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人口問題 インドの慣習「ダウリー」が与える影響
- 2012-04-02 (月)
- アジア(社会)
インドと言えば中国に次ぐ人口の多い国であり、目覚しい経済発展を続けているというイメージがあるだろう。2011年に行われた国勢調査(速報値)によると、人口は12億1,000万人。
そのインドに「ダウリー」という慣習があり、社会問題になっている。「ダウリー」とは、男女が結婚する際、女性側の家族が男性側の家族に渡す「持参金」のことである。持参金と言うとお金をイメージするかもしれないが、家財道具や自動車、不動産関係も当てはまる。この持参金の交渉が熾烈さを極めており、女性側の家族の家計に大きな負担を与えている。女性側の家族のその後の生活にも(男性側の家族のその後の生活にも)大きく影響してくるため、その交渉は一家の存亡をかける攻防となっており、交渉が決裂の場合は縁談は破談となってしまう。
この「ダウリー」はもともと、上位カーストの習慣だったが、下位カーストが自らの地位向上を図って模倣する「サンスクリット化」という現象により拡大。現在は法律で禁止されているにも関わらず、より過剰化しているという。
「ダウリー」は家族にとっては、その後の生活に大きく影響するため、それぞれの家族計画にも影響してくる。「ダウリー」が与える影響により、男児が望まれる傾向が強く、技術の進歩がこれを後押しする傾向になっている。出生前に性別が分かるようになり、女児と分かると堕胎を選択する家族が増えているという。インドでは医療機関が超音波診断の結果を家族に伝えることを法律で禁止されているが、出生前診断は闇ビジネスとして成立しているという。
この問題が一つの要因となり、インドの人口に問題が生じている。
少しずつ女性の環境は改善に向かってはいるが…
近年、インドの人口増加率は鈍化傾向にある。6歳以下の児童人口が前回から500万人減って1億5,880万人になっており、男児の割合を100とした場合、女児の割合が92.7から91.4へ下がっている。
つまり、インドの人口増加は、医療や公衆衛生の改善によりもので、出生率は減少傾向にあるということだ。
これが何を意味するかと言うと、インドも将来、少子高齢化に悩まされると言うことだ。現在も未婚男性が増加する現象が起こっている。
インドにこのような問題が生じており、女性環境の課題があげられる。ただ、前進していることも。医療技術、教育、生活の質の全般的な進歩により、女性の人口比率は、男性100人に対し、10年前の93.3人から94人へ増加。女性人口は18.1%増えて5億8,650万人に達しており、女性の識字率・人口が大幅に増加しており、女性の社会進出が拡大している。
全体的に見ると女性の人口比率が増加しているが、女児に限定すると減少傾向にあるということだ。この人口比率の偏りは、今後の人口問題に影響し、経済といった分野にも影響を与えるため、ないがしろにできない。
【参考資料】
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人口問題 中国が抱える課題
- 2012-03-26 (月)
- アジア(社会)
中国の勢いに強い眼差しを送る世界各国。欧米、日本などでは経済危機による緊張の真っ最中だ。そんな中で、中国といった新興国の行為が注目される。軍事拡大から経済拡大まで、様々な分野で中国の行いは注目されるわけだが、中国にも様々な問題が山積みされている。
経済発展に伴うエネルギー問題にしても人権問題にしても、大きな課題とされているが、その中でも人口問題は今後、中国の行方に大きな影響を与える要素になってくる。
1970年代から中国では、人口増大の問題対策として、人口を抑制するために「一人っ子政策」という生育計画を行ってきた。この背景には、50年代のベビーブーム及び60年代に毛沢東の進めた多産化政策の弊害があった。
それでも、しばらくは人口の増大は続きそうだ。中国の人口は2039年頃まで増加し、ピーク時には最大で16億人に達するという。ある推計には、2033年に15億人になるという。
