日本の行方(上)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本はどうなってしまうのだろうか。
 世界的に見ても、経済大国・日本の存在は薄くなってきている。
 日本の存在は、世界では大きな存在であった。しかし、その日本はバブルが崩壊し、混迷し、いまだに、混迷から脱け出せていない。さらに、金融危機により、さらに大打撃を受けて、深いトンネルの中を迷い続けている。
 
 日本のこれからの戦略はどうすべきなのか。
 まずは、日本のこれまでを追う。

「沈みゆく成長戦略なきニッポン」
ラーナ・フォルーハー(ビジネス担当/Newsweek 2009.9.2)

 「中国政府は先頃、現状では日本が圧倒的に優位に立っているメーカー産業の振興計画を発表」した。

 「中国は、米ドルが唯一の国際基軸通貨となっていることに異議を唱え、元建ての取引の拡大を図っている」。
 「米金融大手ゴールドマン・サックスの予想によると、中国やインドに代表される新興国は先進7ヵ国のGDPの合計を27年に追い越すという」。「以前の予測より10年早まった」。
 「中国は10年には世界の消費の伸びの30%を占めることにな」り、「これはアメリカの倍に匹敵する」。

 「日本経済は90年代前半に低迷期に突入」。「09年1~3月期のGDP(国内総生産)は年率換算で11.7%減少した」。「先進国としてはここ数十年で最悪レベルの落ち込みだ(4~6月期は3.7%増で、5四半期ぶりのプラス成長)」。
 「製造業の奇跡的な発展となったトヨタや日産、ホンダなどの自動車メーカーは、09年4月に7割近い輸出減に直面し、在庫調整のために工場を閉鎖しなければならなかった」。
 「日本の衰退ペースは速かった」。「00年代初頭、経済規模はまだ中国の約4倍もあった」。「しかし近年、中国経済が早ければ10年にも日本を追い越す勢いを見せてきた」。「さらに中国が年率8%の成長を維持するなかで日本経済が収縮」。
 「1860年代に日本の構造改革が花開いた明治維新から現代まで、日本は『西洋に追い付き、大国として認められるという基本的に1つの目標を追求してきた。その願いを1980年代に果たすと、日本は目標を見失った』」。「今の日本は疲弊している」。

 「国民が懸命に働いて貯蓄し、その資金を運用して欧米に製品を輸出するという従来のモデルは明らかに破綻した」。
 「日本は新しい技術を見いだすべきだという」。
 「グローバル経済の中心が(アジアに)移行し、アジアが経済成長の原動力となっている今、日本がどうやってその中心になれるかを考えなければならない」。

 「アメリカや日本の学識者は、日本はカナダやスイスを参考にすべきだとみている」。「豊かで充足したこれらの国々は、近隣の大国との関係を維持しながら繁栄することを学んできた」。
 しかし、「日本がカナダと同等の立場に身を置くのは難しい」。「カナダの経済規模は日本の3分の1未満で、アメリカとの関係も日中関係に比べて良好だ」。
 「20世紀前半の日本の中国侵略以来、日中両国の関係は穏やかではない」。「貿易や安全保障に関しても双方の国益はしばしば対立する」。「日本はいまだにアメリカの核の傘に守られているが、中国は仮想される脅威の1つ」。

 それより、「EU(欧州連合)をドイツと共に牽引するフランスのほうが、より日本に適したモデルになるという見方もある」。「日本と中国がアジアの両輪になるというのだ」。
 だが、「アジアとヨーロッパでは事情が違う」。「EUはフランスと西ドイツ(当時)などが石炭と鉄鋼の生産を共通の管理下に置くために設立した欧州石炭鉄鋼共同体から始まった」。
 「フランス型モデルの利点」として、「フランスでは、93年のEU発足以来、1人当たり国民所得が42%増えた」。

 「日本と中国は、海上油田の採掘権や過去の侵略問題をめぐって対立している」。「国民1人当たりの平均年収の差(中国は日本の17分の1)も、地域のリーダーとして協調関係を築く上での障害になるだろう」。

 「輸出の落ち込みを埋めるために、ここ10年ほど横ばいを続ける国内消費を押し上げる必要がある」。
 しかし、「国内市場は縮小の一途をたどっている」。「人口は04年の1億2800万人をピークに減り始め、55年には9000万人に落ち込む見通しだ」。「現役世代と高齢者の比率は75年には8対1だったが、05年には約3対1になった」。「55年には1.3対1になると予想」。
 「そのため「内需を(必要な水準まで)拡大する現実的なモデルが存在しない」。

