現在の日本の危機に一つの解決策

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 日本は失われた10年を過ごし、アメリカ発の金融危機の影響に直面した。今も経済の危機的状況から抜け出すことはできず、そこに東日本大震災が発生し、大きな闇をつくっている日本。経済衰退は目に見える形であらわれており、これまでの世界で2位というGDP(国内総生産)も中国に譲った。
 しかし、ここにきて、新たに暗雲たる状況が忍び寄っている。中国の景気後退や中国発インフレという「チャイナ・リスク」に、欧州債務危機。アメリカでは量的緩和第2弾(QE2)が終わる。中東ではアラブ産油国の安定を脅かす革命の波が広がり続けている。
 一時はアメリカのQE2が世界にインフレの種をばらまいたという懸念もあったが、今度はQE2後、アメリカの景気がどうなるかという点。昨年末から中東・北アフリカに吹き荒れている革命の波は、いかに急に政情不安が巻き起こるか、アラブ革命がどれほど原油価格に影響を与えるかといった点に注目が高まっている。それに、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインなどが借金を返せずデフォルト(債務不履行)することになれば、2008~09年の金融危機のような事態に陥る恐れもある。

 中国の景気と中国発インフレという「チャイナ・リスク」は、日本にとって大きな意味を持つ。インフレ率が重要になるのは、日本国債の金利に跳ね返るためだ。
 ここ数年、日本の資本財や消費財に対する中国の需要は極めて旺盛で昨年、日本の景気が上向く原動力にもなった。しかし、一方の中国の状況は、金融緩和政策により刺激された石油などへの需要は、中国内外のインフレを促進し、その影響は他の国々、特にアジア新興国のインフレ率にも与えている。
 日本がインフレにより影響を受ける可能性は、インフレ抑制策が中国の経済成長を減速させた場合、中国の経済成長は停滞し、日本は復興に向けた肝心な時期に輸出への打撃を受ける。ただ、一方では、中国の景気減速が世界的なインフレ圧力を抑える可能性もある。
 他の可能性は、中国や他のアジア諸国がインフレを十分抑制できず、石油やその他の商品価格が高騰を続けた場合だ。もし、震災復興債を日本銀行が引き受けることが決まり、貨幣供給量が急増している時期に重なったら、破滅的な影響をもたらすことになる。
 それに、インフレになると金利が上昇するため、日本政府は事実上財政破綻する危険が生じるという。

危機に対して、日本が行う対応策のヒントの一つ

 これらのような懸念要因が挙げられるが、日本の政府債務が世界最大であることから、それを機に日本の国債が信頼を失う可能性がある。こうした脆弱な現状を脱するためには日本はどうすればいいのだろうか。その今後の方向性の一つにこんなストーリーがヒントになるかもしれない。
 まずは、今こそ友好国と良好な関係を保つこと。被災地の復興を進め、電力の供給不足解消に努めるだけではなく、日本全体の民間活力を高めなければならない。そのためには、投資や起業、市場への新規参入などに対する規制を撤廃し、生産性を向上させ、生産活動を活発化させる必要がある。
 そして、サービス産業の技術革新や競争を阻んでいる規制をなくすこと。さらに、起業しやすい環境をつくること。ちなみに世界銀行による起業しやすい国ランキングで、日本は183か国中98位。
 日本の弱点は、輸出と企業投資が製造業にかなり偏っていることだが、工業製品の需要は不安定なため、サービス部門を強化することで経済全体の力も増し、多くの雇用が生まれる。そして、製造業とサービス産業の労働改革が必要で、雇用の柔軟性と保証が結びついた労働法をつくることだ。

 危機に対し、こうした対策が一つのヒントになるだろう。それに他の対策もあるかもしれない。しかし、いつまでも立ち止まっていると状況は悪くなるばかり。危機に陥った国は、復興に向けて全力を尽くさないといけない。その間、外の世界が安定し、経済も健全な状況であればいいが、そううまくいかないのが現実だ。
 経済状況の悪化をどう安定させるか、戦争や環境といった大きなテーマの一つに、経済も深く関わってくるから、疎かにできない。

【参考資料】

・「震災列島を襲う 世界経済の津波に勝て」
ビル・エモット(ジャーナリスト)(Newsweek 2011.6.8)

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コメント

  1. BLOGOS編集部 より:

    突然の書き込みにて、失礼いたします。
    政治・経済を中心とした情報サイト「BLOGOS」の編集部です。
    貴ブログのエントリを転載させていただけないかと思い書き込みさせていただきました。
    もしよろしければ、詳細を説明させていただきますので、
    blogos@livedoor.net
    までご連絡いただけないでしょうか。

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