問題は人口の増加だけではない。中国では男の子をありがたがる傾向にあり、一人っ子政策により男女の比率に異常が出てきているそうだ。深刻な問題となっているのは、女の子の場合、捨てたり売ったりする行為が横行しているともいう。
このことから、19歳以下の男女の人口比は、女性が2,377万人少なく、2020年までに結婚適齢期に達する男性が女性を2,400万人上回っており、1,000万人以上の男性が結婚できないという予測もある。
少子高齢化に、経済への影響
そして、もう一つ問題がある。それは世代別の人口比だ。毛沢東の多産化政策化で生まれた世代が多くなり、人口比の中で若者より多くなっていくということだ。つまり、日本以上の高齢化社会を迎えるといわれる。高齢化率(65歳以上)は2072年まで25%を割ることはなく、ピーク時には45%を上回り、若者一人が老人一人を養うということになる。
さらに、中国に襲いかかる問題がもう一つ。これらの人口問題の影響は経済に大きく影響する。
これまでの中国は農村から都市へ労働力が供給されているという流れになっていた。しかし、それも滞りがちになり、労働者の賃金が上昇していく可能性が高い。これはつまり、産業の構造転換期に差し掛かったことになり、外国からの投資が急減する可能性を孕んでいる。
中国の経済は現在、世界的に大きな影響力を持っている。中国の経済発展は、日本から見るとうらやましくも、どこか疎ましく思うこともあっただろう。しかし、今は中国がつまずくことになれば、日本にも大きく影響してくるのが現実だ。
中国の今後の大きな課題は、先進国、日本も抱えている問題だ。それに、日本の人口問題の解決策は芳しくない。中国は人口問題に対して、どう対策を練っていくのだろうか。
【参考資料】
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中東の行方 中東の原油
これまで世界のエネルギー事情は原油が重要な要素を担ってきた。それらは私達の生活の土台を担う存在でもあり、移動手段である自動車や飛行機などの動力源にもなってきた。
今後、エネルギー源の多角化は進んでいくだろうが、まだしばらく原油の存在は大きいままの状況が続きそうだ。
その原油の供給源として、中東地域は大きな存在である。最近、イランの核開発問題で、ホルムズ海峡封鎖による混乱は、それだけ中東に依存していることを賑わしている。中東・北アフリカの原油問題は世界的な影響に発展するため、中東情勢の緊迫化は深刻なものになる。
原油の供給源として、一般的にはサウジアラビアがあげられることだろう。しかし、サウジアラビアの原油の質はそれほどいいものではないそうだ。それよりいいものは、リビアだという。つまり、リビアとサウジアラビアの原油はイコールではないといえる。
リビアの石油は高品質で、原油の多くは軽質油か硫黄分の少ないスウィートオイルで、石油やディーゼル燃料などの需要の高い石油製品へと簡単に精製できる。世界で算出される原油の中で、これに匹敵する高品質の原油は全体の25%に過ぎないとされ、リビアの石油はこのうちの9%を占めているという。一方のサウジアラビアの原油は重質油か硫黄分の多いサワーオイルで、リビアの原油の完全な代替機能はないという。
リビアの質はいいが、「アラブの春」革命といったことで、供給は不安定になるなど、世界に与えるエネルギー問題は大きな課題になっている。サウジアラビアが厳しい供給となっている分を補助する形になっているが、それも疑問符がついている。サウジアラビアの原油供給の余剰が果たしてあるのか、供給するパイプラインをきちんと管理できるのか、ということだ。つまり、不足分を補助できる余裕があり、パイプラインがテロやトラブルに巻き込まれないようにできるのか、といった疑問符がついて回る。
産油国と消費国のゼロサムゲームの悪循環
これまで、原油を供給する側と供給される側も互いに調整しながらも、関係は固いとはいえない経過を辿ってきている。原油価格はゼロサムゲームになり、価格の上昇は消費国を犠牲にする形で産油国の利益となり、価格の低下は産油国を犠牲にする形で消費国の利益になる構図が生まれ、互いがそれぞれの行動を疑うようになった。