 日本の大手企業は、「内需よりアジア域内の需要を指す『準内需』について語る経営幹部が多い」。「成長が続くこの新しい『地元』市場の中心に日本を組み込もうという考え方だ」。「中国や東南アジアの中産階級に製品を売るばかりでなく、アジア企業への投資を増やし、農業のように極めて閉鎖的な分野などで貿易の自由化を推進し、環境やテクノロジー、エネルギーの分野などで中国や他の途上国との連携を強めていこうというのだ」。
 「近年、日本の対中国輸出は急速に伸びている」。「00年には対中国輸出は対米輸出の約5分の1だったが、今では両者はほぼ互角になっている(ただし、中国への輸出品の多くが組立工場向けのハイテク部品であるのに対し、アメリカ向けは主に完成品)」。
 「メーカー各社は、高級車や高額な消費財のアジア向け輸出を増やそうと、欧米よりアジアの消費者に関するリサーチやマーケティングに力を入れ始めている」。

 「中国への投資額で日本は上位4ヵ国の一角に食い込んでいるが、対中投資額の3倍近くをアメリカの工場や企業に投じている」。
 「日本企業が特に懸念しているのは中国で知的財産権が侵害されること」だ。「高コスト体質の日本メーカーは、製品の中核アイデアを盗まれたら壊滅的なダメージを負うからだ」。
 「日中両国は5月、アジア域内で外貨準備のドルを融通し合う枠組み『チェンマイ・イニシアチブ』の拡大に関して、日中の資金拠出割合を同じにすることで合意」。「アジアでの多国間協定で足並みをそろえることになった」。
 「日中は運命共同体で、中国が日本より経済で勝る日が来ても、日本には貢献できることがたくさんある」。

 「現在、日本政府はGDPの5%を景気対策に投じているが、ようやくプラス成長に転じたばかりで、先行きはなお不透明」だ。「日本はアジア地域との統合に軸足を置いた新たなモデルを見つける必要がある」。
 「経済力だけが頼りの大国だった日本が世界で勢いを盛り返すには、経済を新たな成長軌道に乗せる必要がある」。

「最強国家ニッポン」の設計図 「ザ・ブレイン・ジャパン」建白書 最終回
「今こそ「最強国家ニッポン」建設に立ち上がれ」
大前研一(SAPIO 2009.6.24)

 日本は未だに「近代国家のかたちを成していない」という。

 その一つの理由は、「日本の都市はどこに行っても街並みや駅や空港が、ほとんど同じパターン」である。
 「日本は中央集権が強すぎて地方や都市間の競争がない」ということから、「21世紀型ではなく、近代化=工業化だと信じて疑わなかった20世紀型の街づくり」であるため。
 一方で、「世界の大都市は互いに激しく競い合っているから、街並みも経済基盤も文化も大きく違う」のである。
 この問題を「根本的に改めるためには、統治機構を中央集権から道州制に変え、国民の豊かな生活と経済発展を担う責任を持つ各道州が、世界中からヒト、モノ、カネ、企業を引っ張ってくる健全な競争を促さなければならない。

 他にも考えないといけないことは、「これまでの護憲か改憲かの議論では、とにかく第9条しか問題にされてこなかった」。しかし、憲法の問題は、「軍事独裁で国民が犠牲となった、という当時のGHQの発想で書かれていたために、憲法が国民の『権利』に重きを置きすぎ、『責任』についてほとんど書いていない」ということだという。
 そうした上で、「国民に対する国の責任は何なのか、国に対する国民の責任は何なのか、ということが全く定義されていない」と筆者は指摘している。
 現行憲法の問題点として、「『家族』や『コミュニティ』の概念がほとんど欠如しており、個人と国の関係を中心に書かれている」という。「政府と個人しかいないなどという国家が発展するはずがない」と筆者は指摘。
 そうしたことから、「個人と国の間にある家族やコミュニティの役割や理想の姿が何なのかをきちんと定義しなければ、『国家のかたち』は見えてこないし、非常に多くの重複と欠落が起きる」という。

 「日本の防衛について新しい現実に基づいて国民的な議論」が必要になっている。
 「国家には国民の生命と財産を守る責任がある」。そのため、「国会議員はこの新しい現実に基づいて、アメリカの後方支援を続けるのか続けないのか、日本の仮想敵国はアメリカと同じなのか違うのか、アメリカ一辺倒でなければ、どのような国と協力し、誰のために、どのような手段を用いて国を守るのか、それを可能にするための憲法をどのように定義していくのか、といったことを相対的に議論しなければならない」。

