放射性廃棄物の行き先は

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 COURRiER Japon(2011.6号)の「スウェーデンが世界で始めて 放射性廃棄物を地層処分か?」の記事で、原発が出す放射性廃棄物についてあった。

 東日本大震災での被害は福島第一原子力発電所にも影響し、さらに原発事故へとつながり、そこからさらなる被害が生じるサイクルにつながってしまった。
 そんな中、福島第一原発の3号機では、他の号機とは違って、MOX燃料を使用しての発電を行っていた。MOX燃料とは、Mixed OXideの頭文字を採ったもので、混合酸化物燃料の略称。使用済み燃料の中に1%程度含まれるプルトニウムを再処理により取り出し、二酸化プルトニウムと二酸化ウランとを混ぜてプルトニウム濃度を高めたものだ。
 このMOX燃料は、主として高速増殖炉の燃料に用いられるが、既存の軽水炉用に加工することで、軽水炉のウラン燃料の代替として用いることができる。これを「プルサーマル利用」という。つまり、単純にいえば、一度使用した原発の燃料の放射性廃棄物を、もう一度使用することができるということ。
 日本では、使用済み核燃料を再処理してMOX燃料を生成し、それを原子炉に再利用する計画を推進している。しかし、再処理施設である青森県の六ヶ所村の工場では事故などの原因で完成していない。現在は、この再処理を外国に頼っている状況だ。
 それに、原発から出る放射性廃棄物の行方は、今のところ、地中に保管する他にはないという。劣化ウラン弾などに利用されているという話もあるみたいだが。東京電力は、既に1970年代初めには放射性廃棄物の永久的な処理は難しいと見て、それ以降は貯蔵プールの増設を行ってきた。
 米国には地層処分場があるが、軍事用の研究と生産で発生した低レベルの放射性廃棄物しか受け入れていない。民生用の施設としては、ネバダ州に建設する計画が長年、議論されてきたが、地元住民の反対を受け、オバマ政権により計画が中止されている。
 原発から出る放射性廃棄物の行き先はなかなか難しいのが現実なところ。

世界初の放射性廃棄物を埋設する施設

 そんな中、世界で初めて高レベル放射性廃棄物を永久的に埋設する施設がスウェーデンエストハンマツという小さな町(ストックホルムから2時間)に誕生するという。スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)によると、放射性廃棄物は銅製の容器に封入され、19億年前に形成された地下500mの花岡岩の岩盤の中に、年度を緩衝材として埋められるという。収容できる容器は最大で6,000個。
 気になる建設費用は240億スウェーデンクローナ(約3,220億円)。工事は2015年に始まり、2020年には最初のカプセルが埋蔵される予定だそうだ。

 しかし、こうして埋められた廃棄物が、危険のないレベルまで減衰するには、10万年以上かかるとされている。気が遠くなる話である。
 そして、もう一つの疑問が、これが実現しても長期的には厳しい。つまり、廃棄物を埋める施設ができたとしても限界があるということだ。そして、再利用の候補だった高速増殖炉は事故などにより希望薄なのが現状だ。
 果たして、これからの原発はどうなるのだろうか。

【参考資料】

・「スウェーデンが世界で始めて 放射性廃棄物を地層処分か?」
フィナンシャル・タイムズ(UK)(COURRiER Japon 2011.6)

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