テポドンの性能は(From SPA! 2009.4.7)

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「ポンコツ兵器[テポドン]は怖くない!」
神浦元彰(軍事ジャーナリスト)、岡部いさく(軍事評論家)

 北朝鮮ミサイルで騒がしくなった今日、果たしてそのミサイルの性能はどうだろうか。
 「ロケットを大気圏外に飛ばして人工衛星を周回軌道に乗せればいいという大ざっぱなものであれば、比較的簡単にできる」という。しかし、「大陸間弾道ミサイルというのは一度、大気圏外に出てから再突入し、さらに目標に正確に落とさなければならない」。

 それに加え、「ミサイルが再突入するときの姿勢を制御できなければ、空中でもりきみ状態のまま堕落」してしまう。「それを避けるためには、弾頭の形状を空力学的にどうすればいいのか突き詰めなければならないし、さらには摩擦熱に対する強度の問題もクリアしなければならない」。
 これは、「米国にしても旧ソ連にしても、何十回も失敗を重ねて獲得してきた技術」である。

 さらに、「ミサイルは、マッハ7程度の高速で再突入」するため、「大気との摩擦でものすごい高温になる。そのため、ミサイルの先端部分には、ノーズコーンと呼ばれる、弾頭とその中身を熱から保護するためのもの」が必要になる。しかし、このノーズコーンは「高度な技術が必要」であるという。

 他にもある。

「大気圏外まで衛星を運ぶには、秒速7.9kmが必要」であるという。
 「ミサイルを飛ばすには何十回ものテストが必要」であるということ、そして「一般的にミサイルの命中精度を確かめる場合、海上に廃船などを浮かべて、それをめがけては発射して精度を測る」という。
 ちなみに「大型化するたびにミサイルとしての性能は落ちてきている」という。

 「核兵器にはウラン型とプルトニウム型」があるが、「北朝鮮の核兵器は4~5tもの重量があるとされていて」、「今の重い核兵器を搭載するなど不可能」っだという。
 核ミサイルは多くの課題をクリアしなければならず、これらのことから高い技術が必要である。

 そのミサイルに対して、日本の迎撃体制は、「イージス艦が迎撃ミサイルSM3を発射」。もし、「失敗した場合、地上に着弾する直前にPAC3で迎撃」するという体制である。
 果たしてこの体制が機能するのだろうか。

 しかし、あまりあてにはできないかもしれない。
 「ピストルの弾同士が当たるのは難しいと思う」という発言も飛び出しており、現実的に「迎撃は困難」であるとの見方も多い。
 そして、いくつかの理由がある。「SM3にはカメラが付いていて、各種のミサイルデータを持っている」という。「それで「目標を確認して迎撃する」のだが、「もしもテポドンが壊れて日本に落ちた場合、データと照合できないため撃ち落とせない可能性」があるという。
 まだ懸念事項はある。「ミサイルが分離する際に、2段目が壊れて日本に落下しそうになっても、1段目がちゃんと飛んでいれば、そちらを狙うケースも考えられる」という。
 「そもそもSM3は迎撃高度500kmといわれていて、それ以上の高度を飛んでくれば届かない」という。さらに、「PAC3に至っては、射程距離はわずか20kmしか」なく、「マッハ5の速度で落ちてくるミサイルをピンポイントで撃ち落とすなど至難の業」といえるだろう。
 このようなことから、迎撃体制は万全ではなく、その技術にはまだまだ課題があるということだろう。

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