どこに行くのか、ヨーロッパ!(4)

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 ヨーロッパはいったいどこに向かうのだろうか。
 ヨーロッパはいったいどうなってしまうのだろうか。

 ベルリンの壁が崩壊し、冷戦の終わりを告げ、活気に満ちたヨーロッパ。そのヨーロッパが大きな壁にぶつかっている。

「ベルリンの壁崩壊20年目の成績表」
(Newsweek 2009.11.11)

 「EU加盟国は、世界の中で最も器用にグローバル化を進めてきた」。「幅広い社会福祉サービスを維持しつつ、市場を開放することにも成功した(ドイツだけで中国に匹敵する輸出規模がある)」。
 そして「近隣諸国以外にもEUは影響力を拡大している」。「EU加盟国の兵士が10万人、外交関係者が6万人、そして数多くの援助活動関係者が世界各地で活躍している」。「21の加盟国はアフガニスタンにも派兵しており、犠牲者数は同盟国の3分の1を占める」。
 さらに、「世界経済危機も予想以上にうまく乗り切ってきた」。「今やヨーロッパの失業率はアメリカよりも低く、フランスとドイツはアメリカより早く不況を抜け出した」。

 「冷戦終結以降、EUの面積は2倍に拡大し、人口は来年にも5億人を超えそうだ」。さらに2009年は、「EUの新憲法となるリスボン条約が加盟国27カ国全てで批准されるという重要な節目の年となった」。
 「これによって、全会一致の決議が必要とされる分野は縮小され(つまり特定多数で決定できる領域が増える)、EU大統領という新しいポストもつくられる」。

 「現在、さらに6カ国がEU加盟を目指している」。

「EU大統領、初の首脳会議 無難に 「調整型」真価これから 「ギリシャ」・成長戦略 懸案が山積」
瀬能 繁(ブリュッセル/日本経済新聞 2010年2月13日(土))

 欧州連合(EU)の大統領に選ばれたファンロンパイ氏は「『多様な意見、価値観、文化を尊重する』というのが政治信条」である。「小国出身者でもともとトップダウンの強い指導力は期待できない」。初の首脳会議、「『ボトムアップ』方式はひとまず無事に発信した」。

 「国際的な知名度の乏しいファンロンパイ氏がEU大統領に就任した決め手は調整力だった」。「ベルギー首相当時、長年続いていた国内のオランダ語圏とフランス語圏の対立を収拾した実績が評価された」というわけだ。

 しかし、そんなファンロンパイ氏であるが。「EU首脳陣の中でも指折りの経済成長論者という横顔を持つ」。「『欧州が現在の生活スタイルを維持しようとするならば2%成長は不可欠』と言い切り、新戦略に意欲を燃やす」。「EUの潜在成長率は金融危機の影響で1%前後まで低下しているとみられるためだ」。
 「新戦略は研究開発(R&D)投資など5つの中長期の数値目標を掲げ、加盟国別の計画を作成、目標達成に向け加盟国が相互監視をする―」。「ファンロンパイ氏はこんな構想を温める」。
 今後のEUがどうなっていくかの鍵を握る人物だろう。

「「週35時間労働」のツケを払わされるフランス人」
インディペンデント(UK/COURRiER Japon 2010.2)

 フランスでは、「『週35時間』という法定労働時間」改革が行われた。
 しかし、「この改革は雇用を生み出さず、問題ばかりをもたらした」。「労働者はかつて39時間かけてやっていた仕事を35時間で片付けなければならなくなった」。これは「国際競争の時代に即していないどころか、社会を逆戻りさせてしまう」ものであった。

 「そもそも週の平均労働時間を39時間から35時間に短縮したのは、雇用の増大が目的だった」。「だが調査機関WCCレクスコードの推計によれば、97年から02年の間に創出された35万人の雇用は経済成長によるものであり、労働時間短縮のおかげではない」という。
 「『もっと働き、もっと稼ごう』をスローガンとしてきたサルコジ大統領は同政策を『歴史的過ち』とこき下ろし、与党だった社会党の党首として法制定を進めたリヨル・ジョスパンさえも『経済的失策』と認めている」。

 「02年度に比べて09年度の歳入は150億ユーロ(約2兆円)も減少」し、「労働時間短縮のせいで企業の人件費が10%近くも膨らみ、法人税が減じている」という。

「外交とビジネスがからみ合う ブレア前首相の不透明な活動」
フィナンシャル・タイムズ(UK/COURRiER Japon 2010.1)

 「初代EU大統領のポストを有力視されながらも、各国から反対意見が続出し、就任を断念したブレア前英首相」。
 イギリスの「首相退任後の“外交”活動には、ルワンダのカガメ大統領やカザフスタンのナザルバエフ大統領など、物議を醸す人物との会合も含まれる」。「ブレアは09年だけで、20ヵ国以上の国を訪れているが、彼が最も重点を置く地域は中東だ」。

 「“ブレア株式会社”には多くの企業やパートナーが関わっている」。「活動内容も、企業経営に関することから、ビル・ゲイツが提供する慈善資金の管理まで多岐にわたり、構造は複雑で、資金の流れや運営実態も把握しにくい」。

 「ブレアは、巨額の報酬と引き換えに米金融大手JPモルガン・チェースの顧問を務めており、同社の仕事でたびたびリビアを訪れている」。
 「ブレアは、米国、ロシア、国連、欧州連合による中東和平4者協議の特使として活動する」。「トニー・ブレア・アソシエーツは、主にコンサルティングを行うベンチャー企業で、これまでクウェート政府やアラブ首長国連邦・アブダビ首長国の政府系ファンド、ムバダラなどと契約を交わしている」。

参考記事

・「EU ヨーロッパ連合」/ニュース ぶろぐ・・・
・「強いヨーロッパが必要だ」/山麓

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