 「大きなアジェンダが政治の俎上に載ってから国が変わるまでには、最低でも10年、下手をすると20年も30年もかかる」という。

 「日本政府と地方の借金は、今回のバラまき補正予算15兆円を加えると、対GDP比で168%に達してしまう」という。
 オバマ大統領が経済対策で大盤振る舞いをしたアメリカ」では82%。「OECDで100%を突破している国は、日本とイタリアだけである」。ちなみに、イタリアは「ほんの数%超えているに過ぎない」という。

 「米ソ冷戦の枠組みの中では、日本の防衛=アメリカの後方支援」であった。しかし、「当のアメリカは軍事的なプライオリティを、冷戦終結後の20年ほどの間だけでも3回も変えている」。
 「第1フェーズでは、旧ソ連と繰り広げた軍拡競争に未来がないとわかって核軍縮協議を始めた。ところが、その途中で旧ソ連が崩壊したため、世界はアメリカのシングル・ヘゲモニーになり、アメリカは“平和の配当”で極端な軍縮を推進した。カネを貢いでくれる日本の米軍基地は残したが、その間、アメリカには日本を守る必要性も、守ろうという発想もなかった。これが第2フェーズである」。
 「本来、この時点(クリントン政権)で日本は安保政策を見直すべきだったが、アメリカのシングル・ヘゲモニーが50年は続くと言われていたから、他国の台頭は想定せず、安全保障の基本方針を議論せずにすませていた」という。
 「第3フェーズが、9・11同時多発テロ以降である。『テロとの戦い』を始めたアメリカの敵は、国家ではなくテロリストになった。しかし、日本はテロリストの直接のターゲットではない。アメリカの後方支援をするから間接的なターゲットになるのであって、日本独自の外交をしてアメリカと一線を画していれば、間接的なターゲットにもならない可能性が高い」という。「ところが冷戦時代のパラダイムのままでアメリカに従属していることで、日本もテロリストのターゲットになるかもいしれない状況が続いている」。
 つまり、「もはやアメリカの後方支援は、日本にとって本当に安全保障上、意味のある行為なのか極めて疑問なのである」という。

 ヨーロッパでは、「冷戦時代の『西側』『東側』の垣根」はなくなり、「EUはロシアと等距離で付き合い、中国とも親しくする一方で、徐々にアメリカとの距離を取り始めるという新しい地政学に早々と転換している」。
 今や世界は、「国境もイデオロギーも消えて多極化が進み、アメリカのシングル・ヘゲモニー(一極支配)は完全に崩れ」、「多くのテーマで、欧米の主要国以外にも極めて重要な地域や国が出現してきている」。
 しかし、その世界の変化に対し、日本は「1993年の細川連立政権成立以降、ますます世界の動きから遅れ、ズレている。米ソ冷戦の終結後も、日本の外交はアメリカ一辺倒という旧来のパラダイムから抜け出すことができないでいる」。

 日本のこれからをどうすればいいのだろうか。
 「これから日本は国家戦略として世界の国々や地域とどのように付き合っていくのか、どこから食料や天然資源を調達するのか、安全保障のパートナーはアメリカだけで本当に大丈夫なのか、といった問題について国家を二分するくらいの真剣で冷静な議論をしなければならない」だろう。

「日本の財政[破綻する/しない]大論争」
(SPA! 2009.10.13)

 金融危機が世界中で深刻な状況を引き起こしている現在、日本も苦しんでいる。しかし、それだけが日本を苦しめる要因ではなく、問題は存在していたが、解決策をなかなか打ち出せず、問題自体を雪だるまみたいに大きくしていったのが本当なところだろう。
 それでは、果たして、破綻のXデーが現実と化した場合、どうなってしまうのだろうか。「かつて日本は敗戦とともに経済が破綻し、それに伴って強烈な物価上昇が発生。預金封鎖と新紙幣(新円)切り替えが行われ、実質的に国民の財産が没収された」。しかし、現在では、「憲法第29条により財産権は保障されている」ため、先に述べたことは起こらないだろう。
 つまり、「そもそも破産とは、ボクシングの試合でセコンドがタオルを投げ込むのと同じ」で、「再起を図るため、選挙生命を絶たれる前に降参する」ということ。「破産を機に、特別会計などの“裏金”とは決別し、議員数大幅削減などスリム化すれば破産処理は完了し、日本は再生」できるという。

