インターネットは自由なのか?(From COURRiER Japon 2009.4)

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「言論の自由か、自社の利益か グーグル”検閲者”たちの倫理」(ニューヨーク・タイムズ・マガジン/USA)

 現在、情報収集の土台の一つになっているインターネット。そのインターネットで重要な役割が検索である。その大手がグーグル。
 グーグルは「世界のインターネット検索シェアの63%を占め、人気動画サイトのユーチューブを所有する。ネット界の表現者を決める大きな影響力を持っており、非常に重要な存在だろう。

 しかし、インターネットの世界は危険がつきものでもある。政治的な意味合いも含まれている、その一つが検閲。表現の自由度が低くなる恐れがあること、そして、権力者や検閲側などの力にくみすることになる恐れもある。しかし、自由度をあげすぎれば、犯罪やテロなどといったことに使われてしまう。うまくバランスを取り、表現の自由と安全のバランスをとるのが実に困難である。
 これらのことで懸念されることが、

「”テロとの戦い”といった必要に迫られた場合、グーグルは検索した言葉やGメールの本文、グーグルドキュメントに記した内容など、すべて追跡することができる。自分たちがいったい何者なのかを調べ上げることも」できる。「そうなると、インターネットは表現の自由にとって、逆に恐ろしい場所になり得る」。
 「つまり、オンラインでの表現の自由を論じる際に問題になるのは、自分たちが、グーグルのような企業によって制限されてしまうことだけではない。自分たちが記述や検索、閲覧した内容を、グーグルがどう処理するかが問題」だということ。

 ちなみに、「ユーチューブには、実に恐るべき数の映像がアップロードされている。グーグルの推測によると、毎分およそ13時間分のコンテンツが投稿されているという」。それだけの人が利用しており、情報発信をしているというから、衝撃的な発展である。

「グーグル専用「高速回線」でネットワークの中立性はどうなる?」(ウォールストリート・ジャーナル/USA)

 インターネットの世界でも格差が生まれそうだ。インターネットの空間は無料ではない。誰かがその空間を管理し、提供している。そのおかげで、私たちがインターネットを楽しめる。
 その空間「回線」を民間の企業が提供するという。ここまでは今でもそうでありますが、問題はその回線が「高速」であるということだ。

 「「専用高速回線」の「開設は、インターネットの世界に大きな影響を及ぼす」だろう。それも、「グーグルのような大企業が優先的な扱いを受けられるようになるとすれば、裕福なネット企業が、より高速で快適なアクセスを得られる場になりかねない」。
 要はそれを利用するためには、「専用高速回線の契約料を払う」必要がある。この契約料が「払えない企業のウェブサイトは、払える企業のものよりも、ページの表示などが遅くなるかもしれない。それどころか、一部の大企業が、ユーザーがアクセスするほとんどの情報を支配するようになるかもしれない」。

 「ネットワーク事業者はいかなる顧客であっても特別扱いしてはならない――これまで守られてきた、そんなインターネットの原則」だという。イズムなのかもしれないが、良いルールだろう。だが、ビジネス的には難しいことだ。

 公的・中立性とビジネスをどう考えるか。
 「中立性を支持する者たちは、この原則が失われれば、コンテンツの内容までネットワーク事業者に支配されることになると主張した。なぜなら、事業者は使用料に応じて、コンテンツ企業のトラフィック容量を決めるようになるから」だ。
 ビジネスをうまく取り込む必要はあるが、ビジネス面が行き過ぎると、中立性は弱くなってしまう。このバランスをどうするか、どう制限・ルールを設けることができるか。

 規模が大きくなれば、保守的になるかもしれない。そうなれば一つのメディアという土台が不安定化するかもしれない。

「原油、食糧に次ぐ第三の危機、「水戦争」を回避できるか?」(オブザーバー/UK)

 日本人の人口(約1億2千万人)の約16倍もの人々が水に困っているという。
 「今や世界中で安全な飲料水が手に入らない人の数は約10億人、そして生活するのに最低限必要な水を確保できない人は少なくとも20億人いる」という。
 恐らくは、もっといるだろう。

