無人機戦争突入

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 戦争のあり方は日々、変化している。最近の傾向は、人間を乗せない無人機が目立つようになってきた。
 その無人機は当初、偵察用として登場したが、今ではミサイルを搭載したものも。無人機の開発はアメリカ以外には、イギリス、カナダ、トルコ、スウェーデン、ロシアが力を入れていた。これが2009年時点。
 現在はどうかというと、さらにインド、パキスタンなど、少なくとも40数カ国が無人機の製造や購入、配備を開始しており、パリ航空ショーなど、世界中の兵器見本市では多数の国が自国の試作機や新型機を紹介しているほどになった。
 こうしたことから、多くの国が無人機への注目が高まっていることが分かる。その中でもアメリカの無人機は最先端を走っている。アメリカは数10億ドルを無人機の開発につぎ込み、軍事戦術・戦略・政策上に影響を与えてきた。今後も無人機の環境に力を入れていくとみられる。
 そうしたことから、無人機分野ではアメリカが優位に立っている。しかし、2010年の無人機に対する全世界の投資の3分の2は、アメリカ以外の国の資金で占められるなど、中国やイランなどの攻勢も激しくなっている。
 無人機を操るパイロットは、遠い安全な場所にいるため、撃墜されるなどといった死の危険がない。機体のコストは高いものの、人的負担の軽減につながる。さらに、熱を発しない電池駆動の超小型無人機も開発され、従来の熱追尾式ミサイルでは迎撃は難しいものも。パトリオット・ミサイルで可能だというが、1基300万ドルと高コストになる。無人機の技術向上は日に日に高まっている。

大きな脅威になる無人機

 注目が高まる無人機だが、その分問題も。問題になりつつあるのが、この種の技術は民間市場で買える技術が既に相当あり、手頃な値段で簡単に入手できるというのだ。つまり、いずれ無人機が好ましくない勢力の手に渡るかもしれないということだ。具体的にいうとこういうことが……外国がロボット工学の分野で自国の脅威となり、テロ組織が自爆テロ志願者の代わりに無人の機械を使って殺傷能力の高い爆発物を運搬する――といったことだ、
 アメリカの無人機を取り入れたシステムが優位に見えるが、無人機を取り入れたシステムやアイデアは他の勢力にも可能性があり、それがテロリストなどにも可能性があるということだ。自前の衛星とスーパーコンピューターのネットワークがなくても、無人機のシステムを構築。米空軍の研究によると、テロ組織が最も入手しそうな大量破壊兵器――つまり、放射性物質や生物・化学兵器を搭載した汚い爆弾の「理想的な運搬手段」になり得るという。
 軍事技術・テクノロジーの世界では先行開発者の優位が続くとは限らない。イギリスは第一次世界大戦中に戦車を発明したが、20数年後に機甲部隊の雷撃戦で戦車を巧みに利用したのはドイツだった。
 これらのような無人機の脅威が挙げられるが、果たしてどうすればいいのだろうか。今後の無人機市場は目を離せない分野になるため、無視することはできないだろう。
 そのため、多くのライバル国と同じようなロボット工学の国家戦略が必要で、大学院生への奨学金、研究施設への資金援助、シリコンバレー型の産学連携事業の強化が求められる。
 さらに、自分達が無人機をどう使うかだけでなく、敵がどう使うかを考慮した軍事・国土安全保障上の戦略が必要になり、幅広い脅威を想定した計画が必要になり、この危険な技術に接触できる人間を限定するための法整備も必要になってくるかもしれない。
 無人機は今後、どのような進展を見せるのだろうか。考えられるのは、人間が無人機を遠隔操作せず、プログラムによって攻撃させる――ミサイル発射の判断を、機械・プログラム任せになるかもしれない。ゾッとする話だが、さらに不安なのが、それが暴走したらどうなってしまうのだろうか。映画「ステルス」のようなことが現実になり、映画のようなエンドになるとは限らない。バッドエンドということも……。

【参考資料】

・「未来の戦場は無人機だらけ?」
(Newsweek 2009.7.15)
・「無人機の「拡散」が生む脅威」
ピーター・シンガー(米ブルッキングズ研究所)(Newsweek 2010.3.31)

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