 もし、「日本が財政破綻した場合、IMFに救済を求めることになる」。「債権国と協議し、支払いのリスケなど条件を緩和してもらうことが一般的」で、「IMFは救済の条件として歳出をカットと、税収増による財政の健全化と、利上げによる通貨の安定を要求」してくることになる。
 これはつまり、「景気が悪い中、これらの政策は国民生活に非常に大きな負担を強いること」になる。
 その財政破綻は大きな影響をもたらす。「日本の財政が破綻するということは、財政支出が半減する」ため、「年金の遅れなどが発生する」。「それ以上に深刻なのが、医療」である。国が病院にきちんと支払いができなくなるため、「資金繰りに窮する病院が増え、満足な診療を受けることができなくなる」恐れがあるのだ。
 さらに、「過去に破綻したアルゼンチンやロシアと比べ、日本ははるかに影響が大きい」という。もし、日本が破綻すれば、世界経済のダメージが大きいからだという。
 「日本の破綻だけでは留まらず、米国がその巻き添えになることさえありうる」。つまり、連鎖破綻ということだ。なぜなら、「日本が大量に米国債を保有しているから」で、そうなれば、同じく米国債を大量に保有する中国もダメージを受ける。「リーマン・ショックどころの比ではない危機に発展する危険性もはらんでいる」というわけだ。
 また、「為替市場で強烈な円売り」も進むかもしれない。ただ、「円安は輸出企業にとっては追い風」にはなるが。「実際、韓国は90年代末の経済危機をウォン安に伴う輸出の伸びで克服」している。
 しかし、「問題は資金や人材の海外流出が激化し、それ以前に日本が疲弊してしまう」恐れがあることである。

 「現在、国債の発行残高は681兆円」で、「政府の債務は地方分を合わせると970兆円を超える」。それに加えて、「年金債務を含めると1000兆円」ともいわれる。

 日本の借金問題が深刻になっているとみられているが、果たしてどうなのだろか。
 「国家とは政府の他に、金融機関、民間企業、家計」があり、そして少しのNPOがある。「日本国家全体で捉えると、それらの総資産額が総負債を上回っている。つまり、日本国全体の純資産はプラス」ということである。
 この問題を理解する上で、『日本の借金』については、日本国家の借金ではなく、「日本の国家は政府だでけ成り立っている」わけではないという前提を知っておくことだ。

 「政府が国債を刷って支出を増やさないと、日本のGDPは減る」ことになる。そうすれば、私たちの所得も減る結果になる。
 「国債の6割を買い受けているのは、国内の銀行と生損保」である。「銀行は年々預金残高が増えている」ため、「その分、利子負担が重くなる」。しかし、「企業への貸し出しが年々減っている」。「その穴を埋めるために、金融機関は国債を買っている」のですが、「そもそも預金が増えるということは、消費支出が減る」ことになるので、「GDPはマイナスになる」。そうなると困るので、「国民の代わりに政府がカネを使っているわけ」だ。つまり、「銀行預金をしている私たちは、国債を間接的に買っているということ」である。
 国債の問題について、解決の糸口がいくつかあげられる。
 一つは、『インフレターゲット』。日銀に大量に買い取ってもらい、インフレにすればいいのではということだ。「たとえ政府の負債が増えても、インフレを起こせば、その分だけ名目GDPが増える」ため、政府の返済負担は減るということになる。つまり、「インフレ政策でデフレを止め、企業や個人に消費」させようということである。
 その他の方法というと、「銀行の企業貸し付けが増えないこと」が問題であることから、「日本の産業が閉塞状況にある」ので、「まず規制緩和して、国内にいろいろな産業を興す努力」をする必要があるということだ。

 借金、国債の問題の他にも、社会保障の問題もある。
 社会保障に、「年金だけでも580兆円、その他もろもろ足すと1000兆円くらい隠れ債務があるという」。このままだと、財政破綻ではないが、「『発散』つまりハイパーインフレになる可能性がある」という。「『発散』する確率は22年に46%といわれ」、また、「財務省も個人金融資産で国債をファイナンスできなくなる時期が10年代には来るという予想」がある。

