環境問題は深刻な状況

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 地球環境は深刻な状況である。

 国連総会でも、「環境」は重要なテーマになった。近年、環境問題への関心が非常に高まっており、それだけ、環境が悪化しているということがうかがえる。

 それでは、環境を考える上での、現在の状況はどうなっているのか。そして、環境への対策にはどういったことをしていかないといけないのだろうか。さらに、現在の問題点など、いくつかの観点から見る必要がある。

「消費量が最も増えているエネルギー源は何?」
グローバリスト(USA/COURRiER Japon 2009.7)

 天然ガスは、「石油や石炭に比べて二酸化炭素や、大気汚染の原因となる化学物質の排出量が少ないため、環境負荷の低いエネルギーとして利用が増えてきた」という。
 「国際エネルギー機関(IEA)の調査によると、天然ガスの消費量は2000年から2006年の間に年平均で2.4%増加」。現在、「世界の電力の20%は天然ガスによってまかなわれている」という。

 原子力は「発電過程で二酸化炭素を排出しないため、地球にやさしいエネルギーとして注目されている」。しかし、その一方で「放射線物質であるウランを燃料として使うことから、安全性に対する懸念が強い」。小さなエネルギーから大きな電力を得られる反面、トラブルお起こした時は、大きな代償を払う可能性が高い。
 この「原子力エネルギーの消費量は、2000年から2006年の間に年平均で1.3%増加」。現在、「世界全体の発電量の15%が原子力によってまかなわれている」という。

 水力は「燃料を必要とせず、二酸化炭素を排出しない」ため、「クリーンな自然エネルギー」であるが、「発電所建設にかかる膨大なコストや、自然環境の破壊といった課題も伴う」。
 この「水力発電の消費量は、2000年から2006年の間に年平均で1.3%増加」。現在、「世界全体の発電量の16%が水力によってまなかわれている」という。

 石炭は「二酸化炭素の排出量が多く、環境に悪影響があるにも関わらず、アジアをはじめとする発展途上国の経済発展により、石炭は今後も需要の増加が見込まれている」という。
 この「石炭の消費量は、2000年から2006年の間に年平均4.9%増加」。「他の化石燃料に比べて埋蔵量が多く、安価なのが特徴」で、現在、「世界の電力の40%」が石炭でまかなわれているという。

アメリカよ、どこに行く 25
「炭素の帝国」
ポール・クルーグマン(COURRiER Japon 2009.7)

 近年、温暖化に関する科学的な見解は悲観的になっている。
 「高名な気候科学者たちの最新の予測」は、「温室効果ガスの排出量が、最悪のシナリオと一致しているか、それを上回る速度で増加しているから」である。

 そうした中で現在、中国は世界最大の二酸化炭素排出国となっている。中国が「排出する二酸化炭素(その大半は、石炭を燃料とする火力発電所が排出している)は、1996年から06年の間に倍増」し、「その前の10年間のベースを大幅に上回る」速度であるという。
 さらに、今年1月、「中国は今後も石炭を主要エネルギー源としていく方法を発表」。「2015年までに石炭の生産量を30%増す」という。「この決定は、それだけで、他の国々が行う予定の排出削減を相殺してしまう」というから深刻だ。

 環境対策の一つに、二酸化炭素の温室効果ガス削減対策を練られており、世界中が協力する必要がある。
 しかし、問題は欧米諸国が成長している時には今の環境対策の規制はなかったことだ。

 つまり、既に起きている「温暖化の大部分は、中国のせいではなく、今日の富裕国がこれまで排出してきた二酸化炭素が引き起こしたものでは」ということだ。
 要は、今日の富裕国が富裕国になるまでの環境汚染はどうなるのか、と。
 要するに、今日の富裕国が「経済発展している時にはなかった制約を中国が受け入れなければならない」のは不公平ではあるだろう。
 しかし、現実に環境は悪化していることは事実で、「不公平だからといって、中国にも欧米諸国がしてきたように、やりたい放題やるのを許せば、地球は破滅に向かう」だろう。

