日本の環境対策と問題の一部

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 2009年の最後は「環境問題」に関してである。

 コペンハーゲンでのCOP15の話し合いも終わりましたが、環境への配慮は十分ではなく、問題はもちこしたままになりました。

 現在も環境は問題の質は変わらず、さらに悪化の方向になっている・・・。
 そこに、日本の技術が光を射すかもしれない。
 そのヒントとなりうる、環境対策と、日本を襲っている環境の問題の一部である。

「日本初「エネルギー革命」が世界を救う」
(SPA! 2009.8.11)

 「監査法人アーネスト&ヤングによる再生可能エネルギー投資魅力度の格付け」によると、「日本は世界20位」だという。
 これまで日本は魅力的な国だった。高い技術力がその魅力を大きくしていた。しかし、その技術力に追いつこうとしている国の勢いがすごい。そうしたことで、投資の魅力も他の国へと流れがちになっている。だからといって、日本にはもう投資をする魅力はないのかといえば、そうでもない。
 これからあげる例はその希望を見出す技術力・魅力になるだろう。

 「重さ13kg、長さ約2.5mの、鉄のオモリを積んだ発泡スチロール製のラジコン飛行機が、ほとんど滑走せずに空に急上昇」。それは「空中でエンジンを止めても堕落することなく、そのままゆっくりと滑空を始めていく」という。
 「従来の航空力学では、速度が落ちれば上方向への揚力がなくなる」のだが、このラジコンは「わずか推力2kgの電気モーター2台、同程度のラジコン飛行機の3分の1ほどの動力」で飛んでいるというわけだ。
 つまり、速度がなくても、飛んでいるということだろう。これは「空気を逃さない構造にして、空気抵抗の反作用で飛んでいる」からだという。

 電力は現在、なくてはならないものになっている。電力を発電するためにもこれからは環境を考えないといけない。そのため、風を利用した風力発電が注目されている。
 現在の「風車の翼は『空気抵抗をより少なく』という航空力学に基づいて設計」されている。しかし、「風が吹いているのに研究用風車の効率が悪い」という。「風の力を利用するというのに、翼の面積が小さい」こと、「先端が狭くて軸側が広くては効率が悪い」こと。これらのことが原因にあげられる。
 そこで、試行錯誤した結果、「風速1.5kmの微風で動き出し、2mから発電する風車」が出来上がったという。その風車は騒音が数なく、「非常に発電効率が良く、同規模の一般の風車と比べて風速5m以下では3~5倍。また垂直軸風車では省スペースで済み、上に何段も重ねていくこと」ができるという。
 この「風車は『ベルシオン式』と名づけられ、現在日本各地で実用化に向けた実験が進められている」。さらに「去年あたりから、外国の諸機関や企業、研究機関などからの問い合わせや視察が急増」。現在は「知的財産権の交渉が中心となるので、各国で50件以上の申請を出願しているところ」。

 大容量キャパシタ『プレスリス』というものが注目である。
 キャパシタとはバッテリーの一種で、「他のバッテリーのように化学反応はせず、直接電子を貯められる。そのため急速充電や急速放電が何万回も可能で、電子回路のバックアップ電源やコピー機の急速加熱電源などに活用されている」。
 「天候に左右され不安定といわれている自然エネルギーの蓄電には最適で、微弱な電気も蓄電できる」。しかし、デメリットは「蓄電容量が少ない」という。
 そのデメリットを解消させるのが『プレスリス』だという。これは「従来の電気二重層キャパシタと比べ、5倍のエネルギー密度(25Wh/kg)を持たせること」ができるという。
 「これまでの化学電池(鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池など)は3~4年で交換しなければならない」が、「スモールキャパは毎晩12Whの電力消費」だが、「プレスリス2枚でそれをカバーできる」。さらに「鉛蓄電池の場合は曇りや雨の日にはまったく充電できない」のだが、「プレスリスは内部抵抗が小さいため充電できる」というメリットがある。
 「マイナス30℃の寒冷地」でも使うことができ、「産業廃棄物となる鉛などの重金属を使用していない」ことも大きな利点である。

