2010年も環境問題は大きなテーマに

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 2010年、最初は、2009年最後と同じテーマの「環境」問題です。

 環境悪化が叫ばれている中、環境は果たしてどうなっているなのか。環境悪化一色な声が大きいわけだが、果たしてそこに疑問はないのか。

 そして、環境問題に対して、イギリスのブラウン首相の意気込みから、環境対策への取り組みが伺える内容に。

 環境への対策の一つのヒント。

 環境は、2010年も大きな話題になる。

「温暖化、もっと心配したら?」
ジェニーン・インターランディ(Newsweek 2009.10.14)

 アメリカの農業会の大部分は、『温暖化は嘘だ』とか『収穫量が増えるからいいじゃないか』といった理由から、「温室効果ガス排出削減に向けた行動に強く反対してきた」。「農業州選出の議員の多くは、排出量制限の免除などの妥協を引き出した後も、50年のCO2排出量を05年比で83%削減するワクスマン・マーキー法案に反対票を投じた」。
 しかし、「温暖化が農業に与える影響は実際にはかなり複雑で、ほとんどは好ましいものではない」。

 「一部の農家や農業州の議員は、植物は光合成でCO2を酸素に変えるのだから、農地は放出する以上のCO2を吸収している」、と主張。「確かに正しいが、あくまで理論上の話でしかない」。
 そして、「光合成が行われるのは植物の葉の部分」で、「茎や根などその他の部分は呼吸しており、他の生物と同じように酸素を吸ってCO2を吐き出している」。「植物が放出する酸素の量が吸収するCO2の量をどれだけ上回るかについては、まだ科学的にはっきり解明されていない」。

 「多くの大規模産業と同じように、農業もまた化石燃料を大量に使用している」。実際、農業州が法案に反対した大きな理由が、『分析から、燃料や肥料の値上げによって多くの農家が赤字になることがわかった』ということがある。

 それでは、温暖化はどのような影響があるのだろうか。
 「確かに一部の作物はより暖かい気候の方がよく育つが、あくまでそれは一部である」。「07年の米政府報告書によれば、大気中のCO2濃度が上がり、栽培可能な期間が長くなれば、5大湖周辺の果物収穫量は増える」が、「米国内で栽培されているサトウキビやトモロコシなどの主要作物は既にCO2を十分に吸収しており、大気中のCO2が増えても大きな変化はない」。
 むしろ、問題なのは、気温上昇に伴って増える干ばつや害虫、大嵐である。
 「干ばつが増えれば、特に南部の州では作物の収穫量が減る。オレゴン大学の研究によれば、ニューメキシコ州だけでも河川水量の減少が農家の損害が2100万ドルに上る可能性がある」のだ。

 しかも、「害虫は気温の上昇に合わせて移動パターンを変えるため、農家は農薬の使用量を増やすか、もっと丈夫な種類の作物に替える必要に迫られる。洪水やハリケーンの頻度や規模が増せば、米連邦作物保険プログラムも多額の保険料支払いが日常化」することになる。
 温暖化の影響は既に出ている。東西両海岸沿いの農家では、化石燃料の多様化がもたらす悪影響を受け始めている。「これらの地域の作物(東部のクランベリーや西部のアーモンド)が育つには一定の寒い日が必要で、寒い日が少な過ぎると開花が乱れ、受粉に影響が出る」。その結果、「カリフォルニア州セントラルバレーでは冬の寒い日が既に30%減少し、アーモンド農家の収穫量が昨年より20%減」少した(カリフォルニア大学デービス校の研究による)という。

「CO2削減、イギリスの戦略」
ゴードン・ブラウン(イギリス首相/Newsweek 2009.10.14)

 現在、環境問題は最重要項目になっている。
 今年12月、デンマークのコペンハーゲンで、国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議が開催される。
 「気候変動は既に始まっており、それが地球に与える悪影響は科学的データから見ても明らか」である。気候変動の脅威は環境と人間だけでなく、経済にも及ぼす。「地球温暖化が緩和されなければ、世界のGDP(国内総生産)の5~20%に相当する損失が生まれる恐れある」という(イギリスの経済学者ニコラス・スターンが3年前に発表した報告による)。「その経済コストは、20世紀の2度の世界大戦や大恐慌による損失を上回る」という。

