イスラエルのイラン空爆はどうなるのか?(上)

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 イランの核開発問題が依然として続いている。EU(欧州連合)やアメリカはイランの核開発問題に対し、イランとの話し合いを模索したり、様々な制裁を加える動きに出た。イランへの制裁はイラン国内に影響を与えているといわれるが、肝心の核開発問題は対立を続けたままだ。
 これまで、EUやアメリカによるイランへの警告に対し、イランは対決姿勢を強めたり、話し合いに応じたりと、駆け引きを繰り広げている。特に、危機的な状況になったのは、EUが制裁の動きを見せ始めた頃、イランがホルムズ海峡封鎖をほのめかした時だった。ホルムズ海峡は、世界のエネルギー資源(石油など)の運輸ルートにもなっており、大きな影響を持っている。そのため、封鎖ということになれば、世界のエネルギー市場に大きな影響を与えることになるだろう。
 幸いなことに現在、ホルムズ海峡封鎖は実現していない。しかし、イランの核開発問題は依然として残ったままで、その対立は続いている。そして、今、危機的な状況に陥りつつある。

 イランの核開発問題は戦争や紛争といった危機的状況につながる可能性が高い。そのイランの核開発問題に対して、イスラエルの動きが強硬姿勢になってきている。過去、イスラエルは過去のイラクやシリアの原子炉をそれぞれ空爆した時のように、イランの核開発施設を空爆し、核開発の動きを止めようとしているためだ。
 そこで、イスラエルのイランの核開発阻止のための空爆への動きが今、注視されている。イスラエルは空爆を実行にうつすとほのめかし、その空爆の同意を国際社会(特にアメリカ)に暗に求めている。
 それでは、イランの核開発施設への空爆はどのような影響をもたらすのか。
 イランの核開発が成功すれば、イスラエルにとってもイラン周辺国にとっても脅威になる。そして、世界的な問題にも発展するだろう。そのため、イスラエルはイランの核施設を空爆し、核開発を遅らせようとしている。
 もし、イスラエルが空爆を行えばどうなるのだろうか。
 イスラエルは1991年にイラク、2007年にシリアの核施設に空爆を行ったことがある。その時は、イラクやシリアともに報復攻撃は行わなかった。もしかすると、イランはイラクやシリアのように、報復攻撃を試みないかもしれない。

イランの報復攻撃はどのようなものになるのか

 その反対に、イランは報復を試みるかもしれない。その場合、大量のミサイルを撃ち込んでくるかもしれない。イラン、あるいはヒズボラやハマスによるミサイルやロケットによる攻撃、あるいは、国外のイスラエルの資産やユダヤ人コミュニティをターゲットにしたイラン人あるいは傀儡勢力によるテロ攻撃が発生するかもしれない。ちなみに、ヒズボラの能力は2006年のレバノン紛争で、大量のロケットをイスラエル国内に打ち込める能力を持っていることがわかっている。
 ただし、9・11以降の世界規模でのテロ対策が強化されたことで、テロ攻撃を試みるのは難しくなっている。それでもテロ攻撃の可能性はある。そこで、イスラエルへのテロ攻撃や報復攻撃への体制・対策はどうなっているのだろうか。
 イスラエルは2006年のヒズボラとの紛争以降、国内の市民防衛体制を強化してきたという。しかし、イスラエル市民の4分の1がロケット攻撃を耐え忍ぶためのシェルターを保有していないことや、化学兵器対策に必要なガスマスクも人口の60%に支給できる程度しか備蓄されていないなど、市民防衛体制でできることはまだ数多く残されているという。

(つづく)

【参考資料】

・「イスラエルのイラン空爆後、何が起きるか」
エフード・エイラン(前イスラエル政府官僚)(FOREIGN AFFAIRS REPORT 2012 NO.4)

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