 地球の資源は限りがある。これまでその資源を活用してきたが、資源の限界に危機感が高まっている。「石油もウランも天然ガスも、あと数十年分の埋蔵量しか」ないという。
 そんな中、注目される資源が、「海水中に1800兆、石油30万年分にも相当する量のマグネシウム」である。マグネシウム発電には「従来の火力発電所が流用」でき、「二酸化炭素も出さない」というメリットがある。
 この「マグネシウムはロケット噴射にも利用されるように、燃えると高エネルギーを出す」。「精錬のためにそれ以上の莫大な火力が必要」であったが、「格安にマグネシウムを精錬する方法を開発」した。
 日本では莫大な電力が必要となる逆浸透膜方式が主流であるが、「ほとんど電力のいらない淡水化技術を開発」。さらに、「淡水化によって残った塩化マグネシウムをマグネシウムに精錬」する際の格安な装置も開発。「クロムとネオジムという金属を混ぜた媒質に太陽光線を当てる」と、レーザー光線が出て、この光線を「塩化マグネシウムの直径1mmの一点に当てると、2万℃の超高温となり、0コンマ数秒でマグネシウムが精錬」できるという。しかも、これに伴って、「太陽の追尾システムまで備え」ている。
 この「過程を経て、50tの海水からは65kgのマグネシウム」が取れ、これは「標準世帯1か月分の電力をカバーできる計算」だという。
 さらに、このシステムのメリットは「使ったマグネシウムを再利用できる」こと。「マグネシウムを燃やした後にできる酸化マグネシウムにもう一度レーザーを当てると、またマグネシウムに戻る」という。つまり、「いったん循環システムが出来上がれば、その後は、マグネシウムを補充する程度」でいいというわけだ。
 ちなみに、「水素のように貯蔵のために莫大な場所」も取らず、「650℃以下では発火しない」という。

 生活に身近なところであるが、なかなか気づかないところでは、断熱塗料がある。「現在、日光を反射して温度上昇を防ぐ『遮熱塗料』が断熱塗料の主流」であるが、これにはデメリットがある。「表面が汚れると、熱反射が落ち、逆に熱を貯め込んでしまう」。しかも、「冬でも熱を反射する」ため、「暖房代がかかってしまう」。
 そこで、「日光の熱エネルギーが塗料内の『熱交換物質』によって振動エネルギーに換わり、熱が消えるという『熱交換塗料』」が注目されている。
 93年末に試作品ができ、「ある工場では、塗装前と比べて室温が2℃以上下がった」という。「あるメーカーの大型溶剤タンクでは、タンク内の液温が遮熱塗装よりも最大で10℃も下がり、冷却水の散水が減った」という。さらに、「一般家庭の屋根(10m2)に塗装した後、6~9月の冷房代が推測地ながら約10万円も減った」という。

「瀕死のサンゴ礁を救え!日本の保全活動が世界を変える」
ニューヨーク・タイムズ(USA/COURRiER Japon 2009.7)

 環境問題の中で、サンゴがある。サンゴを復元するための取り組みが進められている。
 サンゴ礁の「移植技術は向上しており、生存率も高まっている」。
 しかし、問題は移植されたサンゴの生存率はまだ低いという。「05年以降、移植されたサンゴの株数は約1万3000に達した」という。「05年に移植されたサンゴの種苗で、今も生き残っているのは3分の1程度」で、「残りは、オニヒトデの餌食になったり、海水温の上昇によりサンゴが病的に白色になる『白化現象』を起こしてしまったりしている」。
 現時点で世界の主流となっているのは、「サンゴ群体の一部を折り、それを同じ群体の修復場所にくっつけるというもの」で、これは「簡単かつ手早くできるのが長所だが、親サンゴを傷つける他、同一DNAのサンゴの移植であるため、サンゴ群体の遺伝的多様性を確保できず、不健全なものになってしまうという短所がある」。
 他には「大きなコンクリート製の球体の中でサンゴの生息環境を確保するものから、サンゴの成長を早めるため微量の電流を流すものまである」という。