 環境問題対策に乗り出す国が出ている中、「イギリス政府は低炭素経済の実現に向けた枠組みを支えるために4本の柱を据えている」。
1:「温室効果ガスの排出量の削減目標を世界で初めて掲げた気候変動法」。
 「20年までに1990年比で最低34%削減し、50年までに最低80%削減することを定めている」。
 「目標実現のための尺度として、5年ごとにカーボン・バジェット(温室効果ガス排出量の上限)を採用」し、「各省庁にカーボン・バジェットを割り当てることによって、温室効果ガス削減の責任を明確化している」。
2:「低炭素経済への移行計画」。
 「この計画ではカーボン・バジェットを元に、今後15年にわたる経済の主要部門の包括的な目標と戦略が定められている」。
 「これを実現するためには、新しいテクノロジーの積極的な導入が必要になる」ため、「イギリスは風力やバイオマス(生物由来資源)、潮力、太陽光といった再生可能エネルギーを20年までに7倍に増やし、エネルギー需要の15%を賄うことを目指している」。さらに、「新世代の原子力発電プロジェクトについても前向きに検討」しており、「新規の石炭火力発電所にはCO2回収・貯留技術の採用を義務付ける計画で、そのために最大4カ所の大口施設を支援していく」という。
3:「市場原理に基づく方策を採用」。
 これは、「低炭素化戦略を後押しするため」のもので、中でも重要なのはEU(欧州連合)域内排出量制度があげられる。「現在のCO2排出枠の価格だけでなく将来の価格を示すことで、電力部門と重工業部門に対して、生産効率化と低炭素化に向けた投資を促している」。
 さらに、「英政府はエネルギー効率を向上させるために、建築や自動車、消費財などを対象にした規制強化も実施している」。
4:「低炭素化政策を実施することで英企業に成長と雇用拡大の機会を与えることを目指す産業戦略」。
 これにより、「15年までに40万人分の雇用が増える可能性がある」という。
 「研究開発や技術研修などの支援を通じて、低炭素型の製品とサービスを供給するための一貫したシステム」をつくり上げようとしている。「『低炭素経済地域』の設置によって、重要な産業を支える企業の地理的集中と連携強化が進む」ことになる。しかし、「景気が上向けば、こうしたコストを無理なく負担できる」だろう。「特に、省エネによってエネルギー消費が減少すれば、エネルギー費も減る」ことになる。

 このようなイギリスの低炭素化戦略により、『長期的成長と雇用拡大』『温室効果ガスの排出削減』『エネルギー安全保障の確保』の3つの成果が期待される。

 「経済が低迷している今は、コストが高い環境問題への取り組みを控えるべきだという声」がある。しかし、「合意が促進するはずの投資に、世界の景気回復がかかっている」ため、「コペンハーゲン会議での枠組み合意は世界経済にとって欠かせない」。
 「低炭素化に向けた努力は、今後10年間の経済成長の大きな推進力」になり、「環境革命にいち早く取り組んだ国が、最大の経済的恩恵を得ることになる」だろう。こうしたことから、「21世紀の経済が二酸化炭素(CO2)の排出を減らす『低炭素化』に向かうことはほぼ間違いない」。
 「エネルギー効率改善とインフラ構築への支出は、短期的には需要と雇用の創出に重要な役割を果たす一方で、未来の成長のための基盤となる」。
 「低炭素化に向けた動きは雇用拡大と、新たな産業や輸出市場の創出を促し、低迷する経済の活性化に役立っている」が、「その勢いを保つためには、各国政府の後押しが欠かせない」。つまり、「このプロセスにおける政府の役割は重要」で、「政府は主要な成長部門に対する民間投資を促すために、積極的な対策を実施していく必要がある」ということだ。そして、「低炭素化を実現するための投資を促進するのも、政府の大事な使命」である。

 「省エネ化の進展によって生産性が向上」し、「燃料費の減少で余った資金は投資に回すこと」が可能になる。
 「国際エネルギー機関(IEA)の推定では、低炭素エネルギーの生産とインフラ構築のために30年までに最大30兆ドルの投資を要する」。「先進国では、老朽化したインフラの刷新、新興国では急増するエネルギー需要への対応が必要」になる。「世界の環境部門の規模は15年までに7兆ドルに達し、膨大な雇用を創出する可能性がある」。
 その「低炭素社会の実現に向けた動きの中で最も重要な要素は技術革新」である。
 「既にバッテリーの分野では、自動車産業が電気自動車の研究開発を推進しているため、大規模な技術革新が進行している」。それに加えて、「環境に優しい建築技術や軽量素材、太陽エネルギー、CO2の回収・貯留といった分野も同様」に進行している。

 「EUの全加盟国は、省エネ化と再生可能エネルギー需要への投資に取り組んでいる」。「EUは温室効果ガス排出量を20年までに1990年比で20%削減するという目標を掲げているが、新たな国際的枠組みが合意に達すれば削減幅を30%に増やすつもり」だという。
 さらに、「アメリカ、カナダ、オーストラリアの議会は排出量取引システムの創設」に動いており、日本も導入に前向きである。「中国はエネルギー効率を10年までに20%向上させ、再生可能エネルギーの割合を20年までに15%に増やすという目標を掲げている」。
 そうしたこともあり、「08年は世界規模での投資額で、再生可能エネルギーによる電力部門が化石燃料による電力部門を初めて上回った」。
 国だけではなく、企業も環境に対する取り組みが強くなってきている。「企業の間でも、コペンハーゲンでの枠組み構築を支持する声が多い」。「世界経済フォーラムの最近の報告によると、世界の主な株式市場の時価総額の20%に当たる企業のCEO(最高経営責任者)たちが支持を表明している」。

