防止していた。まさに、緊張感のある平和であった。「相互確証破壊と呼ばれるこの均衡によって何十年間も平和は維持」されていたが、この均衡の成立には核ミサイルの出所がはっきりしてい」ためである。
 ただ、現在では超大国アメリカの一極支配における平和になっている。しかし、その平和も崩れてきている。

 その一つの要因が核問題である。核を持とうとする国やテロリストの問題が深刻になっている。
 「02年、全米調査評議会は9・11テロをきっかけに始めた研究で「核兵器使用後の属性鑑定の技術は現存するが、うまく統合する必要があり、それには数年かかる」」とした。
 さらに、「アメリカ科学振興協会(AAAS)は08年、核鑑識の実現には解決すべき問題が多く、特に核兵器が使用された際にすぐアクセスできる世界規模の核物質データベースがないと報告した。AAASによると、米エネルギー省にはウラン化合物のデータベースがあり、他の米政府機関や諸外国も相当量のデータベースを持っているが、「情報を統合して核鑑識に使用できるデータベースはない」という。
 「そうした統合データベースが存在しても、核兵器が使用された際に各国がそれを利用する態勢がまだ整っていない。AAASの報告書が指摘するとおり、政策決定者たちに迅速に正確な情報を提供するための装置や人材が今は不足している」のが現状だという。
 ただ、協力態勢を構築する段階で、万が一、悪用する者があらわれた場合、どう防止するのか。この態勢はいいシステムであろうが。
 ちなみに、「北朝鮮は以前は核不拡散防止条約の加盟国で、国際原子力機関(IAEA)の査察対象だったので、IAEAが膨大な比較サンプルを持っている」という。

 これらの問題を解決するための要件の一つとして、

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アフガニスタンへの派兵は(From Newsweek 2009.3.4)

「1万7000人を待つアリ地獄」

 「約1万7000人の増派は5月後半から派遣が決まり、アフガニスタンに駐留する米軍は総計5万500人に達する」。

 しかし、安堵していられない。現地に派遣するために、普通は「準備に数週間が必要で、理想をいえば訓練に数ヶ月が必要」だという。さらに、「現地に入った後も、その現地の把握するまでに数週間かかる」そうだ。

 アフガニスタンでの現状は、「あまりに広い地域の治安を維持しており、「兵力と面積」の比率は、今回の増派でもほんのわずかしか上昇しない」そうだ。
 これにより、「兵力不足のため、NATO軍はますます空爆に頼るようになっている」という。これにより、誤爆などの犠牲が増えて、一般市民からの憎悪が増え、悪循環に陥っていく。

 米軍の兵士の準備の問題、NATO軍のジレンマ、これらのことが悪循環の歯車にならなければ。

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故郷に帰れない理由

 イラク、アフガニスタンなど安定しない情勢が続く。これにより多くの「難民」も発生する。世界の難民数は1140万人達したという。

・国連のリポートによれば、昨年、新たに100万人以上の難民が発生し、世界の難民数は合計1140万人に達した。ここ数年、世界で紛争や内戦が減り、難民数は減少傾向にあった。だが今年はすでに、国連が緊急救援活動を行なわなければならない危機が197件も発生(昨年1年間の総数を上回っている)。
・国連の調査によると、イラクからの難民は06年には150万人だったが、昨年は220万人に増えた。
(Newsweek 2008.11.5 『紛争 世界で難民が増え続ける理由』より)

 主に難民数が多い国は、アフガニスタンやイラク、コロンビア。やはり、アフガニスタンやイランはこの中に入ってくる。
 難民数減というちょっと良い兆候が、すぐに悪い方向へと転換してしまう。まだまだ泥沼にはまっている状況にある。
 しかし、この難民数の数字も確かだろうか。この数字以外にも多くの難民がいるのだろう。それは他のデータでもいえる。

 難民が増え、国を脱出する。そして、さらに、国内は不安定化する。この悪循環はいつまで続くのだろうか。
 国内が安定しない原因にはいくつもの原因があげられる。無法地帯となり、武装勢力が支配を拡大すること。それにより、水や電気などといった設備が破壊され、生活環境が悪化する。いろいろな要素が絡み、環境レベルが下がっていく。
 さらには、こんな原因も出てくる。

