ヨーロッパの経済危機はどうなるの?

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 2010年に発生したEU(欧州連合)でのユーロ危機。ヨーロッパの経済は依然として厳しい局面が続いている。1999年からユーロ通貨が導入され、2002年から流通が始まった。スタート当初は、ユーロの明るい未来がよく取り上げられ、大きな話題になった。
 しかし、ユーロ危機発生により、現在、EUがこの大きな壁を乗り越えられるかが試されている。

 今回のユーロ危機の問題は何か。それは、経済危機に陥った国の信用問題が大きくなったことが挙げられる。
 国のお金のやりくりが厳しくなり、「借金の返済ができなくなるのでは」という投資家からの不信感が高まった。つまり、投資家が国の借金である国債を買わなくなれば、政府がお金を調達することはできなくなり、資金繰りは絶望的になる。これが、ギリシャで起こり、大混乱になった。政府債務の危機は、その国債を多く保有する銀行の資産問題にもつながり、スペインやポルトガルにも飛び火し、現在はキプロスへと広がった。ユーロ圏主要国は資金繰りに窮した国の支援に追われる状態に陥った。

 ただ、問題はEUの北と南が対立する関係だ。危機に陥るのは経済基盤が脆弱な南欧で、北欧が南欧を支援するという形になりがちだ。しかし、北欧は南欧に財政規律を高める緊縮財政を要求し、その要求をクリアしなければ支援は厳しいと迫る。
 しかし、南欧は疲弊した状態から、さらに財政規律を高める緊縮財政で景気は冷え込み、国内で大きな不満が発生し、国民の反発が大きくなるという、悪循環にもなる。

危機に陥った場合の対策(取り決め)がなかった

 ユーロ導入当初から懸念事項としてあがっていたことが、今、問題として浮上してきた。それは、「経済危機になった場合にどう対応するか」ということだ。
 ユーロ導入前は、各国政府・中央銀行などが危機に対する独自の対策や対処を打ち出した。しかし、ユーロ導入後は、対策や対処はEUで決める必要があるため、各国それぞれが独自の対策・対処ができなくなった。こうした危機が問題になったが、対応策を決めてこなかったため、支援される側と支援する側の衝突が起こった。
 その結果、ようやく昨年秋に、救済基金である「欧州安定メカニズム」(ESM)を設立。これには、放漫財政を防ぐために、ユーロ圏各国が相互に監視を強めることも盛り込まれた。

 まだまだヨーロッパの経済状況は厳しい状況が続いている。問題はヨーロッパだけではなく、この問題は世界的な影響力を持っていることだ。EUの経済圏は大きく、そのEUが倒れれば、アメリカや日本、アジアにも影響するだろう。
 ESMが動き出して終わりではなく、EUの体制改革が必要なことは突き付けられたわけだ。その改革の動きを「どう進めていけるか」が今後の動向に大きく影響してくる。

参考資料

・「初歩からの世界経済 ② ユーロ くすぶる火種 「強固な通貨」へ試練続く」
(日本経済新聞 2013年4月2日(火))

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