太陽光発電の廃棄物問題をどうするか

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 2011年3月11日に発生した東日本大震災により、日本の土台を支えるエネルギー問題が深刻になった。原発事故による環境や社会への影響が問題になり、原発リスク高が突き付けられ、全国的な原発停止になり、エネルギー問題が生じ、現在も続いている。そんな中、原発の稼動問題が浮上し、問題になっている。
 しかし、問題は原発に替わる電気をどうするか。これまで原発は大きな電力源になってきた。しかし、原発事故による悪影響が大きいことが今回の事故で明確になり、原発に替わる電力を探る動きが活発になったわけだ。
 そこで、再生可能エネルギーに注目が集まった。主に、太陽光や風力といった発電への注目度が高くなっている。
 昨年7月に始まった、再生可能エネルギーを高めの固定価格で買い取る制度を受け、太陽光発電の導入は高まった。発電能力は、2012年末は約600万キロワットに達し、標準的な原発の約6基分に相当するという。
 自然の力を利用して、電力を発生するという仕組みは一見、負の遺産がないように見える。しかし、そこにも落とし穴があった。

太陽光パネルの内部に

 自然のエネルギーを利用して電力を得る、といえば確かに自然に優しいイメージだろう。しかし、それらの設備機器はそうではない。つまり、設備機器が寿命になれば廃棄される。これは、どの分野でも共通しているだろうが、問題はそれらをどうするか、だ。
 太陽光パネルの耐用年数は一般に20~25年。今後、太陽光パネルの廃棄を見ると、2015年には7万~9万トンが使用済みとなる見込みになるそうだ。そして、数年先から加速度的に増え、2030年に年間25万~70万トンの発電設備が使用済みとして排出される見通しだという。
 太陽光パネルの内部には、人体に害を及ぼす鉛、カドミウムなど重金属類が含まれる。もし、これらが(微量であっても)雨や地下水に混じった場合、長い年月をかけて体内や環境内に蓄積され、中毒症状を招くという懸念があるという。そのため、処分する際には、こうした金属類を適切に分別する必要がある。

 ただし、問題は処分費用がかさめば、不法投棄が増える危険がある。不法投棄が増えれば、上記のような環境汚染につながっていく。
 そこで、今のところ3案が考えられている。
1:メーカーが販売価格に上乗せする
2:利用者が処分時に支払う
3:国の買い取り価格で負担する
 これらの他にも、メーカーがエアコンやテレビなど指定の自社製品を回収し、リサイクルする責務を負う「家電リサイクル法」の仕組みを取り入れる方法もある。

 太陽光発電の市場は今、急拡大しているが、今後、廃棄物が発生していく。今のうちに廃棄物のルールを明確にしなければ、廃棄物の急増問題に対処できなくなる。そのため、今、ルール作りを進めている。
 今後は安全や環境に配慮しつつパネルを解体し、一部を再利用していくことが必要になってくるだろう。さらに、太陽光発電市場が急拡大している中、手抜き工事などのトラブルも目立ってきているという。

参考資料

・「太陽光パネルにゴミ問題 不正処理で汚染の懸念 環境省、処分法の確立急ぐ」
(日本経済新聞 2013年5月24日(金))

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