 専門家の国外への脱出である。
 電力供給や雇用、教育、医療の充実と、それを可能にする専門家がいないと、真の安定は実現できない。なぜ、そういった専門家が脱出していくのだろうか。

・多くのエンジニアや企業家、教師、医師といった人々は、一般の人々より、外国で居住許可や働き口を得やすい。だから武装集団が幅を利かす祖国へ帰りたいと思わない。
・専門職に就いていないイラク人も、帰郷には消極的だ。03年のイラク戦争以来、国外へ脱出したイラク人はおよそ150万人。最新のデータによれば、今年9月までに帰郷した人の数は、そのうちわずか6万人前後だ。180万人ほどいる国内避難民の場合も、約15万人しか故郷へ帰っていない。
・不在が目立つのが医療関係者。
・イラク戦争の後、医師は身代金目的の誘拐や暗殺の標的になった。これまでに殺害された医師は120人以上。05年、イスラム教シーア派の過激な指導者ムカタダ・アル・サドルを支持する一派が保健省の権力を握ると、事態はさらに悪化した。
(Newsweek 2008.11.5 『イラクの医師よ祖国へ帰れ』)より

 身代金目的の誘拐や暗殺の標的になることは問題を大きくしている。
 さらに、問題は深刻である。

・昨年10月に就任したサレハ・ハスナウィ保健相によれば、戦争前に最大3万人以上いた医師はほぼ半減。避難先から帰ってきたのは、歯科医や薬剤師を含めても800人ほどだけ。
・国内トップの神経外科医や、爆破テロをはじめとする集団災害時の救急医療の第一人者など、多くの優れた人材が流出した。戦争の後遺症に苦しむ国に必要な専門かも、ごっそりいなくなった。義足などの人口装具に詳しい医師やセラピストは大幅に不足。さらに問題なのは、数百人いた精神科医が約80人に減ったことだ。
(Newsweek 2008.11.5 『イラクの医師よ祖国へ帰れ』)より

 だからといって、何も対策を行なっていないわけではなく、評価される活動を行なってもいる。

・ハスナウィ保健相は有能な精神科医でもある。以前は中部のカルバラで病院を経営していた。保健相への就任後、まず取りかかったのが職員17万人をかかえる省内の汚職一掃だ。
・スンニ・シーア両派の医療関係者やアメリカ人顧問の間では、ハスナウィへの評価は高い。病院は以前よりも安全になり、外国からの支援も増えた。
・オイルマネーで増えた予算を武器に、医師の給与を2~3倍に増額。地方勤務に応じた医師には無料で土地を提供している。ハスナウィ自身が昔の仲間に連絡を取って帰国を促す一方で、保健相はより安全になったイラクを見てもらおうと、在外医師の「帰郷ツアー」も開催する。
・バグダッドには先ごろ、帰郷した医師向けの職住一体型地区「ホワイトゾーン」が誕生した。
Newsweek 2008.11.5 『イラクの医師よ祖国へ帰れ』より

 しかし、問題は残っているのが現状である。

・とはいえ、帰ってきた医師の大半はなじみの地域に戻ることを選ぶ。
・シル・ファルハンは1年目にオマーンから帰国した。国営病院に勤務する一方、最低限の医療機器と発電機を備えた医院を開業。以前は身の安全を考えて顔みなじみしか診なかったが、今は見ず知らずの患者も受けいれている。
・医療の現状は、勤務先の病院には尊敬できる先輩がほとんどいないし、指導役であるはずの医師たちは何度か誤診をしたことがある。
・年下の医師や研修医にとっては、ファルハンの助言が頼りだ。「独学するしかない状態だ。みんな、医学書やインターネットを見て勉強している」
Newsweek 2008.11.5 『イラクの医師よ祖国へ帰れ』より

 このような状態であるが、何とか安定さを取り戻し、問題を解決しようとしている。

 難民問題は、専門家の脱出といった国内の安定の基盤の一つをとってもリンクしており、帰れない理由の一つでもある。

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