中国のグローバル・コモンズに挑戦する動きにどう対応していくのか

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 グローバル・コモンズ(グローバル公共領域)とは、諸国が自由に利用できる領域を指す。これには、海洋、大気圏、宇宙空間などがあるが、近年、サイバー空間が追加された。
 このグローバル・コモンズはこれまで、船舶の発達とともに海洋にルールができ、続いて、航空機の発達により大気圏、人工衛星が実際的目的に利用されることになったことで宇宙空間のルールが出来上がっていった。そうしたルールが、慣習法や国際法につながり、今日のグローバル・コモンズになっている。
 そして、最近、サイバー空間のルール化が展開されており、規制しながら利用の自由を確保することが必要だと、条約はまだできていないながら、ルール化が進められている。

 こうしたルールは完全ではないものの、国際的なグローバル・コモンズとして展開しされている中、これに挑戦する動きが出てきている。
 世界経済の第2位に躍り出た中国。世界的にも大きな存在感を強めると同時に、その中国の動きが活発になり、周辺諸国との衝突が問題になっている。尖閣諸島問題は日本でも大きな話題となっているが、東南アジア諸国やインドなどとも領土問題が深刻になっている。
 これまで展開していたグローバル・コモンズに反する動きもあり、世界的な影響をもたらしている。

宇宙空間やサイバー空間でも目立つ中国の動き

 宇宙空間における動きも問題になった。2007年1月、中国は予告なしに古くなった自国の気象衛星を地上から弾道ミサイルで破壊する実験を行い、成功させた。これは、中国がアメリカの衛星や有人宇宙船を撃墜できる衛星攻撃兵器(ASAT)を持つことになったことを意味している。
 アメリカはソ連とともに、1985年に宇宙空間での衛星攻撃兵器の使用を禁止することに合意した。これが、その後のルールになった。つまり、このルールに反する動きにつながる動きを中国が見せた形になったのだ。

 そして、最近ではサイバー空間の動きが深刻になっている。世界的にサイバー攻撃問題は広がっているが、その攻撃対象になりやすいのがアメリカだ。中国は否定しているが、中国からの攻撃(が多い)ということが強くいわれている。
 そうした結果、アメリカは2011年7月、サイバー軍事戦略を発表し、サイバー攻撃には軍事報復をする方針を打ち出した。

 海洋、大気圏、宇宙空間、そして、サイバー空間のこれまでのルールに反したり、変える動きが出てきており、問題になってきている。
 これまでのルールに反する動きは、それだけ衝突問題が発生し、不安定要因につながる。これまでのルールにも問題点はあるだろうが、こうした挑戦の動きの背景に、責任ある立場を持っているかが問題だ。
 覇権争いの面も濃厚で、欧米対中国、特にアメリカ対中国の争いに発展しており、それが支配力争いの面につながっているため、周辺諸国、世界各国で、中国の動きに警戒感が高まってもいる。

 今後の中国の動きにより、世界各国、特に周辺国は振り回されることが多くなりそうだ。しかし、経済面でも中国のとの結びつきは強いため、うまく付き合わないと悪影響が大きくなる。
 グローバル・コモンズといった国際的なルールをどう適用していくか、どう順守していくか、どう世界的な適切なルールに発展していくか。ここに挑戦する動きが、支配力争いという悪い面の挑戦となることを抑えないといけないだろう。

【参考資料】

・「拡大する安全保障領域をどう考えるか」
(外交 VOL.11)

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