 「国連の定義によると、「水不足」とは家庭生活や農業、工業などに使う水を一人あたり年間1000m3以下しか得られない状態のこという」。
 水不足問題は発展途上国に多い。国連の定義を「当てはめれば、世界人口の半数は水不足の国に住んでいる計算になる」という。
 今後、水不足問題は深刻になっていくのでは、といろいろな学者やメディアが訴えていることからも伺える。

 「病気や栄養不良で死ぬ5歳未満の子供は、毎年920万人。最低限必要な水さえも得られない人々の3分の2は、一日2ドル以下で暮らす貧困層」だという。これはつまり、「水の入手可能量は一人あたりの所得が上がるほど安定し、下がるほど不安定になる」ということ。
 まさに、弱肉強食で、格差な状況といえるのでは。

 しかし、理論上では水はあまっているという。「理論的には、地球上には65億人の人口を維持するだけの充分な水がある」という。「確かに地球上の水の97%以上は海水で、真水の大半は南極とグリーンランドの氷床に閉じ込められている。だが、それらを差し引いてもなお1000万km3もの水が残っている」という。
 しかし、現実には水に困っている人々が多数いるのだが、理論上ではさらに、「実際に使われる水」は「国連によれば、平均的な気候の土地でたんに一人の人間が生存していくだけでも、一日50リットルの水がいる」という。「飲む、料理する、入浴する、といった用途を含めれば、少なくとも50リットルは必要」であり、「65億の人類が必要とする水の総量を年間8000km3と見積もる」と「理論的な供給可能量から見れば、わずかなもの」だという。
 果たして、この理論が間違っているか、現実に見落としている要素・改善点があるのか、それとも、正しいのだろうか。

 こんなこともある。「世界人口の半数が水不足に直面しているなら、アジアの穀倉地帯や米国西部など多くの地域で、灌漑設備や水道システムが維持できている」。
 それはなぜかという、ひとつに格差が生じているから。「水はお金のもとへ集まる」ことから、そのため同じ地域でも、高級ホテルの蛇口からはいつでも水が出るのに、貧しい地区の住民は週に数時間しか水を使えないということが起きる」という。
 ここにも、水にはお金が必要だということが実感できる。

 水による争いが起こると議論があるが、どうだろうか。
 「人は水なしではやっていけない。だから水不足が深刻化すると、国家は協力し、妥協する」という分析がある。これには確かに一理ある。水はそれだけ重要なものである。

 「1960年代に水資源の乏しい中東諸国が深刻な危機に陥っていないことに注目し、「貿易」という答えにたどりついた。水の乏しい国は、他の国から食糧を買うことで、「事実上の水」を輸入していた」。「潜在的な危機にさらされた中東の人々は、米国やヨーロッパから食料を買えることに気づいた。つまり、食糧を育てるのに使われた水も労せずして手に入れた」ということ。
 しかし、資源がなく、貿易ができないのだとしたらどうすればいいのだろうか。

 経済が良くなるほど、生活が良くなるほどに、水は必要になってきて、大量に消費する。「世界的な人口増や経済発展、食肉や乳製品、魚肉への嗜好の高まりなどによって、水の需要はこの50年間に6倍にも増えた。一方、供給量は減少傾向」だという。

 水を節約し、効率的にする一つの課題は「農業」かもしれない。
 「人間が使う水の90%は農業用」だという。

「World Water Day 3.22」

 「世界には水に関連した病気で毎日4000人の子供が命を落としている」という。
 水問題は、深刻で、温暖化と同じぐらい重要な問題である。

海外ニュースの「楽しみかた」22 佐藤優
「麻生・メドベージェフ会談で北方領土問題は発展したのか」

 「外務官僚が情報操作をするときに、積極的な嘘をつくことはあまりない。ただし、記者たちが受け止めを間違えるような説明をあえてすることはある」という。
 受け止める側の分析力や能力が問われる。

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コメント

  1. 南極で過去最大規模の氷解の危機

    4月3日(ブルームバーグ):ニューヨーク市のほぼ5倍の大きさの南極の氷塊が地球温暖化の影響で解氷の危機にさらされている。単一では過去最大規模の解氷となる。

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