供給する側としては、強権体制を国内に強いているかわり、国内の不満をエネルギー消費コストを安くするなど、大盤振る舞いをしてきた。その結果、今ではイランぐらいが国内の原油価格を引き上げることに成功している。それに、これまで原油にかわるエネルギーの投資を怠ってきたことも、供給側の体制に懸念が生じてきている。
まだまだ原油の需要は必要になってくるだろうが、中東地域の不安定さは深刻な状況と隣り合わせ。エネルギー源の多角化はますます重要になってくる。
【参考資料】
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中東の危機 イランの核問題(5)
イランの核開発問題は依然として続いており、経済制裁、ホルムズ海峡封鎖など、一触触発の状態にある。
今すぐにイランが核を持つことにはならないが、欧米諸国とIAEA(国際原子力機関)によれば、核兵器の製造には着実に近づいている。イランは、中部ナタンズにある1つ目のウラン濃縮施設で濃縮度約20%のウラン製造を大規模に進めており、09年に存在が明らかになった中部フォルドゥの第2のウラン濃縮施設でも最近、濃縮度約20%のウラン製造を始めたという。核兵器の製造には90%の濃縮が必要になってくるが、20%の濃縮に成功していれば、技術的にはいずれ90%濃縮も可能になる。ただし、兵器として用いるには、20%の濃縮ウランでも兵器化できるという声も。
これまで、欧米諸国やIAEAからの追求に対して、イラン指導部は隠蔽と開示、協力と挑発を繰り返してきた。そして、今回、バラク・オバマ米大統領は2010年に圧力強化へと舵を切り、昨年12月、国際貿易と原油取引の要であるイラン中央銀行に対する経済制裁に踏み切った。これに対し、イランは世界の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖すると挑発し、ヨーロッパの一部の国への原油輸出を停止した。
イスラエルとアメリカの差異
イランが核を持とうとする背景には、核を持つことにより、周辺国からの圧力の抑止力効果の他に、核の威力を背景にした自国の有利な状況を確保するということが挙げられる。しかし、敵対する関係にある国からは、それは脅威となり、特にイスラエルやサウジアラビアからは強い反発を受ける。そこで、イスラエルの動きが気になってくる。
イスラエルは自国に脅威になることに対し、これまで軍事行動に出てきた過去を持つ。81年にイラクのオシラク原子炉、07年にはシリアの核施設を空爆して、核開発を阻止してきた。今回もイランへの空爆が行われるのではとされているが、今回は難しい環境にあるという。
イランは攻撃される可能性のあるナタンズなどの核施設の防空体制をしっかりと整えており、重要施設は分散され、地下に造られている。ただし、イスラエルの動きが今、活発になっているのは、攻撃する判断は一刻の猶予がないためだともいう。
つまり、イランが今後、空爆対策をさらに強硬にすれば、イスラエルの軍事技術での攻撃で阻止の可能性が低くなるという。そのため、アメリカの協力が今後、強く必要になってくるため、(ある意味の)単独の空爆は、今後は厳しくなってくるためだ。
しかし、アメリカとしては、経済制裁といった形で圧力を始めたばかり。イスラエルが戦争を始めることは(少なくとも現段階では)阻止したい方向が強そうだ。
まだまだイランの核開発問題の決着はわからない。外交交渉が続きそうだが、万が一の可能性を考えた取り組みは考えておかないといけない。日本はどうするのだろうか。
(終わり)
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中東の危機 イランの核問題(4)
イランの核開発問題で、欧米諸国の経済制裁はイランを苦しめているという。通貨リアルの相場は暴落し、国内では外貨不足に拍車がかかっており、闇市場の対ドルレートは大きく下落したという。しかし、一方で欧米への挑発は過激になっている。
イランが核を持つことには反対だが、この展開に有利になりそうな国もある。それはサウジアラビア。万が一、イランがホルムズ海峡を封鎖したり、イランへの経済制裁により、世界的に原油が不足しても、サウジアラビアが補うという行方になりそうだ。今後のエネルギーの展開にカギを握るのは、サウジアラビアになりうそうだ。
