TPPは果たしてどうなのか(上)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)が今、注目されている。それもそのはず、このTPP、日本の経済や社会に大きな影響が出るからだ。野田佳彦首相率いる政府は、このTPPへの参加に意欲を示している。
 国内ではTPPに参加すれば、国内の農業に大きな打撃を与えるという声が非常に強く、反対論も大きい。しかし、国内の農業だけではなく、様々な分野にも影響が出る。それもそのはず、TPPはFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)などと違って、「例外なし」というのが原則だからだ。FTAなどは条件付けができ、それにより国内経済などに深刻な状況を起こすことを避けやすい。しかし、TPPは基本的に条件付けというのは、最低限になり外国からの影響も平等(とまではいかないまでも)になるからだ。
 そうなると、外国市場と日本市場の競争がますます平等になることから、外国の安い製品が押し寄せてくるということになる。安い製品が押し寄せてきては、国内製品は太刀打ちできなくなり、衰退していくのではないか、というのだ。

TPPは外交にも大きく影響

 ただし、問題はこのTPPは経済だけでなく、外交といった国の威信にも関わってくることだ。
 TPPはアメリカ主導で動いていると言っても過言ではないだろう。アメリカが日本を取りこんで、アジアを含めた経済グループをつくろうとしている。そこには、中国という今、最も勢いのある国への対策としても盛り込まれている。対中国を意識しての経済グループをつくり、今後の世界情勢への対策を進めようとしている、ということだ。
 日本は今でも世界では大きな経済圏で、TPP体制をつくる上ではなくてはならない存在だということで、アメリカも日本参加を望んでいる。
 それでは、日本がTPP体制に参加しない道はどうなのだろうか。今後の世界情勢では中国の台頭が著しいため、アジアではもちろんのこと、世界でも中国の行動が大きな注目を集める。現在、アジアでの大きな経済圏は日本と中国だと言えるが、日本の低迷は著しく、今後の主導権は中国にあるように感じる。そうすると、中国をリーダーとしたアジアでの経済圏が形成され、そこに日本も入ることになる。中国と競争しようとしても、この低迷状態ではなかなか勝負に勝つのは難しく、中国に主導権を握られる可能性は高い。そうなった場合、(TPP不参加でピンチになった時に)アメリカに助けを求めても、これまで以上にアメリカの助けが得られるかどうか、疑わしくなりそうだ。
 現に、中国は自由貿易圏づくりを進めており、東南アジア諸国連合(ASEAN)との自由貿易協定(ACFTA)が昨年、本格始動したが結果は中国の独り勝ちの状況。ASEANは中華経済圏化しているという。
 そういうことから今後、日本は中国とどう向き合っていくのか、という基本方針を決めないといけない。2つに1つか、という選択に見えるかもしれないが、他にも道があるだろうし、議論が必要だ。しかし、現実はこの瞬間にもTPPの条件交渉は進められているため、レッドラインは近いかもしれない。

 それに、こんなことも言われている。TPPの将来は中国も取り込むのではないかという。TPPという高度に開放的で透明な自由貿易圏をつくり発展させる。そこに入らないと中国の利益を損ないかねないまでに拡大し、中国の参加も視野に入れているという。つまり、TPPは中国も取り組む体制になる、というのだ。
 TPPの行方には、様々な思惑がありそうだが、ベトナムやマレーシアなどTPPに動いている国はある。TPP体制づくりは現在も進められていることから、日本でもTPPへの賛否両論は拙速になっている。
 TPP交渉が進められているため、日本が不利にならないためには、ルール作りから関わらないと不利になる。それに決断や行動が遅れるほど日米関係にマイナスになるだけでなく、国際的にも不利な立場に追い込まれる、という声もある。しかし、交渉に参加して、ルール作りに関わり、その結果交渉結果がそぐわない場合、理不尽な要求は拒否することができるのか、国際交渉では主張が全て通ることはない。交渉参加からリスクは高いようだ。

(つづく)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)