環境問題はたえず進んでいる(2)

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 自然の汚染が深刻になっており、環境悪化が目立ってきた今日。その影響を食い止めようと、昨年、国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が開かれた。
 少しでも環境を良くするため、悪化を食い止めるために、数多くの代表たちが集まって、環境対策について、話し合ったわけだ。
 しかし、その成果はどうだったのだろう。

「地球温暖化 COP15では阻止できない」
(Newsweek 2010.1.20)

 「地球の平均気温が2~4度上昇すれば、アマゾンの熱帯雨林が乾燥して山火事が発生し、さらに大量の二酸化炭素が大気中に放出される可能性がある」。「グリーンランドの氷床は解け、7メートルの海面上昇を招く恐れがある」という。

 「気候変動に関する政府間パネルは07年の報告書で、現状が変わらなければ2100年までに6度以上の気温上昇もあり得ると示唆する」。
 「国連環境計画によれば、各国が約束した排出削減量は2050年までの気温上昇を阻止するのに最低限必要な量の半分に満たない」。「マサチューセッツ工科大学などは、COP15の提案によって100年までに気温上昇が3.9度まで進む可能性が高いとしている」。
 「ドイツのポツダム気象研究所の調査では、COP15の提案が財政的に実現できたとしても、今世紀末までに3.2度の気温上昇が予想されるという」。
 「多少の差はあるが、『異なる角度から検証した結果、複数のグループがそれぞれ同じ結論に達した』」。

 しかし、COP15の結果はご存じの通りだ。

「COP15の失敗で分かったこと」
シャロン・ベグリー(サイエンス担当/Newsweek 2009.12.30/2010.1.6)

 デンマークのコペンハーゲンで2009年「12月19日まで開かれた国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)」。
 「COP15で主要国は徹夜の交渉を続けたが、ようやくまとまった協定は今後も話し合いを続け、10年中の議定書採択を目指すと約束しただけ(全会一致の採択断念)」。「各国の交渉担当者は、10年に法的拘束力のある合意を成立させるという目標を実質的に断念した」。
 「先進国がこれ以上、途上国に歩み寄る可能性は低い」。「一方、中国、インド、ブラジルは法的拘束力を持つ二酸化炭素(CO2)の排出削減目標と、削減努力の検証・監視を受け入れようとしない」。

 「コペンハーゲン協定には、産業革命後の地球の気温上昇を2度以内に抑えるという目標が盛り込まれた」。「だが現状では、目標の達成は困難だ」。
 「既に地球の気温は産業革命前に比べ、0.75度上昇している」という。
 「例えば中国のGDPが20年までに05年の2倍になれば、GDP当たりのCO2排出量は10%増える」。「中国が近年と同レベルの8%成長を15年間続けた場合、総排出量は75%増加するという」。「インドも同様で、近年の経済成長が今後も続けば20年のCO2排出量は80%増える」。

 「気温を2度以内に抑えるためには、大気中のCO2濃度を450ppm以下に保つ必要がある」。「一部の科学者は350ppmでも危険レベルだと考えているが、現在のCO2濃度は既に387ppm」。
 「この450ppmという目標を達成するためには、先進国は20年の温室効果ガス排出量を90年比で25~40%、中国やインドも15~30%削減する必要がある」。

 「気温上昇はこれまで考えられていたよりもずっと大きな影響を海と極地の氷床に与えることが分かった」。「12万5000年前の間氷期、極地の気温は現在より3~5度暖かく、世界の平均海面は約6.6メートル高かった」。
 「もし地球の平均気温が2度上昇すれば、温暖化の影響を受けやすい極地の気温は前回の間氷期並みに上がる」。「つまり、平均海面は今世紀中に6メートル以上も上昇する可能性が大きいということだ」。
 「そうなれば、低地に住む2億5800万の人々が家を失う」。「海面上昇が1メートル程度にとどまったとしても、1億4500万人が影響を受け、年間1兆1000億ドルのGDPが失われるという」。

 「国連中心の多国間交渉を捨てて、2国間交渉と温室効果ガス排出の大部分を占める十数ヵ国の話し合いを重視する必要がある」のかもしれない。
 「バラク・オバマ米大統領が09年3月に立ち上げた17ヵ国・地域の主要経済国フォーラム(MEF)のような『排出国クラブ』の枠組みのほうが、温室効果ガスの削減につながる可能性はずっと大きい」。
 「これほど複雑で困難な交渉では、合意に必要な国の数が少ないほど合意のチャンスが高まる」。
 「主要国はCOP15に先立ち、20年までの温室効果ガスの削減目標を表明した」。「世界最大の排出国・中国は、GDP(国内総生産)の一定分を生み出すのに必要なCO2排出量を05年比で45%削減」。「インドは同基準で25%、アメリカは05年比で総排出量を17%、EU(欧州連合)は90年比で総排出量を20%、日本は90年比で総排出量を25%削減するとそれぞれ宣言した」。「だが、この目標が達成できたとしても、温暖化はかなりのペースで進む」。

 「10年11月にはCOP16がメキシコ市で開催されるが、そこでも交渉の大きな進展は期待できそうにない」。

「COP15 合意を後押ししたオバマへの風圧」
(Newsweek 2009.12.30/2010.1.6)

 2009年12月、「デンマークのコペンハーゲンで行われていた国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)」が行われた。

 「COP15は政治合意にこぎ着けた」。「ただし、期待外れに終わった部分もある」。「合意文書には、先進国全体の20年までの温室効果ガス削減目標は記述されず、各国に目標の報告を求めるにとどまった」。「国際的な監視・検証の義務付けについては中国が頑として反対し、合意文書には盛り込まれなかった」。「遅くとも10月11日のメキシコ会議(COP16)までに新議定書の締結を目指すという案も先送りされた」。
 「結局、各国が引き続き国内法規に取り組むという緩い合意となった」。

「COP15 コペンハーゲン 温暖化ガス 中期目標合計 先進国、最大でも17.9%減 90年比EU試算」
瀬能繁(ブリュッセル/日本経済新聞 2009年12月9日(水))

 昨年12月に環境問題を話し合うCOP15が開催された。
 しかし、「国土が広い米国、カナダ、オーストラリアの目標が低く」、問題の解決はまだまだ遠い。

 「日米欧など先進国が示した温暖化ガス削減の中期目標を合計しても、先進国全体の2020年時点の排出量は1990年比で最大17.9%減にとどまることが欧州連合(EU)の試算で明らかになった」。
 「試算はEUの執行機関である欧州委員会による」もので、「科学者などでつくる気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、産業革命以来の気温上昇を2度以内に抑えるには、先進国の温暖化ガス排出量を20年までに90年比で25~40%減らす必要があるとしている」。

参考記事

・「COP15いよいよ開幕(温暖化詐欺)」/Septemberのブログiza版
・「COP15とCO2」/世に久しきことわり侍らじ
・「COP15が始まった。」/八魔庵
・「寺島実郎  COP15」/世に久しきことわり侍らじ

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