3つのシナリオ
・イランが原油の輸出先を失い国際市場で原油が不足すれば、価格が上昇し、サウジアラビアをはじめOPEC諸国は、生産能力の上限近くまで増産する大義名分ができる。そして、先進国と東アジアから湾岸諸国に資金が流れ込む。
・イランがやけを起こしてホルムズ海峡を封鎖しようとすれば、原油価格が高騰してサウジアラビアの懐が潤う。さらに、イランは湾岸諸国の原油供給に依存している中国や日本、インドも敵に回すことになる。彼らもイランに対する軍事行動を認める可能性が高くなり、アメリカは速やかに応じ、イランの核開発は大きく後退する。
・イラン国内で本格的な反体制運動が起きる可能性もある。今回は都市のリベラルなエリート層だけでなく、経済の悪化で行き詰った商人や貿易商も加勢することになるだろう。イランが内向きになれば、湾岸諸国はイランの宿敵であるサウジアラビアを頼るようになる。
といったシナリオが想定される。ただし、サウジアラビアはイランの核保持を望んではいないだろう。
イランとの敵対関係はイスラエルだけではなく、サウジアラビアとの関係もある。核開発が成功してしまえば、サウジアラビアも核開発へと進む可能性は高く、中東諸国の核開発競争も激しくなり、不安定になっていくだろう。
状況の緊迫化は、時として有利に運ぶ要素もあり、サウジアラビアのように、状況を自国に有利に運べることもある。ただし、想定外の出来事もあるから、今後もイランの問題は安心できない。
(続く)
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中東の危機 イランの核問題(3)
イランの核開発問題が緊張状態になる中、日本はこの問題にどう取り組んでいるのだろうか。
アメリカのイランへの措置として、原油輸入を停止(縮小)が求められた。日本は完全停止は厳しいが、イランからの輸入を縮小させる対応になった。そして、そうしたエネルギー源の減少から、アメリカのLNG(天然ガス)を輸入する交渉が進められている。
ホルムズ海峡封鎖により、日本のエネルギー問題が深刻に
イランの核開発問題が厳しい状況になったことで、イランと欧米の関係は劣悪なものになった。その影響は日本にも大きく関わってきている。実際に、アメリカからはイランとの関係を見直すよう要求され、日本はその要求を受け止め、イランからの原油輸入を縮小することになった。
しかし、問題はそれだけではない。この問題でイランがホルムズ海峡を封鎖すると脅しをかけてきたことから、日本のエネルギー問題がさらに深刻になっている。現在、日本が輸入している原油の約8割がホルムズ海峡を利用しているからだ。
原油だけではなく、LNGも関わってくる。原油の約8割と比べると、LNGは約3割と低いが、会社ごとにみると中部電力では6割がカタール産のLNGとなり、輸入が止まれば発電量の4割を失うことになるという。原油は200日分の備蓄があるが、LNGには備蓄の義務はなく、電力各社には2~3週間分の在庫しかないとされる。
万が一、ホルムズ海峡を封鎖されることになれば、日本のエネルギー問題は厳しい状況になる。そこで、エネルギー資源の収集の多角化が求められている。その一つが、アメリカのLNGだ。
現在、日本は2011年に発生した3.11による原子力発電所事故もあり、国内の電力事業は厳しいものになっている。電力を原発から火力にうつっている状況で、今後は再生可能エネルギーに拡大していくことになるだろう。ただし、中東からのエネルギー資源が厳しいものになれば、こうした電力事業や自動車など、私達の生活の身近な問題にも大きく関わってくる。
ホルムズ海峡封鎖が実際に実行されるかはわからない。しかし、可能性はあるため、その対策はどうしていくのか。国内事情は震災復興で混乱を極めている中、世界の事情が重なり合って、襲ってくる。
(続く)
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中東の危機 イランの核問題(2)
今、イランを攻撃しなければ、今後は核を持ったイランと付き合っていかなければならず、中東は核のドミノ現象が起こり、さらなる不安定な問題へと発展する、という。
