中東の危機 イランの核問題(4)

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 イランの核開発問題で、欧米諸国の経済制裁はイランを苦しめているという。通貨リアルの相場は暴落し、国内では外貨不足に拍車がかかっており、闇市場の対ドルレートは大きく下落したという。しかし、一方で欧米への挑発は過激になっている。
 イランが核を持つことには反対だが、この展開に有利になりそうな国もある。それはサウジアラビア。万が一、イランがホルムズ海峡を封鎖したり、イランへの経済制裁により、世界的に原油が不足しても、サウジアラビアが補うという行方になりそうだ。今後のエネルギーの展開にカギを握るのは、サウジアラビアになりうそうだ。

3つのシナリオ

・イランが原油の輸出先を失い国際市場で原油が不足すれば、価格が上昇し、サウジアラビアをはじめOPEC諸国は、生産能力の上限近くまで増産する大義名分ができる。そして、先進国と東アジアから湾岸諸国に資金が流れ込む。
・イランがやけを起こしてホルムズ海峡を封鎖しようとすれば、原油価格が高騰してサウジアラビアの懐が潤う。さらに、イランは湾岸諸国の原油供給に依存している中国や日本、インドも敵に回すことになる。彼らもイランに対する軍事行動を認める可能性が高くなり、アメリカは速やかに応じ、イランの核開発は大きく後退する。
・イラン国内で本格的な反体制運動が起きる可能性もある。今回は都市のリベラルなエリート層だけでなく、経済の悪化で行き詰った商人や貿易商も加勢することになるだろう。イランが内向きになれば、湾岸諸国はイランの宿敵であるサウジアラビアを頼るようになる。

といったシナリオが想定される。ただし、サウジアラビアはイランの核保持を望んではいないだろう。
 イランとの敵対関係はイスラエルだけではなく、サウジアラビアとの関係もある。核開発が成功してしまえば、サウジアラビアも核開発へと進む可能性は高く、中東諸国の核開発競争も激しくなり、不安定になっていくだろう。
 状況の緊迫化は、時として有利に運ぶ要素もあり、サウジアラビアのように、状況を自国に有利に運べることもある。ただし、想定外の出来事もあるから、今後もイランの問題は安心できない。

(続く)

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