ドイツのエネルギー問題はどうなるのか?(下)

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 再生可能エネルギーによる発電は注目されており、実現に向けた取り組みが拡大している。ただ、現状では再生可能エネルギーの環境はまだまだ確立できていなく、電力インフラやシステムなどを構築するためには、補助金などといった支援が必要な状況だ。先ほど(())も挙げたとおり、自然(天気や気候)の変化で発電量が変化する。つまり、発電量は自然頼みの状況といえ、立地や気候、天気などの条件が良ければ発電量も高くなるが、悪ければ低くなる。
 それでも、再生可能エネルギーを普及させるため、取り組まなければ進まない。そこで、ドイツでは再生可能エネルギー法(EEG)を導入した。これは、一般家庭などが太陽光などで発電した電力について、地域の電力会社に買い取りを義務付ける法律だ。もし、買い取り価格が欧州電力取引市場の価格を上回った場合、差額を国民や企業が負担するという仕組みとなっている。
 これにより、再生可能エネルギーへの注目度を高め、投資向上、技術向上を図り、最終的には、これまでのエネルギー供給に替わる土台となることを目指している。つまり、再生可能エネルギーの環境整備を整え、整備して、事業を成り立たせようとしている。

ドイツの再生可能エネルギーへの取り組みが失速

 しかし、今、その再生可能エネルギーへの取り組みに、疲れが見え始めてきている。
 2000年に導入されたEEGでは、地域の電力会社は太陽光で発電した電力を無制限で買い取らねばならない。つまり、再生可能エネルギーが普及し続ける限り、コストは青天井で増えていくわけだ。
 しかも、割高な太陽光発電の急速な普及のため、負担金はここ数年で急増。その負担金の急増は国民の負担につながり、国民や企業が負担金の増加に不満を募らせている。
 そして、ドイツは今年1月、EEGの見直しに動き出している。家庭や企業の電気料金に上乗せしている普及コストの負担金の引き上げを2年間凍結するとか、負担金が際限なく増える現行制度を抜本的に見直すといった動きが進められている。

 もちろん、この見直しに反対の声も。それは再生可能エネルギー設備業界だ。近年、再生可能エネルギー関連市場は、中国勢などとの価格競争が激しくなっている。厳しい競争の中、制度が見直されてしまえば、さらに厳しい状況に追いやられる可能性が高いからだ。

 再生可能エネルギーの環境をつくっていくためには、電力供給の安定やコストの削減、負担する度合い、環境問題、そして、環境・システムの構築を実現し、事業として成り立たせることなどをクリアしないといけない。
 これらがクリアされなければ、既存の発電の代替になるのは厳しい。だからといって、それに替わるものはなかなか出てこない。これまでの動力源にはリスクとデメリットが大きく、それによる反発は大きい。

 ドイツは脱原発に舵を切り、国民も原発の手段には反対姿勢だ。しかし、再生可能エネルギーの取り組みに対しての負担も厳しくなっている。ドイツが抱えるエネルギー問題がこうした形で垣間見える。
 日本も同じような問題を抱え、ドイツの苦悩は、今後の日本にも課題として突き付けられている。ドイツのエネルギー問題の行方は、日本としても気になる動向となる。

終わり

参考資料

・「独、再生エネ普及 正念場 増える負担金、国民に限界 制度を抜本見直しへ」
(日本経済新聞 2013年1月30日(水))

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