中国の時代はまだ来ない

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 世界第2の経済大国になった中国。その中国への目は様々だ。今後も勢いは続くとか、深刻な問題が生じ始め、勢いは衰えていくとか。しかし、今でも世界の中で勢いがあることには変わりはない。
 中国の勢いは拡大している中、その中国の行いは周辺国、世界に不安を抱かせている。経済の拡大に伴い、軍事力も急激に拡大。そして、主張も強まっている。経済力・軍事力の拡大により、その影響は大きくなり、中国との関係はこれまで以上に緊張状態が大きくなっている。
 中国はさらなる経済発展のため、エネルギー資源の獲得に躍起になっており、その対象を外国に大きく求めている。そうしたことから、中国は周辺国といった外国への影響力を強めているが、その反面、外国とのトラブルも生じている。
 軍事力の拡大は、世界的にも大きな懸念材料になっている。経済も非常jに大きな存在になっている中国だが、それだけ大きな存在になった中国の行いは、自国の利益の追及ばかりが目立つ。大きな影響力を持つ存在には大きな責任が伴うが、その責任を担っていないように、担おうとしないような行動が目立つからだ。つまり、国際会議には出席するが、目立つことは避け、国益保護に努める。大国の責任といったリーダーシップを発揮しないのだ。
 そうしたことから、実質的に大きな存在の中国だが、国益追及による外国への影響はトラブルを生じさせるきっかけになり、大きな不安につながっている。

中国が抱える中国国内の悩み

 中国の外国への存在感の大きさは、中国国内の中国が抱える不安のあらわれかもしれない。
 2009年上半期に中国の銀行は、将来的に不良債権化しかねない約1兆2,000億ドルもの融資を行った。国有企業は融資された金の大半を不動産や株式投資に回し、事業拡大に走った。これに対し、不良債権の恐れがあると予測の声もあったが、中国政府は融資を止めようとしない。なぜなら、成長を維持できないことが露見するのを恐れたためだという。
 しかし、この問題は将来に大きな傷を残すことになるかもしれない。投資重視の景気刺激策は、経済の不均衡をさらに増大させた。工場などの生産拠点は新たに生まれたが、消費者の購買力は向上しなかった。経済格差は大きくなり、社会問題化につながっていく。
 銀行のずさんな融資は、ほとんど国有企業に向けられ、効率の悪い巨大な国有企業は、さらに事業を拡大。一方、その大盤振る舞いの恩恵にあずかれなかった民間企業はその陰で犠牲になっているという。
 世界経済が好調な時は、アメリカが中国の製品を大量に買っており、中国の輸出部門は2桁成長を続け、経済成長の4分の1近くあった。しかし、それは過去の話で今は通用しない。
 低賃金といったローコストの魅力の中国市場は経済拡大により、賃金は上昇。これまでのやり方が通用しなくなってきている。これらの変化に対応するためには、痛みを伴う改革が必要になってくる。
 今年は中国のトップの交代という重要な年で、さらなる安定を政府は求めている。しかし、こうした経済・社会問題を抱えており深刻だ、それらの問題に加え、心配の種は多い。
 各地で反政府暴動や抗議デモが増加していること、汚職の蔓延、権力闘争など。他にも、豊かな資源がある内陸部での少数民族の分離独立運動、チベット問題などなど、中国国内の中国が抱える問題が、外国との関係に影響を与えることにつながっているのかもしれない。

【参考資料】

・「中国の世紀がまだ来ない理由」
ミンシン・ペイ(米クレアモント・マッケナ大学教授、中国専門家)(Newsweek 2009.12.30/2010.1.6)

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