電子書籍がライフを変える!?(上)

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 現在、出版業界が色めき合っている。電子書籍の登場でこれまでの紙のスタイルが大きく変わろうとしているのだ。これまで出版業界は、インターネットの登場により深刻な影響を受け、さらに今度は電子書籍の登場により、紙の大きなライバルとなろうとしている。
 その電子書籍の存在感が大きくなったのは、iPadの登場がきっかけだ。iPadの勢いはすごく、初日で30万台、1週間で50万台を販売し、4月末にはついに100万台を超え、9月の時点で約900万台、周辺機器も合わせると売上額は60億ドル前後に達した。さらに今後5年間の世界出荷台数は4億台に上るという。iPadよりもはやく販売して、電子書籍の波のきっかけをつくったのがキンドル。こちらは累計台数は300万台以上とされる。
 このiPadの勢いと対照的なのが、紙を主体とした出版業界である。米出版協会によると、09年の業界全体の売り上げは239億ドルで前年比1.8%減、電子書籍に関しては3億1,300万ドルで前年比176%増。さらに、電子書籍関連の売り上げは今年中に5億ドルを突破するとみられ、市場の急拡大と競争の本格化が想定される。市場調査分析会社ヤンキーグループ社は、電子書籍端末の売り上げが機器の価格が下がれば、10年に12億ドル(約1,100億円)を突破し、13年には25億ドル(約2,250億円)近い数字になると予測する。ちなみに、「爆発的普及」を可能にするラインとして同社が算定しているのは150ドル(約1万4,000円)だ。

 このように紙に比べ、勢いが増している電子書籍。その電子書籍端末には様々なメーカー企業から出ており、それぞれの規格の違いもある。今後、電子書籍への新たな参入も多く、その種類は増えていく。
 それでは現在、電子書籍端末にはiPad、キンドル、ヌック、ヌックカラー、スレート、リーダー・デイリー・エディションなどがある。

魅力的な電子書籍端末

 まずは、電子書籍端末の代表的なものになったアップルのiPad。iPadの特徴は、大きな画面にボタンが1つだけというデザインで、カラー液晶ディスプレーを採用し、大きさは対角9.7インチ(24センチ)、LED(発光ダイオード)バックライトやIPS(横電界駆動方式)という技術を採用することで、水平に近い位置から見ても、色鮮やかでくっきりとした画像を見ることができる。操作の仕方はディスプレーにタッチする、タッチパネルを採用している。iPhoneなどのソフトウエア(アプリ)が使え、メールチェックや写真の閲覧などもできる。アップルのiBookストアにアクセスして、「数十万冊」の中から1冊10~15ドルで自由に選べる。本や雑誌、ニューヨーク・タイムズのような新聞をダウンロードすることもできる。さらに、iPad用の「キンドル・アプリ」を使えば、アマゾンがキンドル用に販売している本を読むことができる。アプリを起動するにはアイコンを、初期画面に戻るにはホームボタンをタップするだけといった簡単な操作でできる。
 次にアマゾンのキンドル。特徴は、6インチ(15センチ)のモノクロ画面のディスプレーを採用し、ディスプレーの周囲にアルファベットのキーボードや「次ページ」などのボタンで操作する。パソコンなどに搭載される液晶画面と違って、紙の質感に近い電子ペーパーが大きな特徴だ。画面からアマゾンが運営する電子書籍のオンライン書店「キンドルストア」にアクセスし、本をダウンロードする。定期購読を申し込めば、発売日に自動ダウンロードされている。
 米国の大手書店チェーン、バーンズ・アンド・ノーブル(B&N)のヌック。ヌックは6インチのモノクロ電子ペーパーと、その下部にカラー液晶ディスプレー(3.5インチ)を搭載している。カラー液晶部分はタッチパネルになっており、指で触ることで、本を選ぶなどの操作ができる。同社のオンライン書店や、店頭の書棚を眺めて気になる本の電子書籍を、店内の無線LANで一時的にダウンロードし、試し読みができる「立ち読み機能」サービスもあり、気に入ったら店内の紙の本を購入しても、電子書籍をダウンロード購入してもいい。さらに、購入した本を他の人の端末に無料で貸すことができる「貸し借り機能」もある。
同社は11月にカラー液晶を搭載した電子書籍端末「ヌックカラー」も発売した。7インチのタッチスクリーン式カラー液晶を採用し、重量は447グラムで、1回の充電で約8時間使える。価格は249ドル。コンテンツの取り込むに無線LAN(構内情報通信網)を使い、ウェブ閲覧など多機能携帯端末としての要素も盛り込まれている。
 他にも、ヒューレット・パッカードが「スレート」を発売予定としており、04年から端末を販売するソニーも、09年12月に携帯電話(3G)網を利用する通信機能を搭載した「リーダー・デイリー・エディション」を発売した。7.1インチ(18センチ)のタッチパネル式電子ペーパーで、タッチパネルを使って画面上でメモをとることができる。
 これらの電子書籍端末以外も発売予定の端末も注目されている。

(中に続く)

<参考記事>

・「電子書籍発売ラッシュ 「書店の敵?」」/オフライン&オンライン
・「電子書籍は「お部屋が片付く」と思う」/面白き ことも無き世を

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