 一方、日本政府は政府が「主導して実施しているサンゴ礁復元計画」で、「沖縄諸島南端に広がる日本最大級のサンゴ礁を再生しようとしている」。
 その最終的な目標は、「サンゴ礁の復元技術を確立すること」で、「将来的には、魚類の乱獲、水質汚染、地球温暖化のため死滅の危機にさらされている、世界各地のサンゴ礁を救うことも視野に入れている」という。
 いろいろな試験・実験が実施されており、「新技術が確立すると、海中でサンゴを移植することが、陸上で木の苗を植えるのと同じくらい当たり前になる」という。
 「森林再生の取り組みには4000年の歴史」がある一方で、「サンゴ礁の復元に関しての研究は、今始まったばかり」である。
 そのサンゴ礁復元に一躍かいそうな技術が「2700度で焼成されるセラミック製着床具」である。
 この「着床具は、表面に小さな穴があり、稚サンゴが着床できる仕組みになっている。毎年、春になると12名ほどのダイバー・チームが2週間かけてサンゴ礁に穴を開け、着床具を固着させている」。
 「この手法は手間がかかるが、ワイヤーや釘を使う以前の手法に比べて着床が確実になる」という。
 これにより、「移植方法が向上したことを受け、環境省は来年、移植するサンゴの株数を倍増して1万にする計画を進めている」。
 さらに、「着床具が1年半、健康なサンゴの近くに設置され、サンゴの一斉産卵期にサンゴ幼生が着床具の表面に自然に付着し、成長する」という。こうした「着床具ごとに遺伝子の異なるサンゴが生まれることが保証され、自然状態に近い繁殖ができる」という。

「[ミツバチ消滅]恐怖のシナリオ」
(SPA! 2009.5.5-12)

 ミツバチが危機を迎えている。
 「昨年の秋頃から全国各地の遙蜂業者で、ミツバチが大量死するケースが相次ぎ、授粉用ミツバチが激減するという緊急事態に陥っている」という。

 ミツバチの存在は大きい。
 「メロンやスイカ、イチゴ、ナシ、リンゴなどの果実をはじめ、カボチャやナスなどの野菜に至るまで、さまざまな農作物の受粉を行ってくれる」。そのため、「ミツバチは農家に欠かせない存在」である。
 それだけ、ミツバチは重要な存在で、万が一、ミツバチがいなくなってしまえば、危機的状況に陥ってしまう。
 ミツバチを利用する人々にも影響が出ており、「来年は5割くらいしかミツバチを借りられないって話もある」ほどで、「そうなったら、生産量もガタ落ち」になり、廃業も考えられる。
 「今年のスイカの生産量は前年比1割減は確実」だという。
 このことは実に深刻な影響に発展するかもしれない。「こんな状況が全国で続けば、ミツバチの受粉に頼っている果実や野菜の生産量は激減し、品不足に陥る危険もある。さらには品薄で値段も高騰してしまうかもしれない」。

 「3年前に米国で大量のミツバチが姿を消したことがある」という。「この現象は蜂群崩壊症候群(CCD)と呼ばれているが、原因は不明」だという。

 70年頃から「ミツバチをイチゴの受粉に使う」ようになった。「80年代以降、メロンやスイカ、キュウリなどでも使うようになった上に、レンタルから買い取り」も始まった。それにより、「ミツバチのストレスのケアもできず、いわば使い捨て状態」になったが、それでも「農家の需要が高まる一方で慢性的にミツバチ不足」になっていったわけである。
 まさに、これは需要と供給のバランスが崩れた結果であり、供給側の問題を後回しにした結果である。
 ミツバチの大量死などの原因はいくつかあげられる。
 ダニの存在である。「ダニはミツバチの幼虫に寄生し、体液を吸う。そのため成虫になってもすぐに死ぬ“短命ミツバチ”が増えた」という。
 「女王蜂が少ないことも原因」の一つである。「日本は女王蜂をオーストラリアから輸入していましたが、08年の輸入中に感染症のノゼマ病を発病した女王蜂が発見され、輸入を停止」。そのため、「ミツバチの群れを分割するときに入れる女王蜂の数が圧倒的に少ない」ことが挙げられる。
 さらに、「ネオニコチノイド系の農薬」が原因の一つになっている可能性があるという。
 稲作用に使う農薬であるのですが、「これはイネについたカメムシなどを駆除する薬」で、「この農薬散布とミツバチの大量死は関連性がある」と疑われているという。そういった意味で、「日本でも局地的にCCDが発生している」ことは否めない。

 ミツバチの深刻な影響は一部の地域ではない。
 「農水省が緊急調査を4月に行ったところ、千葉、茨城以外にも、北は山形、南は鹿児島まで、実に21都県でミツバチ不足が発覚した」。しかし、「どの程度ミツバチが減っているのか把握」はできていないという。「原因は農薬説やダニ説などさまざま」あるが、まだ何も分かっていないのが現状だという。

参考

・「人口と環境」/三つの視点
・「環境問題の本質」/光の景観~日本のあかり
・「胡散臭い環境問題」/変な日本

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