中国が抱える社会問題

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 中国は農村の膨大な労働力を武器に、安い製品を海外に輸出し、経済規模を拡大してきた。経済の拡大は中国の社会に大きな影響を与えた。中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した2001年時点の農村人口の比率が6割強だったのに対し、2011年の都市人口の比率は51.3%になった。つまり、都市人口が農村人口を上回ったということだ。
 中国の経済発展により、中国内の人口移動も激しくなった。農村から都市へと移る人々の数は多くなり、都市部の人口は急激に拡大。しかし、そうした結果、問題が生じている。
 まずは、「ネズミ族」と呼ばれる人々。「ネズミ族」とは、地方から来たが高額の家賃を払えず、地下室に密集して住む貧しい人々のことで、家賃は月1万円以下で、狭い部屋だと数平方mしかないという。
 次に、医療問題。小児科の予約が取れず、病院で医療を受けるために、長時間外で並ぶという。もし、予約が取れても、病院内は患者で一杯で、院内感染・二次感染の危険がつきまとう。
 この他にも、教育、交通渋滞などといった様々な問題が生じている。

新たな成長モデルと新たな弊害

 中国のこれらの問題の解決に暗雲となっているのは、中国のこれまでの経済政策が通用しなくなっているためだ。つまり、これまでの成長モデルは賃金の上昇で限界がみえてきたためだ。
 そこで、今度は製造業だけでなく、消費市場の強化に向かっている。中国市場を狙う海外の大手小売など世界の流通企業の中国への進出が目立っているという。それだけ、ますます都市化が進展する方向になり、その弊害が目立つようになる。
 さらに、中国に影を落としているのが、人口の問題だ。一人っ子政策の影響もあり、人口のバランスが崩れ、その影響が出始めているため、今後、さらにこれまでの成長モデルは厳しくなる。
 中国の経済拡大は現在でも目を見張るものだが、その勢いは永遠には続かない。続々と問題は生じてきており、その対策を打っていかなければ、中国も低迷する日がはやくくるかもしれない。

【参考資料】

・「けいざい解読 中国の都市人口 過半数に 消費拡大 社会の安定カギ」
吉田 忠則(編集委員)(日本経済新聞 2012年2月12日(日))

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)