 英政府は枠組み合意を実現するために、「地球の平均気温上昇を2度以内に抑えることを目指し」、「温室効果ガス排出量を減らす市場と検証の制度を確立」しようとしており、さらに、「途上国に温暖化対策支援の手を差し伸べる」といって提案を用意しているという。気候変動は甚大な不公平を生みだしており、「主に先進国が引き起こしているのに、最も影響を受けるのは最貧国」である。そのことからも、「コペンハーゲン会議では貧しい国々に、気候変動の被害を最小限にできるような支援を約束する必要がある」。
 そうして、途上国が気候変動のダメージをはねのこて、経済を成長させられるよう、「先進国は資本と技術の提供に努めなければならない」。「将来の排出量増加の約90%は、途上国によるものと試算」されており、「途上国における省エネ化、低炭素化、持続可能な林業のための投資は極めて重要」である。

「排出量規制は個人に課すべき」
(Newsweek 2009.7.22)

 地球の環境問題は深刻な状況である。そこで、「温室効果ガス削減に取り組む国々が直面している難題の1つに、負担の公平性という問題がある」。
 「アメリカや西ヨーロッパ、日本など一部の国々は長年、石炭や石油といった安価な化石燃料を使って高い水準を享受してきた」。しかし、現在、先進国へと邁進しようとする国は、安易に安価な化石燃料を使用できなくなる。なぜなら、それにより環境破壊が大きなものになるからだ。

 環境を考えるのであれば、CO2(二酸化炭素)を排出を抑えなければならない。しかし、「CO2排出量に上限を設ければエネルギー価格は高くなり、途上国に暮らす人々の生活向上はさらに困難になる」。
 そのため、「97年の京都議定書では、途上国は規制の対象から外された」。しかし、現在、「中国はアメリカよりも多くの温室効果ガスを排出している」。
 こうした中、「専門家の間では、温暖化が進む前に世界規模でどのくらいCO2排出量を削減すべきかについての理解が深まっている」。「つまり排出削減も公平性の問題も、どちらも重大な課題」であるということだ。

 これらの課題を解決する方法として、「国別にCO2の総排出量を定めるのではなく、大量に排出している個人を規制の対象」にするという方法である。
 「全てのCO2排出量の半分は、世界の全人口の10%が排出」しており、「その多くは先進国に住んでいる」。しかし、「中国にもフェラーリを運転して、頻繁に飛行機を利用している人々がいる」。つまり、多くのCO2を排出している個人は、どこに住んでいても同じように扱われる制度にすればいいということだ。それでは、この制度を実現するには、「まず個人の排出量の上限を設定してから国別の目標を定めればいい」。
 「例えば、現在の世界のCO2の年間排出量(約300億トン)を30年まで維持したい」とする。「何の制限も行わなければ排出量は430億トンまで増加」してしまう。しかし、「世界中の全ての個人の年間CO2排出量を1人当たり10.8トンに制限すれば、年間排出量の現状維持は可能だという」。
 現在、その数値(10.8トン)を「上回るCO2を排出している個人は世界で10億人を超える」という。「そのうちアメリカ、中国、OECD(経済協力開発機構)加盟国に住む人がそれぞれ4分の1ずつを占め、残り4分の1がそれ以外の地域に暮らすという」。「ちなみにOECD加盟国の多くはヨーロッパの国々」である。
 「平均的なアメリカ人は1日に20トンのCO2を排出する」という。排出削減は容易ではないが、多くのアメリカ人が削減しなくてはならなくなるだろう。「ヨーロッパ人の平均は10トンくらいだが、それを上回っている人は削減の対象」になり、「高収入の人ほど排出量が多い」。
 「中国人の平均は約4トン、インドでは約1トンだが、同じように排出量の多い一部の人には規制が課される」。つまり、貧しい国々も排出量を減らすために対処が必要になる。

 「世界には化石燃料は無縁の生活を送る非常に貧しい人々が数多く存在する」。「こうした人々が最低限の電気などを利用できるように支援されるべきであり、その代わりに世界の1人当たりの上限値を10.8トンから10.3トンに減らす」という考えもある。

参考

・「環境問題というもの、木材製エタノール、製紙会社と故紙・・・・・・・・?つづき」/お絵かきじいさんのある日
・「北極海の氷の面積が観測開始以来最小となったらしい(比較写真付)」/ひとりごと。。。ブツブツ
・「環境破壊大国のやること」/東アジアニュース

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