果たして、イランの核施設を攻撃することが、問題を改善させる方向になるのであろうか。今、イランとの外交的な話し合いが必要だという声も強い。
攻撃が成功しない恐れもある。確実に攻撃を成功させるには、イランの防衛体制を通過する必要がある。通過できない(可能性が高い)場合、防衛体制を無力化しなくてはならない。そうなれば、核施設だけが攻撃対象という段階からさらに拡大することになる。それに、攻撃が失敗すれば、イランの反発は強くなり、失敗により核開発は続行される。
イランの核施設までたどり着けたとしても、核施設が地下深くにあることも懸念材料だ。最新鋭のバンカーバスターでこれを破壊することは可能だというが。そして、これらのイランの核施設が全部、判明しているわけはないということだ。つまり、判明していない重要な核施設があれば、核開発は続けられる可能性が高い。
最悪の事態は、全面戦争
そして、もう一つの問題は、核施設の攻撃が成功、失敗に関わらず、イランが体制崩壊をも辞した反発、報復をしてきた場合だ。どこまで、イランからの報復を許容できるか。
万が一、全面戦争に陥った場合、イラクやアフガニスタンよりも手痛い状態になるということだ。イラクとアフガニスタンでアメリカはかなり痛手を負った。ようやく、イラクとアフガニスタンからの撤退が現実的になったところ。しかし、傷跡が癒えないまま、イランにということになると、今後のアメリカの情勢も厳しいものになりそうだ。それに、イランはイラクやアフガニスタンと違って、軍事的に強力だとされる。全面戦争に陥った時の代償は大きいだろう。
こうしたことから、イランの核施設攻撃は厳しいという声が強い。
現在、両者(欧米とイラン)の駆け引きは続けられている。IAEA(国際原子力機関)との話し合いをすると主張するイランだが、どこまで査察や交渉が実現するかは不透明である。その一方ではホルムズ海峡を封鎖、脅威があれば対応するという主張も見られる。
経済制裁を実施した欧米だが、イランはヨーロッパの一部に原油輸出の停止を実行し、さらにヨーロッパ全域に広める動きもある。
これらの展開は、欧米やイラン、中東地域だけではなく、アジアにも影響し、日本にも影響は及してくる。
(続く)
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中東の危機 イランの核問題(1)
中東問題が緊張している。イランの核開発問題が深刻になっており、欧米はイランに経済制裁を実施。一方のイランは原油輸出を止める措置に動き出し、ホルムズ海峡を封鎖すると脅しをかけ、中東情勢は緊張状態に陥っている。
イランはこれまで核開発の道を歩んでおり、核の抑止力を手に入れようとする動きが強いと見られる。イランはあくまでも原子力を平和的に活用すると主張しているが。問題はイランが核を持つことになれば、中東地域の核の連鎖が起こる可能性が高くなるということだ。ただでさえ、不安定な中東がますます不安定になるため、問題は深刻だ。
イランが核開発をやめる可能性は低いと見られる。イランの周辺国には敵対関係にあるサウジアラビア(スンニ派が多い)やイスラエルなどといった国がある。イランはこれまでも、周辺国との関係に緊張を強いられてきた。隣国イラクとの関係もこれまで悪かった。しかし、フセイン政権が崩壊後、イラクに影響を与える存在になり、アフガニスタンにもその影響力を広げている。中東の中でもイランの存在感が高まっており、イスラエルやサウジアラビアといった国との対立も強くなっている。
さらに、そのイランが核を持つとなれば、サウジアラビアなどが核を持つ方向に踏み出しやすくなり、それは周辺国に核の連鎖が起こりやすくなる。核の抑止力の効果はそれだけ魅力的なものにうつっている。
攻撃することの条件とは
そうしたことで今後、イランは核開発をやめる可能性が低いことから、このまま放置すればイランは核を持つことになり、これまでより不安定になっていく。そこで「今、イランの核施設を攻撃するべきだ」という声が強くなっている。
イランが核を持つことになれば、様々な問題に影響を及ぼしてくる。まずは中東情勢のバランスが崩れることだ。イランの存在感が高くなり、イラン主導の展開になっていく。これまでも不安定であったが、さらに不安定になり、欧米の介入は難しくなる。つまり、不安定な情勢を改善させるのが、さらに難しくなるということだ。それは中東地域への介入にかかるコストとリスクも大きくなるわけだ。
