陰りが見えてきたか(From 週刊文春4月16日号)

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「深層リポート 北朝鮮が送った 金正日と新テポドンの『闇』 50枚の『脳梗塞CT写真』」

 「世界的な経済危機の波を受け、昨年の北朝鮮の対中貿易は前年より13億ドルの赤字」であった。それでも「昨年12月だけは通常よりかなり多い4.3億ドルを輸入している」。
 この背景には、「品目が食料品や寝具など権力階層向けが多い」ことから、金正日が権力基盤を維持するため、権力層を懐柔しようと躍起になっている」のではという見方がある。

 そのあらわれか、「発射前、北朝鮮はなぜか金総書記の”激ヤセ”写真を公開した」が、「日本政府はこの写真に対する分析も評価も行っていない」という。
 果たして、なぜ、北朝鮮は金総書記の写真を公開したのだろうか。
 その背景には、「金総書記が国民のために夜通し頑張っている、というメッセージ」を送り、「党幹部の信頼」を得ようとしていたのではないかという見方がある。

 この激ヤセ写真の金総書記は不健康そうに見えるが、実はそうでもないかもしれない。
 「1月末、金総書記は中国の王家瑞・対外連絡部長の訪問を受け、5時間座って話した」という。これは「健康な証拠」といえるだろうが、「当時はまだ腹が出ていた」。「虚脱体質だと腹が前に出る」ため、「腹部肥満が心臓まで影響を及ぼすため、ダイエットが必要になった」のだという。
 それで、「激ヤセ写真は老衰のように」見えるが「老人がダイエット」をすれば、ああいう風になるという。しかも、「快復に自信があるからダイエットした」のだといえる。

 「同じ頃、北京郊外にある中国人民解放軍の病院、通称『301号病院』に北朝鮮から写真の束が届けられた」という。「301号病院は、数年前、金総書記が訪中した際、コキントウ国家主席が診察を勧めた病院」だという。「これまでトップシークレットだった北朝鮮の最高指導者の健康状態を掌握することに中国は成功した」とみていいだろう。
 北朝鮮のカギを握った中国は、アジアの勢力図に影響を与えるのだろうか。

 「外国の医師に北朝鮮の指導者を診てもらうこと」は基本的にはない。しかし、「これまでもアドバイスを受けていたのは事実」だという。それは、「国内の医師が怖がって真実を告げない可能性があるから」だという。

 さらに問題はある。今回のテポドンに対しての世界の反応が逆効果にもなっている。
 北朝鮮にとって、「ミサイルは、イランなど中東諸国やテロ組織から外貨を獲得する主要産品」である。「打ち上げはセールスプロモーション」でもあり、「発射前から日本が脅威を煽ってくれたおかげで、世界の関心」を高めてしまった感もある。

 そして、迎撃システムにはまだまだ多くの課題がある。
 「本来、テポドンは高度が高すぎて迎撃できない」という。さらに、「事故で落下した場合、トラブルによる落下は弾道計算ができないため迎撃は無理」だというのだ。

「誰も書かなかった中国経済の「病理」」
富坂 聰(ジャーナリスト)

 「中国の08年の歳入は当初予定の70兆円を大幅に上回り100兆円に達した」そうだ。
 「全人代の政治活動報告では世界が軒並みマイナス成長を予測する中で、『保八』(8%成長の維持)を掲げ、さらに米国債についても最大保有国として今後も購入を継続することを示唆」しているという。

 確かに、現在の情勢は中国の勢いがすごいが、その中国にも陰りが見えている。

 「大規模な景気対策が海を越え一部の日本企業の株価まで押し上げる一方、国内では新卒大学生の内定がわずかに4人に1人」という状況になっているという。「卒業してから半年経っても職が見つからない学生は失業保険の対象者とすることも検討されるほど」だというのだ。

 危機のあらわれか、中国は「貿易での落ち込みをカバーするため」、「景気対策によって公共事業のウエイトを高めている」。それと同時に、「外需依存体質から内需型へと脱皮を図るため」もありそうだ。
 つまり、独自の力を蓄えようとしているわけだ。

 中国に大きな打撃を与え、影響が出たのは、「世界金融危機によってアメリカの消費が落ち込み、中国は二本柱のうちの一つである貿易を奪われた」からでもある。
 その結果、「経済の体質を急遽内需型へと転換することを迫られた」。
 その方針転換の混乱が今の中国を襲っているのだろう。これは同時に世界の国々にもいえることだ。

