クラスター爆弾の不発弾問題の今後の行方

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 爆弾の中に大量の子爆弾があり、その爆弾が発射されると中の子爆弾が拡散し、広範囲に爆撃を加える「クラスター爆弾」。しかし、中には子爆弾が爆発せず不発弾となる場合がある。その不発弾となった子爆弾が地雷のような役割になり、不発弾がある地域では人々が活動することができなかったり、知らないうちに不発弾のある地域で活動していて、不発弾の爆発に巻き込まれてしまうなど、戦争後や紛争後にも人々に大きな被害をもたらすことが問題になっている。
 このクラスター爆弾の不発弾問題が深刻になり、世界中でクラスター爆弾を禁止しようとする動きがあったのは数年前のこと。この動きは地雷を禁止する動きと似ており、その成果をクラスター爆弾にもつなげようとしている。地雷禁止の動きは結果的に成功した。その地雷禁止成功の背景は、結果的に地雷を使用すれば、国の威信にも関わる影響になるため、地雷を使用しない動きになった。
 しかし、今回のクラスター爆弾もその影響力を目指したが、なかなかその結果には厳しい壁があった。肝心のアメリカがこれに全面的な賛成ではなく、批准していないからだ。結果、クラスター爆弾は保持する方向のままの状況になっている。

クラスター爆弾禁止への日本の動き

 それでも、クラスター爆弾禁止への動きは「クラスター爆弾禁止条約」となって動き出している。そして、持っているクラスター爆弾を廃棄する取り組みが進められている。このクラスター爆弾禁止条約だが、原則として批准から8年以内の廃棄を定めている。
 日本は当初、クラスター爆弾禁止には距離をとっていたが、禁止に賛成することになった。そして、日本は今、積極的な動きを見せている。日本のクラスター爆弾の期限は2018年8月だが、これより約3年半早い2015年2月までに完了を目指すという。
 日本のクラスター爆弾は4種類で子爆弾にして約202万発になるという。そのうち、ごく一部は昨年、北海道で処理したが、大部分の廃棄はノルウェーの会社と契約し、来年5月頃からノルウェーとドイツの廃棄処理場に運び、順次処理して、2015年2月までに完了するそうだ。ちなみに、ドイツは2015年末に完了、フランスは廃棄期限を示していない。
 ただ、課題もある。クラスター爆弾禁止条約の批准国で8年以内の廃棄義務を負う国は19あるが、技術や資金面で廃棄作業が滞る国もある。

 このクラスター爆弾禁止への動きは、肝心のアメリカは批准していない。それにはクラスター爆弾に替わる兵器がないことが大きな要因となっている。ただ、不発弾問題は深刻とは受け止めており、その対策としては不発弾になる確率が低い、最新のクラスター爆弾を保持するという姿勢だ。
 このようなことから、地雷禁止のように結果的に使用しないという状況にはなっていない。現在も世界で起きている戦争や紛争に、クラスター爆弾が使用されているという例、疑いが多く発生している。しかも、それには不発率が低い最新のクラスター爆弾だというわけではない。
 未来の世代・時代に、大きな問題を残すクラスター爆弾の不発弾の種は、現在もまかれており、今後もまかれる可能性は大きく残っている状態だ。

【参考資料】

・「日本、廃棄3年半前倒し クラスター爆弾 独仏に先駆け」
斎藤義彦(ブリュッセル)(毎日新聞 2012年10月9日(火))

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