 問題は山積みな状況で、日銀を引き受けをするなら、その前に少子化対策や次世代エネルギー対策などといったことを、全て行った上で成長率がこれだけ上がるというビジョンを世界に発信しないといけない。なぜなら、「円と国債がダブルで信用を失うリスク」があるためである。
 しかし、民主党政権の成長戦略がわからない。
 民主党政権で怖いのは、今のまま国債を発行しないで、GDPが落ちて、「慌てて国債を刷るパターン」。あるいは、「成長戦略なしにダラダラ国債を増やして慌てて日銀引き受けをしてインフレになるパターン」である。

 金融危機も後押しして、『世代間格差』も深刻な問題になっている。先進国を調べた統計によると、「世代間格差が少ない国は成長率が高まる傾向にある」という。「でも現状では、1940年生まれと2005年生まれの人で、負担と受益の差が大体8000万円ある」といわれている。

 これら以外にも問題は山積みになっているが、どう対策をうち、解決していくのだろうか。

世界に雄飛する 人間力の時代 第2回
「東国原も橋本も落第点 真の地方自治を担う「知事の資質」」
大前研一(SAPIO 2009.8.5)

 金融危機により世界的な不況が襲っている。その影響は日本にも当然、及んでいる。
 その日本の状況はというと…。「日本は完全に中央集権国家であり、東京都以外の道府県はほとんど全て国からの交付金がなければ生きていけない」状況である。「地方に自己財源も権限もない現在の仕組みでは、どんなに知事が活躍しても効果は知れている」のだ。

 各都道府県には知事がいるが、その知事の本来の責務」とは何だろうか。
 それは「1に雇用創出、2に雇用創出、3、4がなくて5に雇用創出」という。「雇用とはすなわち産業政策」で、「国に依存しない自立的な経済発展を果たすことである」。
 「地方自治、地方分権とは、権限やカネを中央から地方に移すということではなく、地方が独立した国家のように経済的に機能することである」。「そのためには現在の都道府県の単位は小さすぎるので、道州制の導入」が望ましい。
 「道州単位になり、立法権や徴税権の一部を持つことになれば、九州や四国も十分に自立可能」だろう。

 「任期が保証されていない首相や衆院議員と異なり、知事はよほどのことがない限り4年間務められる安定したポジション」といえる。「たとえ権限や財源が乏しくても、4年間あればもう少し何かできそうなものである」。
 「それができない理由の1つは、都道府県の役人が知事に政策を作らせないこと」があげられる。
 つまり、「知事として地元の舵取りを本気でやろうと思えば、マスコミを味方にすることより、自ら地道で厳しい道を選ぶ覚悟が必要なのである」。「知事にとって、4年間でこういう政策をやろうという固い信念と強い意志がいかに大切」なのだ。

 「知事の権限が極めて限られているからこそ、彼らは有権者から厳しい“勤務評定”をされることなく、改革派を名乗って『国と戦う』姿勢さえ見せていれば人気を維持できた」。「全国47知事の中で目立つために、中央省庁に対して勇ましい発言をする」わけだ。
 しかし、「勇ましい発言をする知事たちは『地方分権』と叫ぶだけで、『権限を持ったらどういう政治をやるか』という具体案を何も示していないことがわかる」。
 「例えば、国土交通省などから北陸新幹線整備事業の地元負担額を求められた新潟県の泉田裕彦知事は、『負担増が決まる前に地元と十分協議すべきだ。負担金の増額は極めて難しい』と国に反旗を翻し、国交省に詳細な説明を求めた」。「例によってマスコミは喝采した」。しかし、「国交省が一枚上手だった。ならば国も事業費の8割負担をやめました、と応じたのである」。「その結果、泉田知事は地元から総スカンを食らい、ほどなく『緊急経済対策に県としても協力したい』と、あっさり前言を撤回してカネを出すことにしたのである」。「泉田知事は、ゴネて負担を避ける狙いはあったのだろうが、『国の事業は要らない。地域の交通インフラは自分たちで作る』というところまでは腹がすわっていなかったようだ」。
 「そもそも、仮に国が全額負担して地方のインフラ整備をやることになったら、さらに国のコントロールが強まり、地元無視の建設工事が進むだけである」。

 「地域のリーダーとして『権限をよこせ』と言うなら、そこまで責任を引き受ける覚悟をまず示すべきだ」。
 「本当に成功する事業事業部長とは、この事業をこうしたい、というビジョンが先にあり、そのためには本社の権限のこれとこれを委譲してほしい、と具体的に説明できる人物」である。

参考記事

・「金融と経済」/経済学とつれづれに
・「チャイナ経済と日本」/中華大陸興亡 China Revival
・「基本政策方針【経済】」/forza!新風!私的まとめサイト

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)