そこでイランの核施設を今、攻撃することで、核問題は完全ではないものの停滞、もしくは後退させ、再び問題が起こるまでに対策を練ることができる。もしかすると、イランと周辺国は核開発のリスクを考え、核開発をやめる可能性もあるかもしれない。
ただし、そこには条件が出てくる。攻撃はあくまでも核施設だけに留まり、攻撃は確実に成功させ、イランからの反撃・報復はある程度までは冷静に受け止めることだという。つまり、あくまでも核開発が問題であるということで、体制転覆を狙っていないということを明確にすることだ。
全面戦争にはならないようにするためには、上記の条件を満たすことが重要になってくる。攻撃を受けることで、反発や報復はある程度起こすことになるだろうが、自国の体制が崩壊するほどの戦争を起こす可能性は低いと見られる。欧米と全面戦争になれば、勝利する可能性は低いのが現実だろう。つまり、イランが自国の体制を崩壊させるまでに、戦争を起こそうとは思わないのではないかということだ。
今、イランの核施設を攻撃すべきか。攻撃をすべきだとする声の内容は、このような背景から主張されている。
(続く)
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人口問題 環境と人口
国連人口基金は2011年10月に世界人口が70億人を超えたという推計を発表した。先進国では人口の減少と高齢化問題が深刻になっているが、新興国ではその逆で人口増となっている。現在の人口世界一は中国。しかし、国連は今後数十年もすれば、インドが中国を抜くと指摘している。ただし、人口増は問題も生み出している。
人口問題は環境問題から食糧問題、経済問題から人権問題など様々な問題に影響している。一見、人口増は経済成長の勢いがあると見られるが、人口の規模そのものは重要ではなく、その構成が重要な点になる。
経済成長の一つの原動力となっているのは、「人口動態のボーナス」という状況である。労働者が多く、それに依存する若者と高齢者が少なければ、必然的に力強い経済が誕生する。現在のアジア諸国の多くは、これを追い風にして勢いをつけているが、20~30年でその勢いが失速すると見られる。つまり、アジアの経済成長の3分の1は経済生産に適した人口の構成が一つの要因だといえる。
人口の増大は、出生数、死亡数、移住など様々な要因に左右され、その国の環境からも影響される。そのため、適した人口の構成にはならず、「人口オーナス」という先進国が抱える問題にも陥ったり、人口増が加速し暴走したりする。
人口増が加速すればどうなるのだろうか。この12年間で10億人が増大したという。1960年代以降でみれば40億人が増加したことになる。人口増が急に拡大すれば、それに伴いいくつかの影響が出てくる。
・増加に伴った環境整備が追いつかないこと
・環境問題が深刻になること
・食糧問題が深刻になること
などが挙げられる。もちろん、この他にも影響は出るだろう。
人口が増加することによって、地球が人口増に耐えている。つまり、人口増が拡大すれば地球がもたないのではという疑問がこれまであった。ただし、グリーン革命による食糧増産などの技術革新に負うところが大きいが。しかし、人口増は環境に大きな負担をかけることにもなる。
環境問題は現在、深刻な問題となっており、地球温暖化による海面水位の上昇や穀物の生産量低下、自然災害の増加などの問題が引き起こされやすくなっている。人口が増加することで、生きていくための食糧増加が必要になるが、食糧を生産する農地が不足しているという問題が出ている。増加する人口に十分な食糧を供給するには、食糧と家畜用の飼料の生産を今後20年で倍増しなければならないというが、それは環境にも影響する。
「家族計画」と「女性」がポイントに
人口増加の対策の一つとして、自発的な家族計画が重要なポイントになってくる。途上国では、望まれない妊娠が非常に多く、その数は年間7,500万に達するという。問題は女性の地位と権利が最低限しか認められていないことだ。そこで、現状から病気や性行為への知識や、教育、識字率改善が重要な要素といえる。女性は子供を出産し、自身の健康も重要になってくる。それに、男性より家族生活を気にかける傾向にある。