 それではどうすればよいのだろうか。その解決策の一つは「どう生産するか」ということだ。
 「何を生産するかより、どう生産するか」ということだ。つまり、生産をするやり方を環境に配慮したやり方ですればよい。環境対策にはコストがかかるが、このコストを抑える方法も考えないといけないだろう。
 「中国は米国より多くの二酸化炭素を排出しているが、そのGDP(購買力平価換算)は米国の半分程度にすぎない」という。
 「中国の非効率的なエネルギーの使い方には、大いに改善の余地がある」ことも、どう生産するかという解決策を押してくれる材料である。
 「正しい政策をとれば、中国は、二酸化炭素の排出量を増やすことなく急成長を続けることができる」可能性がある。

「EUの意識調査でわかった「怖いのは原発より温暖化」」
エル・パイス(スペイン/COURRiER Japon 2009.5)

 原子力発電所に対しての流れが変わってきている。最近は原発廃止から原発推進になってきている。
 スウェーデンは「30年ほど前に行われた国民投票では、2010年までに全ての原子力発電所を廃止するという決議」がなされていた。しかし、「中道左派の現政権は2月初め、この機会を見逃さず、10基の原子炉を維持した上で、さらに新たな原子炉を設置する」と決定した。
 フランスではもともと原発に依存しており、「電力の80%近くを原子力発電に依存している」。そのフランスは「次世代型原子炉を設置している」。
 英国では「操業中の原子力発電所に新たな原子炉を設置するため、多くの企業を招き入れた」。「マドリードに拠点を置く原子力産業団体のフォロ・ヌクレアールは、世界には建設中の原子炉が44基あり、計画段階にある原子力発電所の数は200カ所を上回るとみている」。
 このことにたいして、各国は原発推進が加速しているが、その反面、リスクをどう見ているのだろうか。

 「スペインは原子力エネルギーに反対」が強かった。「賛成派はわずか24%に過ぎず、ヨーロッパの中でも原子力発電を採用するということに最も強い抵抗」があったが、そのスペインですら「この3年間で賛成派が増え」、「08年の調査では05年に比べて8%増加しており、この増加率は域内平均をわずかに上回っている」というのだ。

 「EUの政策執行機関である欧州委員会が08年7月に発表した意識調査では、原子力エネルギーに対して賛成派と反対派が真っ二つに割れ、支持を表明する人々の数が初めて反対派を上回った。その差はわずか1%」であった。
 しかし、「この3年間で賛成の人は37%から44%にまで増えた」という。

「原子力エネルギーは気候変動に弱い?」
テヘルカ(インド/COURRiER Japon 2009.5)

 原子力発電への注目度が上がっている昨今の状況であるが、メリットも大きいが、デメリットも大きい。
 「1gのウランから生産できるエネルギー量は、石炭3t分と同じ」であるという。CO2を出さない代わりに、放射性廃棄物を出してしまうという問題」がある。

 さらに、重大なデメリットがあげられる。
 原子力発電は小さな元から大きなエネルギーを生むことができるという魅力があるが、その裏には、落とし穴がある。
 「有害な廃棄物問題に加え、原子炉で発電するには『水』を冷媒に使う必要がある」。さらに、「緊急用の予備電源を常備しておかなければならない」ことから、「原子力発電所は実際のところ他の電力源に依存している」というのだ。
 原子力発電所にとって、水は大きな存在である。水から大きな影響を受け、同時に影響を与える。
 その最たる例が、「06年にヨーロッパの広域を熱波が襲った際、水不足によって複数の原子力発電所が運転停止や出力制限の事態に陥った」という。また、「昨年、南東部で記録的な干ばつが発生した米国でも、水不足によって原子力発電に必要な冷却水が確保できない恐れがある」という。
 「ヨーロッパで原子力発電所が一時停止されたもう一つの理由は、原子力発電所が放出する水の温度が高すぎて、生態系に影響を及ぼしている」からでもある。
 原子力発電所にとって、水は死活問題になる存在だということだ。

 「ワールドウォッチ研究所の報告によると原子力発電は1970年代に700%以上、そして80年代に140%の成長を記録したが、90年代以降は5%足らずしか伸びていない」という。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)