 ここで、ある町に注目したい。
 「広東省東莞市虎門鎮は広い中国の中にあって地方の市にも満たない行政単位だが、世界の工場と呼ばれた中国をそのまま縮小したような特徴を持つ町」である。
 この町の人口は「約11万人」。これに対し、「外部からの流動人口は100万人を超え、ここから上がる税収は地方税分だけで30億元(約420億円)と青海省や甘粛省など一省分にも匹敵する規模」である。
 その虎門鎮に変化が襲った。「08年4月から少なくとも5200社が倒産し、地元の当局者は毎月30件以上の労働紛争を処理しなければならなかった」という。「強調されるのは外資の夜逃げだけ」だが、「実際には国内の企業の移転も非常に厳しくなっている」という。
 「余裕のあるものはベトナムやミャンマーに移転し、そうでないものは広西チワン族自治区や江西省、湖南省などに移り、それさえできないものは静かに工場を畳んでいる」というのが現状だという。

 そうした結果、「内需こそが唯一の生き残りの道となった今、中国は景気刺激に金を惜しまない」。
 ただし、問題はここからだ。「金を流す太い道が公共事業にしかない」ということだ。「鉄道、高速道路、電力などが中心になる」のだが、「こうした事業に連なる人々は現状でも既に中国の勝ち組」になるのだ。
 つまり、解決策となっていることが、さらに格差を生んでしまうということになってしまうのだ。「中国の経済対策は富める者をさらに潤わせるだけ」である。

 「個人消費がGDP70%に達するアメリカは例外としても、かつての日本の60%弱という数字と比べても中国の30%という水準は極めて低い」。「しかも中国の消費の多くは工費を食い潰して生み出されている」という。

 中国の土台が揺れ動いているのかもしれない。
 「全人代の会期中、政府が動員した警官の数はおよそ120万人」にのぼったという。これは「オリンピックを除けば治安対策として史上2番目の規模」となった。
 このことは、「上層部が何かを恐れていた証拠」だという見方がある。

「元農水官僚が告発した 日本「食糧危機」の大ウソ」

 「農水省のホームページでは、国連人口推計をつかって、世界人口は次の半世紀で91億人、1.4倍に増える」とされている。

 「21世紀後半には世界規模で人口が減っている」という。
 それに伴い、「国立社会保障・人口問題研究所に将来推計では日本の総人口は2105年に4459万人と、現在の35%にまで減ると予想」しているが、「そこまで人口が減れば、理論上は食糧自給率は100%」を超えるという。
 ただし、疑問が浮かぶのは、人口が減少した結果、食糧を生産する側も減少してしまう可能性はないのだろうか。

 世界にはうまく利用できていない土地がまだまだあるという。
 「世界には休耕地が3億5千万ヘクタールある」とか、「土地の生産性をめいいっぱいあげているところは先進国のみで、同じ農法を使えば、まだまだ生産高を上げられる国のほうが多い」という。
 ただし、問題は休耕地を活用した場合の弊害や影響はどのぐらいあるのだろうか。

 「単純に計算すれば、国内の食糧だけで日本が養える人口は5000万足らず」という。つまり、「食糧輸入がすべて途絶えると、7000万人以上分の食糧がなくなる」ということだ。
 これはあくまで単純な計算だということだが、深刻な問題であるだろう。ただし、現実的に輸入が途絶える可能性はどのくらいあるのだろうか。
 それと同時に、自給率ということも考えることは必要だろう。

 それらの「食糧危機説のベースにあるのは、世界の人口は増え続ける、都市化によって耕作地は減り、動物生産能力もすでに限界がある、というもの」だそうだ。
 一見そのように見えるが、果たしてどうなのだろう。

 「国連の推計で用いられている出生率は、高めに設定されている」という。「現在1.36の日本の出生率を国連の推計では、2050年には1.6まで上がる」というのだ。さらに、「中国も同様に、現状の1.77から2015年には1.84になる」という。
 高めに設定されていることから、それを元に考えられていることが狂ってくる恐れがある。

 ちなみに、「穀物価格はリーマン・ショックとともに下落」して、「本来の価格」に戻っているという。
 果たしてこのことはどうなのだろうか。

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