こうしたことから、女性の環境を整備することで、望まれない妊娠などの防止に繋がり、適切な家族計画が進められ、人口問題改善への一つの道が示されそうだ。
ただ問題なのは今後、新興国が人口オーナス期に入れば、現在の先進国で深刻な問題となっている高齢化問題が深刻になってくる。現在の先進国の対策はまだまだ不充分であるだろう。人口が急拡大して、若年層が増えることは、経済といった勢いがつき、メリットもあるが、不安定化する恐れもある。不安定な状態を対処できなければ、政治・社会的混乱が起きやすくなる。
人口問題はいろんなところに影響する問題といえる。
【参考資料】
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人口問題 高齢化が深刻化、人口オーナスに突入
- 2012-02-23 (木)
- 社会
国際情勢、環境など様々な問題が世界中にはびこっており、それらが相互に影響する。その問題の中には、人口の問題もある。
先進国では若手の働き手が減少し、高齢者が増えるという高齢化が深刻な問題となっている。現在、勢いのあるのは中国やインドといった新興国の中でも人口問題が影響し始めている。
一般に、高齢化率(65歳以上が総人口に占める割合)が14%以上を「高齢化社会」、21%以上を「超高齢化社会」という。国連の人口推計によると、2050年までに大半のアジア諸国は高齢社会に入り、中国やタイは超高齢社会を迎えるという。
勢いのあるアジアの人口問題が深刻に
ベトナムは国民平均年齢が27歳と若い。しかし、ベトナム高齢者協会によると、2010年に全人口の9%(約815万人)だった60歳以上の人口は、2025年には18%に倍増するといい、そのペースは日本や欧米より早い。介護の需要が増加するが、民間も含めて施設の整備が進まず、さらに国の支援がないため料金も高く、高齢者の介護施設が100か所程度しかない。
韓国では、合計特殊出生率が現状に近い1.28という低水準で推移すると、2050年の高齢化率が42.3%に達するとされ、中国や香港、シンガポールも同じ傾向にあるという。台湾では、2051年の高齢化率が37%近くに上昇すると予測されている。
これらの問題から各国は対策を考えている。台湾では、年金財政の悪化を防ぐため、2008年に「国民年金保険」を導入し、これまで公務員や会社員に限っていた制度の対象を主婦や学生に広げ、財源を確保。インドでは、老人病棟やリハビリ施設を整備する政策を2010年に導入し、拡充するとしている。
こうしたことから、アジアの成長力を維持するためには、年金・社会保障制度の再構築や、他国から働き手を調達しやすいようすることが必要になってくる。しかし、アジアには所得水準の向上で未婚・晩婚化が進み、出生率が低下するという構造的な問題が広がっている。
人口問題は経済にも大きく関わってくる。そのため、問題が深刻になれば生活にも大きく影響し、悪循環に陥る恐れも高い。つまり、経済悪化がプラスになり社会保障が厳しくなる、というサイクルは、負荷が重なり破綻する。
国の人口は一般に、経済が一定の水準に達すると出生率が下がり、生産年齢人口(15~64歳)が相対的に最も大きい状態を迎える。経済成長に最適なこの状態を「人口ボーナス」という。こうした「人口ボーナス」の利点は大きい。働き手は豊富になり、教育や医療、年金など社会福祉の負担が少なくなる。政府は税収が増加し、財政負担が軽くなり、インフラ整備や税制優遇に資金を回しやすくなり、産業の国際競争力が強化され、内需も拡大しやすい。
しかし、この逆は「人口オーナス」といい、高齢化が進んで退職者が増え、年金などの社会コストが増加していく。税収は減り、内需も縮小しやすい。
先進国も日本も、そして、中国やタイなどアジア、新興国も…こうした人口問題を抱えており、今後の世界情勢、世界経済などに影響する要素を抱えている。
【参考資料】
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